2012年度の活動のまとめ

第1号議案
2012年度の活動のまとめ、2013年度の基本方針と重点課題について
2012年度の活動のまとめ
1.はじめに
2012 年度は「地域に協同の“わ”〜話・和・輪〜をひろげよう!〜「医・福・食・住」な
ど、豊かなくらしはみんなの思い〜」をメインテーマとして取り組み、事業活動と組織活
動の両面で「地域の協同」を少しずつひろげることができた 1 年でした。
4 月の診療報酬・介護報酬の同時改定に対応する為、開業医と共に在宅支援体制の強化
を図る「じきいくネット」( 用語解説【1】)を結成し、本格的な地域連携が始まりました。
経営再建に向けては、7 月に「高知医療生協経営対策委員会」( 用語解説【2】)が設置
され、全国の医療生協・民医連の仲間の支援を受け、医療や介護活動を見直す年になりま
した。この結果、入院収入の大幅な改善を中心に経常利益予算 2,710 万円を大きく超える
到達となり、事業活動での経営に対する反省と黒字化に確信を持つことができました。 組
織活動では民生児童委員や町内会、行政と連携して取り組む健康づくりの活動や見守りな
ど支え合いの活動が広がりつつあり、医療生協への期待が強まってきています。
2.2012年度の基本方針のふりかえり
(1)「協同」「連携」をキーワードに、組合員活動と事業活動を前進させる課題
①地域や団体との「協同」による健康づくりや支え合いの活動が広がりました。
②健康づくりの取り組みで行政機関との懇談や協力が広がりました。
③「じきいくネット」を含め法人内外での医療・介護の「連携」が始まりました。
(2)経営問題打開の中長期経営計画を策定し、全事業所で黒字経営を実現する課題
①「経営対策委員会」が設置され、経営改善と中長期経営再建計画策定に取り組みました。
②病院は入院を中心とした損益改善により 2002 年以降初めての経常黒字となりました。
③在宅医療・介護事業の前進もあり、法人全体での黒字決算を実現しました。
(3)「地域包括ケア」構想に対応した医療生協らしい運動と事業をすすめる課題
①民生委員や町内会との連携を含め、地域(くらしの場)での様々な活動が始まりました。
②城北診療所が休止した後の新たな事業計画の策定はできませんでした。
③城北の未来を考える 100 人委員会の活動から新たなボランティアサークルができました。
(4)医師確保と医師養成に全力をあげて取り組む課題
①4 月から四万十診療所長として佐沼医師を迎えることができました。
②医学部奨学生 2 名の辞退で奨学生 0 となり、
将来の医師確保が困難な状況となりました。
③医師確保は成果が出せず、引き続き最重点課題で取り組むことが求められています。
(5)組織活動の発展をめざし、組織体制の見直しを図り前進させる課題
①理事支部長会議を 3 回開催、支部や組織活動のあり方についての議論が始まりました。
②健康づくりをテーマに支部が企画・運営し、地域住民に向けて開催する講座や学習会の
取り組みが広がりました。
③四課題への取り組みの見直し、担い手づくりが大きい課題です。
3.2012年度重点課題のまとめ
(1)人々のいのちの平等を貫き、
「連携」と「質」を重視した医療活動と医師確保・養成
に全力をあげて取り組む課題
①医療活動の大きな進展では 2012 年 4 月「じきいくネット」を開始し、連携による 24 時
間体制の継続的な在宅医療を提供できるようになりました。旭診療所・潮江診療所で展
開していた在宅医療の繋がりと高知生協病院のポジショニング(地理的に近接だけでな
く、入院・介護も可能という利点)を活かす形で、8 医療機関で在宅療養支援のネットワ
ークができました。地域の高齢者を支えるために、地域の在宅医療を支える取り組みが
具体的に進みました。
②高知生協病院は、在宅療養支援病院(4 月)・無料低額診療事業(12 月)を取得し、地域連携
の推進や民医連・医療生協の事業所としての役割を果たしました。また、多くの医療機
関が救急受入拒否・入院受入拒否をする介護度の高い高齢者の急性期医療に積極的に対
応してきました。
③高知生協病院は、
「総合的な医療の質の向上」の具体化として 2011 年 1 月から実施して
いる「民医連 QI 推進事業」(※用語解説【3】)に新たに参加しました。
④診療所については、医師体制から城北診療所を 2013 年 4 月から休止しましたが、患者
の半数以上は旭診療所と高知生協病院に転医していただき、治療を継続しました。
ア)旭診療所は、城北診療所から約 280 名の転医があり外来患者数も増加しました。また、
城北診療所の訪問診療部門も受け入れ、在宅往診件数は 74 件となりました。外来診療単
位を調整して訪問診療単位を増やし、地域の患者さんや介護事業所からの要請に対応し
信頼を得ながら件数を増やしてきました。
イ)潮江診療所は、在宅往診件数を確保しながら慢性疾患医療の強化と健診増に引き続き
取り組みました。県の補助金を活用した無料相談会の広報を行い、また無料低額診療が
NHKの全国放送でも取り上げられ、3 周年のシンポジウムでもアピールしました。同
事業の受診者はのべ 225 人、うち 50 人が定期通院患者となっています。
ウ)すさき診療所は、地域での第一線医療(プライマリケア)を中心に医療活動を進め、と
りわけ特定健診では自治体とも連携しながら 2010 年度 115 件、2011 年度 221 件、2012
年度 291 件と健診受診者を大幅に広げました。2013 年 3 月には須崎市健康推進課と懇
談を行いました。このような取り組みが患者増につながっています。
エ)四万十診療所は、4 月から新所長に佐沼医師を迎え新たなスタートをきりました。在
宅医療の強化を計画していますが、需要がまだ少なく往診件数は伸びていません。
⑤中国四国厚生局の調査を受け、引き続き高知生協病院が臨床研修病院として継続するこ
とができました。2012 年度の初期臨床研修医として増田医師が研修を開始しました。県
外にて後期研修中の岡田医師(産業医科大学)
・岡添医師(利根保健生協で外科研修)は、
病院職員への研修報告等も行ってきました。
⑥医師確保は重点課題であり、組合員も参加しての奨学生活動の取り組み、医学生実習(11
名)、高校生 1 日医師体験(55 名)の受け入れがありました。しかし残念ながら高知大学医
学部在籍の奨学生 2 名(2 年生・6 年生)から辞退の申し出があり、高知医療生協としては
奨学生がいなくなりました。医師確保は高知医療生協の医療活動を継続する上で不可欠
の課題で最も遅れた課題であることを再認識する結果となりました。
⑦災害対策委員会で、高知生協病院災害対策マニュアルの学習や高知医療生協災害対策方
針の検討、事業所災害対策マニュアルづくりを進めています。
(2)「医療から介護へ」「施設から在宅」をめざす「社会保障と税の一体改革」路線のも
とで、地域包括ケアに対応した医療生協らしい事業の展開をめざす課題
①「介護 2012 チャレンジ計画」を策定し、総合的な前進をめざしてきました。
②「第 1 回介護活動交流集会」を開催し、全介護事業所からの事例発表と認知症の学習を
行いました。また 2013 年 3 月から介護部門学習会の定期的な開催が始まりました。
③社会保障・税一体改革の阻止と介護保険制度の抜本改善を求める「介護ウェーブ」の運
動や「介護なんでも相談会」の実施など、地域に打って出る活動に取り組みました。
④本部事務局に介護事業課を設置(専任の介護部長含め 2 名体制)し、介護事業所の経営改
善と管理運営の見直し、介護職員の教育や業務改善、広報活動などに取り組みました。
全介護事業所に主任を配置することを検討し、2013 年 4 月から配置しました。
⑤高知市内の介護事業所紹介リーフレットが完成しました。事業所・組合員の中での活用
を始めていきます。
⑥2012 年 11 月より通所リハ旭、2013 年 1 月より訪問看護ステーション生協れいんぼーに
理学療法士を配置し、訪問が始まりました。
⑦(旧)城北診療所での事業展開を含め、地域包括ケアに対応した新規事業の検討について
は、具体的な検討ができませんでした。
(3)組合員・役職員の力を結集して「経営問題」を打開し、経営安定への基盤を創る課
題
①高知医療生協経営対策委員会が設置され、経営問題の打開に向けた大事な年度となった
2012 年度の経営活動は、全職員と理事会の大奮闘で大きな前進を生み出しました。経常
利益は剰余目標 2,710 万円に対し、3,933 万円(予算比 145.0%)の黒字決算となりました。
(尚、税引後の当期利益は、3,806 万円となります。)
②黒字に転換したのは、高知生協病院での入院収益確保への重点政策と職員配置の適正化、
診療所での在宅医療や慢性疾患医療での収益増、介護事業所での経営改善に向けた管理
運営の強化など、事業所管理部を先頭にやるべき課題を明確にし、全職員で努力した結
果といえます。
③昨年 4 月から城北診療所(前年収益 9,223 万円)休止という事業活動の縮小があった中、
事業収益の到達は、23 億 5,652 万円(予算比 98.2%・前年比 99.8%)となりました。
入院収益は、入院患者の確保への努力(平均 107.8 人/日)や「じきいくネット」を含めた
法人外との連携強化によって、前年比で 6,829 万円収益を増やし、11 億 8,418 万円 (予
算比 100.8%・前年比 106.1%)となりました。外来収益は、旭診療所・潮江診療所が強化
型の在宅支援診療所としての収益増となったことが大きく影響しました。
④事業費用の到達は、23 億 2,159 万円(予算比 98.1%・前年比 96.9%)となりました。人員
配置の見直しや経費削減の対応が成果となってあらわれました。前年比で 7,000 万円を
超える費用減となりました。
⑤高知医療生協が事業所ごとの損益管理を開始した 2002 年以降、初めて高知生協病院単
独での経常利益を確保することができました。高知生協病院の黒字化は、法人全体の経
営課題の中心であることが明確になりました。
⑥介護報酬改定への対応や全日本民医連の協力のもと「介護検討会」実施など現場との経
営討議を進め、下半期 6 カ月連続で黒字となり損益を改善してきました。また、
「介護ウ
ィークリー」を発行し、事業所の利用状況や活動紹介など情報を共有してきました。
⑦組合員の経営参加では、特定健診や大腸がん検診のおすすめ大訪問行動を 11 月に提起し、
12 月~3 月にかけて各診療圏で職員と組合員が協力して取り組むことができました。し
かし、前進のための課題を残しました。
(4)健診と多様な健康づくりで、地域の人びとと組合員のいのちと健康を守る課題
①ブロック・協議会・支部主催の健康づくりを進める様々な楽しいイベントが企画され、
地域の多くの人々に医療生協の存在をアピールすることができました。
②ヘルスアップ 60 日キャンペーンは、高知県・高知市の後援も受けて取り組みました。全
体で 1,240 人が参加し、地域に健康づくりの仲間を広げる取り組みとなりました。
③保健委員の再学習のための新たな取り組みとして「保健委員健康チェックマスターズ講
座」(※用語解説【4】)を開講しました。また、県内 3 会場で「脳いきいき教室」の開
講などにも着手しました。
④特定健診 2,086 件(前年 2,175 件・前年比 95.9%)、大腸がん検診 2,804 件(前年 2,914 件・
前年比 96.2%)となりました。特に高知市大腸がん検診は組合員も積極的に推進できるよ
うに取り組み方を工夫したり、大腸がん検診の紙芝居の普及を進め(高知県・高知市にも
働きかけ)、今までの枠を超えた層へ広げるための努力もしました。今後も引き続きの課
題です。しかし、全体の結果は、城北診療所分の前年実績(特定健診 242 件・大腸がん検
診 315 件)の考慮は必要ですが、事業所で比較すれば到達に格差を生じており、取り組み
について課題を残しました。
特定
健診
生協
病院
旭
診療所
城北
診療所
潮江
診療所
すさき
診療所
四万十
診療所
法人
合計
2012 年度
935
250
0
320
291
290
2086
2011 年度
890
240
242
284
221
298
2175
増減数
+45
+10
-242
+36
+70
-8
-89
大腸がん
生協
旭
城北
潮江
すさき
四万十
本部
法人
検診
病院
診療所
診療所
診療所
診療所
診療所
事務局 合計
2012 年度
990
327
0
560
355
125
447
2804
2011 年度
730
335
315
515
373
201
445
2914
+260
-8
-315
+45
-18
-76
+2
-110
増減数
⑤健診での自治体との懇談や医療生協の学習会などへの自治体職員の講師要請などを通じ
て、健康づくりを進める医療生協への理解を広げる取り組みが前進しました。
⑥各支部で実施される「いきいき百歳体操」など、地域での健康づくりへの取り組みが広
がっています。その他、支部主催の青空チェックや支部やブロックでの健康まつりなど
も楽しく取り組まれました。
⑦「脳いきいき教室」マスター候補としてインストラクターを 3 名養成し、旭ブロック・
四万十ブロック・城北協議会で教室が開講しました。組合員の要求に応える取り組みと
して重視します。
⑧6・9・2 運動の中で、組合員自身が自らの健康を気遣い日常的な健康づくりに役立てる「健
康ファイル」の活用に取り組みました。
⑨保健学校カリキュラム等の見直しには着手できませんでした。引き続き検討します。
(5)安心して暮らし続けられるまちづくりに向けて、地域でたよりにされる支部・班活
動をめざし、「地域のおもい」を形にかえる運動に取り組む課題
①全国四課題の目標達成は、7 支部で四課題のすべてを達成し、組合員ふやし 18 支部 4 事
業所、出資金ふやし 23 支部 5 事業所、増資者件数 17 支部 5 事業所、班づくり 13 支部
が各課題に取り組み達成しました。しかし、全体としては掲げた目標を達成させること
はできませんでした。
全国四課題
目標
実績
組合員ふやし
1,500 名
1,096 名
73.1%
出資金ふやし
1 億円
69,592 千円
69.6%
増資者件数
1 万件
6,672 件
66.7%
班づくり
60 班
29 班
48.3%
保健委員
72 人
24 人
33.3%
くらしの相談員
72 人
0人
0%
8,571 件
5,621 件
65.6%
916,665 円
712,949 円
77.8%
ふれあい訪問
ふれあいカンパ
達成率
②支部や事業所の目標設定のあり方、運営委員の高齢化に伴う活動の弱体化、担い手を広
げることの弱さなど、今後に向けて解決すべき課題も明らかとなりました。
③班長アンケートに取り組み、班の現状や課題が明らかとなりました。今後の班活動の活
性化に生かす検討を進めます。
④「地域見守り協定」による支部と民生委員や町内会との連携では、
「高齢者の支えあいマ
ップづくり」や支部総会・学習会への参加要請などについて努力した支部では、日常的
な相談ができる関係づくりなどが一定の前進をしました。
⑤診療圏地域での組合員活動と事業活動の有り様については、
「新たな組織活動の発展をめ
ざす方針(案)」を理事会、理事支部長会議、ブロック会議などで議論を進めましたが、
深い討議には到っておらず、引き続き 2013 年度の課題となりました。
⑥ (旧)城北診療所では、
「城北の未来を考える 100 人委員会」を中心に利用結集に努力し
ました。10 月から、ボランティアサークル「きらり」が誕生し、週 3 回のコーヒーサー
ビスが開始され、1 日平均 10 人を超える利用で地域の「たまり場」として活用され始め
ました。
(6)情勢と経験を学び、誇りをもって医療生協運動に取り組める組合員・職員の育成を
すすめる課題
①紙芝居「大腸がん検診について」、「消費税について」、「医療生協の魅力」などさまざま
テーマで支部学習会が取り組まれました。
②通信教育は、組合員が 113 名受講し 8 支部でスクーリングが行われ、仲間の励まし合い
の中 103 名が修了(91.2%)しました。
職員は 96 名が受講し 75 名(78.3%)が修了しました。
③接遇学習に取り組み、各事業所で接遇改善に取り組みました。身だしなみ基準を作成し
ました。
(7)協同の力で社会保障制度の充実をめざすとりくみをすすめ、事業と運動を支える
力とする課題
①いのちの大運動の実践として、今年で4年目となる県下一斉の「くらしといのち何でも
相談会」に取り組みました。今年は「COOP 共済助成金」(※用語解説【5】)を得ること
が出来、従来にない大規模な宣伝活動を行なうことが出来ました。さらに多くの団体と
の共同も進み、19 支部 17 会場で 80 件の相談が寄せられ、県内での貧困と格差の一層の
進行が浮き彫りになりました。
②社会保障と税の一体改革に反対する署名(5,027 筆)、消費税増税反対署名(2,229 筆)、生
活保護基準切り捨て反対署名(815 筆)に取り組みました。
③原発廃止、オスプレイ配備反対、反核平和マラソン、原水爆禁止国民平和大行進など、
平和を守る様々な取り組みを行ないました。
④日本高齢者大会が香川県で開催され、高知医療生協からは 90 名が参加して、四国の仲間
として大会の成功に貢献しました。
「ひとりぼっちの高齢者をなくす」全国の取り組みや
様々な学びは参加者を元気にし、地域における医療生協の果たす役割を考える大切な経
験となりました。
⑤国際協同組合デーなど、国際協同組合年の取り組みを高知県生協連と共同で行いました。
(8)理事会として経営改善に向けた中長期の経営計画づくりに取り組む課題
①2012 年度のスタートは、4 月 1 日城北診療所の休止、4 月 7 日「協働経営調査報告会」
(※用語解説【6】) (31 名)、4 月 15 日全職員学習会(112 名)など、経営問題の深刻さを
理事会・職員で共有することから取り組みました。しかし、4 月は 1,704 万円の大きな
赤字を出し、4 月 28 日理事会は高知医療生協の要請として「経営困難の打開のための組
識的な指導・援助について」を決議し、5 月 18 日全日本民医連理事会(※用語解説【7】)
で「全日本民医連経営困難組織規定」による経営再建支援をおこなう法人として「高知
医療生協経営対策委員会」の設置が決定されました。
②高知医療生協経営対策委員会は、第 1 回(7 月)・第 2 回(9 月)・第 3 回(12 月)
・第 4 回(2013
年 1 月)と開催し、高知医療生協の経営上の問題点を分析し、経営再建に向けた当面の
課題について検討しました。今後は大量定年退職者を迎える時期になることから、一定
長期間の資金繰りの見通しをたてました。累積欠損解消の課題も重要ですが、当面は経
営破綻を回避するための利益目標の設定と費用削減について検討してきました。
一 月商倍率 1.0 倍
③資金破綻を回避する為の経営再建に向けた基本的な数値目標として、○
以上(※用語解説【8】)の現預金を毎年確保するための 2013〜2024 年度の資金計画を作
二 毎年の必要利益は、経常利益 5,000 万円(利益率 2.1%)とすること。○
三退
成すること。○
職金規定及び賃金規定の見直しをすることの 3 点を当面の重点課題として確認しました。
④2013 年 2 月「退職金規定・賃金規程改定」(案)を労働組合に提案し、職員への説明会を
開催しました。現在、労使交渉中であり、早期の解決に向け努力します。
⑤「中長期経営再建計画」の策定では、
「改革・前進」3 ヶ年経営計画の総括を含めて過去
の経営困難に至った経過と問題の総括及び再建に向けた分野別課題の検討や 2013〜
2024 年度までの損益計画・資金計画(案)等の作成作業に取り組みました。
2013年度の基本方針と重点課題
◆いのちとくらしをめぐる情勢
①昨年の総選挙では小選挙区制度のもと改憲勢力が衆議院で 3 分の 2 以上を占め、憲法が
大きな危機を迎えています。しかし国民の多くは、消費税増税反対、憲法を守ること、
原発ゼロ、TPP 参加反対、オスプレイ配備・低空飛行訓練反対、米軍普天間基地の辺野
古移設反対を願い、これまでの枠を超えた人たちが各地の集会に参加しています。TPP
参加は、国内法より企業の利益が最優先され、医療の分野では国民皆保険制度の崩壊に
つながり日本医師会をはじめ多くの団体が反対しています。
②国会の改憲勢力は、憲法 9 条を変えるために、まず 96 条を変え、憲法を変えやすくし
ようとしており、7 月の参議院選挙の大きな争点になっています。
③全日本民医連の全国調査の呼びかけで、高知医療生協の各事業所で 3 月に生活保護受給
者の生活実態調査を行い、その厳しい生活実態が見えてきています。生活保護費の引き
下げは、年金や最低賃金の引き下げにつながり社会保障全体の後退になります。
④国は昨年地域包括ケア元年とし、医療・介護に対する公的責任を後退・縮小させる方向
で「入院から在宅へ」
「医療から介護へ」「介護からボランティアへ」の体制を進めてい
ます。消費税増税と併せて成立した「社会保障制度改革推進法」は、自助を基本とし「自
立支援」の名のもとに公的責任を放棄し、社会保障の理念の転換をさせる重要な内容で
す。「社会保障制度改革推進法」の撤回を呼びかけます。
⑤貧困と格差がさらに広がり、高知医療生協が把握している分でも国保料滞納など経済的
事由から医療受診の手遅れとなって死亡に至った事例が昨年 3 件発生しました。潮江診
療所無料低額診療事業 3 周年シンポジウムでは、ネットワークの力で「いのち」を守る
取り組みが再確認されました。
⑥震災から 2 年経ちましたが、自宅を離れて暮らさざるを得ない人が 32 万人、福島県だ
けでも 15 万人余りとなっています。引き続き、復興支援(特産品発送カンパなど検討)を
行います。
⑦福島原発では放射能汚染水が大量に増え続けています。中国からのPM2.5 など新たな
環境破壊が問題になっています。
1.2013年度のメインテーマ
新たな高知医療生協の事業と運動を創造し、安定した経営を!
〜
〜
みんなで「地域まるごと健康づくり」をすすめよう 〜
創立50周年(2016 年度)に向け、組合員活動を強めよう
〜
2.2013年度の基本方針
(1)医療活動を担う医師養成に本格的に取り組もう!
〜全組合員へ協力をお願いし、医師確保と複数の奨学生を確保します〜
(2)入院から在宅・介護までの「連携強化」をさらにすすめよう!
〜選ばれ、満足度が得られる事業活動をめざして、
医療・介護の「質」の向上に取り組みます〜
(3)「中長期経営再建計画」の全面実践を全職員と全組合員の力で強力に取り組もう!
〜経常利益 5,000 万円を達成し、再建計画初年度から必ず結果を出します〜
〜日々の仕事や活動と経営を結びつけ、参画を意識しながら改善をすすめます〜
(4)地域に見える「地域まるごと健康づくり」をすすめよう!
〜地域を健康にする様々な活動で、魅力ある支部の活動づくりをします〜
(5)組合員参加で医療生協・民医連の人づくりをすすめよう!
〜「いのちの章典」の学習含め、医療生協の運動を担う人づくりをすすめます〜
3.2013年度重点課題
(1)医師確保の運動と、医療・介護の「連携」と「質」の向上に取り組みます
①「じきいくネット」の活動を通して、さらなる医療連携を質・量ともに向上させていき
ます。また、「地域包括ケア」(※用語解説【9】)を意識した取り組みを進め、地域の中
で率先して行動し地域から信頼を得られるように活動を広げていきます。
②在宅センター(仮称)の設置(旭診療所に配置を検討)を行い、入院から在宅療養への医療・
介護の「質」の高い連携をめざします。
③生協病院は地域の救急医療に対応する病院として、24 時間 365 日の救急病院としての役
割を果たします。一方で高齢者の急性期対応や在宅を支える役割を持つ病院として、超
急性期や在宅からの入院受入、及びリハビリ提供による在宅復帰支援など実施します。
④病棟編成の見直しを行い、2014 年度下半期からの回復期リハ病棟取得(一般病棟&回復
期リハ病棟)に向け検討します。(※用語解説【10】)
⑤事業活動の質を向上させる取り組みとして「医療・介護評価アンケート」や「職場研究発
表会」を実施開催します。
⑥高知市以外の市町村の診療所で「無料低額診療事業」が可能か、高知県とも相談しなが
ら検討します。
⑦医学生対策の体制強化で医学生担当者を複数配置し、
「医師確保の3カ年計画」をつくり
ます。2013 年度「医師臨床研修マッチング」(※用語解説【11】)に向けて、
「卒年対策
プロジェクト」を設置し、医師確保を成功させます。またパート医師含む既卒医師確保
も検討し事業を支えます。
⑧「奨学生ゼロからの脱出を目指す大運動」を全組合員で取り組みます。医学生、看護学
生の紹介運動と奨学生募集ポスター300 枚の活用をすすめます。
⑨地域連携と中小病院の特質を活かした初期研修で「医師を育てる病院」をめざします。
⑩人権を尊重し、患者を生活と労働の場から捉えた質の高い看護、患者に寄り添う看護を
めざします。
⑪高知医療生協災害対策方針、事業所での災害対策マニュアルを完成させ、必要な学習・
訓練(全職員対象で年 1 回)をおこないます。
(2)医療・地域との連携で選ばれる介護事業を進めていきます
①「2013 介護ステップアップ計画」にもとづき、医療や地域との連携を強め、その人らし
い在宅での生活を支援する介護事業をめざします。その中で安定した利用者確保をめざ
し、「予算に基づく管理運営」で介護事業での黒字化を実現します。
②高知医療生協介護の理念づくりと、選ばれる事業所づくりをめざして質の向上を目指し
ます。
③介護職員研修制度にもとづきスキルアップを図ります。
④2013 年 4 月から訪問看護での理学療法士の常勤配置を行いました。365 日安心して利用
できる訪問看護・訪問介護事業への転換をすすめます。
(3)再建計画の初年度として経常利益 5,000 万円(税引前)を必ず達成します
①中長期経営再建計画(第4号議案・期間 2013〜2024 年度)の初年度の位置づけは大きく、
全事業所が剰余目標を達成することが最低限の課題です。法人全体で経常利益 5,000 万
円を必ず確保します。また、分野別課題を職員・組合員の協同の力で前進させます。
②2013 年度末に赤字決算の事業所は、長期的な事業の採算性も考慮し、経営改善が困難な
場合は事業継続の是非について検討をします。
③入院・外来(在宅)や介護事業で剰余確保につながった教訓を活かし、全事業所で予算達
成をめざします。
④経営管理(民医連統一会計基準、事業所独立会計、部門別損益管理など(※用語解説【1
2】))や経理実務の整備と点検・検討をすすめ、集団的力量のアップを図ります。
「統一
会計基準推進士講座」受講により、新たに民医連統一会計基準推進士を 5 名増やします。
⑤高知生協病院の「部門別損益管理」導入を検討します。
⑥2014〜2016 年度の事務職員の採用計画と人事配置構想を検討し、事務集団の力量アッ
プ・後継者育成と各職種の管理者・後継者の育成についても力を注ぎます。
⑦組合員の経営参加では、事業所の利用拡大に向けた取り組みや「健診事業」を中心に全
組合員と住民を対象にした訪問行動などを重視して取り組みます。
(4)健康づくりで医療生協のブランドを築きます
①組合員が加入している喜びを感じられる健康づくりの活動をすすめます。
「私の健康ファ
イル」や「ヘルスアップ」の取り組みなど、健康づくりで医療生協のブランドを築きま
す。また、パンフレット「自分らしくを人生の最後まで」や内容の活用を班会で計画的に
すすめます。
②すべての自治体との懇談など理解と共同も大いに進め、特定健診、大腸がん検診を大き
く広げます。
③認知症予防の「脳いきいき教室」を地域に広げていくため、脳いきいき教室のインスト
ラクターを養成し、支部やブロック・協議会や地域で「脳いきいき教室」を開講します。
④「地域まるごと健康づくり」をすすめるために、保健委員と支部の保健委員連絡会の役
割を明確にするとともに、保健委員の一層の力量アップに取り組みます。また、
「保健委
員健康チェックマスターズ講座」にブロック・協議会で取り組みます。
(5)組合員活動の新たな発展を築く、組織整備をすすめます
①医療生協の内外に協同の「わ」を広げます。他団体(自治体も含む)との協同を意識し
て取り組みます。支部活動、班活動でひとり一役を大切にし、機関紙配達者(手配りさ
ん)などを含め参加者の増加を図り、担い手づくり 1,000 人をめざします。また、ふれあ
い訪問を通じて組合員や地域の状況を把握することを大切にします。
②組織活動の発展の第一歩の年とします。組合員では 6 万人の到達を展望できる峰をめざ
し、組合員ふやし 1,500 名を実現します。出資金では 10 億円の峰の早期達成目指し、出
資金 8,000 万円で純増 500 万円をめざします。
③「増資者を広げることは、医療生協への思いを集めること」と位置づけ、出資金増やし
をすすめます。そのために、出資金の学習を強め、出資金銀行自動引き落としの早期導
入をはじめ様々な検討を進めます。
④事業所では、
「組合員利用 100%」を目指した日常的な加入促進の取り組みをすすめます。
⑤班づくり 50 班をめざし、隣近所でつくる班会や、やりたいことで集う班づくりなど
多様な形態での班づくりも検討します。
⑥地域の要求を実現するために、
「支部の魅力づくり」に取り組み自主的な支部活動の確立
を目指します。組織活動委員会では、地域包括ケアに対応できる支部、ブロックへの再
編成、支部の分割などを検討します。
⑦(旧)城北診療所は、介護保険事業の展開や元気な高齢者への医療生協らしい事業につい
て検討をすすめます。
⑧3 年後の創立 50 周年(2016 年 8 月)に向けた取り組みについて検討します。
(6)地域での「協同」をさらに広げ、「いのちを守る」取り組みをすすめます
①地域見守り協定などを活かしながら他団体と協力し、「孤立死」「手遅れ」を出さない取
り組みを強化します。高齢者見守り活動の経験を広げます。他団体、自治体と協力し「く
らしといのち何でも相談会」を開催します。
②憲法違反の「社会保障制度改革推進法」を廃止し、社会保障の拡充を求める請願署名に
取り組みます。
③生活保護制度をはじめ社会保障・日本国憲法・いのちとくらしを守る学習会などの支部
開催を目指します。
④オスプレイ配備・低空飛行訓練・米軍普天間基地の辺野古移設・TPP 交渉参加・伊方原
発再稼働に反対し、他団体と協同して取り組みます。原水爆禁止世界大会、平和行進に
参加します。
⑤7 月の参議院選挙では、憲法 9 条を守り平和と人権を守り、よりよい医療・介護・福祉
の実現めざし力をあわせて頑張りましょう。
(7)将来の高知医療生協・高知民医連を担う、職場や地域での「人づくり」をすすめま
す
①支部と職場で医療福祉生協の理念と「いのちの章典」の学習を始め、「医療福祉生協の
2020 年ビジョン」(案)の討議を進めます。
②通信教育の受講を支部、職場ですすめます。
③組合員の担い手づくり
ア)医療生協学校を開校し、新しい組合員の担い手を育てます。
イ)支部学習を年 2 回行い、高知医療生協の「魅力」を学習します。
④職員の人づくり
ア)職員教育の場として医療生協の班会、支部活動を位置づけます。職員が医療福祉生協、
民医連運動に確信を持ち、いきいきと働ける職場づくりを目指します。
イ)職場運営・労務管理など、民主的管理運営をめざします。
以上
用語解説について
※用語解説【1】:「じきいくネット」
2012 年 4 月診療報酬改定への対応に伴い、在宅支援病院の高知生協病院と強化型在宅療
養支援診療所として高知医療生協の旭診療所・潮江診療所、その他 4 診療所(かもだの診療
所・たむら内科クリニック・藤井クリニック・みなみの風診療所)でスタートした在宅療養
支援の連携体制の名称。2013 年 2 月あおぞら診療所が新たに参加で合計 8 医療機関となる。
※用語解説【2】:高知医療生協経営対策委員会
2011 年 12 月「全日本民医連経営調査」、2012 年 2 月「協働経営調査」から、経営再建
に向け真摯に全国の経験に学ぶ重要性を再認識し、2012 年 5 月に経営困難の打開に向けた
組織的な指導・援助を全日本民医連に要請した。2012 年 6 月全日本民医連理事会は、全日
本民医連の経営困難組織規定にもとづき、経営再建の支援をおこなうための、
「高知医療生
協経営対策委員会」の設置(全日本民医連 8 名・高知医療生協 11 名)を決定した。2012 年
7 月第 1 回会議を開催、病院・介護・看護分野の検討含め計 8 回の会議が開催された。
※用語解説【3】:「民医連 QI 推進事業」
医療の質の向上・公開推進事業として、個別の病院では困難な課題を全国組織の特長を
活かし、医療指標の設定・評価・改善・公開とその組織機構を確立・推進していく取り組
みです。厚生労働省「2011 年度医療の質の評価・公表等推進事業」に 3 医療団体の一つと
して採用され、高い評価を得ています。QI(クリニカル・インディケーター)は、臨床指標と言う。
※用語解説【4】:「保健委員健康チェックマスターズ講座」
保健委員連絡協議会幹事会の呼びかけで、保健委員のスキルアップのための講座。2012
年度は血圧チェック。ブロック単位で開催し、ブロック以外の保健委員にも案内する形で、
旭・潮江・高知生協病院の 3 ブロックで開催された。引き続き四万十・すさきブロックの
開催が待たれている。
主な内容:最近の血圧診断基準、医療生協健康指標血圧基準、電子血圧計の正しい操作、
家庭血圧の正しい測り方を学習。
※用語解説【5】:「COOP 共済助成金」
日本生活協同組合連合会が運営している COOP 共済が地域の支え合いを目的とした事
業に対して行っている助成金。昨年度、
「くらしを守り、くらしの困りごとの解決に資する」
を目的にした「くらしといのち何でも相談会」に対して 80 万円の助成金をいただき、主と
して案内チラシ、テレビ・ラジオ宣伝など広報活動に活用しました。
※用語解説【6】:「協働経営調査報告会」
「協働公認会計士共同事務所」(以下、「協働」と言う)は、監査・会計指導・経営調査・
会計管理調査・経営改善指導・各種セミナー等の業務を行う法人。高知医療生協の経営実
態を把握・評価するため 2012 年 2 月 9 日~10 日に専門家(公認会計士 3 名・税理士 1 名)
で経営調査を実施し、3 月 9 日に報告書(全 32 頁)が出され、4 月 7 日に報告会を実施した。
2012 年度から「協働」と顧問契約をし、四半期(毎年 4 回)の経営調査・決算書等の点検、
依頼による学習会・各種会議への参加をお願いしている。
※用語解説【7】:「全日本民医連」
戦後、医療に恵まれない人々の要求にこたえようと、各地で民主的な医療機関がつくら
れ、これらの連合会として 1953 年に全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)が結成され
ました。高知医療生協の病院、診療所、介護事業所も設立時から全日本民医連に加盟し、
無差別・平等の医療と福祉の実現をめざしています。
※用語解説【8】:「月商倍率 1.0 倍以上」
資金繰りの状況によって事業の継続を判断する指標として使用されます。月商=1ケ月
当りの事業収益に対してどの程度の「現金・預金」残高を確保しているかを算出します。
急激な医療経営情勢の変化に対応するためには、月商 1.0 倍程度を常に確保しておくこと
が必要と言われています。
※用語解説【9】:「地域包括ケア」
団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年へ向けて、高齢者が住み慣れた地域で尊厳を保ち
ながら自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、国が推進する住ま
い・医療・介護・予防・生活支援が、日常生活の場で一体的に提供できる地域での体制。
地域のニーズに基づく側面の一方、国の狙いとしては「自己責任」
「市場化」の理念を土台
に、安上がりな公費抑制・効率化システムを作り上げることにあり社会保障・税一体改革
の中心的な考え方となっています。
※用語解説【10】
:「回復期リハ病棟」
脳血管障害や骨折の手術などのため急性期で治療を受け、症状が安定しはじめた時期に、
機能の回復や日常生活で必要な動作の改善、寝たきり防止と社会や家庭への復帰を目的と
し、医師、看護師、ケアワーカー、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、ソーシャルワ
ーカー、薬剤師、管理栄養士等が共同で集中的なリハビリテーションを行うための病棟を
回復期リハビリテーション病棟と言います。
※用語解説【11】
:「医師臨床研修マッチング」
医学部卒業後、臨床研修を希望する者と、臨床研修を行う病院(研修プログラム)とが
それぞれの希望を踏まえて、コンピュータにより組み合わせを決定するシステムのことを
いいます。
※用語解説【12】
:「民医連統一会計基準、事業所独立会計、部門別損益管理」
民医連統一会計基準は、1989 年の山梨勤医協倒産の教訓から学び、全国的に統一された
会計原則のもとで正確な決算処理を行うと同時に、全国一律の物差しとしての経営判断基
準をもつことを目的に策定されました。法律改定や医療経営環境の変化のなかで 2010 年
までに 5 次の改定を経て、現在の基準に至っています。
事業所独立会計は、事業所ごとのより正確な損益計算書・貸借対照表を作成し、その情
報を公開し、事業所の経営管理責任と権限を明確にすることで、分権管理を推進し、全職
員参加の経営を実態のあるものとするための会計システムです。
部門別損益管理は、多くの部門や職員をかかえる病院などで、部門(部署)ごとに損益状
況を把握し、経営改善をするために必要とされている管理会計の方法です。