中国ソフトウェア事情

ITCLセミナー
中国ソフトウェア事情
2007年10月26日
(株)プロフェショナル・ネットワークス
望月正嘉
・2000年~2006年
NECと中国科学院(10%)の合弁会社出向
NECの基本ソフトのオフショア開発担当
規模は赴任当初比6倍になり、その間
ISO9001(2001年)
西安・上海に開発センター(分公司)設立
北京市においてソフト輸出1位(2003年) CMMIレベル5(2005年全社) 2006年独資化
・現在NW基盤ソフト開発会社勤務
北京の子会社の確立(日本本社のオフショア開発)
福岡支社立上げ、広島支社立上げ準備 一種のオフショア開発を受け
仕事の取り組み
要員の育成
政府機関への要望
会社基盤の確立
の立場で 中国を眺め 取組んで遣ってきました
本日は、その一環でお話します
中国ソフトウェア産業全体規模
6000
4000
2000
0
規模
2001 2002 2003 2004 2005 2006
798
1100 1600 2780 3900 4800
単位:億元 出典:中国ソフトウェア産業協会
中国電子信息産業部(CCID)が挙げている
2006年中国ソフトウェア産業の特徴
①ソフトウェア産業は順調に成長
ソフトウェア製品の売上げは17~20%の伸び
特にソフトサービスの割合が増え、前年比35%UP
②特定地域への集中が一掃拡大
北京、上海、広東、江蘇、浙江など10地域へ集中
③ソフトウェア輸出は継続して増加中
40%前後の高い伸び、輸出先は日本が主だが
欧米への輸出も増加傾向、組込みソフト中心に拡大
④組込みソフト分野は著しく成長
2005年に中国電子産業の売上げは3.45億元
に達し、世界2位の規模になっている
カラーTV、交換機、PC、携帯電話などの主力製 品産業は世界第1位になっており、これが組込み ソフト分野の発展に大きく寄与
2006年度の中国ソフトウェア産業のトップ10企業
の中で、6社が組込みソフト分野が中心事業
⑤新しい事業分野の発展
企業の情報化、ネットゲーム、モバイルソフト
中国ソフトウェア輸出規模
80
60
40
20
0
2001 2002 2003 2004 2005 2006
規模 7.2
15
20
28
35.9 60.6
単位:億ドル 出典:中国ソフトウェア産業協会
ソフトウェア売上と輸出額
年度
2001
総売上(億元) 輸出額(億元) 輸出比率
796
60
7.5%
2002
1100 124
11.3%
2003 1600
165
10.3%
2004 2780
232 8.3%
2005
3906
297
7.6%
2006
4800
390
8.0%
急激に増加の
中国ソフトウェア産業人材
150
100
50
0
2001 2002 2003 2004 2005 2006
従業者人数 25
52
62
72
90
129
単位:万人 出展:中国ソフトウェア産業協会
政府は企業ニーズにマッチした
IT人材育成に注力
ー大学・ソフト学院・専門学校教育の多様化
による技術者の育成
ーIT実習訓練センターの普及
による実践力教育
急増するソフトウェア人材の問題点
-短大・大専・専門学校の大学昇格化による
弊害が出ている
⇒学力低下が著しい
⇒大卒でも就職できない者が多発
---採用試験で顕著
⇒大卒優秀者の大学院進学が増大
---大卒資格を好まない傾向
→就職活動時期にも影響が出ている
流動性が高い
ー何故2~3年で転職をするのか
・根底には待遇面で選択している(主に給与)
・企業で自己が伸びるか否か判断
特に企業内教育の有無が重要視される
・社長になりたい者が多い
ソフト会社設立は比較的容易
北京・中関村領域で5~10数人足らずの
会社が2千社程存在
中国ソフトウェアアウトソーシング市場規模
出典:CCID
中国ソフトウェアアウトソーシング市場状況
出典:CCID
中国ソフトウェアアウトソーシング市場規模予測
出典:CCID
出典:CCID
2007-2011中国アウトソーシングサービス地域市場構造予測
東北:大連、瀋陽、ハルビン、長春など
華中:武漢、長沙など
華北:北京、天津など
西北:西安など
華東:上海、杭州、南京、蘇州など
西南:成都、重慶など
華南:広州、深セイなど
出典:CCID
北京市ソフトウェアと情報サービス産業の規模
単位:億元
出典:北京市統計局
北京市ソフトウェアと情報サービス従業人数
単位:万人
出典:北京市統計局
北京市ソフトウェアと情報サービス輸出額
(税関経由)
単位:億ドル
出典:北京市統計局
北京市ソフトウェアと情報サービス輸出先分布
出典:北京市統計局
拡大する日本向けオフショア開発
背景
・開発コストの削減
・日本の技術者不足
・受託能力向上
⇒日本からの発注規模は、中国が最大
6割以上占有
中国にとっても日本が最大の相手国となっ
ている
企業の受託能力は
本当に向上しているか
ー組織で仕事が出来ている企業は
まだまだ少ない
・個人個人は優秀だがチームワーク力が不足
・日本流仕事のやり方が分からない
・生産性が低い
・品質意識が薄い
・管理者が実務経験が弱い
・プロマネが出来ない
成功している企業
・日系独資企業
日本側でEntryが複数ある場合は疑問
・日本側で完全にコントロールしている企業
・日本人が常駐している企業
・信頼できる管理者がいるプロジェクト
企業規模は小さい
ー利益は低い
ーグローバル市場での競争力は低い
ー売上3億元以上の企業は86社しかない
売上
会社数
比率
1億元以上
472
4.1%
5000万元~1億元
442
3.9%
500万元~5000万元 3946
34.4% 500万元以下
57.6%
6603
ー社員の流動性が高いから、中々規模の拡大が
出来ない
・ビジネスに関して無知
・下請けの積み重ね
・派遣会社
・テスティングが多い
ー 一方で個人の力量は着実に上がっている 中国ソフトウェア産業
の
抱える課題
ー全体のイノベーションレベルは高くない
ソフトウェア製品の開発では、同類、
重複開発が多く全体的にイノベーション のレベルは高くない
今後、コア領域の研究を強めることが
求められる
ーグローバル市場でのシェアは未だ低い
ソフト輸出は毎年増加する傾向にあるが
グローバル市場でのシェアは低い
ーソフトウェア人材
・毎年各大学から計算機関連学科の人材は
大量に輩出している
・個人能力重視でチームワークと実践力は
比較的弱い
・高級人材(技術と管理能力ある者)及び
国際的人材は未だ少ない
ーソフトウェア開発標準化をより高める必要性有
・各企業は一定の開発レベルは持っているが
大型ソフトの管理、組織、品質コントロールで
は、未だ十分育成がされていない
・大企業では、品質管理が重要視されて来た
CMM2~5取得済の企業は200社程度
CMM5又はCMMI 5取得は30社程度
出て来ている
日本市場での中国人技術者の増大
ー中国人技術者の入国登録が前年比80%増
・日本人技術者不足をカバー出来るか
・現地オフショア要員が開発で育成され
日本語力を持ちBSE/オンサイトSEになる
ケースが急増している
・日本人の理工系離れ
IT業種の不人気が影響か
・中国企業の上流工程への進出
日本から見て
中国アウトソーシング事業の課題
・人民元の急騰ーーーオフショア単金UP
・物価上昇の影響・人件費の高騰
・情報漏えい、知的財産流出などの
セキュリティ管理の強化
・スキル高い現地人の育成と処遇
・中国特有の各種規制
・優遇策の継続性
最後に
今、自分が携わっている北京の会社での
オフショア開発を成功させるために
・月1回1W~10日出向く
・10メガの専用回線によるTV会議
・計画に基づく教育の実施
・本社から交代で技術者の送込み指導
・総経理学習塾の開催
フロア紹介
Entrance
Meeting Space
Education Room
ミーティングスペース。
受 付
日々の開発業務やお客様との打合わせ
等、多目的に利用可能です。
研 修 室
Develpment Flower
70名収容の開発フロア。プロネッツ本社(東京)と緊密に
連携しながらソフトウェア開発事業を推進しています。
開発フロアの出入り口。
高度なセキュリティ環境により
情報資産を保護しています。
E N D
北京華日博楽資訊有限公司(通称:ビヨンドプロ)
北京市海淀区学院路35号世寧大厦9F(906室)〒100083
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