平成26年度 事 業 計 画 社会福祉法人 博愛会 ハーモニー松葉 社会福祉法人博愛会 平成26年度 事業計画 1.法人を取り巻く状況 (1)消費税の増税 消費税については、現在の5%が平成26年4月から8%(第1段階)、また平 成27年10月に10%(第2段階)に引上げられる予定です。これにより、当 法人では食材費、電化製品(居室のエアコン)、厨房機器、日用品、修繕費等の購 入や修理に影響し出費が増額になります。このため、ムダ・ムリ・ムラをこれま で以上に強化し、経営の健全化を図ってまいります。 (2)介護保険法の改正 国においては、 「介護保険制度の見直しに関する意見(素案) 」の中で、軽費老人ホーム に関しては、居住環境の改善と生活支援に関する高齢者のニーズに適切に応えるため、新 たな役割について検討を進めることにしています。 また、生活支援サービスの充実と高齢者の社会参加促進に向けた予防給付の見直しが検 討されており、予防給付のうち訪問介護と通所介護については、既存の介護事業所による 既存のサービスに加え、NPO、民間企業、ボランティアなど多様な主体を活用して高齢 者を支援するとしています。 こうした動向を的確に把握し、法人運営の早急な対応策を検討してまいります。 2.経営方針 法人施設を利用する方が、幸せを感じていただくために、職員の意思疎通の核と して、また事業計画や予算編成そして各事業の実施にあたってのキイワードになる よう運営方針を明示します。 (1)居心地よい空間を提供します 施設全体が整理整頓され、清潔できれいな環境の中で、「楽しめる、くつろげる、元気 になる」をコンセプトに事務事業の運営を行います。また、事業実施にあたっては、家庭 的でアットホームな雰囲気のなかで一日を過ごしていただきます。 (2)安全安心のできるサービスを提供します。 お客さま情報を的確に把握し、顧客ニーズにあったサービスの提供を行います。このた め、職員が一丸となってケアハウス及びデイサービスの「運営計画」を積極的に推進し、 年齢構成や体力状況に応じた催しものの企画を行い、弱者優先を心がけた安心安全サービ スの充実を図ります。 (3)職員の資質向上を目指します 専門的な介護技術はもとより、法人運営に必要な施設管理、財務経理、事務処理、職員 育成など総合的な能力の向上を図ります。また、事務分掌や役割分担を遵守し、職員各々 が的確に事務事業を推進するとともに、書類整理、身だしなみ、礼儀や言動に注意し、お 客様はもとより職員間の良好な関係を保持します。 1 3.法人運営の強化 (1)組織規定及び決済規定の策定 法人の運営組織及び業務分掌等に関する基本事項を定め、事業の効率化と責任体制の確 立、及び能率的に事務処理を図るため、当法人の「組織規定」を策定します。 また、理事長の権限に属する事務で理事長の決済を要する事案及び先決、代決その他必 要な事項を定め、事務処理に対する責任の所在を明確にするとともに、事務の合理的かつ 能率的な運営を図るため、 「決済規定」を策定します。 (2)理事・評議員の定数見直し 平成25年度に行なわれた「理事等のあり方検討会」で検討された、当法人の理事・評 議員の定数について、意見具申が理事長に提出され平成25年11月25日の理事会等で 報告されておりますので、意見具申の内容に沿って理事・評議員の定数の見直しを議案と して提案し、平成26年度中に実施してまいります。 (3)法人本部機能の設置 社会福祉法では、法人本部に関する規定は存在しないものの、意思決定機関の補佐役・ 執行機能の取りまとめ役として、組織化し専任・兼務を問わず、法人全体の運営管理の機 能と役割を果たす必要があります。また、東京都では本部機能を設け、福祉会計において 予算・決算上で区分けするよう指導されています。 このことから、法人本部機能の設置について検討し設置してまいります。 (4)職員の育成 法人組織は職員があって事業運営をしております。変化する介護事業を職員が的確に把 握し、社会環境や利用者ニーズを捉え、サービス向上を展開し多くのお客様を確保するこ とが重要であります。このため、尐数職員での法人運営では介護職員という専門業務に特 化することなく、営業力や経営力を身につけるなどして総合的な能力を養う必要がありま す。また、尐数での法人運営では、特に常勤職員にあっては「予算・決算・経理」事務を 習得することは必頇の条件であります。このため各種の研修参加はもとより異動等による 実務体験や担当部署に関する法律解釈を身につける研修等をしてまいります。 (5)事業の数値目標 社会福祉法人の運営は競争の時代にきています。お客様は高度な介護サービスと実感で きる満足感を求めています。法人のサービス提供項目については、すでにケアハウス事業 及びデイサービス事業それぞれに「3年間の運営計画」を作成していますので、各項目に 優先順位をつけ早期に実施してまいります。これにより、顧客がどの程度増えたか、また 収支差額が出たかを、次の事業ごとに数値目標を掲げ検証していきます。 4.事業別の運営 (1)ケアハウス事業 ①食事の満足感の向上 食事サービスは、入居者が一番期待しており関心が高いことから、毎年アンケートを 2 実施しており評価の低いものは改善するように努めています。特に、25年度のアンケ ートでは選択食やバイキング食ついて評価が低く改善要望が多かったことから、26年 度は見直しを図るとともに給食委託業者とも意見交換を行い、食事メニューがマンネリ 化にならないよう食材の変化、B級グルメ食品の導入、また周辺飲食店との協力による 惣菜等のコラボレーションを図るとともに、ビュッフェ方式の導入や食器の整備をはか るなどして食事の満足感を向上させてまいります。 ②小風呂の改修工事 小風呂は、浴槽が旧式であり、洗い場から浴槽へ入る高さが45cm と高く、また浴槽 の中も65cm と深く、中には15センチの段差があり女性の入居者などは湯船への入浴 が危険となっています。また、浴槽がタイル張りであり、お湯の追い炊き機能がついて いないことから、適温とされている42度のお湯がすぐに低下し、体を暖まる状況にな いことから、改修工事を行なってまいります。なお、改修工事には、東京都共同募金会 などの資金が活用できるよう要請や申請をしてまいります。 ③入居者個人面談の実施 入居者の高齢化とともに親族や保証人も高齢化になっており、入居者の健康状態や悩 み相談などが出来ない方が増えていることから、生活相談員が中心になり日頃の会話は もとより、個人面談を年1回実施し入居者台帳に残すとともに、施設内で解決できない 問題については関係機関などの助言をいただきながら悩みの軽減を図ってまいります。 ④入居者の確保 1)入居待機登録者20人以上を確保します 待機者に年 1 回は連絡し入居可能な状況か確認をします。 また、26 年度12人以上の新規登録者を確保します。 2)職員一人2か月に1回は近隣市の介護支援センター等に営業活動を行います。 3)ホームページを3カ月に1回新規情報を掲載します。(4,7,10,1 月) 4)ハーモニー松葉だよりにケアハウス部門のPRを年4回掲載し 3,000 部配布します。 ⑤ケアハウス入居率99.5%を確保します ・入退時の空き部屋状態を無くすため退去日と入居契約日に配慮します。 ⑥東京都補助金の基準を遵守し満額確保を図ります 1)入居率、職員経験数などに配慮します。 2)補助金の適切な執行を行うため人件費・修繕費などを的確に計画的に執行します。 ⑦入居者の要介護度1以上の方に適切な指導し記録に残します。 1)介護度が進まないよう指導、進んだ場合の対応を入居者に説明周知します 2)介護度1以上になった場合の退去基準を作成します。 ⑧施設修繕計画を立て修繕を行い施設の延命を図ります 1)毎年 12 月に翌年度の施設修繕計画を作成し優先順位をつけ予算化します。 2)施設修繕計画以外の修繕物品の耐用年数を勘案して修繕・交換をします。 3)照明機器の延命化と消費電力の削減を図るため、照明の LED 化を進めます。 3 ⑨予算・経理事務を習得するため次の内容を実施します 1)事業運営状況や予算執行状況を四半期ごとに管理者や役員に報告します。 2)予算要求資料を毎年 1 月初旬に作成し管理者に提出します。 3)適正な事業運営ができるように予算と執行状況を把握します。 4)ケアハウスの収支計算を行い 8 月と 12 月末に管理者に報告します。 (2)デイサービス事業 平成26年度のデイサービス事業は、25年度の小規模体制から通常規模体制にもど ることから、介護保険報酬額が約10%減額になり経営は厳しい状況が予想されます。 今年度は、デイサービス運営計画をもとに「特色あるデイサービスの提供」や「職員の 能力向上のための研修の充実」 、また「営業活動の強化」を図り運営を行ってまいります。 ①レクリエーションの充実 25年度からレクリエーションのグループ化を行い、毎日一般共通グループと曜日ごと の選択グループに分けて行なってきましたが、本年度も「ゲームグループ」、 「運動グルー プ」、 「音楽グループ」 、 「手芸グループ」、 「美容・整容グループ」、 「学習グループ」、 「園芸 グループ」などのグループ化を充実し、利用者様が好きな催し物のグループに入り、手足 や脳の運動器機能の維持向上を図ってまいります。 ②昼食の充実 デイサービス利用者のアンケート結果において、昼食に対する要望が多くあったことか ら、食事形態を再検討し、季節感を楽しむ食事、家庭的な食事、ヘルシー丼やお誕生日御 前などを検討するとともに、ビュッフェ方式の昼食メニューを作成するなどして、楽しめ て期待できる昼食づくりを行い満足いただけるよう工夫してまいります。 また、「おやつ」については、手作り菓子や既製菓子にひと手間かけるなどして、工夫 を行い変化のある「おやつ」を提供していきます。 ③利用者の確保 1)デイサービス利用登録者数年間平均 80 人を確保します。 2)26 年度 15 人以上の新規登録者を確保します。 3)デイサービス利用率 80%を確保します。 (1 日平均利用者 20.0 人) 307 日×25 人定員=7,675 人×80%= 6,140 人/年とします。 ④収益額の確保 1)26 年度の介護報酬額を 4,912 万円確保します。 ・6,140 人×8,000 円(1人平均)=4,912 万円 2)デイサービスの収支差額を600 万円以上にします。 ⑤利用者に応じた介護職員数等の配置を次のように行い人件費の適正を図ります。 (職員配置数は、前月の利用者数実績にもとづき曜日ごと「4週平均」に配置する) 利用者12人以下の場合=生活相談員1人、看護師1人、介護職員1人=3 人 利用所15名以下の場合=生活相談員1人、看護師1人、介護職員2人=4 人 4 利用所18名以下の場合=生活相談員1人、看護師1人、介護職員3人=5 人 利用所22名以下の場合=生活相談員1人、看護師1人、介護職員4人=6 人 利用所26 名以下の場合=生活相談員1人、看護師1人、介護職員5人=7人 ⑥)営業活動 1)職員は1か月に2回以上 市内や近隣の介護支援センター等に営業活動を行います。 2)ホームページに3カ月に1回は新規情報を掲載します。(4,7,10,1 月) 3)ハーモニー松葉だよりにデイサービスのPRを年4回掲載し3000 部を配布します。 ⑦仕事の効率化 1)パソコンにケース記録を入力処理し適正で効率的な事務処理を行います。 2)研修・ミーティングは内容を吟味し2時間以内で効率的に行います。 3)仕事の効率化のため2つ以上の改革・改善案を 6 月と 10 月提出します。 (3)受託事業 平成26年度の稲城市からの受託事業については、①介護予防筋力向上トレーニング事 業、②フォローアップ事業、③移送支援事業、④介護予防体操事業を実施いたします。 なお、25 年度に稲城市と調整をおこない受託事業用の送迎車を購入したことから、効率 のよい運営を行ない、費用対効果や採算性等を考慮した運営を行なってまいります。 4.組織管理体制 (1) 理事会・評議会・監査 回数 予定年月日 主要な付議案件 1 平成 26 年 5 月 2 11 月 3 平成27年 1月 理事長および職務代理の選任 4 平成 27 年 3 月 平成 26 年度事業計画、当初予算等 平成 24 年度事業報告、決算報告等 摘 要 監事監査 補正予算、事業経過報告 研修 ※必要に応じて臨時の理事会・評議員会を開催します。 ○施設内研修会の実施 理事・評議員を対象に当法人の運営状況を報告する研修会を開催いたします。 ○東京都主催の理事研修への参加 東京都が主催する法人役員研修に数名の理事に参加していただきます。 (2) 人事管理 ①職員体制 ケアハウスおよびデイサービス事業を適切に運営するため、次の職員を配置します。 なお、用務職員を嘱託職員からパート職員に変更し、柔軟で効率の良い運営を行なって いきます。 常勤職員 5 名、嘱託職員 1 名、パート職員 22 名、 合計 28名 ②旅費規程の見直し 給不・退職・旅費規程の見直しを行い、平成26年度から職員の通勤実態に合わせた 手当て支給を行なってまいります。具体的には、電車・バスの通勤にあっては、これま 5 で三ヶ月分定期券代の3分の1を毎月支給していましたが、六ヶ月分定期券代の6分の 1を毎月支給することにします。 また、車通勤等はこれまで規定にないことから、今後公務災害に適用になるよう通勤 実態に合せるため、新たに車通勤等を認めた支給方法を定める規定といたします。 ③職員研修 職員の知識および技術能力の向上と時流に即したサービス向上を図るため、職員1人 あたり年平均3回を目安に次の各種研修に参加させ研鑚を積むとともに、研修で得た情 報資源を共有化し有効活用によりサービス向上につなげます。 1)施設視察研修、2)社会福祉協議会等が開催する職員研修会、3)施設内職員勉強会、 4)ミーティング、5)資栺取得研修 ④被服の貸不 職員の介護ユニホームを統一し、職員である認識の向上と法人身分の明確化を図り、 同時に活動性を高め介護業務の安全性を確保し、利用者に心地よい容姿を提供するため 2 回目のユニホームの貸不を行います。 ⑤職員会議の充実 幹部会議、事務職員会議、担当者会議、利用者懇談会など適時開催し、施設のより的 確な経営を図っていきます。また、会議等の内容を記録し、職員が閲覧できるよう管理 保管します。 (3) 施設・設備の修繕 施設は、開設以来 13 年目に入り、施設の一部に老朽化も見られることから、定例的 な点検整備を行い、修繕を行うなどして施設運営に支障をきたさないように努めます。 また、器具備品等の点検整備を強化し、適切な管理により交換を行ってまいります。 (4) 防災・防犯対策と非常時の避難訓練 26年 1 月に職員が普通救命講習を実施し気道確保、心肺蘇生、AEDの使い方、止 血法、感染症など「救急措置」が行えるよう研修を行なっています。26年度も、こう した技術を生かし、また緊急事態に備え、入居者や利用者及び職員の防災知識の向上を 図るとともに、実践予測による各種訓練を実施します。 ①定期的に防災訓練を行います。 ②非常時に対応可能な物品・物資の確保・備蓄を行います。 ③防災設備は委託業者との保安契約により定期点検を実施します。 ④施設の出入り口の防犯体制を強化し、施設入居者や利用者の安全確保を図ります。 (5) 庶務・経理事務の適正化 ①当施設は、高齢福祉施設であり専門職である介護職員が中心となり構成され運営を行 っておりますが、小規模施設であることから、これらの職員も庶務や経理事務の能力 をつけるなどして適正な運営を行ってまいります。 ②職員体制の見直しにより、尐数精鋭の運営を行うとともに引き続き複数担当制を堅持 し、けん制機能の強化を図ります。 6 ③各事業の実施にあたって、目的、実施状況、収支状況、課題点を明確にするとともに 収益バランス等を検証した運営を行ってまいります。 (6) 広報活動の充実 ハーモニー松葉の活動状況を広報するため、 「ハーモニー松葉だより」を年4回(3,000 部)発行し、各介護支援センターをはじめ市内及び近隣地区の住宅に配布いたします。 また、 「ホームページ」に新しい情報を掲載するとともに、法人運営の透明性を図るた め、財務諸表をはじめとした経営情報(事業計画、役員名簿等)も WEB 上で公開し、 地域の理解と信頼を得るように努めます。 以上、ハーモニー松葉の事業運営にあたっては、今後も地域に根ざし開かれた施設と して、期待に応えた運営を行う所存であります。このため、入居者や利用者の皆様はじ め、関係機関の皆様、ボランティア、地域の方々のご理解とご協力が丌可欠であります ので、一層のご支援ご指導を賜りますようお願いいたします。 7
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