育種学レポート① 現在、①人口は今も増加中で、2050年には、90億人

育種学レポート①
現在、①人口は今も増加中で、2050年には、90億人を突破すると見込まれてい
る。その人口を養うには、食糧全体の生産量を、現在の約70%程度引き上げなげればな
らず、発展途上国においては、ほぼ倍増しなければならない。その中でも、穀物の需要が
高まっている。食用はもちろんのこと、飼料用、バイオエタノールとしての利用も高まっ
ている。では、その穀物の生産量をあげるためには、どうすればいいのか。もちろん簡単
なはなし、作物の耕地面積を増やせばいいのだが、そうはいかず、耕地面積はなかなか増
えないと予想されている。耕地面積の拡大が見込めないのであれば、土地生産性を向上さ
せなければならない。施肥にこだわるには、金銭的にも限界があり、そこで、収量を多く
できる品種を開発するということで、植物育種の分野が役立ってくる。
自分は、上記のような世界の食糧状況をふまえて、食用、飼料用、バイオエタノールと
しても利用できるトウモロコシの収量増加に注目した、育種計画を考えてみた。②実際に
トウモロコシは、BT コーンなど、病害虫に強い、品種が開発されてきた。③工業作物とし
ても、注目されているトウモロコシに大豆からの転作も進んでいるが、トウモロコシは、
小麦や大豆に比べて、多くの水を消費する。一部の地域では、水不足が問題になるほどだ。
なので、自分は、病気に強い品種というよりも、多くの水分を必要とする、トウモロコシ
が乾燥地域でも育てられるように、乾燥に強い品種を開発したい。実際にどうするのかと
いうと、乾燥に強い植物の遺伝子をトウモロコシに導入して、乾燥条件下でも育てられる
ようにしたい。やはり、このような考えは、一般的なようで、オリジナルの考えとはいか
ないが、④実際に東京工科大学では、ヤトロファという植物の遺伝子を解明して、それを
ほかの植物に導入して、実際にどのような効果を得られるかという研究をしている。この
ヤトロファという植物は、乾燥に強い地域で繁殖していて、実際に、東京工科大学の研究
室では、二年間も水を上げなくても生きていたという。なので、ヤトロファという植物に
は、確実に乾燥に強い仕組みもっているのである。これを利用しない手はないと思う。も
し、ヤトロファの遺伝子をトウモロコシに組み換えし、効果を得ることができたのならば、
もちろん、二年間水を上げないでも、育つとは言わないが、今まで、栽培に適さなかった
土地でも、トウモロコシを育てることができるのではないか。異種間の雑種は、生殖能力
がないもしくは、激しく落ちるのが、一般的なので、イネ科であるトウモロコシは、同じ
イネ科で乾燥に強い植物の遺伝子を組み換えるのが効果的かもしれない。あとから分かっ
たのだが、⑤実際に乾燥に強いトウモロコシの開発は、デュポン社、モンサント社で進ん
でいて、マーカーアシスト育種技術などを駆使して、少なからず効果を示しているようだ。
なかなかオリジナルの考えとはいかないが、より乾燥に強いトウモロコシが開発されれ
ば、いずれ必ず世界中に降りかかる、食糧問題解決の手助けにはなるであろう。
① 作物学、耕地生態学の資料から
② 作物学の資料から
③ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%83%AD
%E3%82%B3%E3%82%B7
④ http://www.teu.ac.jp/information/2012.html?id=156
⑤ http://www.foocom.net/column/shirai/7351/
育種学レポート②
増え続ける人口を将来、養うにはこの地球上の資源では限りがある。では、この限り
ある資源のなかで、どうやって食糧生産を伸ばしていくかというと、育種技術の発展が
必須である。そんな中で、生まれてきた技術が、ゲノム育種、GS 育種(ゲノミックセ
レクション)である。
❶育種とは、生物を遺伝的に改良して、新しい優良な品種を生み出していくことであ
る。メンデルの法則が発見されてから、およそ100年余りがすでに経過しているが、
交雑による品種改良の考え方は、今も昔もかわっていない。が、従来の育種法には、ま
ず収量や品種など農業上有用な形質は環境の影響を受けるため、形質による時間と手間
がかかる点が問題であり、さらに、遺伝資源から優良な形質を導入する際に、求めてい
た形質だけでなく、不良形質も導入してしまう可能性がある。他にも、複数の遺伝資源
から優良な形質を導入するのに、多くの手間や費用がかかり、育種家の勘と経験に頼っ
ている部分が多くあり、様々な問題点が多くあった。そこで、そのような問題を解決し
ようと、考えられた新たな論理的育種法が、ゲノム育種、DNA マーカー育種であった。
有用な形質は、環境に左右される点もあるが、その根本的なものは遺伝子である。こ
の遺伝子はゲノム上に書き込まれていて、この遺伝子をもとにタンパク質が作られてい
る。したがって、ほぼ遺伝子によってすべてが決まるといっても過言ではない。このゲ
ノム上の遺伝子マーカーそのものを解析し、そのマーカーを利用することで、従来の育
種法の問題を解決することができる。形質による選抜の手間、経費の削減、選抜時に懸
念される不良形質の導入可能性を少なくできる。このほかに、子孫の遺伝子型の特徴父
親によるものか、母親によるものか、それとも両方であるのか、そういった従来の育種
法では不可能であったことが可能になっている。❷さらに上記に示した、ゲノミックセ
レクションを用いれば、優良個体を選抜することが容易になる。ゲノミックセレクショ
ンは、育成中の材料にみられる目標形質(収量性、耐乾性、耐暑性など)とゲノムワイ
ドマーカー間の関連をもとに、ゲノムワイドマーカーから「目標形質を予測する」モデ
ルを構築する。そして、その予測モデルをもとにゲノムワイドマーカーから目標形質を
予測することで、「目標形質を実際に計測することなく」優良個体を選抜する。ゲノミ
ックセレクションを使えば、(1)環境の影響を大きく受ける形質(収量や品質などの
多くの量的形質)の安定した選抜がどこでも可能となる(例えば、アフリカの環境に適
応する品種を日本の温室内で選抜できる)
、
(2)グロースチャンバーなどで世代促進を
行いながら優良個体を選抜することで育種を加速化できる(通常、世代促進は極端な環
境で行うために形質の選抜はできない)、
(3)個体単位では計測や選抜が困難であった
形質(収量など)の個体選抜が可能となる(通常、このような形質の評価には次世代個
体群が用いられる。個体選抜 は時空間の大幅な節約につながる)
。 しかし、このよう
なゲノム育種にも問題があり、そもそも有用形質をもつ遺伝資源がなければ、使える遺
伝子がないということである。自然突然変異だけに頼らず、人工突然変異を起こすこと
が研究されている。他にも安全性の面などの課題がある。
このように育種技術は日々進歩している。正直、これだけ技術が体系化されているの
ならば、生物学的な分子メカニズムを理解する必要が全くない未来もあるかもしれない。
個人的にはそうなると非常にありがたいが、結局は、メカニズムを理解せずに育種研究
をすることは不可能だと思う。
❶http://www.s.affrc.go.jp/docs/report/report21/no21_p1.htm
❷http://lbm.ab.a.u-tokyo.ac.jp/~iwata/seminar/intergenomics/youshi_iwt.pdf
育種学レポート③
突然だが、自分はトマトが大好きだ。野菜の中ではもちろん一番好きであるし、他の
食べ物、フルーツの中でも相当上位に食い込んでくるであろう。しかも、トマトはとて
も健康にいい。リコピンが血液をさらさらにして、生活習慣病を予防してくれるのだ。
そんなことから自分はいつもよりおいしい、より甘いトマトを食べたいと思っている。
もし、自分が本当に研究をするならトマトについて研究をしたい。甘いトマトを作るに
は、❶栽培中の水分を管理して、フルーツトマトのように甘くするという栽培学的な方
法があるのだが、今回は育種学の観点から基礎研究をするので、栽培学的な観点は泣く
泣くあきらめる。
(自分としては、育種研究はとっつきにくい(笑))。
自分が調べて、興味をもったのは、❷ミラクリンというタンパク質である。(ちょう
ど、東大の生物機能開発化学研究室で研究されていた。)これは西アフリカ原産のミラ
クルフルーツという果実にふくまれる、酸味を甘味に感じさせるという魔法のようなタ
ンパク質である。実際は、このミラクリンを舌になじませた後、酸味を呈するものを味
わうと、驚くほど甘く感じるらしい。なんとも素晴らしいタンパク質である。しかも、
ミラクリンの示すタンパク質は、上品で非常に心地よい甘味として感じられるという。
自分はこれをぜひともトマトに導入したい。トマトの酸味がより良い甘味に代わるので
ある。もちろんバランスも重要である。もし、実現したと思うと、今からよだれがでて
きてしまいそうある。遺伝子組み換え技術を駆使して、ミラクリンをこんだよりおいし
いトマトを作りたい。
実際にこの分野の研究は進んでいて、おいしいトマト作りたいとおもって、いろいろ
調べてみたところ、ミラクリントマトも出てきた。まだ最近の研究であり、これからの
研究に発展のために予算申請をお願いしたい。より甘く、よりおいしいトマトのために。
❶http://トマトの育て
方.com/category/%e7%94%98%e3%81%84%e3%83%88%e3%83%9e%e3%83%88%e3%82%92%e8%82%
b2%e3%81%a6%e3%82%8b%e3%81%ab%e3%81%af%ef%bc%9f
❷http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2011/20110927-1.html