よく聞く「セクハラかな?」という発言は、女性の不支持率ナンバーワンの

働きやすい職場のために∼ セクシュアルハラスメント“気づき”チェックリスト(解説)
これって“あたりまえ”?
社内で、女性だけが偏って担当している業務はありませんか?通常業務以外でも、社内イベントの司会や研修会場
のアナウンス、表彰式の介添えや花束贈呈などで女性を駆り出し「
職場の花」的扱いをしていませんか?アフター
ファイブの飲み会でも、決められた配席やお酌の強要、カラオケのデュエットを歌わせる、などは女性を「ホステス役」
として扱っていることと同じです。
女性を一段下に見ている気持ちは、女性をあだ名や「
女の子」と呼ぶことにも現れており、親しみをこめているつもり
でも、本人や周囲に不快感を与えていることがあります。ビジネスでは、対等なパートナーとして、きちんと「○○さ
ん」と姓で呼ぶべきでしょう。また、女性は保護すべき、という考えは決して悪いことではないかもしれませんが、あく
までもそれは個人的な価値観です。これまで通例として行われてきた行為でも、固定的なジェンダー意識(性的役割
分担意識)は、本人の「
性別に関係なく対等に働きたい」という意志を無視し、働く機会を奪ってしまうことにも繋がり
ます。何げなく続けることによって知らず知らずのうちに自分だけでなく周囲の性的役割分担意識を助長してしまう可
能性もあります。職場では、皆「
対等に働くパートナー」という意識で接することが大切です。
職場は「仕事」をするところ!
「
慰労」の意味で、と言いますが、異性の部下と2人きりで食事に出かける行為に、本当に「
下心」はないのでしょう
か。部下と非常に近くで話したり、身体を触ったりすることで、ドキドキ、ウキウキしたりしていませんか?自分と相手
との関係は、相手が「NO」と言えないような力関係ではありませんか?はっきり「NO」と言えないために「OK」してい
るものと誤解されてしまうケースも多いのです。
また、身体を眺められた、と不快感を訴える人も非常に多く、男性が(本能的に?)何気なく見てしまったとしても「い
やらしい」と感じられることが少なくありませんので注意が必要です。
最近ではメールに関する苦情も増えています。職務上必要のないメール、個人的なメールを送る、ましてや、「ハー
ト」などの絵文字入りメールなどは慎むべきでしょう。また就業後や休日のメールは、「個人的なメール」と受け取られ
やすいので、緊急な用件でなければ送らないように注意しましょう。
職場の異性や同僚を単なる「疑似恋愛」の対象や性的な対象としてみることは大変失礼なことだと、しっかり認識して
ください。
あなたには関係ありません!
「コミュニケーションの一環」として、職務上関係のないプライベートな質問や話題を聞いたり話したりすることが相手
に不快感を与える場合があります。結婚や出産に関する事項は、興味本位でプライバシーを詮索されていると受け
止められることも多く、身体の話題は特に女性にとっては性的なニュアンスを感じ”いやらしい”印象を与えます。
また、男性が女性を褒めた時に「不快だ」と言われることが理解できない、と言う男性が多いのですが、「仕事以外」
の事柄だけを褒めてはいませんか?女性も仕事ぶりを見て評価して褒めてほしいのです。「仕事以外の髪型やスタ
イルだけを褒められても・
・
・
」と、素直に喜べる人は少ないようです。
そもそも「マナー違反」では?
本人がコミュニケーションのつもりでも、相手や周囲の人が(1人でも)不快に思えば、それは「ユーモア」ではありませ
ん。性的な話題で盛り上がるのをいたたまれない気持ちで聞いていたり、男性でも実は我慢して合わせている人もい
るのです。また男女ともに他人に身体を触れられることを好まない人は多く、「酒に酔った勢い」での下品な言動には
気をつけなくてはなりません。
実は「自分は人気がある」「自分は好かれているから大丈夫」という根拠のない勘違いや思い込みが、セクシュアル
ハラスメントを引き起こす例は少なくありません。「そう思っているのは自分だけ」というケースがほとんどです。
よく問題になる「露出度の高い服装」については、女性は一般的に「おしゃれ」として露出度の高い服装をしている場
合がほとんどです。一方男性は露出度の高い服装を見ると、特別な意味にとったり、「遊んでいる」と決めつけたりす
ることがあります。それ以外でも、気になって仕方がない、本能的に見てしまう、見ていると誤解されたくない、などい
ろいろ考えてしまうようです。余計な軋轢が生まれ、職場の雰囲気が壊れる原因にもつながりますので、やはり男女
とも「おしゃれ」を優先するよりも、自社の雰囲気や職場の風土(その場の雰囲気)に合ったふさわしい服装をよく考え
着用すべきです。
よく聞くこんなセリフ・あんなセリフ
よく聞く「セクハラかな?」という発言は、女性の不支持率ナンバーワンのセリフです。呆れて聞き流して
いるのを、「許されてる」と勘違いしないようにしましょう。
年齢や勤続年数のことを話題にし、年配の女性を揶揄する発言は控えるべきです。同様に、年配男性
②
を「オジサン」「オヤジ」などと侮蔑的に呼ぶのも失礼にあたります。
・
・
女は・
・
・
既婚者は・
・
・
独身者は・・・などといった決めつけは個人的な主観であり、それは「不当
③④⑤⑥ 男は・
な一般化」だということに気づきましょう。
何気なく使っている言葉で、人によっては不快に感じる言葉がないでしょうか。なるべく人を不愉快にし
⑦⑧
ない言葉を選びたいものです。
①
2011年10月 東京人権啓発企業連絡会 啓発委員会作成