特集 都市鉄道の発達

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Railway & Transport Review
第二十三号(2000年3月)
都市鉄道の存在意義
論説
特集
都市鉄道の発達
ロンドンの鉄道—都市成長・拡大に伴う問題
の解決に果たした役割
ジェイムズ・アームストロング
テリー・グアヴィッシュ
テムズ・ヴァレー大学教授
世界最初の地下鉄道を1 8 6 3 年に開通させたロンドンは、都市鉄道の揺籃の地と
なった。地下鉄と幹線鉄道会社による近郊輸送を含むロンドンの都市鉄道は第
一次大戦の頃まで拡張を続けた。第二次大戦後は公企業体制のもとで発展速度
が低下し、鉄道は投資不足に悩まされた。英国を代表する二人の鉄道史家が、技
術・経営・営業の各側面にわたって簡潔に概観するロンドン都市鉄道の発達史。
ロンドン大学経済政治学院教授・経営史学科長
ニューヨークの鉄道システムの発展
ピーター・デリック
ニューヨーク市ブロンクス区歴史協会副会長
首都交通圏の鉄道網の発達
廣岡
治哉
東京交通短期大学学長・法政大学名誉教授
編集長のデスクから
大次郎
首都圏は人口3 2 0 0 万を擁する世界最大の通勤交通圏である。鉄道は首都交通圏
の骨格であり、郊外鉄道と地下鉄の直通などの改良が戦後行われた。いま、東京
の成長時代は終わったが、旅客は依然として混雑から解放されず、鉄道インフ
ラへの新規投資は次第に困難を増している。
東京圏の都市鉄道整備新計画
パリと東京の初期都市鉄道の景観
北河
ニューヨークの最初の都市鉄道は1 8 6 8 年マンハッタンに開通した高架鉄道で、
世紀末までに多数の高架線がマンハッタンとブルックリンに建設された。最初
の地下鉄は1 9 0 4 年に開業、市有であるが運営は民間会社に任された。地下鉄網
は1910年代から20年代にかけて官民の出資により拡大した。民営鉄道の経営困
難が深刻になるにつれて郊外通勤鉄道は公的管理のもとに置かれるようにな
り、今日では州の機関であるメトロポリタン交通局がニューヨークの公共交通
機関の殆どを管理している。
高架鉄道の上を頻繁に行き交う列車の姿は、東京の都市鉄道網の特徴であり、
都市景観の重要な要素となっている。東京では鉄道などの新技術は近代性の象
徴と見なされ、迷うことなく取り入れられた。対照的にパリでは、高架鉄道の是
非をめぐって意見は分かれた。日本とフランスの首都における近代技術受容過
程の比較考察。
文化庁文化財保護部建造物課
東京の地下鉄がパリの都市鉄道に与えた
影響—国鉄近郊線との相互連絡
ルイ・サトー サトー・エ・アソシエ社(技術コンサルタント)会長
フィリップ・エシック
元住宅大臣・フランス国鉄経営委員会会長
ナイジェリア鉄道救済のために官民共同
参加を
ジョシュア・アデトゥンジ・オデレィエ
ナイジェリア鉄道上席輸送営業部員
もう一つの視角から 日本の知られざる一面
サムヌエク・ブアケアウ タイ国有鉄道
今日の鉄道技術10
野口達雄・藤井俊茂
自然災害から鉄道を守る
トピックス
1999年9月から11月まで
写真特集
東京の通勤輸送用電車
鉄道総合技術研究所
1 9 6 5 年に定められたパリの地域急行鉄道網の基本計画には二つの問題点があっ
た。一つは地下駅で同一プラットフォームを使って二方向の列車の乗客を速やか
に乗り換えさせられるかという問題であり、
もう一つはフランス国鉄とパリ交通
公団の営業線を接続し、相互直通運転をすることができるかという問題であっ
た。
東京が参考例として選ばれ、
1 9 7 1 年、
フランス側の調査団は訪日して、
地下鉄
と郊外鉄道の直通運転の状況と、
赤坂見附駅における地下鉄二路線間の乗り換え
状況を視察した。
ナイジェリアの鉄道輸送は、経営の不手際と一貫した交通政策の欠如のために
きわめて非効率な状態が続いている。先進工業国における近年の傾向とは対照
的に、発展途上国の政府は、政府自らが鉄道インフラと鉄道輸送事業を独占す
るという古い考え方に固執しているが、政府が企業経営に優れた実績を挙げた
例は殆どない。このような国においても、鉄道再生のためには民間部門の経営
参加が重要である。
日本を訪ねて実際に見るまで、ほとんどの外国人は日本をビジネスと技術の国
としか考えず、日本のもう一面である伝統文化や美しい景色のことには思い至
らない。秋田に滞在したタイ国 鉄の研修生が自ら発見した食 事、建築、祭り
等々、地方文化の知られざる魅力を語る。
鉄道総合技術研究所の専門家が、降雨、降雪、強風、地震等の自然災害から列車
と線路を守るための最新の技術について解説する。
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