インドネシアの日本語教育-教員養成プログラムに焦点をあてて

2012/12/19
インドネシアにおける
日本語教育概要
高校での日本語教育
インドネシアの日本語教育
2006年と2009年の比較
2006年
2009年 増加率(%)
学習者数
272,719
716,353
162.7
機関数
1,084
1,988
83.4
教師数
2,651
4,089
54.2

2004年中等教育カリキュラム(日本の学習指導要領にあ
たる)改定
第二外国語としての日本語を開講し、
履修する学生の増加

日本語教育を実施している高校:
普通高校、宗教高校、専門高校

履修形態:
「必修」「選択科目」「課外活動」
教科書:
言語系科目:『日本語1』『日本語2』(2007年)
選択科目 :『さくら』(2009年)
国際交流基金と国家教育省により共同作成
全国の高校に配布



(『海外の日本語教育の現状日本語教育機関調査・2009年 概要』より)
2
教師養成課程
高校日本語教師

従来の教員養成制度
旧日本語能力試験における4級 以上3級未
満の者が大半

教授法についての知識の差が大きい

日本語指導に加え、クラブ活動も指導
→ 壁新聞作り、マンガ作り、折り紙

スピーチコンテスト、漢字コンクール、日
本文化祭などの参加により、学習者に学ん
だことを応用するチャンスの与え
①

高校の教師になるには、学部の学位と
教員免許を取得しなければならなかった

教育学系の学位取得者は、自動的に
教員免許を取得

非教育学系の学位習得者は、教員免許
プログラムに入り、教員免許状を有して
はじめて教師になれる
3
4
教師養成課程
教員養成制度
<従来の流れ>
教師になる
学部の教員
養成課程
現在の教員養成制度
<2011年以降の流れ>

2009年に国家教育省により、教師教育プロ
グラム(Program Pendidikan Profesi
Guru=PPGプログラム)に関する法令が発出

従来の教員免許プログラムの廃止

2011年、 PPGプログラムの初運営

2014年以降教師になる人は、PPGプログラム
卒業が必須
教師になる
教員免許
プログラム
学部の非教
員養成課程
教師教育プログラム
(PPGプログラム)
学部の教員
養成課程
②
学部の非教
員養成課程
5
6
1
2012/12/19
PPGプログラム ①

教育学系の学位取得者も、非教育学系の
学位習得者も、教師としての資格が取得
できるように、教育するための教師養成
教育プログラム

背景:初等及び中等学校の教師の専門性
と教授力が不十分

目的:授業設計・実施・評価、評価結果
のフォローアップ、学習者指導、研究、
継続的に専門性を発展させる能力がある
教師の養成
PPGプログラム ②

コース:
PPGプログラムは、コース前プログラムと
本プログラムの2つから成る。

入学試験:
①書類選抜
②筆記試験:専門分野の試験、学力テスト、
英語力テスト
③面接
7
8
PPGプログラムの設立申請条件
PPGプログラムの入学プロセス
①教育大学
PPG
プログラム
②PPGプログラムと同じ学科がある大学
合格
③その学科がアクレディテーション(大学評価)
で少なくともBを取っていること
不
合
格
④その学科に、博士号を取得し、特定の肩書の
ある教師が最低2人、修士号を取得し、特定の
肩書のある教師が最低4人いること
入 学
試験
⑤模擬授業用の施設を持つ大学
コース前
プログラム
合格
コース前
プログラム
入 学
試験
非教員養成
課程卒業生
教員養成課
程卒業生
日本語学科
日本語教育
学科
⑥教育実習校確保のネットワークがある大学
9
不
合
格
10
日本語の場合
PPGプログラムの影響
学部の教育系課程
 現在の学部の教育内容とPPGの教育内容
は一部重なる
 教師になるための学習期間が最低1年
延長

2011年に、日本語PPGプログラムの運営者
としてスラバヤ国立大学が認定を受けた。

日本語PPGプログラムのカリキュラムも作
成されている。

2011年にはまだ実施されていない。
学部の非教育課程
 教師になるための学習期間が半年延長
11
12
2
2012/12/19
スラバヤ国立大学の日本語の
PPGプログラムのカリキュラムの例
コース前プログラムの
カリキュラム
教育科目
(約半年)
単位数
日本語学科の
教師養成課程の課題
本プログラムのカリキュラム
(約1年)
ワークショップ科目
教育心理学
2
聴解の教案開発
3
日本語学習ストラテジー
3
会話の教案開発
3
日本語授業計画
3
読解の教案開発
3
日本語学習評価
2
3
教育研究
2
作文の教案開発
コミュニカティブ・アプ
ローチによる総合日本語
の教案開発
異文化理解の教案開発
日本語科目
日本語会話
3
日本語作文
3
教育実習
合計 18単位
PPGプログラムの実施に伴って生じる課題:
単位数

教育系の教育内容の改善

PPGプログラムの入学競争が激しいので学習
者の日本語力、日本語教授法、
英語力の向上

PPGプログラムの設立を目指し、PPG向けの
人材管理、施設管理、実習校確保のネット
ワーク作り
3
3
20
合計 38単位
13
参考文献
14
インドネシアの日本語教育
-教員養成プログラムに
焦点をあてて-
1.藤長かおる、古川嘉子、エフィ・ルシアナ(2006)
「インドネシアの高校日本語教師の成長を支援する教師
研修プログラム」『国際交流基金日本語教育紀要』第2
号、p.81-96.
2.国際交流基金(2011)『海外の日本語教育の現状日本
語教育機関調査・2009年 概要』独立行政法人 国際
交流基金
3.Kementerian Pendidikan Nasional(2010) Panduan
Pendidikan Profesi Guru.
4.Universitas Negeri Surabaya(2011) Panduan
Pendidikan Profesi Guru Bahasa Jepang.
15
16
ドゥイ アストゥティ R.L
ジャカルタ国立大学
[email protected]
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3