“できる上司”という思いこみのはずし方

こんにちは。
『上司のあなたが頑張って働いても部下はなぜついてこないのか』の森昭です。
この度は、拙著をお読みいただき、誠にありがとうございます。
私にとってビジネス書としては第二弾になる本書では、働く全ての人にとって
職場が「最高の職場」になるために、リーダーに必要なことをまとめました。
私個人の経験だけでなく、『最高の職場づくり実践会』の会員様や、業種業態問わず、
高校生から、ビジネスマン、そして教育者まで、全国で活躍されているリーダーに
取材をし、完成したのが今作です。
そして、ページ数の関係で本書に掲載しきれなかった秘蔵コンテンツを
新刊特典として、読者の皆様に贈らせていただければと思います。
「最高の職場」への一助になれば幸いです。
森昭
☆“できる上司”という思いこみのはずし方
あなたにとって“できる上司”とはどのようなイメージでしょうか?
私の場合は、
●寡黙に確実に自分の仕事はしっかりする ●部下の失敗を全力でフォローする ●理不尽なことがあったら自分の上司にさえもしっかりと意見を言う ●ヘラヘラしない ●愚痴・泣き言は言わない ●言葉では言わないけれど、態度で上司とはどういうものかを表現する というイメージを持っていたのです。
どんなに資金繰りが苦しくても、顧客とトラブルがあっても、業務が自分に集中しても
グッと口を真一文字に歯を食いしばって寡黙に頑張る。
そんな高倉健さんのような上司像をイメージしておりました。
でも、それではうまくいかなかった。。。。
なんでみんな私の気持ちをわかってくれないんだ
なんでみんな私がこんなに頑張っているのに無責任な働き方なんだ
なんでみんな自分の頭で考えて行動しないんだ
いつも、眉間にシワを寄せ、毛穴からはイライラを発して、部下は苦虫を
かみつぶしたような私の顔を伺いながら仕事をするようになり、
ベストパフォーマンスを出すどころか、どこか委縮した感じで
仕事をするようになっていました。
その結果、いつも人間関係の問題が勃発し、それを解決する
時間も気力もないままに自分のベストパフォーマンスを出さないと、
業績が落ちてしまうプレッシャーと戦い続けていたのです。
この問題を解決に導いてくれたのも、本書中に紹介しました
『イライラ手帳』だったのです。
イライラを深堀りすると、自分の思い込みがわかることがあるのです。
思い込みがわかると、その思い込みをはずせば、とても楽になるということが
わかってきました。
例えば、こういうケースです。
難易度の高い治療の場合、助手にはベテランがついてほしいのですが、
新人の助手がついてしまっている。
不満を感じながら、慣れない助手にイライラしながら、その助手をつけた
ベテラン助手にもイライラしながら治療をしました。
その時、『イライラ手帳』には
●なんで、難易度の高い治療に、新人の助手をつけるのだ! 俺の気持ちをなんで察してくれないんだ ↓ ●あれっそれって言葉で「これは難しい処置だから、○○さんにアシスト代わってね」 と言えば済むだけなのに、なんでイライラしているのだろう ↓ ●そう言えば、言葉に出して表現するって苦手だよな。 なんかいつも無言で怒っているよな ↓ ●なんで、部下に自分の気持ちを話さないようになったのだろう 『イライラ手帳』にそういう事例がたくさん上がってきてそこを深堀りしていくと ●小さな会社の経営者だった父親が家では厳格、無口でものすごく大きい存在だったから、 それが経営者のあるべき姿だとインプットされている。 ●父に男の子は人前で泣くな、ヘラヘラするな、泣き言をいうなという教育を受けてきた。 その結果、私の中には
●寡黙に確実に自分の仕事はしっかりする ●ヘラヘラしない ●愚痴・泣き言は言わない ●言葉では言わないけれど、態度で上司とはどういうものかを表現する という理想の上司像ができあがったのではないか。
ということにいきついたわけです。
もっと深堀りすると、
“いくら苦しくても弱音をはかず、いつも強い上司であり続けなければ、 自分の上司としての価値がない” という理想の上司像が根底にあり、それが自分を窮屈にしている
根本であるとわかったのです。
その他、『イライラ手帳』を深堀りすると
“自分では気づいていなかった自分の深いところの感情”
に気付くことができます。
例えば
●私は意外と世間の評判を気にしている ●無能さがばれたくない ●人に指示されることが嫌 ●なんでも完璧にやらないと気が済まない ●すごいと言われたい ●ちやほやされる存在だ ●自分は特別な存在だ と情けない事を深い部分で考えていること(思い込み)に気付きました。
『イライラ手帳』は自分の思い込みに気付くのにとても有効なアイテムだったのです。
そして、おかしな思い込みに気付けば、はずせばいい。
例えば、私の場合、父親の影響で、
“いくら苦しくても弱音をはかず、いつも強い上司であり続けなければ、
自分の上司としての価値がない”
という思いこみを持っていたということがわかりました。
子どもにとったら、親は完璧な存在であり、大きな権威であります。
私も人の親になり、子供にいろいろ伝えることがあります。でも結構ブレがあります。
親としての自分の考えも全然完璧じゃないのです。でも、間違いなくあるのは、
“自分らしい幸せな人生を送ってほしい”ということなのです。
そうすると
●父もけっこうブレていたのかもしれない ●そういう時代だったのかもしれない ●自分が勝手に思い込んだだけかもしれない ●結局は、自分らしく幸せな人生を送ってほしいというメッセージだった
というふうに、思い込みをはずすことができたのです。
そして、思い込みがはずれたら、ものすごく楽なのです。
少しずつ体が軽くなるような感覚がありました。
窮屈感から解放されていったのです。
≪思い込みのはずし方≫ ●イライラ手帳で自分の感情に気付く ●その感情はなぜ生まれてきたのか深堀りする ●自分にとって窮屈な思い込みがあったら書き換える ●書き換えたものを、手帳や、良く見えるところに書き毎日見る ☆あなたの部下は乳幼児?思春期?成人期?
部下の成熟度合いと上司に必要なスキル
《乳幼児期》
子育てをされた方ならおわかりだと思うのですが、乳幼児は物を覚える時
「これナニ~」攻撃をしかけてきます。何にでも興味を持って質問してくるのです。
業務をまだ覚えていない部下は、この「これナニ~」の状態です。
この時期、上司として必要なスキルは、手法を根気よく教えるというスキルです。
もう一つこの時期に大切なスキルがあります。
子どもが幼稚園に行く時の様子を想像してください。
子どもが頑張って靴下を履こうとしています。
母Aは、やきもきして、子どもが頑張って履こうとしている手をのけて、
自分で履かせました。
母Bは、子どもが自分で履けるようになるまで、根気よく待ちました。
スピード、仕上がりという視点で見れば、母Aの方がよいでしょう。
でも、子どもの成長という点では、母Bに軍配があがるのではないでしょうか。
よほど意識しないと、できる上司は、母Aになってしまいがちなのです。
その結果、指示待ちの部下しかいないことになり、自分に仕事が集中することになります。
この乳幼児期の部下に対して必要なのは
●手法を根気よく教える ●待つ というスキルです。
少なくとも、人を育てることができる部下が育つまでは、この2つのスキルがとても
大切になってきます。
《思春期》
実は、乳幼児期の部下と上司との間には、それほど大きな問題は勃発しません。
自分の仕事、業務が一通りできるようになると、部下は『思春期』に入ります。
今まで上司に完全に頼っていた状態から、自分の意見を持って仕事をするようになります。
多くの人間関係の問題はこの『思春期』の部下との間で勃発します。
なぜなら、『思春期』には『反抗期』があるからです。
この時、上司のスキルとして大切なのは、
“強引に自分の意見を押し通さない”というスキルです。
私のしてしまった失敗談をお話しします。
私の失敗談 その1
常に、患者第一主義をスタッフに伝えています。
しかし、その日は大切なことを伝える全体ミーティングがありました。
朝礼で、全体ミーティングで大切なことを伝えるので時間厳守で集合するように伝えまし
た。
しかし、ミーティングの時間になっても受付スタッフがいません。
他のスタッフに何度か呼びに行ってもらいました。結局全員そろったのが
予定時間よりも15分過ぎた頃でした。
そのミーティングのために、前日の夜遅くまで前準備して、
シミュレーションまでしていたのですが、無駄になってしまいました。
自分の言ったことが守られなかったことに腹が立った私は、
受付スタッフを呼び出し問い詰めました。
●自分の貴重な時間を使っての準備が無駄になったこと ●院長である私の言葉が無視された憤り を少し感情的に話しました。
すると、スタッフは、患者が急患で来られて、対応していて
時間がかかったことを私に言いました。そして最後に、
「患者第一主義ではないのですか」と私に少し怒ったように言いました。
私も感情的になり
「院長の指示が一番だ!」と言ってしまいました。
しばらくそのスタッフは私と目を合わせてくれませんでした・・・。
私の失敗談その2
歯科衛生士の残業がすごく多くなっていました。診療は定時に終わっているのですが、
その後遅くまで残っているのです。事情を聞くと、定時までに記入できなかった
カルテや書類を作成しているとのこと。
でも、他のスタッフからの情報を小耳にはさむと、結構無駄話をして残っているとのこと。
残業代がかさむのと、女性スタッフだから防犯上も早く帰ってほしいため、
午後7時までには帰ること。その後は残っていても残業代をつけないと申し伝えました。
すると歯科衛生士の中の数人が、それなら患者数を減らすように言ってきました。
彼女たちの言い分は、定時に終れない仕事量だから残ってしている。それを残るなと
いうなら患者を減らせというのです。私は彼女たちにプロ意識の欠如だと言い、
強引にそのままの体制を貫いてしまいました。その結果、非常に貴重な歯科衛生士が
数名退職してしまいました。
『思春期』の部下は、仕事が一通りできるようになり、自分なりの正義をもっています。
もちろん、上司には上司の正義があります。
ここで勃発するのは
“正義 対 正義”の戦いなのです。
どちらも正しいと思っているから譲らないのです。
しかし、職場では上司の方が上なので上司の意見が勝ってしまいます。
ここで上司は強引に意見を通せば、その場の勝ちを得ることはできるのですが、
部下は、表面上負けても、心の中では消化できていません。
絶対青信号で渡ったはずなのに、お前が悪いと言われる感じ。
表現は適切ではないかもしれませんが、お腹の中では
「くそっあの野郎!」という状態です。
この感情が、のちに大変な問題を引き起こす場合があります。
私が経験したように、一番やめてほしくない時に、みんなで辞める。
という最強の報復をもって、その気持ちを晴らすこともあるのです。
では、この『思春期』の部下に対して、上司はどのようなスキルが必要か。
それは
●聞ききる ●第3の方法を探す ●一呼吸置く この3つです。
●聞ききる
上司との意見の相違があった場合、一番大切なのがこの聞ききるスキル。
上司としては、この聞ききるスキルを磨く必要があります。聞く時の姿勢、笑顔、
うなづき、共感などいろいろなスキルがあります。
この部分はいろいろな書籍がでておりますのでここでは割愛しますが、
部下が聞いてもらえたと思ってくれるような聞き方をすることが大切です。
聞いてもらったと感じてもらうことで、多くの問題は解決しますし、あとに
「あのクソ野郎!」という感情が起きにくいことにつながります。
また、この時期には、何か部下からの相談があるときにでもすぐにアドバイスせずに、
部下の意見を聞くというスキルもとても有効です。
私のところで言いますと、入社面談をスタッフに任せたころ、よくスタッフが
私のところに意見を求めに来ました。
「院長 AさんとBさんとどちらがうちの医院にふさわしいと思いますか?」
と言った相談です。
その時に「君はどう思うの?」という質問返しをすると、自分の頭で考えるように
なります。それの積み重ねが、指示待ちスタッフから自燃自考型スタッフへの成長へと
つながりました。
●第3の方法を探す
私の失敗談その1の場合
私の正義:院長の命令が絶対だ
スタッフの正義:患者第一主義が絶対だ
という戦いになったわけです。もしかしたら、スタッフはもともと私のやり方が
気に入らなくて、でも院長だからしかたなく指示に従っているという人間関係だったかも
しれません。そこで『患者様のため』という錦の御旗をもちだした。
という構図になっていたのだと思います。
さて、私はどうすればよかったのか。
スタッフの言い分をしっかり聞いて、自分の気持ちもしっかり伝える。
そして、その上で自分の意見を押し通すのではなく“第3の方法を探す”
ということをすればよかったのです。
私の失敗談その2の場合
私の正義:早く帰宅してほしい
スタッフの正義:早く帰れるように仕事量を減らしてほしい
という戦いになったわけです。私の中で、雑談して残業しているという
レッテルを貼っていたというのも大きな問題だったと思います。
さて、私はどうすればよかったのか。
スタッフの言い分をしっかり聞いて、自分の気持ちもしっかり伝える。
そして、その上で“第3の方法を探す”ということをすればよかったのです。
上司である私が未熟であるがゆえに、上下の立場を使って強引に自分の意見を通した。
部下は、表面上は納得するが、実は内面ではそのストレスがたまりにたまり、
いつか“本能寺の変”を起こしてしまう。
私は、何度も何度も何度も何度も・・・同じ失敗を繰り返していたわけです。 その結果、私の周りにはいつも私の感情を乱す問題が発生していたのです。
“第3の方法を探す”プロセスが最良のチームビルディングにつながります。
●一呼吸置く
『思春期』部下の成熟度合で“反抗期”という時期があります。チームの決め事に対して
斜に構えたような態度になったり、業務連絡が事務的になってしまう時期があります。
この時期に上司と部下の間に起こりがちなのが、“感情 対 感情”のぶつかり合いです。
まずは、部下が成長するプロセスの中に“反抗期”というものがあると知っておくこと。
そして、絶対に“感情 対 感情”の戦いに持ち込まないことです。
なぜ、“感情 対 感情”の戦いが起きてしまうのか。
部下側の問題としては、一通り仕事ができるようになると、自分なりの自立した意見を
持つようになることがあります。それが上司のやり方や意見と違うと、内面の違和感が
表情や言葉尻に出るようになってしまいます。
上司の側にも問題があります。それは“距離の甘え”です。個人規模の飲食店の店主が
繁忙期に「それ違う」って奥様に怒鳴っているシーンなんかがそうです。
お客様には、笑顔で対応できる店主も、距離の近い奥様には感情を出してしまうことは
よくあることです。これは、「自分の事もっとわかってよ」「長くやっているんだから
それぐらいのこと覚えておいてよ」「少しきつく言っても夫婦なのだから許してもらえる」
という甘えが出ての表現方法です。部下が一通り仕事を覚える頃には、上司側に
“距離の甘え”が出てしまい、感情をぶつけてしまうのです。
この時、上司のスキルとしてとても大切なのが“一呼吸置く”というスキルです。
この“一呼吸置く”というスキルのトレーニングのために有効なのも
『イライラ手帳』です。
イライラした時、そのことを手帳に記入することで、
●自分がイライラする感情を感じることができるようになります ●相手の気持ちを察する習慣がつきます そして、イライラ手帳をつける習慣ができると、手帳をつけなくとも、手帳をつけるのと
同じシミュレーションができるようになります
結果的に、“一呼吸置く”ことができ、“感情 対 感情”を回避できるようになります。
本当は、距離が近くなるほど、立場が上になるほど、自分のニーズをしっかりと伝える
ことが大切で、「わかれよ」という態度を辞めることがとても重要な上司のスキルに
なってきます。
《成人期》
この時期の部下は、競争するのではなく、お互いに助け合い得意分野(才能)を活かす
ことで、チームの中で必要となる存在になります。
この時期の部下に対する上司に必要なスキルは、部下の才能を引き出すスキルです。
●才能を引き出す
立場上は上司と部下になりますが、この時期の部下との関係は対等です。
そのために上司は「部下はこうあるべき」「上司はこうあるべきだ」という思い込みを
はずすことが大切です。その上で、才能を引き出すテクニックとして、“コーチング”とい
う手法が有効です(“コーチング”については多数書籍、セミナー等がありますのでそちら
を参照してください)。
☆影響力のある上司に欠かせない●●とは?
上司の影響力の方程式
上司の影響力=在り方 × スキル (最高の職場つくり実践会より)
これはパソコンにおけるOSとソフトの関係に似ています。
出力=OS × ソフト
例えば Office2013 を、windows98 にインストールしても動かないか、ものすごく動作が
遅くなります。いくら上司としてのスキルが優れていても、在り方のレベルが低い、
考え方が古いままでは、影響力が大きくなりません。
上司としてのスキルとは、マーケティングやマネジメント、コーチング、スピーチ力、
文章力など。在り方とは、考え方、言動、立ち居振る舞い などです。
例えば、上司の在り方レベルの低い部署に、『成人期』の部下が入ってきた場合。
上司の在り方レベルが低いと、上司のニーズを言葉で伝えず、「それぐらいわかれよ」
という態度の“怒ったコミュニケーション”をとってしまいがちです。
また、「部下はこうあるべき」という思い込みの強い上司の元では、部下は才能を
発揮するどころか、上司の顔色を伺いながら、委縮した働き方になってしまいます。
結局、「成人期」の部下も、「乳幼児期」「思春期」の働き方になり、
上司は、「俺の周りには、指示待ちの部下しかいない」と思うようになります。
長い目で見れば、在り方レベルの高い上司の元では、部下は
「乳幼児期」⇒「思春期」⇒「成人期」と成長していき、結果を出す組織になります。
在り方レベルの低い上司の元では、部下はもとが「成人期」であったとしても
「成人期」⇒「思春期」⇒「乳幼児期」になってしまい、指示待ち部下ばかりの組織に
なり、上司は自分に業務が集中してしまうことになります。
さて、私もまだまだ「在り方」レベルを上げるように、試行錯誤を繰り返している
毎日ではありますが、以前に比べると、スタッフの能力を封じ込めるということは
少なくなってきました。
そうすると、特に女性スタッフは仕事に共感力を思う存分発揮してくれるようになりまし
た。ということは、以前の私は、スタッフがもともと持っている素晴らしい共感力や、
あふれ出す優しさを封じ込めていたということです。
その素晴らしい能力を、封じ込めながら、
「なぜ、もっと自分の頭で考えて行動しないのだ」
「なぜ、私にばかり業務が集中するのだ」
などと、いつも心の中に不安を持っていたのです。
つまりは、自分の状況を自分で作りながら、周りのせいにしていたわけです。
もちろん、部下自身の特性、能力、そして相性もあると思います。
でも、長い目でみれば、やはり上司の「在り方」次第で組織のレベルが決まってしまいま
す。
上司の「在り方」レベルを上げ続けることが、上司の永遠の課題ではないでしょうか。
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
【文責 森昭】