4歳児 りんご組 指導案 担任 ** ** 1 学級の実態 ・ 男児14名、女児15名、計29名の構成である。 ① 基本的生活習慣の面から ・所持品の始末や、給食の準備、片付け、園服の着脱など、身の回りのことを自分で 最後までできる幼児がほとんどである。 ・話を聞く際の態度はほとんどの幼児が身についてきているが、話が長いときは集中 が途切れる幼児が2、3名いる。話す人の目をしっかりと見るように声かけをし、 集中できるようにしてきている。 ・新しい活動や行動を行う際に不安を感じ、一人で行うことを嫌がり教師と一緒に行 うことで安心する幼児(○児)がいる。 ・発達遅滞のため自分の思い通りにならないと泣いて表現し、全体への指示では理解 できず、一対一の対応が必要な幼児(○児)がいる。その都度個別に対応し、職員 室の職員とも連携して援助している。 ②人とのかかわりの面から ・気の合う友達2、3名で一緒に行動したり、転がしドッジボールに10名位で一緒 に取り組んだりなど、ほとんどの幼児が友達とかかわる楽しさを味わいながら遊ぶ 姿が見られる。 ・自分の思いを相手に言葉で表現しながら、遊んでいる幼児が多い。 ・少しずつ友達の思いに自分から気付くようになっているが、時々言葉の表現が強い 姿が見られるので、具体的な表現方法を知らせたり、それぞれの思いを受け止めた りしながら、思いの違いに気付いて解決できるよう援助してきている。 ③遊びへの取り組みから ・縄跳び、転がしドッジボールなど身体を動かして遊ぶことが好きな幼児が多い。 ・室内での遊びは、中型箱積み木を使ったお家ごっこ、トランプ、カルタなど自分の やりたい遊びに友達と一緒に積極的に取り組む幼児が多い。 ・戸外での転がしドッジボールや室内の正月遊びなど、簡単なルールを理解しながら遊び を進める姿が見られる。ルールがわからない友達に対して「こうするんだよ」と教える 幼児が4、5名位いる。 ・あやとりやこま回しなどの遊びを友達がやっているのを見て興味を持ち、自分もやって みようと取り組む幼児が8名位いる。 2 発達の姿 4期(4歳児 1月~3月) ~発達の道筋表より~ ・大まかなイメージをもって遊びながら、相手の言葉や動きや表情などから、相手の思いに 気付いていく。 3 期のねらい(4歳児5期 1月~3月) ・自分なりのめあてに向かって、試したり挑戦したりして遊ぶことを楽しむ。 ・友達と一緒にいろいろな表現遊びを楽しむ。 ・年長組になる喜びや期待をもつ。 4 週のねらい(1月22日~1月26日) ・役になりきって思ったことや感じたことを動きや言葉に表したり、友達と揃えて歌ったり 楽器を奏したりして表現を楽しむ。 ・寒さに負けず、身体を思い切り動かして友達と一緒に遊ぶことを楽しむ。 りんご-1 5 遊びの経過と今後の見通し 教師の読み取り ・ 幼児の姿 ◎ ねらい 9月中旬 ◎ 楽器に興味を持ち、音を出して親し む。 ・ 好きな遊びの踊りのコーナーの中にカ スタネットや鈴を用意する。 ・ 踊りを踊る時に鈴を持って振ったり、 「これ、知ってる」とカスタネットを鳴 らしたりして楽しむ姿が見られる。 ・ 楽器を乱暴に扱う姿が見られる。 ◎ 楽器を大切に扱うことができる。 11月中旬 ・ いちご組が子育てふれあい広場で未就園児 に発表した合奏を、りんご組も見せてもら う。 (♪どんぐりころころ、おもちゃのチャ チャチャ) ・ 自分達が見た分担奏を「ここでカスタネッ トを鳴らすんだよ」 「次は鈴だった」など担 任に教えながら、自分達でやろうとする。 12月上旬 ◎ 年長児の合奏を見て、同じ楽器の音が揃う 心地よさを感じていく。 ・ 発表会前に年長児の合奏を聞かせてもら う。 ・ 「上手だった!」と大喜びする姿が見られ る。 12月中旬 ◎ 自分の好きな楽器を選んで音を鳴らすこと を楽しむ。 ・ 新しい楽器に興味をもち、自分から「楽器 で遊ぶ」といって、テープをかけて奏する 幼児が7、8名見られる。 ・ 「用意をしましょう」と言ったり、指揮を したりして、年長児の合奏の真似をしてい る幼児もいる。 りんご-2 環境・援助 ・ 楽器を鳴らすと音が出るのが楽しいようだ。 それぞれが自分なりにリズムをとって奏す ることができるよう、リズムの捉えやすい 曲を流すと喜びそうだ。 ・ リズムの取りやすい曲(♪おも ちゃのチャチャチャ・ミッキー マウスマーチ・どんぐりころこ ろなど)のテープを用意してお く。 ・ 楽器の持ち方を知らせる。 ・ 今までは音を鳴らすことが楽しかった ようだけれど、いちご組の刺激を受け て交代で楽器を鳴らす心地よさを味 わっている様子だわ。 ・ 今までは混ざり合っていた音 が、それぞれの楽器(カスタ ネット、鈴)の音できれいに 聞こえることを十分認め、き れいな音が聞こえる心地よさ に共感する。 ・ ・ 年長児の姿が刺激になったようだわ。 ・ 新しい楽器に興味を持っている様子だわ。 ・ トライアングル、タンブリ ンなど、新しい楽器を用意 し、いろいろな音色が楽し めるようにしていこう。 ・ 年長児の分担奏の姿に刺激を受けている 幼児もいるようだけれど、自分なりの奏 し方で楽しんでいる幼児も7、8名位い るわ。 (歌詞に合わせて休む・奏するなど) 今はそれぞれの楽しさに共感し、認めて いこう。 ・ それぞれの楽しさ(きれいな 音を出そうとしている姿、い ろいろなリズムの捉え方をし て楽しんでいる姿など)を教 師が共感したり、認めたりす る。 12月下旬 ◎ それぞれの楽器の音が揃って聞こえる 心地よさや友達と一緒に奏する楽しさ を感じながら合奏をする。 ・ 「年長組のように交代で鳴らそうよ」 という声が幼児からあがり、クラス全 体で分担奏を楽しむ。 1 月中旬 ・ 「この歌詞のところは○○の楽器で打ちた い」と歌詞から浮かぶイメージを言う幼 児も見られる。 ・教師や友達に「見て」と言って合奏する 幼児もいる。 1 月23日(火) ◎人に見せようという意識をもちながら楽 器を分担し、リズムに合わせて合奏する ことを楽しむ。 ・誕生会の出し物で合奏をクラス全体で行 う。 1 月24日(水)25日(木) ◎いろいろな楽器を鳴らし、分担奏の楽しさ を味わう。 ・前回とは違う楽器を奏して、楽しむ。 ・自分の鳴らすパートを覚えて合奏しようと する。 (発表会の役割を決める) 1 月26日(金)本時 1月30日(火)発表会予行練習 2月7日(水)発表会 ◎同じ楽器の友達と合わせて奏する ◎リズムに合わせてきれいな音で合奏する 〔今後の見通し〕 ◎いろいろな人の前で合奏を見せる楽しさを 味わい、自信をもつ。 りんご-3 ・ それぞれの楽器の音が揃った心地よさ や楽しさを味わっているようだ。 ・ それぞれの楽器の音が揃って きれいに聞こえる心地よさ や音を鳴らす楽しさを共感 し、認め、広めていく。 ・ 保育室に舞台を作り、発 表することが楽しめる環 境を設定していく。 ・ 誕生会などで発表する機 会を設ける。 ・ それぞれの素敵な姿を十分 認め、更に合奏を楽しみ、 自信をもって発表できるよ うにしていく。 6 保育展開案 時間 8:50 ~ 9:00 9:15 9:30 予想される幼児の活動 ○登園する。 ・登園時の活動をする。 (所持品の始末、出席ノート のシール貼り) ・当番活動をする。 (出席報告、小鳥の世話) ◎ねらい ◇評価 ☆教師の援助 ◎ 自分から元気よく朝の挨拶をする。 ◇ 自分から教師や友達に声を出して挨拶をしていた か。 ☆ 幼児と朝の挨拶をしながら一人一人の健康状態を探 り、気持ち良く一日のスタートができるよう言葉を かけていく。自分から挨拶ができた幼児を十分認め、 広めていく。 ☆ 所持品の始末やシール貼りなど登園時の活動を手際 よく行っている幼児の姿を認め、次の活動に向けて 用便をしたり、カラー帽子をかぶったりできるよう ○スポーツタイム(園庭) にしていく。 ・踊り「アララの呪文」を踊 ☆ 当番の幼児が忘れている時には教師が声をかけ、友 る。 達と一緒に行えるようにしていく。 ・体育館の周りを走る。 ◎ 踊りの振りに合わせて、手を伸ばしたりジャンプし (雨天時 保育室で体を動か たりして思い切り身体を動かして踊ることを楽し す。) む。 ◇ 振りのポイント(手を伸ばす、左右を意識して動く など)に気をつけて身体を動かし、踊りを踊ってい たか。 ○入室。 ☆ 踊りの振り付けのポイントに合わせて援助し、上手 ・手洗い、うがい。 にできている幼児を認め広めていく。 ・集まる。 ◎ 途中で止まらずに走りきろうと頑張る。 ・歌を歌う。 ☆ 教師も自ら思い切り身体を動かし、身体を動かす心 ♪ジグザグおさんぽ 地よさに共感していく。 ☆ ゆっくりでも止まらずに走っている幼児や一生懸命 自分なりに体を動かしている幼児を十分認め広めた りしていく。 ☆ 自分から手洗い、うがいを行っている幼児を十分認 め、広めていく。 ☆ 口を大きく開けて歌っている幼児を十分認め、広め たり、きれいな声で歌えるように声をかけたりして いく。幼児が歌いやすいリズムでピアノを弾き、教 師が見本となるように大きな口をあけ、きれいな声 で歌うようにする。 9:40~10:20 10:25 ○降園準備をする。 ・手遊びをする。 ・絵本を見る。 本時案 別紙参照 ☆ 上履きなどの持ち帰り、ジャンバーの着用など自分 からできている姿を十分認めたり、素早く準備して いる幼児を広めたりしていく。○児が支度できてい るか配慮する。 ◎ 静かに教師の話を聞いたり、絵本を見たりする。 ◇ 教師の目を見て、私語をせずに話を聞いたり、絵本 を見たりしていたか。 りんご-4 ☆ 11:00 ○降園する。 集中できるように幼児に質問をして答えを聞いた り、話の聞き方が上手な幼児の姿を認め、広めたり していく。 ☆ 絵本を読むときにはゆっくりとわかりやすいよう に読む。 ☆ 今日の遊びの楽しかったことに共感したり、月曜日 の予定を話題にしたりし、期待をもてるようにして いく。 本時案(9:40~10:20) 場所…りんご組保育室 時間 予想される幼児の活動 ◎ねらい ◇評価 ☆教師の援助 9:40 ○歌を歌う。 ☆合奏曲♪ホホホの歌を皆で歌い、合奏の意識付けをす る。 ◎ きれいな音が出るように、楽器を奏する。 ◎ 自分が奏するパートやリズムがわかり、友達と 合わせて奏する心地よさを味わう。 ◇ きれいな音が出るようにリズムに合わせて弾 むように楽器を奏していたか。 カスタネット…手を丸くして弾むように打つ。 タンブリン…指先で弾むように打つ。 ウッドブロック…棒をしっかり持ち、弾むよう に打つ。 鈴…手を大きく回して細かく振る。 トライアングル…金属部分に触れないように もち、音が響くように軽く打つ。 ◇ リズムに合わせて同じ楽器の音が揃った心地 よさを感じながら合奏を楽しんでいたか。 カスタネット…♩♩♩♩ ♩♩♩ のリズム タンブリン…♩♩♩♩ のリズムやトレモロ ウッドブロック…♩♩♩♩ のリズム 鈴… のトレモロ トライアングル… のリズム ☆ ○教師の話を聞く。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ○「♪ホホホ」の曲に合わせて リズムがとりやすい楽器を用意しておく。(カスタ ネット・鈴・タンブリン・トライアングル・ウッド ブロック) リズムがとりやすい4拍子の曲を選ぶ。 リズムがとりやすく合わせやすいよう、符点音符の 部分はトレモロ打ちにする。 今まで行ってきた合奏の様子を思い出しながら、自 信をもって楽しく合奏に取り組めるよう話してい く。 利き手で奏しているか確認していく。 音楽をかけずに、教師がメロディーを口ずさみなが ら、幼児と相談して決めたそれぞれの楽器のリズム りんご-5 分担奏をする。 ○楽器ごとに披露しあう。 ☆ ☆ ☆ ☆ ○見ていた幼児に感想を聞く。 ☆ ☆ ○全員で「ホホホ」の合奏をす る。 ☆ 10:20 ☆ ☆ ☆ を確認し、それぞれが覚えていることを認めてか ら、テープの曲を流す。 カスタネットとタンブリンを重点に、打ち方が分か りやすいよう教師もリズムをとる。 カスタネットとタンブリン・ウッドブロックと鈴と トライアングルの楽器ごとに披露しあう場を設け、 一人一人がリズムに合わせて奏しているか確認す る。 発表する幼児は見せる意識が高まるよう、舞台を使 っていく。 見ている幼児は落ち着いて友達の合奏の様子を見 ることができるよう、椅子に座る。 その中で、楽器の鳴らし方が上手できれいな音が出 ている幼児やリズムに合わせて奏している幼児を 取り上げ、認め、全体の前で広めることで他の幼児 もきれいな音を出す気持ちよさやリズムが合った 心地よさが味わえるようにする。 ○児が自分の分担以外の所で楽器を鳴らした時は 周囲の友達の姿を見せながら、今は友達の楽器の音 を聞く時であることを個別に良く話して知らせた り、必要に応じて教頭に付き添ってもらったりす る。 合奏を見ていた幼児に感想を聞いたり、実際に皆の 前で奏してもらう機会を設け、演奏を聞くことで、 自分もそんなふうにリズムに合わせて奏したり、き れいな音を出したりしようという意欲につながる ようにしていく。 ・ ○○ちゃんの楽器の音がきれいだった。 (きれいな音を出そうとする気持ちにつながるよ うに取り上げていく) ・ ○○の楽器の音が合っていて上手だった。 (それぞれの楽器のリズムに合わせて音を揃えよ うとする気持ちにつながるように取り上げてい く) どんな音の鳴らし方がきれいな音が出るか、幼児の 意見を取り上げたり、それぞれの楽器のリズムが揃 った心地よさを感じたりしていく。 最後の部分の ♩♩♩ のリズムが全ての楽器が揃 い、全員が揃った心地よさを味わえるように声をか けていく。 最後にクラス全体で合奏を行い、クラスの友達と一 緒に合奏を行う楽しさを十分味わえるようにして いく。その中で同じ楽器の友達とリズムが合った心 地よさや、きれいな音が出た嬉しさに共感してい く。 一人一人の取り組みを十分認め、自信につなげてい く。 りんご-6
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