(3)生物多様性に資する野生生物の生息・生育環境の確保

(3)生物多様性に
生物多様性に資する野生生物
する野生生物の
生息・生育環境の
生育環境の確保
野生生物の生息・
<緑の役割・機能>
○緑は、野生生物の生息・生育環境、生態系の基盤を形成し、生物多様性を確保する上で重要な役
割を果たしており、地域の自然環境を保全・再生する機能を有するとともに、次世代の財産とな
る生物資源、自然資源を保有し、全ての生命を育む機能を有しています。
<本市の状況>
○目久尻川沿いには、貴重な植物群落が分布しており、タヌキやノウサギなど広い生息域を必要と
するほ乳類がみられ、湧水地にはゲンジボタルも生息しています。
○目久尻川沿いに広がる斜面緑地は、本市の骨格を形成する貴重な緑地であることから、法的担保
性の拡大も含め、今後とも積極的に緑地保全に関わる対策を検討していく必要があります。
○蓼川、比留川をはじめとする水辺区域については、周辺の緑地も含め、市街地に潤いももたらす
空間として、また、身近な動植物の生息域として、良好な環境を維持・保全していく必要があり
ます。
【目久尻川と祖師谷の森】
【城山公園のゲンジボタル】
表1-2 植生自然度
植生
自然度
10
9
8
7
6
区分基準
内容
高山ハイデ、風衝草原、自然草原等、自然植生のうち
ブナ林などの自然林か自
単層の植物社会を形成する地区
然の草原(自然植生及び
エゾマツ・トドマツ群集、ブナ群集等自然植生のうち多 貴重な植生)
層の植物社会を形成する地区
ブナ・ミズナラ再生林、シイ・カシ萌芽林等代償植生で
自然植生が改変されたあ
あっても、特に自然植生に近い地区
とに成立するミズナラ林、
クリ-ミズナラ群落、クヌギ-コナラ群落等、一般には二 コナラ林等の二次林
次林と呼ばれる代償植生地区
人為的影響が少
ない貴重な自然
地として評価で
きる範囲
常緑針葉樹、落葉針葉樹、常緑広葉樹等の植林地
5
ササ群落、ススキ群落などの背丈の高い草原
4
シバ群落などの背丈の低い草原
3
果樹園、桑畑、茶畑、苗圃等の樹園地
2
畑地、水田等の耕作地、緑の多い住宅地
1
市街地、造成地等の植生のほとんど残存しない地区
スギやヒノキなどの植林
地と自然植生が改変され
たあとに成立するススキ
等の二次草原
水田、畑、果樹園などの
農耕地
市街地、集落、造成地
(出典:「自然環境保全基礎調査」環境省)
12
厚木航空基地
路
道
速
高
名
東
比留川
光綾公園
蓼川
目久尻川
城山公園
市役所
東海
幹線
新
道
綾南公園
蟹ヶ谷公園
凡例
自然度ランク8~7
自然度ランク6~4
市街化区域界
地形
0
125 250
500
750
1,000
(出典:平成 17 年 都市計画基礎調査 植生データから作成)
図1-10 優れた自然環境
13
(4)地域の
地域の防災性の
防災性の向上
<緑の役割・機能>
○緑は、火災時の延焼を防ぎ、避難地・避難路などの避難空間となるとともに、救助活動などの
拠点として機能するなど、都市の防災機能を向上させる機能があります。
○自然災害に対する緑の効果は、主に土砂災害、崖崩れ等に有効であると考えられます。
○また、市街地では、雨水の浸透量が減少することから、農地、畑などの残された農地の活用な
どによる雨水浸透を考えていく必要があります。
○人為災害に対する緑の効果は騒音、振動、大気汚染等の防止や緩和、都市火災の延焼防止、大
震災の延焼抑制等に有効であると考えられます。
<本市の状況>
○一時の急速な都市化の進展は少なくなったものの、首都圏の後背圏域としての宅地需要は依然と
して残されており、今後の都市整備と緑地保全を計画的な観点で進めていく必要があります。
○市内には、自然的土地利用が比較的残されており、担保性の無い緑地も多く存在しています。防
災の観点からは、市街地内の貴重なオープンスペースを計画的に保全していくことにより災害に
強い都市づくりが可能となります。
○人為的災害防止の観点からは、市街地内の担保性の低い緑地や自然的土地利用の保全を図る一方
で、延焼遮断帯としての機能や避難路としての機能向上に役立つ街路樹の整備や公園緑地におけ
る防災機能の向上を図ることが求められます。
○また、自然的災害防止の観点からは、市街地縁辺部に残された自然的土地利用の保全や河川沿い
の緑地台地を縁取る斜面緑地の保全を行う必要があります。
【市街地周辺農用地の保全】
14
厚木航空基地
高
名
東
道
速
路
光綾公園
城山公園
市役所
東
新
海道
幹線
綾南公園
蟹ヶ谷公園
凡例
工業地の植栽地
公共公益施設の植栽地
街区公園
近隣公園
市街化区域界
市街地周辺の農地及び樹林地
広域避難場所
地区公園
地形
0
図1-11 人的災害に対する防災機能を持つ緑
15
125 250
500
750
1,000
(5)地域固有の
地域固有の風景・
風景・景観、
景観、歴史・
歴史・風土・
風土・文化の
文化の形成
<緑の役割・機能>
○緑は、都市や地域に固有の美しく風格ある風景・景観の基盤となります。また、四季の変化に富
んだ多様な緑は、豊かな情緒を育み、地域に固有の芸術・文化の形成と保持に大きく寄与してき
ました。
○さらに地域の文化遺産等と一体となって、地域の賑わいや活力、観光振興にも大きく寄与する機
能を有しています。
<本市の状況>
○景観を生み出す緑は、眺望及び歴史性を醸し出す
オープンスペース、史跡名勝・社寺境内地があげら
れます。眺望点としては、富士山などの眺望点があ
げられます。
○ランドマークとしての緑は、市街地での樹林地また
はオープンスペースと一帯となった特徴的な公共公
益施設や街路景観などがあげられます。また、樹齢
を経ている保存樹木など地域を象徴するシンボリッ
クな緑があげられます。
○城山公園周辺の緑化重点地区では、街路景観とあわ
【笠間家の銀もくせい】
(かながわの名木 100 選)
せ生け垣などが各戸に設置され、緑化された町並み
整備が進められています。
○本市の中央部に位置する深谷中には、保存樹木や歴
史的資源と、屋敷林、社寺林が比較的まとまってお
り、地域固有の雰囲気や景観を醸成しています。
【五社神社の椎の大木】
(市文化財指定)
【高島家の木藤】
(かながわの名木 100 選)
16
厚木航空基地
東
名
高
速
道
路
蓼川
市役所
線
新幹
道
海
東
凡例
古墳・城址等
保存樹木
河川沿いの斜面緑地
条例による緑地等
社寺林・屋敷林
街路樹のある幹線道路(都市計画道路)
市街化区域界
早川天神森春日原農用地
図1-12 郷土を代表する景観形成機能を持つ緑
17
1-3 市民の
市民の緑に対する意識調査
する意識調査
市民の緑に対する意見、要望を把握し「綾瀬市緑の基本計画」の改訂作業に取り入れ、市政に反
映させる目的で「綾瀬市の緑に関するアンケート」を実施しました。
<アンケート調査の概要>
●目的
・市民の緑に対する意見、要望を把握し「綾瀬市緑の基本計画」の改訂作業に取り入れ、市政
に反映させるため。
●実施期間
・平成 21 年3月 13 日から3月 30 日
●調査方法
・郵送による配布・回収
●対象者
・満 20 歳以上の市民のうち、2,500 人を無作為抽出
●回収結果
・890 票(35.6%)
1.緑について
・緑の量が減ったと感じている人が全体の6割以上を占めており、緑が減少したことが伺えます。
・今後充実、保全が望まれている緑には、森林や河川沿いの斜面緑地があげられます。
問
地域の緑の量について
無回答
1.3%
どちらでも
ない
29.4%
問
0.0
増えている
4.9%
50.0
長峰の森
n=890
36.0
落合キツツキの森
22.4
寺尾の森
今後の地域の緑の量について
緑はいらない 無回答
6.6%
0.3%
その他
開発を優先さ
0.9%
せ、緑が減る
のはやむをえ
ない
2.6%
100.0
(%)
減っている
64.3%
問
今後残していきたい緑について
18.2
取内の森
1.1
お伊勢宮の森
3.6
水久保教育の森(ドリー
ムプレイウッズ)
6.4
綾北の森
鶴島の森
積極的に保全
し増やしてい
く
34.3%
16.6
2.7
目久尻川沿いの斜面緑地
蓼川沿いの斜面緑地
37.2
13.6
n=890
少なくとも現
状の緑を維持
する
55.3%
比留川沿いの斜面緑地
その他
16.4
6.6
n=890
18
2.公園について
・地区公園、近隣公園に比べて身近な公園である街区公園の満足度が低くなっています。
・よく利用する公園には、城山公園、光綾公園があげられています。
問
公園の満足度について
問
よく利用する公園について
0.0
50.0
100.0
(%)
0%
20%
地区公園
緑道
60%
31.7
近隣公園
街区公園
40%
41.2
24.0
18.5
36.0
16.5
35.2
満足
やや満足
100%
城山公園
8.0
15.2
22.9
10.2
15.2
やや不満
蟹ヶ谷公園
4.4 12.4
26.9
不満
31.3
4.9
風車公園
18.2
綾南公園
17.8
せせらぎ広場
無回答
37.9
光綾公園
13.5 3.9 9.7
40.7
14.0
80%
2.9
その他の身近な公園
15.4
綾瀬市以外の公園
12.2
n=890
3.緑化活動について
・緑の管理や緑化活動には、市と市民が協力した取り組みが必要とされています。
・緑化活動への参加意識は高く、緑化活動の推進に向けて参加の機会を提供することが必要であ
るといえます
問
緑化活動への参加について
問
無回答
2.2% 参加したい
参加するつも
4.4%
りはない
11.6%
あまり参加し
たくない
16.3%
0.0
100.0
(%)
67.6
地域ぐるみで協力して緑を増
やす
n=890
緑の管理について
その他
1.8% 無回答
市民が主体と
3.0%
なって行う
1.4%
50.0
自宅の玄関先や窓辺に花や鉢
植えを飾る
機会があれば
参加したい
65.6%
問
参加できる緑化活動について
38.3
自宅の庭木を増やす(生垣を
設置する等)
32.6
市が実施している制度等を活
用して緑を保全する(長峰の
森などの緑地保全指定)
30.2
緑化基金などの募金に協力す
る
公園づくりの計画作成に参加
する
市が主体と
なって行う
21.5%
特に参加したいものはない
n=890
その他
市と市民が協
力して行う
72.4%
20.2
11.3
9.4
3.0
n=890
19
4.緑を確保するための取り組みについて
・今後の重要な緑化施策として、まとまった緑地の保全(緑地保全地区の指定)や街路樹の整
備、動植物の命を育む森林づくりなどがあげられています。
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
(%)
まとまった緑地の保全
38.7
道路の緑化(緑地帯・街路樹の整備)
32.9
動植物の命を育む森林づくり
26.5
都市公園の整備
22.8
公共施設の緑化
19.4
学校教育における環境学習の推進
苗木の配布などの市民緑化の支援
宅地化などの規制・制限(開発行為の規制等)
18.7
14.4
12.8
剪定枝のチップ化などの再利用
11.6
ランドマークとなる木や美観上優れている樹木の
保全
11.5
n=890
5.市内で最も好きな場所について
・富士山の見える景色が大半を占めており、市内の景観形成において重要な要素となっているこ
とが伺えます。公園の中では、城山公園が最も多くなっています。
順位
キーワード
主な回答
・富士山がきれいだから。四季折々の、特に冬の富士山は素晴らしいです!
富士山
1
・高い建物がなく、農地、平地の緑と富士山がマッチする
・緑(木が多い)が遊具もあり、イベントもでき、炊事もできる。大人から子供まで楽しめる
城山公園
2
・広々とした森、遊歩道があるから。空気がきれい
・富士山、大山に連なる山々の景色が最高。高い建物を建てないで、この景色を次の世代の人たち
大山
3
に残して下さい。
・里山、田園風景はいつも心が洗われる。美しい。大事にしたい
田畑
4
・綾瀬市らしく、田畑が広がっている雄大さを感じる。
・春は桜、5月にはバラ、秋は紅葉と訪れるたびに心を癒してくれるから
光綾公園
5
・とにかくバラの満開時が美しい毎年見に行っています
6 丹沢
・広大な畑と丹沢山を見る事が出来るから
・緑が多く残っており、散歩又はサイクリングでのんびりできる
目久尻川
7
・さぎ、カワセミ、セキレイ、かも等の野鳥が見られるから
・山々が見えて眺めがよく、散歩コースに最適です
蟹ヶ谷公園
8
・花や水辺があり、全体的にきれい
・風車公園から橫浜の方を見ると、晴れている時は朝日が見え、ランドマークもはっきりと見える。風
風車公園
9
景が、とってもいいです
10 長峰の森
・自然の木々や小鳥とふれあえるから
20
分類
公園
キーワード
綾南公園
蟹ヶ谷公園
キツツキの森
光綾公園
笹山緑地
城山公園
城山こみち
せせらぎ広場
寺尾公園
天神森
長峰の森
なかよし小道
東山公園
風車公園
堀之内公園
やぶね公園
公園
綾西緑地
遊水池(その他)
建築物 厚木基地
早川城山住宅
天台小学校
蓼川神社
五社神社
富士山
大山
山
丹沢
秩父連山
件数
7
17
1
38
1
80
1
3
3
4
10
1
2
14
1
2
3
8
1
2
5
1
1
1
219
47
34
2
21
分類
樹木
目久尻川
川
清水川
蓼川
田畑 田畑
厚木基地×桜
綾瀬小学校×桜
上土棚北×森林
桜
五社神社×樹木
樹木
市役所×樹木
蓼川×桜
天台小学校×桜
れんげの里
文化会館×菜の花
蓼川×動物
城山公園×ホタル
城山公園×野鳥
目久尻川×カワセミ
目久尻川×動物
動物 目久尻川×野鳥
長峰の森×野鳥
蟹ヶ谷公園×野鳥
熊野橋×シラサギ
せせらぎ広場×水鳥
春日原×ウグイス
花火
ジョギング
その他
バーベキュー
夕日
件数
28
1
4
42
1
1
1
14
1
4
1
1
2
1
1
3
2
3
2
2
2
1
1
1
1
8
1
1
1
1-4 課題の
課題の整理
緑の持つ役割・機能と本市の現状整理及び市民の緑に対する意識調査を踏まえ、次の4つの系
統で、課題を整理します。
系統
視点
(1)環境保全系統 から
みた課題
・都市の環境の骨格の形成、優れた自然環境、優れた歴史的風土、
快適な生活環境、優れた農林業地、自然との共生、都市環境負荷
の軽減等の環境保全の視点
・自然や土とのふれあいの場、スポーツ・屋外レクリエーションの
場、日常圏におけるレクリエーションの場、広域圏におけるレク
リエーションの場、レクリエーション機能を持った緑地等の視点
・自然災害の危険防止、人為災害の危険防止、避難、多様な防災活
動拠点の確保等の視点
・都市や地区を代表し、特徴づけ、快適性を提供する景観を保全・
創出するための視点
(2)レクリエーシ ョン
系統からみた課題
(3)防災系統から みた
課題
(4)景観系統から みた
課題
(1)環境保全系統からみた
環境保全系統からみた課題
からみた課題
3 つの河川及び河川沿いの斜面緑地は、優れた自然環境を有しており、本市の都市構造上重要な
緑の骨格軸として位置づけることができます。
また、本市中央部に位置する広大な早川天神森・春日原農用地は、湧水地に浸透する水を蓄え
る緑であるとともに、本市の自然との共生、歴史、風土を受け継ぐ上でも貴重なオープンスペー
スであることから、これらの緑地を将来にわたり維持・保全していくことが課題となります。
1)河川沿いの
河川沿いの斜面緑地
いの斜面緑地など
斜面緑地など優
など優れた自然
れた自然の
自然の保全
目久尻川沿いに広がる斜面緑地は、本市の骨格を形成する貴重な緑地であることから、法的担
保性の拡大も含め、今後とも積極的に緑地保全に関わる対策を検討していく必要があります。
蓼川、比留川をはじめとする水辺区域については、周辺の緑地も含め、市街地に潤いももたら
す空間として、また、身近な動植物の生息域として、良好な環境を維持・保全し、自然との共生
を進め、生物多様性を形成していく必要があります。
2)農地保全と
農地保全と連携した
連携した緑地
した緑地の
緑地の保全
早川天神森・春日原農用地は、本市の緑地を支える重要な要素であることから、市街化の進展
を考慮しつつ、農業施策との連携による保全・活用に向けた方策を検討していく必要があります。
3)市街地内の
市街地内の緑地保全
市内には、生産緑地や、屋敷林、社寺境内地などが点在しており、地域の歴史性や風土を感じ
させる多面的な機能を有している。屋敷林など担保性の低い緑地については、その重要度を見極
めつつ条例による緑地の保全を図り、地域性を醸成する緑として積極的な保全策を検討していく
必要があります。
22
4)アンケート結果
アンケート結果からの
結果からの課題
からの課題
市街地における道路や住宅地、工業地などの身近な緑についての満足度が低く、これらの緑は、
連続性ある緑(緑のネットワーク)を構築することにより、生物の生息環境の創出にもつながる
ことから、今後充実させていく必要があります。
また、動植物の生息生育空間として、長峰の森や目久尻川沿いの斜面緑地などの樹林地、河川
緑地の保全が必要とされており、環境保全に配慮した河川整備や、緑地保全地区の指定などによ
り自然の樹林地を保全する必要があります。
緑を保全することによる効果として、都市の熱環境の改善に果たす緑の役割が期待されており、
屋上緑化、壁面緑化などの施策を推進することが必要であります。
(2)レクリエーション系統
レクリエーション系統からみた
系統からみた課題
からみた課題
市内には様々な日常圏や広域圏のレクリエーション需要に対応する様々な公園が整備されてお
り、地域の自然環境と相まって市民の憩いの場として利用されています。特に街区公園などの身
近なレクリエーション施設の整備水準は高く、今後も子育て世代、高齢世代など本市の人口構成
の変化に対応した施設の充実などが求められます。
一方で、運動公園など広域的レクリエーション施設がないことから、綾瀬スポーツ公園の整備
などにより広域的な需要への対応が求められます。
また、河川沿いに残された貴重な水辺と自然環境を活用したレクリエーション施設、自然体験
学習などの場として、水と緑に親しむ場の確保が求められます。
以上のことから、これらの公園・緑地については今後も利用促進に向けた機能の充実を図ると
ともに、骨格となる 3 河川を基軸として公園・緑地の連携強化に向けた水と緑のネットワークづ
くりを検討していく必要があります。
1)広域的レクリエーション
広域的レクリエーション需要
レクリエーション需要への
需要への対応
への対応
整備が進む綾瀬スポーツ公園など、スポーツ・レクリエーション機能を有する広域の基幹公園
の整備充実が求められます。
2)自然とふれあう
自然とふれあう場
とふれあう場の提供
河川沿いの樹林地では、自然環境の保全を第一としつつ、散策路の整備や体験学習の場として
の活用など、水辺を活用した豊かな自然を身近に感じられるような環境整備を進めていく必要が
あります。
3)ネットワークの
ネットワークの形成
社寺や屋敷林、保存樹木など歴史性に富む緑地と、河川や街路樹で構成される緑の軸を連携さ
せ一体化する緑のネットワークを構築していくことで、地域に根ざした質の高い緑の都市づくり
を進めていく必要があります。
4)アンケート結果
アンケート結果からの
結果からの課題
からの課題
公園の利用状況は、種別を問わず低い状況になっており、利用の促進に向けた機能の充実を図
る必要があります。また、少子高齢化社会となった現在、公園は子どもたちの身近なレクリエー
ションの場としての整備が求められるほか、健康遊具を設置するなど高齢者が安心して利用する
ことのできる公園施設を整備していく必要があります。
23
(3)防災系統からみた
防災系統からみた課題
からみた課題
一時の急速な都市化の進展は少なくなったものの、首都圏の後背圏域としての宅地需要は依然
として残されており、今後の都市整備と緑地保全を計画的な観点で進めていく必要があります。
市内には、自然的土地利用が比較的残されており、担保性の無い緑地も多く存在しています。
防災の観点からは、市街地内の貴重なオープンスペースを計画的に保全していくことにより災害
に強い都市づくりが可能となります。
人為的災害防止の観点からは、市街地内の担保性の低い緑地や自然的土地利用の保全を図る一
方で、延焼遮断帯としての機能や避難路としての機能向上に役立つ街路樹の整備や公園緑地にお
ける防災機能の向上を図ることが求められます。
また、自然的災害防止の観点からは、市街地縁辺部に残された自然的土地利用の保全や河川沿
いの緑地の保全を行う必要があります。
1)市街地内の
市街地内の防災性の
防災性の向上
市内には、大規模な工場周辺の植栽地、民間敷地の植栽地などが点在しており、火災の延焼遮
断の役割を果たしています。市街地の密度や防災機能を有する都市公園の配置状況を考慮の上で、
適宜民間敷地の植栽地の担保性向上を検討していくことが求められます。
また、都市公園は、広域避難場所や一時避難場所に指定されている公園も多く、これらの公園
については、防災機能の向上を図る必要があります。市内学校施設は避難所に指定されているこ
とから、これら公共施設においても、グラウンドの緑化を含め防災機能の向上を図る必要があり
ます。
2)避難路や
避難路や延焼遮断帯としての
延焼遮断帯としての機能
としての機能を
機能を持つ街路樹の
街路樹の整備
街路樹は、災害時における避難路としての安全確保に重要な役割をはたすとともに、延焼遮断
帯等としての機能も有することから、一時避難場所、広域避難場所へとつながる都市計画道路を
中心に、緑のネットワークを構築していく必要があります。
3)アンケート結果
アンケート結果からの
結果からの課題
からの課題
道路緑化についての満足度が低くなっており、災害時の延焼遮断機能や避難路の確保を図るた
めに、街路樹の整備を促進する必要があります。
24
(4)景観系統からみた
景観系統からみた課題
からみた課題
本市の景観は、富士山や丹沢山系を一望できる環境を有しています。特に、東西、南北に走る
都市計画道路からは、農地と川沿いの斜面緑地とともに、遠方まで見渡せる景観が形成されてい
ることから、現在の街路景観とともに、本市を特徴づけ、市民の心の風景となる緑地として保全
を図っていく必要があります。
また、新たな住宅地の整備にあたっては、緑に包まれた住宅地景観の形成を図るための方策検
討が必要であるといえます。
1)歴史風土を
歴史風土を醸成する
醸成する景観
する景観の
景観の形成
市内に点在する社寺と一体となった緑や屋敷林の緑については、地域固有の風土を醸成する貴
重な緑であり、市民に潤いと安らぎ、ふるさと意識といったものを感じさせる緑であることから、
将来にわたりこれらを維持していくための保全方策を検討する必要あります。
2)住宅地整備に
住宅地整備に合わせた緑化
わせた緑化の
緑化の推進
新たな住宅地の整備にあたっては、より一層の緑化推進を図るため、地区計画制度を活用した
緑化率の最低限度を定めることなどについて検討することが求められます。
3)農地景観の
農地景観の保全
早川天神森・春日原農用地区域においては、本市を特徴づける景観形成要素の一つであること
から、都市整備や農業施策との調整を図りつつ、農地景観の保全を図る必要があります。
4)アンケート結果
アンケート結果からの
結果からの課題
からの課題
本市には、富士山や大山を眺めることのできる眺望ポイントが数多くあり、市役所周辺をはじ
めとして優れた景観が形成されています。
一方で市街地の景観については、道路や住宅地、工業地などの身近な緑についての満足度が低
くなっており、これらの緑は、普段の生活で目にする緑の景観形成の要素となっていることから、
今後充実させていく必要があります。
25
26