A −46 発 育 期に お け る 摂 食 異 常 , 殊に食欲不振 につい て 日女 大 家 政 ○宮原千穂 子 武 藤 静 子 1. 最 近 , 子 供 の 肥 満 に 対 す る 関 心 が 高 ま って い る一 方 , 子 供 の小 食 あ るい は食 欲 不振 に 関す る訴 え もあ とを た た ない 。 こ れ は 発 育 期 の栄 養 上 無 視 出 来 ない 現 象 で あ る。 著 者 の 1人 は, 1964年 , 乳 幼 児 の 食 欲 不 振 に 関 す る 調 査 成 績 を 発 表し た が1964 年 に は 更 に そ の 調 査 を 学 童 中 高 校生 徒 に ま で 拡 げ た の で そ の 結果 を 報 告 す る。 2. 対 象 は, 東 京, 長 野 ,東 北 , 四 国 の 四 地 域 の 幼 稚 園 , 小 学 1 年 及 び 6年, 中 学 3年, 高 校 3年 の 学 童 , 生 徒 計3001 名 ( 男1452, 女1549 ) で 友 児 お よ び 小 学 1 年 児 は 母 親 に よ る 記 入 の質 問 紙 法 , それ 以 上 は 対 象 者 自 身 の 記録 による質問紙法を用いた。 3. 乳 児 期 , 離 乳 期 お よび 現 在 の 3時 期 中 「 食 ぺ なく て 困 る 」 問 題 は 離 乳 期 に 最 も 高 く , 殊 に 東 京 地 区 の幼 児 に 多 い。 ま た, 幼 , 小 , 中 , 高 の そ れ ぞ れ 現 時 点 で 比較 す る と, 長 野 ,東 北 , 四 国 で は 何 れ も 高 校 3 年 に 食 欲不 振 が急 増 し てい る 事 が 注 目 さ れ る。 乳 児 期 に 全 く 問 題 の な か っ た772 例 中, 231 名 は 現 在 , 食 欲 不 振 の 訴 え を も ち, ま た, 逆 に 乳 児期 に問 題 の あ っ た410 例 中, 329名 は 現 在 問 題 解 消 の形 で あ る。 従 っ て 両 時 期 通じ て問 題 の なか っ た も のは541 名 , 両 時 期 通じ て 問題 の あ っ た も の は81 名 と な る。 こ の両 群 の間 に は身 長 , 体 重 ,運 動 の 活 発 さ, 罹 患 状 態, 虫歯 , 睡 眠 , 疲 れ 方 な ど に 相 異 が み ら れ る。
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