2016/12/05

28 年 4 定代表質問(28.12.5 中川議員)
平成 28 年第4回定例市議会代表質問項目(60 分) 自由民主党 中川 賢一 議員
1 市長の政治姿勢について
(1) 財政課題について
① 平成 29 年度予算に向けた考え方
② 大規模事業に係る事業費に対する見解
③ 入札契約制度の今後のあり方
(2) 外貨を稼げるまちづくりについて
① 重点分野産業の市場創造
② 人の流動性促進を通じた市場拡大
③ 外貨を稼げるまちづくりを目指すうえでの関係機関との連携
(3) スポーツの戦略について
(4) 適正な人事配置について
(5) 市民活動に対する政治的配慮について
2 エネルギー政策について
(1) 札幌市エネルギービジョンについて
(2) 燃料電池自動車の普及に対する市長の姿勢について
3 絆や心に寄り添うまちづくりについて
(1) 今後の地域コミュニティへの取組について
① 検討委員会からの報告についての受け止め
② 地域コミュニティの活性化に向けた今後の方針と取組
(2) 雪対策について
(3) 福祉施策の充実について
① 成年後見制度
② 低所得者に対する就労支援
(4) 子育てしやすい職場づくりについて
(5) 「ソーシャル・インパクト・ボンド」を活用した行政課題への対応について
4 教育について
(1) 子どもの学力向上に向けた意識について
(2) 児童生徒数急増地域における学校施設の改築について
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28 年 4 定代表質問(28.12.5 中川議員)
私は、ただいまから自由民主党議員会を代表し、今定例議会に上程されております、
各種諸議案並びに市政の諸課題について順次質問いたします。
最初に、市長の政治姿勢について伺います。
まず、財政問題における「平成 29 年度予算に向けた考え方」について伺います。
個人消費や民間投資に力強さを欠く昨今の経済状況をかんがみると、積極的な財政
運営はさらに重要であり、国においても、平成 28 年度第2次補正予算が 10 月に成立
し、まさに未来への投資実現に向け、アベノミクスが一層加速していくところであり
ます。
本市においても、こうした国の動きに連動しながら、都市の活力や経済の活性化を
促す取組に積極的に投資を行い、市内の景気浮揚につなげていくことが喫緊の課題で
あることから、来年度の予算編成が今後の札幌の経済を左右する重要な意味合いを持
つものではないかと考えます。
また、アクションプランについては、平成 27 年度決算を反映させた平成 28 年度ま
での進捗率が計画全体の 38.3%となり、概ね計画どおり進捗しているとのことであり
ますが、市民が将来に期待感を持ち、さらに経済を活性化させていくという好循環を
つくっていくためには、単にアクションプランで想定した範囲内に満足することなく、
力強く必要な取り組みを推進し、市民がそれを実感できるよう取組むことが重要であ
り、市長には、このような考え方をしっかりと予算編成にあたって意識し、反映して
いただきたいと考えます。
そこでまず質問ですが、すでに来年度予算に向けては、その編成方針として、
「アク
ションプランの取組の推進」
、
「局マネジメント権限の強化」
、
「喫緊の市政課題への柔
軟な対応」の 3 つの柱を掲げておられますが、どのような認識のもとにこうした編成
方針を打ち出し、どういう方向性で平成 29 年度予算編成に臨む考えか伺います。
また、29 年度事業においてアクションプランをどの程度まで進めていくお考えなの
か併せて伺います。
次に、大規模事業の事業費に関する見解について伺います。
アクションプランにおいても、様々な大型プロジェクトが盛り込まれており、この
ような事業が計画的に実施されることは、消費を刺激し、地域の経済活動を活性化し、
そして新たな雇用も創造するなど、本市の経済や市民の生活に大きな効果をもたらす
ものと期待しているところであります。
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一方、大型の事業は、多額の事業費そのもの自体が問題視されることもしばしばあ
り、その事業計画の策定や予算の算定に当たっては、政策目的を明確に示し、事業が
将来にわたってもたらす効果などをしっかりと定量的に推計したうえで、それらに対
して過大でない予算額を算定する必要があります。
昨今、東京オリンピック・パラリンピックの事業費の膨張が、報道などでもいろい
ろと批判や評価を受けているような事例を見ても、大規模事業の当初計画がいかに慎
重かつ現実的でなくてはならないか、我々も改めてしっかりと意識し直さなくてはな
りませんし、本市においてもそういったことがないのか、振り返ってみることも必要
ではないかと考えます。
そこで質問ですが、市民の理解を得ながら、積極的に事業を展開していくためには、
それぞれの事業について、政策目的や得られる効果に見合う事業費がどの程度のもの
であるのかといったことを、当初の事業計画段階からしっかりと見極めて、それらと
比較して後々事業費が過大とならないように十分に留意していくことが必要と考えら
れますが、市長の見解を伺います。
次に、入札契約制度の今後のあり方について伺います。
札幌市は、アクションプラン 2015 において、一般会計の建設事業費について平成
31 年までの 5 年間、毎年 1 千億円規模を確保するとし、また、積雪寒冷地という地域
特性から、債務負担行為の設定による早期発注や工事の平準化に取り組むとともに、
さらに、今月策定予定の「札幌市産業振興ビジョン改定版」においても、地元企業の
受注機会の拡大を図ることが掲げられたことは、一定の進歩と評価するものでありま
す。
一方、本市の入札契約制度の現状を見ますと、くじ引きの発生率が年々増加し、経
営がくじ運に左右される状況が続いており、このような状況を見過ごせば地元の優良
な企業の存続も危ぶまれ、ひいては良質な社会資本の整備にも支障をきたすことにな
るものと懸念されます。
総合評価方式は、技術力に優れ、地域に貢献している優良な地元企業の受注機会の
確保に資することに加え、くじ引きが起こりづらい入札方式と認識しておりますが、
今年度の実施状況を見ると、依然としてくじ引きが多く改善の余地があるとともに、
入札参加の際の提出書類が多く、企業側の負担も大きいという課題もあるなど、さら
に参加しやすい仕組みとなるよう改善していくことが求められていると考えます。
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そこで質問ですが、地元の優良な企業が先々の経営を見通せるよう、総合評価方式
をはじめ、入札契約制度のさらなる改善が必要と考えるが、市長の認識を伺います。
次に、今後、人口減少が想定される中、本市がいかに国内外の活力を取り込んでい
けるかが、将来を大きく左右するものと考え、
「外貨を稼げるまちづくり」と題して、
まちづくり・経済・観光分野に関連することを包括して伺います。
まず、大きく一点目は重点分野産業の市場創造についてであります。
札幌市では、産業振興ビジョンの中で観光や食などといった重点分野を定め、各種
の取り組みを進めておりますが、これまでの産業振興策をみますと、各産業分野にお
ける企業活動の支援などが中心であり、今後、国内外との地域間・都市間競争が一層
熾烈になってくる中においては、これまでの振興策に加えて、札幌が強みを活かせる
有望分野の市場やビジネスチャンスの創造と拡大を行政側でも、受け身でなく、もっ
と積極的・主体的に意識し推進していくことが重要であります。そういった観点から、
市場創造に向けて何点か質問をさせていただきます。
まず、重点分野産業の市場創造を見据えた設備投資の促進についてであります。
有望分野の市場を創造していくうえで、関連する分野の事業や需要を支え、また喚
起するようなインフラや設備への投資は不可欠であり、中でも人とモノの流れが集中
する札幌中心部のまちづくりについては、
「稼げるまちづくり」を強く意識すべきであ
り、市民の効率的な活用はもとより、国内外から人やモノ・マネーを呼び込む視点を
明確に持ち、民間事業者などとの連携なども視野に入れながら、200 万もの人口を抱
える大都市の中心部に相応しい収益を生み出していくよう英知を結集させていくこと
は、本市の未来を司るものとしとて絶対的な使命であります。
今年 5 月に策定された第二次都心まちづくり計画の中では、札幌駅周辺、大通駅周
辺を含むエリアを「都心強化先導エリア」と位置付け、高機能オフィス環境やエネル
ギーネットワークの形成により、企業の誘致・投資意欲を喚起するよう機能強化を図
るとともに、道路や地下通路等の公共空間と民間施設等との連鎖・連続性を強化する
としており、こういった考えに加え、ICT のハード・ソフト両面での効果的活用やビ
ッグデータの収集・活用なども視野に入れながら、是非とも重点分野産業の市場拡大
に資する設備投資を進めることが重要と考えます。
そこで質問ですが、重点産業分野における市場創造を活性化し、北海道・札幌の経
済成長をけん引していくため、都心のまちづくりなど本市の設備投資をどのような姿
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勢で進める考えか、また、民間との連携や、民間の設備投資促進にもどのように向き
合っていくのか見解を伺います。
さらに、企業誘致などこれまでの産業施策も、すべからくこれらの重点分野に対応
させ、市場を創造し外貨を獲得するというまちづくりの方向性に沿ったものとすべき
と考えますが、如何か伺います。
また、計画では、札幌の MICE 展開や人の流れを支えてきたホールやホテルなどが
集積する「大通公園西周辺エリア」も、新たに都心まちづくりのターゲットエリアに
位置付けられたところであり、現在、市の中心部では新たな MICE 施設の整備場所も
含め、先に建て替えが示された中央区役所など市有施設の再整備、市有地の利活用な
どが一気に検討テーマとなっておりますが、それらの検討に当たっても、人とモノと
マネーとが集結する大都市の中心部に相応しいまちづくりを心掛けるべきことは論を
待たないとろであります。
中でも平成 30 年に閉館予定の「札幌芸術文化の館」
、いわゆる札幌芸文館は都心部
では貴重なまとまった市有地であり、それにふさわしい投資効果を見込んだ土地利用
が当然であり、また、閉館まで 2 年を切ったということで、まさかこれだけの土地を
無駄に寝かせることなどないよう、スピード感を持って検討すべきであります。
そこでさらに伺いますが、札幌芸文館の閉館後の土地利用を含めた都心部の市有地
の利活用と市有施設の配置について、現時点でどのようにお考えか伺います。
加えて、今般唐突に報道のありました大通公園延伸についてもお聞きいたしますが、
大通東1街区については、現在まだ検討を進めている段階と承知しておりますが、当
該街区の事業化について、どのようにお考えか、改めて伺います。
次に、公的利用、優先利用などを通じた市場化の下支えについて伺います。
市では、食や医療、IT などといった有望分野において、これまでも企業の先進的な
取組を補助するなどの支援を行ってきておりますが、こういった施策を通じて製品化・
具体化された商品やサービスがすぐに具体的な市場に巡り合い事業として成り立つか
ということになると、具体的な市場の顕在化段階やコスト、知名度など多くの隘路が
あって道は険しいのが実態であります。
そこで質問ですが、市が財政投入をして一定の投資をしたものについて、それらが
商品・サービスとして成り立つよう、公的利用や優先利用などで一定段階まで市場創
造を後押し、投資効果を高めていくことも重要と考えますが見解を伺います。
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次に、規制緩和や特区戦略を通じた取組についてであります。
北海道・札幌は農業をはじめとした食料供給力を背景に、国内他地域には容易に真
似のできない優位性や独自性を有していることなどから、規制緩和を通じた有望分野
の市場創造、事業活動の活性化には大いに期待するところであります。
しかし、先の国家戦略特区において北海道が落選しており、また、フード特区や本
市のコンテンツ特区などにおいても、規制緩和など特区の本質的な成果を上げられて
いないのが現実であります。
そこで質問ですが、今後、有望分野で市場創造と産業振興を図っていく上では、札
幌の持つ特性や優位性を踏まえて、日本の中でどのように展開していけるのか、戦略
を持って、規制緩和や特区を通じた取組みを組み立てていくことが極めて有効である
と考えますが、見解を伺います。
質問の二点目は、
「人の流動性促進を通じた市場拡大について」であります。
まず、人の流動性の多様化についてであります。
我が国は深刻な少子化により人口減少が現実のものとなり、本市においても、ここ
数年のうちに人口減少に転じることが見込まれており、経済のパイが今後縮小トレン
ドになっていくことは容易に予測されます。
道内全体をみますと、ほとんどの自治体において人口減少が最も根本かつ深刻な課
題でありますが、そんな中、かつては農業も観光も行き詰まり、過疎が深刻であった
ニセコ周辺が今では外国人で賑わい、不動産の投資も全国で最も盛んなのは周知の通
りであります。
このようにアジアの成長をはじめとする海外市場の拡大と、
一方で国内では 1700 兆
円以上といわれる個人資産の大半を高齢者が所有しているという現実をみると、外国
人と高齢者をターゲットとした流動人口の拡大を戦略的に図っていくべきであり、そ
の争奪に向けた都市間・地域間競争が今後激化すると考えられます。
そこで質問ですが、今後、各種の市場拡大の観点からは、数の上でも消費能力の上
でも期待できる外国人や高齢者をターゲットに、現在のいわゆる「観光」に加え、留
学やビジネス、長期ステイ、移住、など多様な形で流動人口に厚みを付けていくこと
が重要であり戦略的に取り組むべきと考えますが、如何か見解を伺います。
次に、外貨を獲得できる有力な産業としての観光についてであります。
本市においては、北海道の豊かな食糧生産力を背景に、
「食」を重点分野に位置付け、
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その市場拡大を期待し輸出支援にも力を入れているところであります。
しかしながら、食の輸出については、市場開拓はもとより、輸出入規制や関税など、
多くのハードルをクリアしていかなくてはならず、中小企業等にとっては決して容易
な取り組みではありません。
それに対し、同じく外国人の消費を通じて市内企業が売上の拡大を図るという意味
で、輸出とほぼ同等の効果を期待できるのが外国人観光、インバウンドであります。
本市企業の平成 27 年度の食品輸出額は約 54 億円であり、現行アクションプラン最
終年の 31 年度には 100 億円を目指すとしております。
一方で、やや乱暴な計算ではありますが、今年本市が行った調査では、本市を訪れ
た外国人が市内で消費した額のうち、飲食代とお土産代を合わせると 1 人平均で合計
67,707 円。平成 27 年度の本市の外国人宿泊数は約 192 万人なので、これらを掛け合
わせると約 1,300 億円。北海道全体の食品輸出額 773 億円と比較しても、極めて大き
な存在感を示す額になります。
国内での外国人への販売は、こういった巨大な輸出相当効果に加え、実際の輸出に
もつながる絶好の PR 機会であり、労せずして相手国内での口コミ効果を発揮するな
ど輸出促進効果も侮れないことから、外国人観光客の市内消費にもっと光を当て、あ
らゆる機会を通じてその拡大を戦略的に図るべきと考えます。
そこで質問ですが、輸出相当の効果に加え輸出促進効果をも期待できる外国人の市
内消費を積極的に拡大するなど、観光を外貨が獲得できる本市の有力な産業として捉
えるべきと考えますが、如何か伺います。
また、今年度組織改編された経済観光局として最初の予算要求となる来年度には、
経済と観光を一体と捉えた具体的な事業を展開していくべきと考えますが、29 年度予
算策定に向けた検討方向を伺います。
次に、インバウンドの目標設定について伺います。
現在、札幌市では、平成 34 年度までに外国人客を 157 万人とする目標を掲げており
ますが、すでにその数値は昨年達成されており、今年 2 定の代表質問で我が会派の村
山議員が指摘したとおり、新たな目標を設定すべきであり、市長からも新たな数値目
標を検討する旨答弁があったところであります。
その後、国は 2030 年までに 6,000 万人を目指すとし、北海道でも高橋知事は 2020
年までに 500 万人を目指すという野心的な目標を前倒しで表明してきており、それぞ
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れの目標水準に対する評価はいろいろあるものの、インバウンドにおける国家間、地
域間競争に乗り遅れまいという強い意志が感じられるものであります。
そこで質問ですが、そのような中、本市としても速やかに目標を明確にし、スピー
ド感を持って具体的に取り組んでいくことが求められると思われますが、今年 2 定で
表明された外国人客の目標の再検討について、どのような検討状況にあり、いつ頃ど
のような目標が示されるのか伺います。
次に、三点目として「外貨を稼げるまちづくりを目指すうえでの関係機関との連携
について」であります。
ここまで、札幌が「外貨を稼げるまち」となっていくために、今後のまちづくりや
産業政策に関して、現下の内外の環境等を踏まえて考えていくべき事柄について、主
な点のみをかいつまんでお伺いしてきましたが、これらは本市単独で取り組めるもの
もありますが、道や経済界との協力、また JETRO など国の関係機関との関係強化が
欠かせないものと考えます。
さらに直近の国際情勢にも目を向けると、アメリカで新たな大統領が誕生すること
や、ロシアとの関係では、今年 9 月にウラジオストクで行われた日露首脳会談におい
て平和条約締結交渉を含む政治分野、経済分野での協力を進めていくことで一致し、
今後の経済交流に期待する見方もあるなど、今後の国際動向を見据えた対応も欠かせ
ないものと考えます。
そこで質問ですが、こういったことも踏まえると、外貨を稼げるまちづくりを目指
し具体的に戦略を展開していくに当たっては、各般の関係機関との協力連携体制を強
化することが必須と考えますが、どのように取り組んでいくのか見解を伺います。
次に、
「スポーツの戦略」ついて国内外から人やマネーを呼び込むという観点で伺い
ます。
来年2月には、いよいよ冬季アジア札幌大会が開催され、1972 年の札幌オリンピッ
クを凌ぐ数の選手や関係者のほか、多くの観戦者が札幌を訪れるものと大いに期待さ
れます。
本定例会にも 5 億 3 千万円の追加開催費の補正予算が提出されておりますが、多額
の開催経費に相応しい効果を得られるような大会となるよう、スポーツ局はもとより
関連する他の部局の施策や力を総動員して、取組んでいただきたいと強く望むところ
であります。
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そしてその先には、いよいよ冬季オリンピック・パラリンピック招致を見据えるわ
けであり、まずは、その「冬季オリンピック・パラリンピックで目指す具体的な街の
将来像」について伺います。
秋元市長は 11 月 8 日、JOC(日本オリンピック委員会)に「北海道・札幌オリンピ
ック・パラリンピック冬季競技大会」の開催提案書を提出されました。
改めて言うまでもありませんが、オリンピックは単なる一過性のスポーツイベント
にとどまるものではなく、開催都市にとって大変な栄誉であるとともに、街を大きく
変貌させ未来を変えてゆく力を持つビッグプロジェクトであり、ビッグチャンスであ
ります。
市長は常々オリパラ開催を通じて北海道全体の経済活性化につなげ、地方創生の起
爆剤にすると言っておりますが、一時的な観光需要の増加などのイベント効果にとど
まらず、スポーツビジネスの拡大などオリパラの開催により確実に広がる様々な可能
性をどのように開花させるのか、積雪寒冷地に発展したアジアで唯一の先進大都市で
あるというオンリーワンの強みを持ったこの札幌が、これからの更なるグローバル化
を見据えて、世界の人たちやアジアの人たちにどんな役割や夢を提供する街となるの
か。さらには、初めてのパラリンピック開催を見据え、バリアフリー等の環境整備を
含め、どういう街を目指すのかなど、しっかりとしたビジョンを持って臨むことが重
要と考えます。
そこで質問ですが、インバウンドなどのオリパラ開催効果を将来にも持続させてい
くため、どのようなまちを目指そうとしているのか伺います。
次に、施設計画の考え方について伺います。
東京では 56 年ぶり 2 回目のオリンピック・パラリンピックの開催まで4年を切り、
開催に向けての準備がいよいよ本格化しておりますが、今般のボート会場などや、先
に議論の的となった新国立競技場もそうであったように、当初開催計画の妥当性や大
きく膨らむ整備費などについて、厳しい評価が一部ではなされているようであります。
今後、札幌が計画を立て、進めていくにあたっては、会場や施設の妥当性検討をし
っかり行い、民間資金の活用を図るなどして多額の開催地負担を圧縮していかなけれ
ば、市民の理解を得ることは到底困難であり、大会終了後に大きな借金や使い道の乏
しい施設という負のレガシーを残すことにもなりかねないものと考えます。
ただ、民間は当然、投資に相応しいメリットがあるかどうかという観点で評価する
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のであり、具体的、現実的に民間が投資したくなるような計画やモデルを市側が主体
性を持って構築していかなくてはなりません。
そこで質問ですが、今後、施設計画を進めるにあたっては、民間資金の活用が重要
と考えますが、民間参入しやすい計画づくりについて、どのように進めていくおつも
りか伺います。
次に、アスリートの人材発掘・育成についてであります。
今年は、甲子園での北海高校の準優勝や、ファイターズの日本一、コンサドーレの
J2優勝、J1 昇格、そしてリオデジャネイロ五輪での日本人選手の活躍など、市民の
中からオリンピアンやトップアスリートが誕生すること、また地域に根差したプロス
ポーツチームが活躍することで、街全体が活気づき、スポーツの力で街が元気になる
ということをまさに実感した年となりました。
このようにスポーツの力で活気あふれる街づくりを進めるためには、プロスポーツ
などを有効に活用していくことが重要であり、一昨日、札幌ドームを本拠地とする日
本ハム、コンサドーレなどとの 4 者協議もありましたが、チームと地元自治体がしっ
かりと強調して取り組むことが求められるとともに、地域におけるスポーツの情熱を
核としたまちづくりと、アスリートの育成が大変有効であると強く認識したところで
あり、他の自治体においても、人材を発掘・育成・強化していくための体制を、検討・
整備する動きが活発になってきているところであります。
例えば、福岡県では 2004 年より「福岡県タレント発掘プロジェクト」として、応募
してきた児童生徒を対象に選考テストを行い、合格者に能力開発育成トレーニングを
積み重ね、中学卒業時には、今後取り組んでいきたい競技を主体的に選んだり、それ
ぞれの適正にあった種目へ誘導するなどして、多様な競技に有望な人材を送り込んで
おります。
また、道内でも、名寄市など5市町村が連携し、スキージャンプ・モーグル・クロ
スカントリー・アルペンという冬季種目に特化した種目選抜型のタレント発掘・育成
事業に取り組んでいるなど、既に、全国 14 の自治体でアスリート育成が行われてお
り、地域間競争が今後ますます激しくなっていくことが予想されます。
札幌市は、ウインタースポーツ分野においては、日本をさらには世界をリードでき
る可能性を強く秘めており、そのためにはやはり、行政がより主体的・体系的にアス
リートの発掘・育成に取り組むべきと考えます。
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そこで質問ですが、札幌市では、アスリートの発掘・育成についてどのように考え
ているのか伺います。
次に、市政執行にあたって、職員数や人材面などにおける適正な人事配置について
伺います。
札幌市の当初予算総額に占める人件費の割合は、平成 27 年度 10.65%で、これは 20
政令市中、下から 3 番目の少ない割合であります。
職員数を抑制することで人件費を抑えることは必要なこととは考えますが、そのた
めに必要な事業執行に対し、人員が充分に配置されず事業がうまく回っていかないと
いうことがあれば、それは本末転倒であります。
義務的経費全体が膨らんでいることもありますが、人件費を抑えすぎることによっ
て、効率的な事業展開が妨げられてきていることはないのか、事業のより良い成果を
求めていくには、適正配置ということが 1 つのポイントであります。
これは、ただ人員を増やせばよいということではありませんが、今後、札幌市が様々
な形で世界とわたり合っていくためには、これから新たに進めていく事業など、トレ
ンドとして必要なところにメリハリをつけて配置を行い、有効に事業を展開していく
ことが重要と考えます。
そこで質問ですが、人件費を抑えることで必要な部分に人員が措置されず、他都市
と比べ競争力が落ちていることはないか、適正配置とその考え方について伺います。
次に、事業の専門性に対応していくための人材確保についてであります。
行政が担う事業においても、その内容がどんどん高度化、専門化し、それらに対応
する知識やスキルを有しているかによって、結果が大きく左右される分野も出てきて
おります。
例えば、国際経済や投資などの分野は、複雑化、グローバル化するビジネスの動向
やマーケティング、マネーの動きなどに関する知識や経験が要求され、近年注目され
ているビッグデータの活用なども高い専門性が要求されるところであります。
また、以前、ある自治体のスポーツ関係の視察に行った際の説明者から、県のスポ
ーツ振興に携わる職員の半分くらいが、元体育教員の経歴を持っている人材だと伺い、
札幌でもこのくらい思い切って専門人材の活用ができないものかと考えさせられたと
ころであります。
これからの時代、政策課題に対し専門性や先見性を持った「人財」を組織の内外か
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ら登用し、高い成果を期待できる質の高い施策や事業を展開していかなくては、地域
間競争で優位に立つことはできないと考えます。
そこで質問ですが、こうした専門性を活用する人事施策については、様々な手法や
方策があると考えられますが、今後どのように対応していこうと考えているのか、市
長の見解を伺います。
次に、市民活動に対する政治的配慮について伺います。
上田前市長は、市民自治を市政運営の根幹と捉え、市民活動を促進するため、関係
する各種条例を制定し取組んでこられました。
また、秋元市長は、人口減少や超高齢社会の到来による諸課題の解決には、市民、
企業、行政の総力である「市民力」を結集し、市民や企業などの多様な活動主体と協
力しながら取組んでいくとしております。
こういった方向性は求められているものと思いますが、具体の市民活動への支援に
ついては、様々な活動がある中で、特に政治的色彩のある事業の取扱いについては、
一定の配慮が必要ではないかと考えているところであります。
例えば、札幌市が市民活動を支援する方法の一つとして、名義後援という仕組みな
どがありますが、申請される事業の中には、いわゆる特定の思想や政治的主張を目的
とする事業も含まれていることもあると聞いており、支援にあたっては慎重な判断が
求められると考えます。
このほか、市有施設内での展示会の許可などについても、政治的色彩があるテーマ
については、市の判断について議論が起こることもあります。
福岡市では、名義後援を承認した、戦争をテーマにした展示会において、政治的主
張はしないと申請していたにもかかわらず、虚偽の内容が含まれていたとして拒否し
た事例があったとも聞いております。
札幌市としてまちづくりの一助として、様々な市民活動を支援していくことは重要
である一方、特定の思想や政治的主張を伴う活動への関わりについては、行政として、
より慎重で中立的な姿勢が求められます。
そこで質問ですが、市長は、市民活動への支援にあたり、政治的色彩のある事業に
ついて、どのように判断しているのか、また、どのような配慮が必要と考えているの
か伺います。
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次に、エネルギー政策について伺います。
まず、札幌市エネルギービジョンについてであります。
平成 26 年 10 月に策定された札幌市エネルギービジョンは、
「エネルギーの有効利
用」と「エネルギー転換」を基本的な方向性とし、省エネルギーの推進、再生可能エ
ネルギー及び分散電源の導入拡大を目指しており、具体的な目標値として、平成 34 年
度までに熱利用エネルギーを平成 22 年度比 15%削減、また、電力については、平成
22 年度の原子力発電相当分の 50%を、省エネルギー、再生可能エネルギー、分散電源
に転換することしております。
しかしながら、エネルギー転換の内、再生可能エネルギー発電量は平成 22 年度比
1.2 倍の 1.8 億kWhと、平成 34 年度目標値 6 億kWhまでにはほど遠い状況であ
り、今後の再生可能エネルギー普及の見通しを考えると、国による固定価格買取制度
における買取価格の下落や、電力事業者による系統接続量が既に限界であるなど、数
値目標の達成は困難なことが想定されます。
札幌市では太陽光発電等の普及拡大のために、市民事業者向けの補助や、市内小中
学校含む市有施設への率先導入などを行っているところでありますが、こういった状
況を踏まえれば、太陽光発電以外の再生可能エネルギーの普及推進策にシフトするこ
とも検討すべきと考えます。
そこで質問ですが、現在の札幌市エネルギービジョンで示している再生可能エネル
ギーの発電量については、大規模な太陽光発電の普及見通しが厳しくなってきている
状況を踏まえ、数値目標や構成比の見直しを含めた、エネルギービジョンの再整理等
が必要と考えるが如何か伺います。
また、太陽光発電以外の再生可能エネルギーの普及に向けた取組も加速化していく
必要があると考えるが如何か、併せて伺います。
次に、わが会派では平成 27 年第2回定例会において、札幌市エネルギービジョンで
提示されている本市の将来の電源内訳について、目標年度である平成 34 年度における
原子力、火力、水力等といった大規模電源の構成が示されていない点について質問し、
市長からは、
「札幌市としては、安全性、安定供給、経済性、環境性能等を考慮した特
定の電源に頼らないバランスの良い構成とすべきと考える」との答弁をいただきまし
たが、このことは、大規模電源の構成はあくまで電力事業者の実態や国の考え方に左
右されるものの、それぞれの電源について本市としても一定の考え方を有していて、
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28 年 4 定代表質問(28.12.5 中川議員)
初めて可能となるものと考えます。
札幌市エネルギービジョンの目標年度である平成 34 年度には、現在、石狩湾新港で
計画中の北海道電力や北海道ガスが行う、天然ガスを利用したガスコンバインドサイ
クル発電所が稼動する予定であり、その規模は150万kWhを超える大規模なもの
と聞いております。
ご存じのとおり、天然ガスは化石エネルギーの中でも温室効果ガスの排出量が少な
く、いわゆる「クリーンエネルギー」に位置付けられ、世界的にもプラントの整備な
どが進み、調達競争も激化しているなど、ここ数年急激にその存在感が大きくなって
おり、こういった動きにもしっかりと目を配り、本市として望ましい電源内訳を想定
し、エネルギー政策を展開すべきと考えます。
そこで質問ですが、再生可能エネルギーの目標達成の目算が大きく狂った中におい
て、大規模電源についても、それぞれの電源の実態や動向などをしっかりと見据え、
その将来的な姿などについて、改めてしっかりと展望すべきと考えますが、如何か伺
います。
続いて、燃料電池自動車の普及に対する市長の姿勢について伺います。
本市では、環境にやさしい「水素社会の実現」に向けて、現在「
(仮称)札幌市燃料
電池自動車普及促進計画」の策定作業を進めておりますが、燃料電池自動車の普及に
あたっては、自動車の普及と水素ステーションの整備という、大きく2つの取組みが
必要で、行政としてもその双方を政策的に誘導していくことが重要であります。
ただ、国の水素ステーションの優先整備が首都圏等に限られ、北海道は対象となっ
ていない現状も考えると、本市が政策的に特に先行して行うべき取組は、水素ステー
ションの整備であって、一定程度、自動車の普及が進むまでの間は、水素ステーショ
ンを設置・運営する事業者に対し、行政が先行して支援を行い、長期的スパンで見て
採算性が成り立つような環境を整え、インフラ整備を誘導すべきであります。
そこで質問ですが、本市の燃料電池自動車普及促進計画の策定にあたり、水素ステ
ーションというインフラの整備を本市が先行して行い、将来的な水素社会の実現のた
めに絶対に普及させていくのだという強い姿勢を示すべきと考えますが、計画策定作
業も佳境に入った現在、燃料電池自動車の普及に向け、どのような課題認識を持ち、
それに対してどのような姿勢で取り組んでいこうとしているのか、市長の思いとお考
えを伺います。
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28 年 4 定代表質問(28.12.5 中川議員)
次に、大きく「絆や心に寄り添うまちづくり」と題し、何点か伺います。
まず、今後の地域コミュニティへの取組みについて伺います。
先日、民間機関が行った 5 大都市の在住者 5,000 人超を対象とする、
「住んでみた
い」というテーマに絞った「シティブランド」の調査結果が公表され、札幌市が「将
来、住みたい自治体」の1位となりました。
一方、昨年度、札幌市が行った市民アンケート調査では、市民の9割以上が、地域
コミュニティの重要性を認識しつつも、相互のつながりは希薄であると感じていると
いう結果でありました。
かつては、冠婚葬祭などにおいても地域の力を借りる場面が多かったのに対して、
現在では地域との関わりが薄れてきており、今も環境美化や地域安全、高齢者や子ど
もの見守りなど、様々な活動が地域の方々によって進められている一方で、そういっ
た活動を日常の中で改めて意識する事が少ないのではないかとも思われます。
また、災害などの非常時には、普段の生活の中でいかに地域がつながっているかが
大きく左右することからも、しっかりとした地域コミニテイを構築することが重要で
あります。
札幌市は、地域コミュニティに関わる条例として「自治基本条例」を定めてから既
に 10 年近く経過したところでありますが、先のアンケートの結果等を見ると、いまだ
市民は地域のつながりを実感できていないことが伺われます。
そのような中、市では昨年度、地域コミュニティの活性化を図るための検討委員会
を発足させたところであり、本年 8 月に市長に対し手交されたその報告書によると、
人口減少・高齢化を背景に地域課題は複雑・多様化している中、現在や将来の札幌の
姿に合った地域コミュニティの活性化のためには、人と人との「出会い」が大切であ
り、そして、個人の「出会い」と団体同士が「つながる」ことで「地域の絆」を築いて
いくことが最も重要であるとしております。そして地域が抱える課題を「担い手・人
材」の不足と「活動の場」に集約・整理した様々な提案がなされたところであり、今
後は、その提言を速やかに具体的な施策に反映させていくことが求められます。
また、本年 7 月に市が実施した第 1 回市民意識調査では“地域交流の機会”につい
て、世代によって地域交流のイメージが違っていると共に、約 7 割の市民は、身近に
交流の機会がないと感じていることなども明らかになりました。
これらのことからも、地域コミュニティの活性化に向け、従来のやり方だけではな
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く、地域の特性や世代ごとの特性など様々な角度からの視点を踏まえた、新たなアプ
ローチが求められているのではないかと思います。
そこで質問ですが、この検討委員会からの報告について、市ではどのように受け止
めておられるのかお伺いします。
また、報告書の提言ならびに市民意識調査を踏まえ、札幌市が住んでみたい街、第
1 位に名実ともにふさわしくなるために、今後、地域コミュニティの活性化に向けど
のような方針で取り組んでいかれるのかお伺いします。
次に、雪対策についてであります。
今年は、21 年ぶりに 11 月上旬に20㎝以上の雪が降るなど、記録的な降雪でシー
ズンが始まりましたが、毎年必ず雪に覆われる自然条件の中で、冬の経済活動を支え
る除雪事業は本市にとって必要不可欠なものであり、その担い手である建設業を中心
とする除雪事業者の果たす役割は、非常に大きいことは言うまでもありません。
私は以前から、
「降雪が市民生活や経済活動のあらゆる面において、多大な影響を与
えていることから、雪対策事業は、その経済的影響を踏まえた、適正な予算規模と内
容にすべき」と指摘してきました。
そのため、次期の「冬のみちづくりブラン」においては、雪が経済活動にもたらす
影響を極力小さくしていくため、経済効果と事業コストを天秤にかけ、数値的データ
を基に、適正な事業規模や手法などを盛り込んでいく必要があると考えております。
一方、除雪事業者からは、依然として「厳しい受注環境が続いており、保有する除
雪機械の更新ができず、老朽化が進んでいる」などといった声が聞こえているほか、
従事者も 30 歳未満の若手が少なく、今後、高齢化はますます進展することが懸念され
るなど、将来、事業の担い手が確保できず、除雪事業自体が維持できなくなる事態に
なりはしないかと、危機感を禁じ得ません。
そこで質問ですが、現在進められている、次期、
「札幌市冬のみちづくりプラン」の
改定作業に当たっては、今後検討される、降雪に伴う経済的影響をしっかり把握し、
必要な雪対策事業を質・量ともに持続的に確保できる内容とすべきと考えますが、如
何か伺います。
次に、福祉施策の充実について伺います。
まず、成年後見制度についてであります。
近年、高齢者等を狙った振り込め詐欺や悪徳商法などの事件が相次いでおり、権利
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擁護の取組が喫緊の課題となっております。
このようなことから、認知症・知的障がい・精神障がいなどによって物事を判断す
る能力が十分でない方について、権利を守る援助者を選び、本人を法律的に支援する
制度として、平成 12 年に民法上に位置づけられたのが、成年後見制度であります。
一方で、成年後見制度は、利用した場合、医師、税理士などの資格や会社役員の地
位を失うなど、利用者個人の制限も伴う慎重な判断が求められることから、現行制度
では家庭裁判所がその審判を行うハードルの高い制度であります。
政府は、こうした制度上の課題を克服し、地域の需要に応じた成年後見制度の利用
促進をめざすため、今年 5 月に「成年後見制度の利用の促進に関する法律」を定め、
今後は自治体での取り組み強化も求めていく方針とのことであります。
現在、札幌市においては、地域包括支援センターや社会福祉協議会等が制度の普及
や相談を行い、区役所や保健福祉局と連携して制度の利用支援を行っておりますが、
その支援内容は、本人の判断力が後見相当であること、親族による申立てができない
こと、日常生活上の支援のために後見人が必要であることの 3 要件をすべて満たす人
に限って市長が申立てを代行し、申立てや後見人の報酬にかかる費用の助成は、低所
得者のみを対象とするなど、限定的なものであります。
また、平成 27 年度の札幌市の市長申立における後見人の担い手の大半は弁護士
で、多忙な専門職が対応しているのが現状であり、今後の高齢化に伴う需要の増大
や、国の利用促進の動きを踏まえると、重度化する前からの利用支援や市民への一層
の普及啓発、専門職後見人と市民後見人の役割分担など、市としての取り組みを再検
討すべき時期に来ているのではないかと考えます。
そこで質問ですが、札幌市の現状では、弁護士や司法書士などの専門職による後見
人が多く、市民後見人の実績は数件と少ない現状にありますが、成年後見人の負担や
その担い手の確保について、札幌市はどのような見解を持っておられるのか伺いま
す。
また、今後ますます需要が高まる成年後見制度について、札幌市はどのような認識
のもとに取り組んでいくつもりか、併せて伺います。
次に、低所得者に対する就労支援について伺います。
生活保護受給者や生活困窮に至るリスクの高い層の増加を踏まえ、平成 27 年 4 月
から生活保護に至る前の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者自立支援制度が全
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国でスタートいたしました。
また、平成 28 年6月に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において、
「子
育てが困難な状況にある家族・子ども等への配慮・対応等の強化」として、
「生活保護
受給者等の就労を支援するため、生活保護受給者等を雇用する事業主への効果的な支
援を強化するとともに、就職後の定着を支援する」と明記されました。
これを受け、平成 28 年8月に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」
において、
「生活保護受給者等を雇い入れる助成措置の新設」が盛り込まれ、低所得者
に対する就労支援の新たな枠組みが講じられることとなったものであります。
このことから、国の平成 28 年度第 2 次補正予算において、
「特定求職者雇用開発助
成金(生活保護受給者等雇用開発コース)
」を創設し、生活保護者や生活困窮者を雇い
入れた一定の事業者に対し、一人につき最大 60 万円の助成」が可能となったところで
あり、国がスピード感を持って施策の充実に努めていることに、我が会派としても大
いに期待を寄せているものであります。
そこで質問ですが、こうした生活保護受給者等の低所得者に対する就労支援にあた
っては、本助成金の積極的な活用を図るべきと考えますが、市の認識を伺います。
次に、子育てしやすい職場づくりについて伺います。
我が会派は、子育て世代が働きやすい環境を整えていく立場にある札幌市として、
事業所内保育を促進するため、認可事業の拡充や国の補助制度の利用を考える企業を
後押しすべきと、これまでも主張してきたところであります。またこの度、一部報道
では、政府・与党が企業主導型保育所の設置企業に対し、2017 年度税制改正で不動産
取得税や固定資産税を軽減する方向で検討に入ったとも報じられております。
こうした子育て環境の整備は、いわば“時代の要請”として、企業や事業者全体で
取り組んでいかなければならないテーマであって、少子化対策が急務となっている本
市においては、札幌市役所自体も市全体の就業環境に広く影響力を持つ一つの巨大な
事業体として、率先して子育て環境の整備に取り組んでいかなければならない立場に
あると思います。
秋元市長は、今年 5 月に名古屋市で開催された指定都市市長会において、他の政令
指定都市の市長と共に“イクボス宣言”を行っており、その宣言には、
「地域社会の牽
引役として、
『隗より始めよ』の精神で、職員一人ひとりが仕事と生活の調和を大切に
しながら、充実した生活を送るための働き方改革を行い、地域全体に広げていけるよ
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28 年 4 定代表質問(28.12.5 中川議員)
う、真剣に取り組む」と記されております。
政府においては、
「2020 年までに指導的地位に占める女性の割合を 30%にする」と
いう具体的でわかりやすい目標を掲げ、安倍内閣の最重要課題の一つである「全ての
女性が輝く社会」に向けて、多様な働き方の推進、男性の暮らし方・意識の変革など
の取組を次々と具体化し実行に移しているように、本市においても、これを単なる宣
言に終わらせるのではなく、明確な目標感、方向感を持って、具体的なアクションを
起こし、その効果を地域全体に広げていくよう、しっかりと市民にコミットしていく
ことが重要であります。
そこで質問ですが、イクボス宣言の精神も踏まえ、
“子育てしやすい職場づくり”に
向けて、本市自らがどのような目標を掲げ、具体的に取り組んでいくつもりか伺いま
す。
また、自ら範を示し、企業や事業者を誘導する立場として、子育て世代の働きやす
い職場づくりを全市的に広めるため、どのように働き掛けていくお考えか伺います。
この項目の最後に、
「ソーシャル・インパクト・ボンド」を活用した行政課題への対
応について伺います。
聞きなれない言葉と存じますが、近年、行政の財政事情が厳しくなり、またその事
業領域や参加者が多様化・変化する中で、社会的課題の解決に向けて、行政と民間事
業者が連携して事業を行い、その事業成果によって行政が対価を支払う「ソーシャル・
インパクト・ボンド(SIB)
」という、ソーシャルファンドの仕組みを活用し、公共
サービスの生産性向上や財政負担の軽減を図る取組が欧米を中心に活発化してきてお
り、国内においても、横須賀市、福岡市、松本市、尼崎市において福祉や就労支援な
どの分野で取り組み事例が出てきております。
既に公共施設などの分野においては、PFIなど民間の資金や事業ノウハウを活用
した事業手法が確立されておりますが、ソフト事業分野においても、今後、社会保障
費の増加等が避けられない中、こういった民間資金の活用スキームが拡大することが
望まれており、特に、扶助費の負担が著しく高い本市は、多様な資金の活用を積極的
に検討していくべきと考えます。
そこで質問ですが、既にスキームとして一定程度確立している「ソーシャル・イン
パクト・ボンド(SIB)
」などの仕組みを、本市の各般の行政課題の解決に活用でき
ないか、前向きに研究・検討していくべきと考えますが、如何か伺います。
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次に、教育について伺います。
まず、子どもの学力向上に向けた意識についてであります。
本市は、平成 26 年に策定した教育振興基本計画の中で、
「自立した札幌人」の育成
を目指し、
「自ら学び、共に生きる力を培う学びの推進」を通じて、
「学ぶ力」を育成
するとしておりますが、その成果の一つである「学力」について、本市として何ら目
標付けがないことは、気になるところであります。
報道等でよく学力測定の引き合いに出されるのが、
「全国学力・学習状況調査」いわ
ゆる「全国学力テスト」であり、本市の現状としては、ほぼ全国平均並みというとこ
ろで、この一連の水準について、これまで教育委員会としては、平成 27 年 1 定におけ
る我が会派 伴議員への答弁で「札幌の子どもの学力は高い状況にある」としているよ
うに、この全国平均水準に概ね満足しておられるように受け止められます。
この学力テストについては、文部科学省でも「測定できるのは学力の特定の一部分
であり、序列化や過度な競争が生じないように十分に配慮することが重要」として、
テストの相対的結果をもって安直な評価や対応等を慎むよう指導しているところでは
ありますが、これはその相対的位置を厳しく受け止め、何らかの教育目標の材料とす
ることを否定するものではないと解釈できます。
現に、北海道では学力テストで全国平均を目指すという明快な目標を立て、独自の
チャレンジテストを導入するなどの取り組みを進めながら、その目標に着実に近づき
つつあることは今年の結果を見ても明らかであります。
また、ベネッセでは、教育を取り巻く環境を把握し、子どもたちの学習に関する意
識や実態をとらえるため、
「学校基本調査」を経年で実施してきており、その中で、子
どもたちの成績観や学力観に関する質問では、小学生、中学生とも「できるだけいい
高校や大学に入れるよう成績を上げたい」というものが毎回一番多く、直近 2015 年の
調査では、小学生で 74.6%、中学生で 67.2%にのぼり、調査開始以来、右肩上がりであ
ります。
我々大人や公教育に関わるものは、教育の多面的・多層的な在り方を追求する一方
で、子どもたちや家族の方々がいつの時代も変わらず持ち続けている「成績を上げ、
自身の将来の可能性を拓きたい」という思いからは目をそらさずに受け止めていくべ
きと考えます。
そこで質問ですが、子どもたちやその家族が抱く学力向上に向けた意識について、
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28 年 4 定代表質問(28.12.5 中川議員)
本市としてはどう定量的に把握し、認識しているのか。また、それらの点が現在の教
育振興基本計画にどのように反映されているのか伺います。
続いて、
「児童生徒数が急増している地域における学校施設の改築について」伺いま
す。
札幌市の児童生徒数が全体では減少傾向に転じている中、私の住む中央区では、い
まだ人口は増え続け、児童生徒数も増加を続けております。
私は昨年 3 定議会の代表質問においてもこの点を、子どもの遊び場不足という観点
から指摘させていただきましたが、学校施設に関してもキャパシティオーバーが一部
で深刻化しつつあります。
地域によっては、マンション建設等が盛んなこともあって子どもたちが急増し、近
いうちに市の将来推計児童数を上回る恐れもある学校も出てきており、そういった地
域では自分たちの子どもがその学校に通えるのか、また、適正な環境で学校生活を送
れるのかといった不安がささやかれ、現に校舎やグランドの狭さなどへの不満も顕在
化してきております。
本市の学校施設も、全体の約 7 割が築 30 年以上経過し老朽化が進んでいる状況にあ
り、いずれ改築が必要になってはくるものの、現在のところは限られた財源の中、耐
震化工事などを並行しながら、年に数校ずつ順に改築を進めているものと認識してお
ります。
そして、平成 30 年度に耐震化の基本設計が完了すると、今後本格化する学校施設の
老朽化へ対応していくため、改築や改修に入ることになりますが、その順序付けに際
しては、建物の老朽化のレベルとともに、児童数の動態にも配慮をして検討していく
べきと考えます。
しかしながら、少子化の中、子どもが急増している学校は全市的にはあまり多くは
なく、改築計画にあたっては人口動態が十分に配慮されていないように見受けられ、
一部の学校では、子どもたちは通常よりも狭い環境で学校生活を送ることを余儀なく
されていると聞いております。
このような場合は、築年数順では改築時期がたとえ少し先だとしても、改築の時期
を前倒しし、必要な規模の校舎や体育館を新築することが、適正な教育環境の確保の
面でも、効率的な予算執行の観点からも大変有効であると考えられます。
特に、中央区では、先ほども申したとおり校区内の子どもの数が急増している学校
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が多く、そうした学校で施設の老朽化もある程度進んでいる場合、改築の前倒しを検
討すべきと考えます。
そこで質問ですが、学校施設の整備にあたっては、子どもたちの増加状況が大変大
きな検討要素になることから、市内の人口動態を十分に注視、予測し、改築の優先順
位に反映すべきと考えますが、如何か伺います。
最後に、今回の市有施設におけるアスベスト問題や札幌市元職員による官製談合
防止法違反容疑による逮捕など、一連の不祥事等に対する市民の信頼回復へ向けた取
組について申し上げます。
本定例会招集日の市長提案説明において、冒頭、市長から一連の不祥事に対する陳
謝と、市民の信頼回復に向けた強い決意並びに今後の取組概要について説明があった
ところであります。
我が会派といたしましても、これまでの市政におけるマンネリ化した組織風土や職
員体質が、今回の事務事業に対する緊急性の認識や予算査定にあたっての適切な判断
を妨げる結果を招き、また職員の職務遂行に際しての連携や透明性確保の重要性に対
する認識欠如を引き起こし、結果として、市民の信頼を失墜させる行為として立て続
けに表面化しているものと考えます。
今後は、徹底した原因究明と再発防止に努めるとともに、職員の一層の意識改革を
図り、市民の信頼回復に向け積極的に対応していただくことを強く指摘し、私の質問
を終了させていただきます。
ご静聴、ありがとうございました。
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