【葛飾区医師会学術部主催講演会】 葛飾区以外でも、どなたでも参加出来ます。予約は不要です。 学術部の講演会は栄養学で著名な香川靖雄先生をお招きしました。 1 点 80kcal の四群点数法 で有名な、香川綾先生のご長男です。最近話題の「時間栄養学」についてご講演いただきます が、患者さんだけでなく、コメディカル・我々医師にとっても元気に過ごすための「アンチエ イジング」の秘訣を教えていただきます。医師・栄養士・看護師・薬剤師の皆様是非この機会 にご聴講下さい。 日時: 3 月 17 日(木)19:30~21:00 場所: 葛飾区医師会館 葛飾区立石 5-15-12 プログラム 電話 03(3691)8536 1)開会の辞 葛飾区医師会長 安藤進先生 2) 【特別講演】 座長 学術部理事 加藤光敏先生 「健康寿命のための時間栄養学」 講師 女子栄養大学副学長 香川靖雄先生 要旨 平均寿命よりも介護を受けない寿命、すなわち健康寿命の延伸が重要である。時間栄養学の 基本である生物時計には、日周リズムを支配する時計遺伝子と細胞分裂の時計であるテロメア があり両者の連携で健康寿命が左右される。メタボ、ロコモ、フレイル、認知症は数十年の経 過で進展するが、これらには寿命の回数券であるテロメアの長さが関与している。一方、時計 遺伝子は昼夜を事前に予測して活動リズムを調整する。主時計遺伝子は視交叉上核にあり、網 膜で感受した朝日でリズム位相を整える。末梢時計遺伝子は全身の細胞に存在し、朝食摂取に よって位相を整えるので両時計遺伝子の同調が健康に重要である。従来の栄養学は、同一個体 が同一のエネルギー量、栄養素量を摂ればその栄養学的効果は等しいとしていた。しかし、同 一の食事であっても、摂取時刻、摂取速度、摂取順序によって、健康が大きく変わる。朝食摂 取は必ず摂取し、夜食は避けるか分食し、毎食の栄養バランスを保つ。摂取速度はゆっくり一 口 20 回以上噛み血糖の急激な上昇を避ける。摂取順序は野菜から食べ、次いで魚、肉を摂り、 ご飯、パンは最後とする。GI の低い食品を摂る。減量速度は体重 1kg/月とし骨密度と筋肉を 維持する。運動は毎日約 8 千歩、運動時間を分割し、20 分は速歩か筋トレとする。7時間睡 眠を守り、夜勤者は光と食事を活動に合わせる。テロメアの長さは出生時に約1万塩基あり、 年間平均 50 塩基ずつ短縮して行き、5千塩基が個体、臓器の寿命の限界である。規律正しい 禅僧は古来から、極めて長寿であったが、一般人の平均余命は 1950 年までは約 40 歳であっ た。健康寿命に重要なのは、入院など短期間の体重、血糖値の正常化よりも、自己の意思によ り健全な食事、運動、瞑想、休養を習慣づけることによってテロメアを維持延長できることで ある。 1
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