2 兎を追って~4年目の挑戦

2 兎を追って~4年目の挑戦
(株)ブルーモリス、プロスキーボードクロスライダー
&トライアル国際 A 級
高橋博
写真1
スキーボード界国内最強軍団!
チームブルーモリスの面々
左からエア NO1 の焼田、クロスチャ
ンプ城生、ジュニアチャンプ若手の篠田、そして私です
今年から IA 小谷さん(紅彩様)協賛により、エキサイティングが
チーム公式ウェアです
毎年恒例の、トライアルとは全く関係のない話題で皆さんには大変恐縮ですが、現役トライアルライダーが他カテ
ゴリーであるスキーの選手をやっつけに行ったという、汗と涙のお話しを少々読んでやってくださいな。
知る人ぞ知る、トライアルとスキーのダブルライダーとして売り出して早や4年という月日が経ちました。
今流行のクロスレース(簡単に言うと対人レースでして、人工的に作ったコースをおおむね 6 人が一斉に滑降して、
一番早いものが勝ち)なるものに取り組み、トライアルには無い極限のスピード感と対人ゲームの駆け引きの虜にな
り、この歳(あえて不公表)になってもちっとも衰えることを知りませんな~。
そのレポートも今年で 3 回目、こ
れまでの戦跡を簡単に振り返ると、4年前の初挑戦の全日本選手権大会は 2 回戦で他者と絡んで転倒、予選敗退。 翌
年には大きくジャンプアップするも準決勝で単独転倒し、決勝の 6 人枠に残れず、全日本ランク 7 位止まり。
そし
て昨年は、このスポーツを始めた当初から公言していた 3 年目のチャンプ奪取にわずかに失敗し、ランク 2 位まで上
りつめました。
そして、その昨年のチャンピオン、富山の城生選手が今年から同じチームに加入し、今年は私にと
ってリベンジの年、全日本チャンプ再挑戦の年となりました。
そして、全日本の話の前に、その前哨戦みたいな大会が富山県は極楽坂スキー場でありまして、この大会は城生選
手が目下4連覇中ということで、とりあえずやっつけに行ってきました。
この日は写真1のブルモリメンバーが勢
ぞろいしまして、にわかにチーム内最強決定戦みたいなもので、なんかフツフツと燃えるものがありました。 また、
富山県にとって彼は誇れる全日本チャンプでもあり、5連覇なるかといった話題の尽きない大会でもありまして、当
日は NHK が彼のために取材に来てました。
といったところで、私としては何としても彼の優勝は阻止すべく、順
当にブルモリライダー3 人衆(一人、焼田君のみ予選落ち)と共に決勝に進みました。
そして写真2はその決勝の
様子です。
へへっ
私はまんまとホールショットに成功!
城生君はこの直後コースアウト!
そして余裕の勝ち
パターンの筈だったのですが・・・背後に迫っていた超新人、篠田にゴール直前で、あれ?お前どっから来たんだ?
って感じで刺されて、残念
2 位でした(泣!)
ん、羨ましすぎる。(しまった
因みに彼の年齢はまだしょんべん臭い十五歳、私はその倍
う~
歳がバレる)
写真2
富山県極楽坂スキー場大会の模様です
もっと詳しい写真は
http://www.tateyama.or.jp/~kazuyuko/index.htm
で、今年の全日本選手権の写真と共に公開されてます
私は城生のライバルとして、かなり沢山撮ってもらってます
これが今期の初戦でもあり、まあしょうもない 2 位ではあったのですが、テレビにいっぱい映ってたんで良しとし
ます。
今年は他に大きな大会に 4 つ出て、全てに決勝進出を果たしました。
は商品券 1 万円、高級牛肉 2 万円分をゲット!
内容が悪かった
なかでも優勝したダイナランド杯で
きちんと狙って勝つというのは、幸せなものです。
まあ単独転倒したものは仕方がなかったのですが(これはコケ方が酷かった
でも実は他が
1 週間全身ムチ打ち
で死にそうでした)、肝心のスタートでボケっとしてて完全出遅れなんてものもあって、これが最大に情けなかった。
まあそんなこんなで、いろいろありましたが、ようやく本題の全日本選手権のお話をします。
年の志賀から白馬に移り、コースも約2.5キロという、超マラソンコースです。
今年はコースが例
通常は長くて 1 キロ未満、時間
にして50秒あればかなり長い部類ですが、今年のコースは時間にして 1 分 50秒余りの超ロングでハードなコース
のため、我々スキーボードカテゴリは全国地区予選上位 46 名のみの限定です(私は昨年のシードで予選免除(^。^)
。
昨年以上に強い強豪のみが出場権を得られます。
ちなみに今回はニッピンスポーツという冠のついた大会で、当日
は他カテゴリのスノボ、スキーを含めて250人強の参加人数で、今まで出た大会の中では最も最多で、スタート付
近はライダーがウジャウジャいました。
距離もそうですが、標高差有り、当日天気は曇り
ディションがまるで違うため、みんな板のチョイスとワックスに悩んでます。
濃霧、視界は20メートル程度なので、とても危険!
コースの上と下でコン
そして、スタート付近(写真 3)は
スタート直後はフル加速で飛んで曲がって飛んでの連続でし
たので、とても危なくって、事故が続出でした。
写真 3
全日本選手権大会の予選スタート風景
一番手前が私、スタート成功です
視界不良で大変です
スタートはレースで最も重要で、ゲ
ートが倒れるコンマ数秒のタイミングが勝負の行方を左右します
写真4
私とチャンプ城生
最大のライバルであり、頼もしいチームメートでもある
ので、刻々と変わる雪面コンディションと板のチョイスを1レース終わるた
びに相談しながら走りました。
そんななかでも、私自身はもう調子が良すぎるくらい良くて、予選から準決勝まで全て 1 位通過!
のは簡単ですけどね、実際はやばい時もありました。
決勝進出
こうやって言う
対する城生君は準決勝であわや予選落ちか?というギリギリ
そんなとこで敗退したらお前許さんぞといった感じでしたが、新星篠田はこの組で城生君の後にゴール、
悔しくて泣いてました。
これだけ距離が長いとスタートでちょっと失敗しても相手のミスを突いてなんとか取り
返せるものです・・ところがそこに落とし穴が潜んでたとは。
本当に待ちに待った 1 年間、念願の決勝戦です。
たい一心でスタート前はピリピリ。
くそー!
子
そりゃそうです
得意のスタートにちょっと失敗した!
メンバーはもう誰が勝ってもおかしくない面子が揃い、皆勝ち
年に 1 回しかない日本一決定戦ですから。
3 位発進です
中盤までこの順位は動きませんでしたが、チャンス到来
前を走るのは城生
金子が落ちてきました
そしてスタート
トップは4年前のチャンプ金
さすがにインスペクション(試
走)から予選からこの決勝に来るまで 8 回余りもほぼ全開で走ると、知らず知らずの間に足にキテるんですね
から見ててもはっきり彼の疲れが見えました
ては準決勝の惨敗が発奮材料になったのか?
は言えませんね。
その隙を突いて城生がトップに踊りでました(写真5)
対する私は準決勝まで良すぎたからか?
後ろ
彼にとっ
今思うと油断が無かったと
どこかで絶対取り返せると思ってましたが、逆にジリジリ差がついてしまいました。
実力伯仲
の世界では、この僅差をひっくり返すのはとても難しいことでした。
写真5
決勝のコース終盤
私は必死で 3 位から追い上げてます
この辺は斜度が無くってクラウチングで必死に追いかけていますが、ち
っとも差が詰まりませんでした。
写真6
ゴールです
しかも 3 位、完敗です
写真7
また彼に負けました・・
結果はこともあろうにチャンプ奪取どころか、昨年からひとつも順位を落として 3 位
勝った城生君はサポートの仲間に昨年同様もみくちゃにされてました。
惨敗です。
対する私は悔しくって暫くゴール付近で
途方に暮れていましたが、ファンスキー協会会長の中野氏がまず駆け寄って、暖かくねぎらってくれたのが嬉しかっ
た。
そしてなにより、チームメートで、私をスカウトしてくれた張本人である師匠の築地氏がボロボロに涙して抱
き寄ってくれたのには、思わずもらい泣きしてしまった。
現役選手なのに、今回はチームの総監督として帯同して
くれて、本当に心強かったです。
ってことで、期待してくれた方(おるんかな?)には残念でしたが、今年も駄目男ちゃんでした。
さーて、今年
も例によって神様に見放されましたんで、来年こそは天使の微笑みと共に一番てっぺんに上り詰めることができます
か・・・性懲りもなく挑戦はまだ続きそうです。
さてと、トライアルも心機一転、デモに試合に、いっちょ頑張り
ますわ!
全日本の表彰式
ブルモリワークス1&3
スキーボード界にブルモリチーム恐るべし
というこ
とを十分示せたようです。
右がチャンプ城生
左は私
板は右がマニア垂涎の限定板、闇八甲田
私のはライダー専用モデルです
大したことは書いてませんが、一応HPあります
http://www.trial-ex.com/hiroshi/ よかったらどうぞ
見てやってください
デモも募集中です!