紫外線の影響を探る ジ 水俣市立水俣第二中学校 1 1年 道上 研究の動機 夏は紫外線が強いので日焼けをしますが、日焼けがひどくなるとガンになると言われます。人の細胞が おかしくなるそうですが、それを防ぐために日傘をさしたり、日焼け止めクリームをぬったりします。それら が、本当に紫外線から私たちを守ってくれるのか知りたいと思いました。紫外線が当たるとバナナの皮が 変色することを本で見たので、バナナを利用して紫外線の影響を調べてみることにしました。 2 研究の方法と結果 ⑴ 基礎実験 紫外線を受けてから変化が見られるまでの時間について (方法)バナナを紫外線に当ててから、変化が見られるまでの時間を調べる。 (結果)2日後に表面も中身もともに変化がハッキリと現れるので、(実験1)から(実験7) もすべて紫外線に当てた後、2日後のようすを比べることにする。 ⑵ 実験1 紫外線を当てる時間の違い (方法)写真1のように、アルミはくを半分巻いたバナナを5本用意し、日光 に当てる時間を0・1・2・3・4時間と変えて比較した。 (結果)0∼2時間日光に当ててもあまり変化は見られない。(写真2の左の 3本)3時間日光に当てたバナナでは皮に変色が見られ、中身はかな 写真1 り熟した。(右から2本目)4時間日光を当てたバナナは皮がかなり 黒くなったが、中身は3時間と同じくらい熟していた。(右端) ⑶ 実験2 時間帯(時刻)の違いによる紫外線の影響№1 (方法)バナナを5本用意し、日光に当て始める時刻を7時・9時・11 時・13 写真2 時・15 時とし、同じ時間(3時間)日光に当てあて比較した。 (結果)いずれも、目立った違いは見られなかった。 ⑷ 実験3 時間帯(時刻)の違いによる紫外線の影響№2 (方法)写真3の装置をつくり、いろんな色の紙が燃え始める時間を調べた。 写真3 (結果)下表の通りで、12時頃がもっとも早く燃え始めた。 紙の色 赤 黄緑 青 黒 平均 ⑸ 実験4 8時頃 8.9 5.0 5.4 4.2 5.8 10時頃 9.6 4.7 4.1 3.3 5.4 12時頃 6.3 4.9 5.3 3.3 4.9 14時頃 6.6 5.6 5.0 3.3 5.1 16時頃 燃えない 燃えない 燃えない 燃えない 白と黒の布と紫外線の影響 (方法)①バナナに白・黒の布を半分ずつ巻いたり(写真4)、②一重巻きと二重巻き(写真5) を比べたり、また③かぶせるだけ(写真6)にして、布を透過するか調べた。 (結果)布を半分ずつ巻いたり、一重巻きと二重巻きにした場合は、いずれも黒い布を巻いた部 分に皮の変色が見られ、中身も熟していた。布をかぶせるだけにした場合は、いずれの 色の部分も変色がなく、中身も熟していなかった。 写真4(セットと結果) ⑹ 実験5 写真5(セットと結果) 写真6(セットと結果) セロハンの色の違いと紫外線の影響 (方法)バナナに赤・青・黄のセロハンを巻き、3時間日光に当てあて比較した。 (結果)青や赤の濃い色のセロハンを巻いた部分では、 皮の変色も中身の変化も見られなかった。 黄色のセロハンを巻いた部分は皮がちょっと黒くなっていたが、中身は熟してなく、中 身が熟していたのはセロハンが無い部分だけであった。 ⑺ 実験6 日焼け止めクリームと紫外線の影響 (方法)バナナの一部に日焼け止めクリームを塗ったラップを巻き、3時間日光に当て比較した。 (結果)意外にも、日焼け止めクリームをぬった部分はぬらなかった部分と同じように、皮の変 色が見られ中身も熟していた。 ⑻ 実験7 日傘と紫外線の影響 (方法)バナナを白、黒の日傘の陰になるように(写真7)置き3時間放 置して、バナナの変色を調べた。 (結果)白い日傘も、黒い日傘の場合も同じように、バナナに変色は見ら れなかった。 4 写真7 実験の考察 ⑴ 実験1で、日光を受けるのが短い時間であればバナナを傷めないが、ある限界をこえるとバ ナナを傷める。その限界が2時間と3時間の間であると考えられる。 ⑵ 結果1で、日光を受ける時間の3時間と4時間を比べると、バナナの表面は4時間の方がか なり黒くなった。このことから、日光を受ける時間が長いほど表面の細胞を傷めると考えられ る。ヒトが日焼けをする場合と同じである。 ⑶ 結果2、結果3より、どの時間帯も紫外線の影響はほとんど変わらなかった。ただし、熱す る力は12時頃がもっとも大きいといえる。 ⑷ 方法4を行うときの予想として、黒布を巻いた部分は皮の変色がなく、逆に白布を巻いた部 分に変色が見られるだろうと考えていた。結果は(結果4)のようになり、黒い布の部分の方 が皮の変色も中身の変化も大きかった。しかし、この結果の原因として、黒い布の温度が高く なったことが考えられる。そこで布の温度が影響しないように、かぶせるようにセットし実験 を行うと、黒い布も白い布もどちらとも皮に影響を与える光線をほとんど通さないといえる。 ⑸ 結果5で、黄色のように薄い色は皮に影響を与える光線を少し通すが、直射日光よりも影響 が少なくなる。青や赤のように濃い色は皮に影響を与える光線をほとんど通さないと思われる。 ⑹ 結果6より、日焼け止めクリームをぬった部分は直射日光のぶぶんとほとんど同じような変 化が見られた。 ⑺ 結果7より、白と黒の日傘の陰になると、どちらとも紫外線をよく防いでいることがわかっ た。
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