男性のライフスタイルに関する意識調査 1.男性の家庭や地域での生活

男性のライフスタイルに関する意識調査
男女共同参画社会とは、男女が社会の対等なパートナーとして、自分の意思で社会のあらゆる活動に参
画することができ、喜びも責任も分かち合う社会です。男女共同参画社会を形成していくためには、男性
の意識のあり方や働き方、家庭や地域に関する考え方は非常に重要です。また同時に、女性がもつ男性へ
の意識や願望が、男性自身の意識や生き方に大きく影響を与えていると考えられます。
千葉市女性センターでは、平成 21 年度の事業として、
「男性のライフスタイルに関する意識調査」を実
施しました。この調査は、男性のライフスタイルに対する意識や仕事、家庭、地域に対する考え方等につ
いて、男女を対象に調査し、今後の施策に反映させていくことを目的としています。
*調査の対象
千葉市にお住まいの 20 歳以上の男女各 1,500 人(無作為抽出)
*調査の方法
郵送による配布・回収方式
*調査の期間
平成 21 年 9 月 10 日~平成 21 年 9 月 25 日
*回収の状況
有効回答数:1,026 件(有効回答率:34.2%)
注 1)%は小数点以下第 2 位を四捨五入し、小数点以下第 1 位までを表記しているため、%の合計が 100%にならないことがあります。
注2)グラフは、内容に応じて、抜粋したものを掲載しています。
1.男性の家庭や地域での生活について
■男性が普段の生活のなかでもっとほしいと感じている時間
男性が普段の生活のなかでもっとほしいと感じている時間は、
「自由な時間(趣味にかける時間やゆ
っくりする時間も含む)
」が 38.7%と最も高くなっています。
【図表 1 参照】
図表 1 男性が普段の生活のなかでもっとほしいと感じている時間(男性のみ n=460)
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
自由な時間(趣味にかける時間や
ゆっくりする時間も含む)
38.7%
睡眠・休息をする時間
8.7%
仕事・勉強をする時間
3.9%
地域・社会活動に
参加する時間
4.6%
家族と過ごす時間
友人と過ごす時間
13.5%
2.8%
現状で満足しているため、
もっとほしい時間はない
無回答
40%
26.1%
1.7%
【参考資料】千葉市女性センター 『男性の生活と仕事に関する意識調査』
(平成 15 年度)
Q.あなたは、普段の生活のなかで、どのような時間がもっとほしいと一番感じておられますか。
次のなかから、あてはまる番号を 1 つ選んで○をつけて下さい。
0%
5%
10%
15%
20%
25%
ゆっくり休息する時間
11.4%
友人と過す時間
9.1%
学習の時間
8.8%
4.4%
2.6%
その他
無回答
40%
21.0%
一人で過す時間
仕事にあてる時間
35%
33.9%
家族で過す時間
地域での活動をする時間
30%
6.4%
H15調査(n=657)
2.3%
調査対象:千葉市在住の満25歳以上65歳未満の男性3,000人(無作為抽出)
■家庭、仕事、地域活動における男女の関わり方について
希望では、
「炊事、洗濯、掃除などの家事」については、「女性のみがするべき」および「主に女性
がするべき」との回答が 50.3%と多くなっています。
「仕事」については、
「男性のみがするべき」お
よび「主に男性がするべき」との回答が 54.3%と多くなっています。「子どもの世話、子どものしつ
けや教育」や「家族の介護」および「地域活動」については、
「男女が同程度するべき」との回答が多
くなっています。
【図表 2 参照】
図表2 家庭、仕事、地域活動における男女の関わり方<希望>(全体、n=1,026)
0%
20%
(A)炊事、洗濯、
掃除などの家事
40%
60%
80%
44.8
100%
49.3
1.0 2.3
0.1 0.0
(B)子どもの世話、
子どものしつけや教育
79.0
15.6
0.1 0.5
0.3 1.0 3.5
(C)家族の介護
80.2
10.1
0.2 0.9
0.2 4.8 3.6
(D)仕事
51.5
38.2
2.8
0.1 0.1 3.6 3.7
(E)地域活動
77.2
0.7
2.4
9.9
5.1 0.0
4.3
2.8
男性のみがするべき
主に男性がするべき
男女が同程度するべき
主に女性がするべき
女性のみがするべき
わからない
無回答
現状では、
「炊事、洗濯、掃除などの家事」、
「子どもの世話、子どものしつけや教育」は、
「女性の
みがしている」および「主に女性がしている」と回答した割合が高くなっています。
「仕事」は、
「男
性のみがしている」および「主に男性がしている」と回答した割合が高くなっています。
「地域活動」
は、
「男女が同程度している」と回答した割合が高くなっています。
【図表 3 参照】
図表3 家庭、仕事、地域活動における男女の関わり方<現状>(既婚の方のみn=795)
0%
(A)炊事、洗濯、
掃除などの家事
20%
40%
60%
80%
22.6
56.9
16.0
100%
0.3
0.5 1.0
(B)子どもの世話、
子どものしつけや教育
24.5
15.1
44.7
0.1 0.8
(C)家族の介護
15.6
0.5
(D)仕事
15.1
55.8
8.2
3.9
0.9
23.6
33.5
24.5
10.1
1.6 1.8
(E)地域活動
10.8
8.3
6.5
27.8
19.5
8.7
2.1
4.9
27.5
3.5
男性のみがしている
主に男性がしている
男女が同程度している
主に女性がしている
女性のみがしている
わからない・していない
無回答
2.8
2.男性が家事、育児、介護、地域活動を行うことについて
■男性が育児休業を取ることについて
男性が育児休業を取りたくない、または取らない方がよいと思う理由は、
「自分の仕事に責任がある
から」
(53.7%)と最も割合が高くなっています。続いて、
「職場の理解が得られないから」
(46.3%)、
「休業すると経済的に困るから」
(36.7%)となっています。
【図表 4 参照】
図表 4 男性が育児休業を取りたくない、または取らない方がよいと思う理由(全体、性別)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
22.0%
21.5%
22.9%
育児は母親の仕事だと思うから
36.7%
35.5%
38.6%
休業すると経済的に困るから
53.7%
57.0%
48.6%
自分の仕事に責任があるから
28.8%
26.2%
32.9%
今後の昇給・昇格に影響が出ると思うから
46.3%
46.7%
45.7%
職場の理解が得られないから
17.5%
20.6%
12.9%
周囲の目が気になるから
6.8%
5.6%
8.6%
その他
無回答
60%
0.6%
0.9%
0.0%
全体(n=177)
男性(n=107)
女性(n=70)
3.男性が家事、子育て、地域活動等に参画するために必要だと思うことについて
■男性が家事、育児、介護、地域活動等に
積極的に参画するために必要なこと
図表5 男性が家事、育児、介護、地域活動等に積極的に
参画するために必要なこと(全体、性別)
0%
男性が家事、育児、介護、地域活動等
男女の役割分担についての社会通念
・慣習・しきたりを改めること
に積極的に参画していくために必要なこ
企業中心という社会全体の仕組みを
改めること
とは、
「保育の施設・サービスや、高齢者
や病人の施設・介護サービスを充実する
こと」
(46.4%)が最も高くなっています。
続いて、
「男女の役割分担についての社
会通念・慣習・しきたりを改めること」
(42.0%)、「家庭や地域活動に取り組む
男性を奨励する社会的風土をつくるこ
と」
(37.9%)となっています。
男女ともに「保育の施設・サービスや、
高齢者や病人の施設・介護サービスを充
実すること」と回答した割合が最も高く、
男性が 46.1%、女性が 46.6%となってい
ます。
【図表 5 参照】
20%
40%
33.7%
34.1%
33.4%
37.9%
36.5%
39.0%
家庭や地域活動に取り組む男性を
奨励する社会的風土をつくること
33.4%
28.9%
37.1%
多様な雇用形態を推進すること
46.4%
46.1%
46.6%
保育の施設・サービスや、高齢者や
病人の施設・介護サービスを充実すること
男女共同参画に関する学習機会・
啓発活動を充実すること
仕事と家庭の両立などに関する
相談窓口を充実すること
7.2%
8.5%
6.2%
5.3%
5.2%
5.3%
23.6%
家庭内で家事分担について
十分に話し合うこと
ボランティア活動などの
地域の情報を収集・提供すること
17.2%
28.8%
9.6%
13.5%
6.4%
13.8%
17.2%
11.1%
地域活動をサポートする体制を
充実すること
その他
特にない
無回答
60%
42.0%
37.8%
45.4%
2.9%
3.5%
2.5%
3.1%
4.8%
1.8%
2.8%
2.8%
2.8%
全 体(n=1,026)
男 性(n=460)
女 性(n=566)
今後に向けて
仕事と家庭生活等の両立を支援する職場づくり
男女一人ひとりが自分らしいライフスタイルを実現するためには、仕事と家庭生活や地域活動
などと両立しやすい職場環境が必要です。
本調査の結果から、
「休業すると経済的に困るから」や「職場の理解が得られないから」などを
理由に、育児・介護休業を取得しづらい環境があることがうかがえます。
「保育の施設・サービス
や、高齢者や病人の施設・介護サービスを充実すること」など、育児や介護をしながら働くこと
ができるよう、多様な働き方を可能にする雇用環境の整備や情報提供などの支援が望まれます。
男女がともに担う家庭生活づくり
家庭生活を営む上で、家事や育児、介護などは、男女がともに家族の一員として果たすべき大
切な役割です。しかし、現状では、これらの役割の多くを女性が担っていることがわかりました。
本調査において、家庭、仕事、地域活動における男女の関わり方についてたずねたところ、
「家事」
「子どもの世話」
「家族の介護」において、希望では「男女が同程度するべき」との回答が多いの
に対して、現状では「主に女性がしている」という回答が多くなっています。家庭における男女
の共同参画意識を醸成するために、学習啓発の機会を充実させ、家事や介護への男性の参加を促
す支援が必要です。
家庭生活と職場や地域の活動等を円滑に行うための支援
家庭生活では、男女がともに家族の一員として、家事や育児、介護などの役割を果たしていく
事が大切ですが、現状では、その多くを女性が担っています。また、男女ともに時間がないこと
や情報不足などから、地域活動に参加しづらい環境にあり、地域社会との関係が希薄になってい
ることが課題となっています。仕事と家庭生活、地域社会などが調和した生活を実現できるよう、
一人ひとりが家事や育児、介護など家庭生活における役割を果たすとともに、地域活動等に参画
しやすい環境づくりを行うための支援が必要です。
発行日:平成 22 年 3 月
発行:千葉市市民局生活文化部男女共同参画課
千葉市女性センター
電話(043)209-8771
※なお、本調査報告書は千葉市女性センター及び市内図書館にございますので、詳しくはそちらをご覧ください。