5.参加した学生の感想 アンケート班一同 今回のボランティアで初めてアンケートを作成したのだが、小学生でも簡単に出来て、 理解してもらえるものを作らねばならない事が難しかった。決められた時間内にアンケー トを答えきれるどうかを考えたり、どうすれば内容がきちんと伝わるかを考えたり、一つ のアンケートにこんなにも手間がかかると思わなかった。三つの班に別れてアンケートを 作成したが、途中経過の話し合いの時、他の班や先生方の意見を聞いて自分達だけでは気 付かない事にも気付くことができた。そして、皆でつくりだしたアンケートが完成した。 12 月 9 日には徳地に行き、食育プログラムを実施するとともに、バイキング形式の昼ご 飯を子供達と一緒に食べた。思っていた通り、子供達は肉など自分の好きなものばかり食 べていた。野菜はほとんど取っていない子が多かった。 ご飯の後の食育プログラムでは、子供達に食事のバランスについて話をした。私たちの 作ったアンケートもここで実施した。皆で一緒にやっていくことにしていたが、人の説明 を聞かずにアンケートやプリントにどんどん答えていた子がいたのには困った。しかし、 プログラムを進めていくと、始めはあまり興味がなさそうだった子でも話を聞いてくれた のは嬉しかった。 翌日 10 日の昼ご飯も子供達と食べた。昨日と違い、野菜を取るようになっていた。それ を見ていると嬉しかった。昨日言った事をきちんと聞いてくれているんだなぁと思った。 アンケートは何度も練り直したおかげで、子ども達に理解してもらえたようでよかった。 今回の活動を通して子ども達に食に対しての意識の変化が見られたらいいと思う。 食事バランスチェック表班 相川悠貴 私が食育プロジェクトに参加した理由は、食育に携わることが自分の将来にプラスにな ると思ったこと、子供に触れ合えることが楽しそうだと思ったこと、そして青少年自然の 家のバイキングが食べてみたかったからである。また勉強になり、なおかつ楽しめそうな 企画だったので参加を希望した。 今回のプログラムは、バイキング方式の料理を選択する知識と技術及びマナーについて、 グループ活動により実践的に学ぶことを通して、継続的な食習慣の改善につなげていくこ と目的としたものであった。このプログラムを作成するため私たちは三つの作業グループ に分かれた。①食に関する意識・行動・理解度調査アンケートの作成、②自己診断シート の作成とそれを使ったグループ学習の指導者マニュアルの作成、③食物と環境についての グループ学習の指導者マニュアルの作成の三つであり、私は②に取り組んだ。 実際に取り組んでみると四年生の方たちが案のほぼすべてを考えていたのでとても助か った。私はほとんど案が浮かんでこなく、やったことといえば子供心に戻ってこれは興味 が沸いてこないとか面白そうと言うぐらいだった。おそらくかなり役立たずだと思われて いただろう。四年生の方たちのおかげでポン太が至る所に登場する自己診断シートと指導 マニュアルが見事に完成した。 そして、作成したプログラムを実行しに青少年自然の家に乗り込んだ。青少年自然の家 にはなかなかわんぱくな子供が多いと聞いていたので、ちゃんとプログラムを実行できる か少し不安であった。だが、実際にプログラムを行ってみると、やかましいことはやかま しいのだが、プログラムに興味を示してくれてほっとしたし嬉しかった。 まず、最初に子供たちがバイキングからとってきたものを写真に撮りそして共に食事を した。やはり、子供たちのとってきたものは偏っていて、ご飯が多く野菜が少なかった。 18 自分が小学生のときも似たような感じでとっていた気がした。今、子供時代の自分の食事 を振り返ってみるととても偏った食事をしていたと思う。小学生の頃から栄養面に気を付 けている人はまれであった気がする。ちょっと懐かしい気分に浸った。 そして、食事後にアンケートや私たちの班が作成した自己診断シートを使用しての指導 を行った。子供たちが栄養に関する知識を予想以上に持っていて驚いた。ただ、その知識 が昼のバイキングには生かされてなかったので、どうすればいいかを考えさせた。ここで 頭をひねったことが生かされるとよいなと思った。ここで私たち1日目の役目が終わり帰 宅した。 2日目、前日の指導は効果があったのだろうかと気に掛けながら再び子供たちがバイキ ングからとってきたものを写真に撮りそして共に食事をした。すると、今度は完璧ではな いにしろ、それぞれが栄養面に気をつけながらおかずをとってきた。とりすぎていたご飯 を少し減らしたり、野菜を意識してとってきたりしていた。指導をした甲斐がありとても 嬉しかった。食事後の自己診断シートのバランスがよくなっているのだが、それでも完璧 じゃないと悔しがっている子供たちが頼もしく感じた。 この後、私と同じ一年生と共に二人で食事と環境について指導をするためスライドショ ーの発表を行った。私は本来この役割ではなかったのだが、急遽二日前にこの役をやるこ とが決まった。理由は、一緒にやった相方が一人ではつらいからほぼ無職に近かった私が 手伝え、といったところだろう。発表直前は緊張したが、少し無理やりではあったが場を 盛り上げて勢いで乗り切れた。活発な子供たちでよかった。 最後にアンケートの振り返りをし、私たちの役目は終わった。 このプロジェクトに携わったことは私にとって有意義なものになった。子供たちに指導 する楽しみを知った。知識を受け取ってもらった時の達成感はたまらない。子供と触れ合 えて楽しかった。無邪気であった子供時代を思い出させてくれた。自分の能力の低さを知 った。同じ作業グループの方たちをはじめ、先生方にも大変お世話になった。とても感謝 している。これから、もっと勉強をして、多くの知識と能力を身につけていきたい。 最後に、今回このプロジェクトを受けた子供たちが栄養に関心を持ち続けてくれること を祈る。 食と環境班 瓦屋大志、野村祥史、宮田光子 ○プログラム作成段階 ・最初はテーマとして[生ゴミ]を取り上げようとしたが、食との関連が薄く、環境問題 が強調されたため、話し合いの中で本プロジェクトの目的である『小学生への食育指導』 という観点から、再度考え直し[地産地消]をテーマにした。そのため、中間発表まで にうまく意見をまとめることができず慌てたが、何とか間に合ったので良かった。 ・先輩、後輩との作業は初めてだったので、始めは緊張感もあり、作業が思うように進ま ないこともあったが、徐々に明るい雰囲気になり、自分たちの意見を先輩後輩関係なく、 率直に出せるようになった。 ・テーマとするものの情報を探すのに図書館やインターネットを利用したが、自分たちの探 していた情報を得るのに難航した。また、得た情報を話の流れの中で有効に活用するこ とも難しかった。 ・指導案の作成においては、初めての経験だったので、実際に自分で行うことと他人に理 解してもらうことは大きく違っていたことに戸惑った。何を伝えたいのか、また、それ を伝えるにはどのように説明すればいいのかを、自分たちがまず明確に理解することが 重要だと感じた。この点は、これから様々な活動をしていく上でのよい経験となった。 19 ・上記の反省により、徳地でのプレゼンテーションの際の質問にわかりやすく具体例を挙 げて答えるように心がけることができた。 ○本番 ・子どもたちが良く理解をしてくれたため、自分たちの家庭でも実践してもらえそうだと 思い、やりがいを感じた。 ・想像していたよりも反応がよかったので、進行はスムーズに行うことができた。 ・自分たちが予想していたよりも多くの輸入作物に関する情報を知っていた。食の安全性 に対する興味の深さがうかがえた。 ・発表以外でも子どもたちと鬼ごっこなどをして良いコミュニケーションがとれたので、 こちらに対する質問も積極的にしてくれたように思う。 ○全体を通して ・このようなプログラムに参加したのは初めてだったが、良い経験となった。プログラム 作成や資料作成において多くの人に意見をしてもらうことにより、自分では気がつかな い点が多々見つかった。客観的に考える難しさと討論することの大切さを実感した。 ・次回は小学生との交流の機会を増やしてもらいたい。共に宿泊をすることにより、友好 を深め、更に内容のある話し合いができるように思う。 ・ 『教える』ということは、自分たちもその事について詳しくなければならない。今回、教 える事の難しさと責任感について考えさせられた。今後、指導をする立場になった際に 活用できる、良い経験となった。 6.参加児童の感想 ・栄養のバランスを考えて食べると毎日、元気で過ごせるので、主食、副菜、主菜、果物 の偏りを少なくして食べることを進んで行いたいと思います。(小 4 女子) ・食事のことがよく分かったし、学校で食事のことを勉強したときに役立ちました。 何をどのくらい食べたらよいのか、バイキングのときどのくらい摂るか、なぜバランス 良く食べなければならないのかよく分かりました。(小 4 女子) ・ジュースの中にはたくさんの砂糖入っていることが分かったので、ほどほどに飲むよう にしたいです。(小 5 男子) ・自分で栄養を考えて摂らなければいけないことが分かりました。僕は野菜が嫌いでした けれど、この学習を受けてから野菜をすこしずつ食べるようになりました。すべてはこ の学習のおかげです。(小 5 男子) ・地産地消のことについて学び、そのことが地球温暖化を防ぐことができることを初めて 知りました。(小 6 女子) 20
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