血液検査結果の見方

血液検査結果の見方
平成24年3月22日
検査の基準値は絶対的なものではありません。
絶対的なものではありません。基準値は正常な人の95%が当てはまるように設定されているものです。
絶対的なものではありません。
ですから身体に異常がなくても検査値が基準値からはみ出す人もいれば、逆に基準値以内であっても安心できないこともあります。
ひとつの検査結果だけをみて判断するのではなく、検査結果を総合的にみて(臨床的に)判断
検査結果を総合的にみて(臨床的に)判断する必要があります。
検査結果を総合的にみて(臨床的に)判断
ここに標記している基準値は(*印以外)当院の臨床検査におけるものであり、測定方法や測定機器などにより基準値に違いが
見られる場合もあります。なお、ご不明な点・詳細については担当医師にご相談ください。
ご不明な点・詳細については担当医師にご相談ください。
●生化学検査
項
TP
Alb
T‐Bil
D‐Bil
GOT(AST)
GPT(ALT)
LDH
ALP
LAP
CHE
目
基準値
総蛋白
アルブミン
総ビリルビン
直接ビリルビン
(アスパラギン酸アミノ
トランスフェラーゼ)
(アラニンアミノ
トランスフェラーゼ)
6.7
3.9
0.2
0.1
乳酸脱水素酵素
106 - 211
アルカリフォスファ
ターゼ
ロイシンアミノペプチ
ターゼ
コリンエステラーゼ
-
8.3
4.9
1.2
0.4
8 - 38
4 - 44
104 - 338
30 - 70
185 - 431
γ-GTP
γ-グルタミルトランス
ペプチターゼ
16 - 73
BUN
尿素窒素
8 - 20
CRN
クレアチニン
男 0.6 - 1.0
女 0.4 - 0.8
UA
尿酸
7.0以下*
AMY
Na
K
Cl
アミラーゼ
ナトリウム
カリウム
クロール(塩素)
43 - 116
135 - 147
3.3 - 4.8
98 - 108
Ca
カルシウム
8.8 - 10.2
Fe
鉄
CPK
クレアチンフォスフォ
キナーゼ
CPK‐MB
トロポニンI
ジゴキシン
メタボリック・シンドローム関連検査
男 54 - 181
女 43 - 172
男 56 - 244
女 43 - 165
25.0以下
0.3以下
0.9 - 2.0
T-CHO
総コレステロール
219以下*
HDL-C
HDLコレステロール
40以上*
LDL-C
LDLコレステロール
139以下*
TG
中性脂肪
149以下*
FBS
空腹時血糖
109以下*
HbA1c
ヘモグロビンA1c
4.3 - 5.8
解
説
全身の栄養状態を知る手がかりになります。高いときは脱水を疑い
栄養状態が悪かったり出血が多くなると低くなることがあります。
古くなった赤血球が壊れる時にできる物質で、肝臓で処理できなくなると
血液中に増加することがあります。体質的に高い人もいます。
肝臓に多く存在する酵素です。肝臓疾患のほかに心筋や赤血球の破壊に
よって高くなることがあります。
肝臓に多く存在する酵素です。肝炎や肝硬変など肝細胞が壊れる肝疾患で
高くなることがあります。
どこの臓器にも含まれ異常があると血液中に増加します。特に肝疾患・
血液・肺・心臓疾患で高くなることがあります。
肝臓・骨・小腸などに含まれる酵素で、特に閉塞性の肝・胆のう疾患で
高くなることがあります。
肝・胆のう疾患で高くなることがあります。
主に肝臓で作られている酵素で、肝臓が正常に働いているかを知ることができます。
脂肪肝で高くなりやすく、栄養不良や肝障害・有機リン中毒で低くなることがあります。
肝臓に多く存在する酵素です。肝臓・胆のう疾患で高くなり、アルコール
多飲などでも高くなることがあります。
腎臓でろ過されて、尿中に排泄されますが腎臓の機能が低下すると
高くなることがあります。
腎臓から排出される老廃物の一つで腎臓の機能が低下すると
高くなることがあります。
アルコール多飲や過食などにより尿酸の排出が十分できなくなると
血液中の濃度が高くなり、痛風や腎障害を引き起こすことがあります。
膵臓や唾液に含まれる酵素で、膵炎や唾液腺疾患・胆石などの診断に有用です。
一定に保たれ維持されていることが、細胞が生きていくために大切な条件です。
腎疾患や薬剤、脱水などで変動がみられます。
脱水などで変動がみられます。
骨代謝だけではなく筋収縮、血液凝固にも大切な物資です。
腸管、骨、腎臓、甲状腺などの異常で変動することがあります。
血液中の鉄の量を測定します。低いと鉄が不足していることがわかります。
筋炎、心筋梗塞や激しい運動の後に高くなることがあります。
ジョギング等の運動後でも高くなることがあります。
CK-MBは、CKのうち心筋由来の程度をみます。
心筋梗塞や心筋炎などで(+)になることがあります。
薬の血液中の濃度を測定し適切な濃度であるかを調べます。
血管壁、ホルモンの材料となる必要不可欠なものです。高くなると動脈硬化を
引き起こす危険があります。高齢女性で若干高くなることがあります。
一般的に善玉コレステロールと呼ばれています。体内の余分なコレステロールを
抜き取る働きがあり、低いと動脈硬化を引き起こす危険があります。
一般に悪玉コレステロールと呼ばれています。
全身にコレステロールを運ぶ働きがあり、多いと動脈硬化を促進させます。
主にエネルギー源としての働きがあります。糖分・油分の取り過ぎにより高くなり、
脂肪肝や動脈硬化などの原因になることがあります。
血液中のブドウ糖の量です。糖尿病の診断や治療の経過観察などで測定します。
食事による変動が大きく、食後に高くなります。
過去1~2ヶ月の血糖値の状態を反映します。
糖尿病の経過観察などで測定します。
*印の基準値は
診療ガイドラインより抜粋
●血液学検査
項
目
WBC
白血球数
RBC
赤血球数
Hb
血色素量
Ht
ヘマトクリット
PLT
血小板数
MCH
MCHC
●免疫血清学検査
項
目
BNP
CEA
AFP
CA19-9
TSH
F-T3
F-T4
PSA
3200 - 9000
男 400万 - 550万
女 360万 - 500万
男 13.0 - 17.5
女 11.0 - 16.0
男 37 - 52
女 34 - 48
14万 - 40万
男 82
女 79
男 28
女 26
男 32
女 31
MCV
CRP
NH3
基準値
C反応性蛋白
アンモニア
ヒト脳性ナトリウム
利尿ペプチド
癌胎児性抗原
αフェトプロテイン
甲状腺刺激ホルモン
遊離トリヨード
サイロニン
遊離サイロキシン
前立腺特異抗原
●凝固検査
項
目
-
101
100
33
33
36
35
解
説
血液中に含まれる白血球の数。血液疾患や炎症性疾患などで変化します。
血液中に含まれる赤血球の数。
赤血球中の色素で、体に酸素を運んでいます。
貧血の有無を調べます。
全血液のうちの赤血球の割合を示します。赤血球数、血色素量、
ヘマトクリットを組み合わせて貧血などを調べます。
出血を止めるために重要な働きをする血液成分の数を調べます。
平均赤血球容積です。
平均赤血球血色素量です。
平均赤血球血色素濃度です。
基準値
解
説
0 - 0.3
40 - 80
炎症疾患や体内組織の破壊がある場合に高くなることがあります。
肝性昏睡(意識混濁)の時、高くなることがあります。
18.4以下
心不全の時、高くなることがあります。
5以下
10.0未満
37未満
0.541 - 4.261
消化管腫瘍をはじめとする汎用的な腫瘍関連検査です。
肝臓腫瘍の腫瘍関連検査です。
膵臓や胆道の腫瘍関連検査です。
甲状腺機能亢進で低くなることがあります。
2.39 - 4.06
甲状腺機能を反映します。
0.71 - 1.52
4未満
甲状腺機能を反映します。
前立腺腫瘍、前立腺肥大で高くなることがあります。
基準値
解
説
PT
プロトロンビン時間
0.88 - 1.32
出血を止める機能を調べます。
また、薬が適切な濃度にあるかを調べます。
APTT
活性化部分トロンボ
プラスチン時間
26 - 36
血液凝固異常(出血性の疾患など)の有無を調べます。
独立行政法人 労働者健康福祉機構 浜松労災病院