飲食店の禁煙化における 問題点と解決策

飲食店の禁煙化における
問題点と解決策
禁煙
禁煙スタイル主宰
主宰 岩崎
拓哉
本題の前に「禁煙スタイルとは?
本題の前に「禁煙スタイルとは
?」
■全国の禁煙・分煙飲食店を口コミで紹介
するサイトとして、2005年5月31日に
開設。
■利用者や飲食店オーナーが口コミで
店舗情報を登録する仕組みで サイト開設
店舗情報を登録する仕組みで、サイト開設
3周年を迎える本日時点で、9,600店
以上の登録があります。
http://www.kinen-style.com/
■サイト開設後、テレビや新聞など多数の
メディアで取り上げて頂くようになり、
知名度も徐々に伸びてきています
知名度も徐々に伸びてきています。
■サイト運営を通じて、禁煙飲食店を対象
としたアンケート調査や、禁煙化を進める
ための講演などを定期的に開催しています。
講演の概要・ポイント
y
健康増進法が施行されてから、学校や病院、
鉄道などの禁煙化が進む一方で、飲食店の
禁煙化は全体的に遅れています。
そこで、飲食店の禁煙化が難しい理由と
現状を取り上げます。
y
多くの飲食店では完全分煙・不完全分煙の
措置が取られていますが、分煙全体の問題点に
ついて取り上げます。
y
禁煙の飲食店を増やすために、私たちが
禁煙
飲食店を増 す
私
が
できることを考えたいと思います。
目次
最近の禁煙化の流れ
y 飲食店の禁煙化が取り残される理由
y 完全分煙、不完全分煙の問題点
y 喫煙者、非喫煙者の外食動向
喫煙者 非喫煙者の外食動向
y アンケートから見る禁煙飲食店の傾向
y 禁煙化を進めるためにできること
y
最近の禁煙化の流れ
■2002年10月
■
年 月
日本で初めて、路上喫煙禁止条例が東京都千代田区で
施行され、過料の徴収が話題となった
→千代田区と同様の条例が 全国の自治体に広まる
→千代田区と同様の条例が、全国の自治体に広まる
■2003年5月
健康増進法が施行され 受動喫煙防止義務が
健康増進法が施行され、受動喫煙防止義務が
課せられる
→学校や病院、鉄道など公共性の高い場所での禁煙化が
特に進んだ
■2006年4月
大分市のタクシ が全面禁煙を実施
大分市のタクシーが全面禁煙を実施
→その後、全国的に禁煙タクシーが広まった
(2008年5月現在:約58%)※読売新聞
飲食店の禁煙化が取り残される理由
y
健康増進法施行前後のタイミングで
禁煙営業に取り組むチェーン店が増えた。
y
しかし、「ファミレス」「ファストフード」
「居酒屋」などの大手チェーン店は、禁煙営業に
居酒屋」などの大手チ
ン店は、禁煙営業に
よって売上が減少し、禁煙を撤回している。
y
一方で、全店禁煙営業が継続できている大手
チェーン店は「牛丼」「カレー」「回転寿司」
など滞在時間が短くて、客単価の安い業態が
多い。
飲食店の禁煙化が取り残される理由
■路上、タクシー、鉄道など公共性の高い場所での
■路上
タクシー 鉄道など公共性の高い場所での
禁煙が当たり前となり、最近ではオフィスの禁煙も
進んでいる。
。
1.タバコを吸える場所が減っている
2 飲食店を喫煙場所として使う喫煙者が増える
2.飲食店を喫煙場所として使う喫煙者が増える
3.その結果、飲食店が取り残されてしまうのでは?
完全分煙 不完全分煙の問題点
完全分煙、不完全分煙の問題点
y
飲食店を禁煙にするか、分煙にするか
飲食店を禁煙にするか
分煙にするか
は経営者にとって悩ましい問題。
y
喫煙客を逃さないために、禁煙では
なく、分煙に取り組む店舗も多い。
y
飲食店経営者向けの業界誌の主張を
見ていると 禁煙営業に否定的で
見ていると、禁煙営業に否定的で、
不完全を含めた分煙を推奨する傾向が
多く見られる。
多く見られる
完全分煙 不完全分煙の問題点
完全分煙、不完全分煙の問題点
一般的なファミリーレストランの例(不完全分煙)
般的なファミリ レストランの例(不完全分煙)
禁煙席
喫煙席
ドリンクバ
ドリンクバー
WC
<問題点>
・喫煙席と禁煙席が同一空間のために、喫煙席から禁煙席に
喫煙席と禁煙席が同 空間のために 喫煙席から禁煙席に
煙が流れてしまう。(店側は分煙コストの負担が少ない)
完全分煙 不完全分煙の問題点
完全分煙、不完全分煙の問題点
分煙に力を入れているファストフ ド店の例(完全分煙)
分煙に力を入れているファストフード店の例(完全分煙)
禁煙席
従
従
喫煙席
WC
<問題点>
・従業員は喫煙席でもサ ビスを提供する必要があり
・従業員は喫煙席でもサービスを提供する必要があり、
従業員を受動喫煙から守ることができない。
(分煙の工事コストもかかる)
完全分煙 不完全分煙の問題点
完全分煙、不完全分煙の問題点
■最新の禁煙飲食店を対象としたアンケートでは
■最新の禁煙飲食店を対象としたアンケ
トでは
完全分煙での営業を考えず、思い切って完全禁煙
に踏み切る店舗が多い。
(質問)禁煙営業をする前に、完全分煙での営業
を検討しましたか?(全176回答)
検討
した
19%
検討
しな
かった
81%
完全分煙 不完全分煙の問題点
完全分煙、不完全分煙の問題点
■「検討しなかった」と答えた
禁煙飲食店関係者
禁煙飲食店関係者のコメント
メ ト
・分煙は科学的に不可能。分煙と称して
分煙は科学的に不可能。分煙と称して
いる店の殆どが分煙など出来ていない。
検討
した
19%
検討
しな
かっ
た…
(定食・食堂/茨城県)
・分煙だと空気中にタバコの粒子があるから飲み物も
食べ物もまずくなる。(イタリアン/東京都)
・中途半端だからしませんでした。分煙店のほとんどが
煙草の煙の臭いがします。(アジア・エスニック/東京都)
・狭い店なので分煙は難しい。完全分煙ならなおさら。
予算的にもムリ。(カフェバー/東京都)
・分煙だと、分煙パーティションの設置により座席に
圧迫感が出てしまう。(カフェ/富山県)
喫煙者 非喫煙者の外食動向
喫煙者、非喫煙者の外食動向
y
喫煙率は全体で3割を切っているの
に、未だ多くの飲食店で喫煙が
認められ
認められている・・・
る
y
禁煙飲食店は昔に比べて増えている
が まだまだタバコの煙が苦手な
が、まだまだタバコの煙が苦手な
非喫煙者の肩身は狭い。
なぜ?
喫煙者 非喫煙者の外食動向
喫煙者、非喫煙者の外食動向
飲食店の禁煙化が難しい要因として
飲食店の禁煙化が難しい要因として、
2つの傾向が見えてきた。
1.喫煙率の高い世代ほど
1
喫煙率の高い世代ほど
外食率が高い
2.お店を選ぶときに非喫煙者が
2
お店を選ぶときに非喫煙者が
喫煙者に合わせている
喫煙者 非喫煙者の外食動向
喫煙者、非喫煙者の外食動向
1 喫煙率の高い世代ほど外食率が高い
1.喫煙率の高い世代ほど外食率が高い
男性喫煙率
年代別の成人喫煙率
60.0%
53.3%
57.1%
60.0%
54.3%
56.7%
50 8%
50.8%
48.1%
50.0%
食料費における外食の割合
女性喫煙率
50.0%
45.3%
40.4%
40.0%
34.7%
28 3%
28.3%
30.0%
20.0%
17.4%
17.2%
30.0%
20.0%
14.4%
9.4%
10.0%
40.0%
7 5%
7.5%
24.4%
19.0%
10 0%
10.0%
2.9%
0.0%
0.0%
厚生労働省:成人喫煙率(H14)
総務省統計局:食料の構成比(H14)
喫煙者 非喫煙者の外食動向
喫煙者、非喫煙者の外食動向
喫煙率と外食率のグラフを分析した結果・・・
1 喫煙率の高い男性の方が女性より外食率が高い
1.喫煙率の高い男性の方が女性より外食率が高い
2 喫煙率の高い20 30代の外食率が高い
2.喫煙率の高い20~30代の外食率が高い
3.60歳以上になると外食率と喫煙率が大幅に
3
60歳以上 なると外食率と喫煙率が大幅
減少する
喫煙者 非喫煙者の外食動向
喫煙者、非喫煙者の外食動向
2 お店を選ぶときに非喫煙者が喫煙者に合わせている
2.お店を選ぶときに非喫煙者が喫煙者に合わせている
例1)ファミレスを4人グループで利用する場合
例1)ファミレスを4人グル
プで利用する場合、
1人でも喫煙者がいたら喫煙席を選ぶ
(おタバコは吸われますか?と聞かれる)
例2)会社で宴会をするため、居酒屋を10人で
予約 グル プの中に たいてい2 3人は
予約。グループの中に、たいてい2~3人は
喫煙者がいるため、わざわざ禁煙のお店は
選ばない。
喫煙者 非喫煙者の外食動向
喫煙者、非喫煙者の外食動向
2 お店を選ぶときに非喫煙者が喫煙者に合わせている
2.お店を選ぶときに非喫煙者が喫煙者に合わせている
分煙対策をしている飲食店の仕切り(ほぼ無意味)
禁煙席
(吸う人がいない)
非
非
喫煙席
(吸う人がいる)
非
喫
喫
喫
喫煙者 非喫煙者の外食動向
喫煙者、非喫煙者の外食動向
■非喫煙者が喫煙者に合わせてしまう原因
1.タバコの煙はつらいけど、
バ
我慢している。
2.受動喫煙の害を知らない。
あるいはタバコの煙が気にならない。
吸わない人が、
まだまだノ を言いづらい社会
まだまだノーを言いづらい社会。
アンケートから見る禁煙飲食店の傾向
アンケートから見る禁煙飲食店の
傾向
■2008年3月から禁煙スタイルに会員登録
されている、禁煙飲食店を対象にアンケート回答
(全25問)を依頼。
頼。
■213店舗に回答を依頼したところ、全体の8割
■
3店舗に回答を依頼したと ろ、全体の8割
(176店舗)の店舗から回答を得られる。
■アンケートの詳しい回答結果は、
冊子版「禁煙飲食店の成功法則」
で紹介。
アンケートから見る禁煙飲食店の傾向
アンケートから見る禁煙飲食店の
傾向
(質問)禁煙営業に移行して売上げの変化は
ありましたか?(176回答)
わから
ない
7%
伸びた
9%
やや
伸びた
13%
落ちた
22%
やや
落ちた
10%
%
変わら
ない
39%
伸びる傾向=22%
落ちる傾向=32%
アンケートから見る禁煙飲食店の傾向
アンケートから見る禁煙飲食店の
傾向
(質問)禁煙での営業を理由に、喫煙希望客
(質問)禁煙での営業を理由に
喫煙希望客
が利用を断るケースはありましたか?
1度も
ない
な
9%
滅多に
ない
31%
よくある
14%
たまに
ある
46%
6割の禁煙飲食店で
喫煙希望客が利用を
断るケ スがある
断るケースがある。
禁煙化を進めるためにできること
禁煙化を進めるためにできる
こと
■アンケ トの結果からも、まだまだ禁煙営業に
■アンケートの結果からも
まだまだ禁煙営業に
苦戦している店舗は多い。
1.飲食店の禁煙化を進めるためには、禁煙化に
取り組む私たちが率先して、禁煙飲食店を利用
する (できれば感謝の気持ちも伝える)
する。(できれば感謝の気持ちも伝える)
2.禁煙飲食店のニーズが増えることで、分煙では
2.禁煙飲食店の
ズが増えることで、分煙では
なく、完全禁煙を考える飲食店が増えるはず。
3.禁煙営業による売上減少の不安が無くなれば、
飲食店などを全面禁煙とする法規制に、賛同する
声が高まるはず。
声が高まるはず
本日のご聴講ありがとうございました。
本日のご聴講ありがとうございました