認知機能検査の採点方法[PDF:327KB]

認知機能検査の採点方法
1
採点基準
別紙のとおり
2 総合点の算出と結果の判定
(1) 総合点の算出
総合点は、時間の見当識、手かがり再生及び時計描画の3つの検査の点を、次の計
算式に代入して算出します。
(計算式)
総合点= 7.731+0.641×A−0.523×B− 0.315×C
A 時間の見当識の点
B 手かがり再生の点
C 時計描画の点
(2) 総合 点と結果の 判定
総合点に基づき、記憶力・判断力が低くなっている者を第1分類、記憶力・判断力が
少し低くなっている者を第2分類、記憶力・判断力に心配がない者を第3分類と判定し
ます。
・ 第1分類(記憶力・判断力が低くなっている者)
総合点が、 36点以上の者
・ 第2分類(記憶力・判断力が少し低くなっている者)
総合点が、0点超36点未満の者
・ 第3分類(記憶力・判断力に心配がない者)
総合点が、0点以下の者
- 1 -
別紙
採
※
点
基
準
採点は、手がかり再生に使用した別紙2のイラストのパターA∼Dンに応じ、対応す
る別添5の採点補助用紙(パターンA∼D)を使用して行う。
1
時間 の見 当 識採 点 方法 (誤 答 合計 点 の最 大 113点 )
採点は、正答の場合が0点で、誤答の場合に定められた点数を付加する方式
年
(最大 60点)
① 和暦、西暦、いずれでも可
② 西暦を「09年」と省略した場合も正答
③ 1年ずれるごとに10点を加算
④ 和暦で、平成以外の元号を用いた場合は60点加算
月
(最大 30点)
① 1月ずれるごとに5点を加算
② 1月∼ 12月以外を回答した場合は30点加算
※ 月は1月から12月までが循環していると考え、誤差の少ない
方で採点する。
例:検査が1月、回答が11月の場合、誤差は「2月」
日
(最大 15点)
① 「あり得ない日」を回答した場合は15点加算
※ まず、回答した月との関係で、いかなる場合でも「あり得な
い日」ではないかを判定する。
例:回答した月が4月の場合に「31日」、2月の場合に「30
日」などを回答していれば、「あり得ない日」となる。
※ 2月 29日の回答の場合、回答した年が閏年に該当の有無にか
かわらず、通常どおり採点
② 1日ずれるごとに1点を加算
※ 日は循環していると考え、誤差の少ない方で採点する。
例:検査が4月 30日、月が4月の回答で3日と回答している
場合、誤差は27日ではなく「3日」
例:検査が5月 30日、月を6月と回答して3日と回答してい
る場合、誤差は「4日」
曜日
(最大3点)
① 1日ずれるごとに1点を加算
② 曜日以外の語句を回答した場合は3点加算
時間
(最大5点)
① 30分ずれるごとに1点を加算
※ 午前・午後の記載の有無は問わない。
採
点
の
具
体
上段:検査日
下段:回 答
採
平成20年1月 30日
平成20年1月1日
日の誤りで2点加算
平成20年1月1日
月の誤りで5点加算
- 2 -
点
方
法
例
2
平成20年12月1日
平成20年1月4日
平成19年12月31日
年の誤りで10点加算、月の誤りで5点加算、日の誤りで
4点加算 合計19点加算
平成20年3月2日
平成20年2月 31日
まず、「あり得ない日」の判定により15点加算、月の誤
りで5点加算 合計20点加算
平成20年3月2日
平成20年4月 31日
まず、「あり得ない日」の判定により15点加算、月の誤
りで5点加算 合計20点加算
平成20年3月2日
(閏年)
平成20年2月 29日
(閏年)
月の誤りで5点加算、日の誤りで2点加算
算
合計7点加
平成20年3月2日
(閏年)
平成19年2月 29日
(閏年ではない年)
「あり得ない日」に該当しないため、日の誤りで2点加
算、年の誤りで 10点加算、月の誤りで5点加算 合計17
点加算
平成19年3月2日
(閏年ではない年)
平成19年2月 29日
(閏年ではない年)
「あり得ない日」に該当しないため、日の誤りで2点加
算、月の誤りで5点加算 合計7点加算
平成20年2月 18日
(閏年)
平成20年5月1日
(閏年)
月の誤りで15点加算、日の誤りで 12点加算
算
合計27点加
平成19年2月 18日
(閏年ではない年)
平成19年5月1日
(閏年ではない年)
月の誤りで15点加算、日の誤りで 11点加算
算
合計26点加
てが かり 再 生の 採 点方 法( 正 答合 計 点の 最大 16点)
正答1つにつき、1点を加算する方法で採点する。
採点方法
① 自由再生、手がかり再生の、いずれかで正答していれば正答と
して1点を加算する。
② 自由再生と手がかり再生の両方を正解しても1点で、正答数の
合計が得点とはならない。
③ 手がかり再生で、一つのヒントに2つ以上の回答があった場合
- 3 -
は不正解として取り扱う。
回答の具体的な想定例①
採点結果
採
自由再生の採点
手がかり再生の採点
点
耳
○
身体の一部
足
×
自由再生
の
トラ
×
動物
ライオン
○
手がかり再生 2点
具
机
×
果物
メロン
×
合計点
体
サル
×
家具
ベッド
○
例
1点
3点
回答の具体的な想定例②
採点結果
自由再生の採点
手がかり再生の採点答
耳
○
身体の一部
耳
○
自由再生
1点
トラ
×
動物
ライオン
○
手がかり再生 3点
机
×
果物
メロン
×
合計点
サル
×
家具
ベッド
○
3点
(耳が、双方正解)
検査は、受検者が記憶しているかどうかを検査するためのものであることから、
次の正答例に当てはまる回答は正答として取り扱うこと。
パ
タ
丨
ン
別
正
答
例
パ
タ
丨
ン
A
検査員が説明した言葉
を言い換えた場合
ライオン・・・獅子、百獣の王 等(以下「等」略)
ジャガイモ・・・馬鈴薯
物差し・・・サシ、定規、線引き
オートバイ・・・バイク、単車、モーターバイク
ニワトリ・・・チャボ
バラ・・・ローズ
ベッド・・・寝台、寝床
示した絵と類似してい
るものを回答した場合
ペンチ・・・ニッパー
示した絵が別のものに
見える場合
大砲・・・カノン砲、榴弾砲、迫撃砲
オルガン・・エレクトーン、ピアノ、キーボード
ペンチ・・・プライヤー
回答に誤字、脱字があ
る場合
ジャガイモ・・・ジガイモ
スカート・・・スーカト
ブドウ・・・ブウドウ
オルガン・・・オ ガン
パ
戦車・・・タンク
タ
目・・・まなこ、目玉
丨
ステレオ・・・蓄音機
- 4 -
ン
トンボ・・・せいれい、あきず、とんぼう、蜻蛉
B
トマト・・・あかなす、さんごじゅなす
ヤカン・・・薬缶、湯沸かし、茶瓶
万年筆・・・万年ペン、ペン
飛行機・・・ジェット機
コート・・・外套、オーバー
ペンギン・・・人鳥類
ユリ・・・リリー
カナヅチ・・・トンカチ、ハンマー
パ
機関銃・・・マシンガン、鉄砲、ライフル
タ
琴・・・おこと
丨
親指・・・拇指、おおゆび、指
ン
電子レンジ・・・レンジ、オーブン
C
カタツムリ・・・まいまい、でんでんむし、蝸牛
トウモロコシ・・・もろこし、コーン、玉蜀黍
ハサミ・・・鋏、剪刀
トラック・・・貨物車、貨物自動車
メロン・・・シロウリ、マクワウリ
ドレス・・・ワンピース、洋服
クジャク・・・孔雀
チューリップ・・・うこんこう、鬱金香
ドライバー・・・ねじ回し、スクリュー
椅子・・・チェアー、いし
パ
刀・・・剣、つるぎ
タ
アコーディオン・・・手風琴、てふうきん
丨
足・・・脚
ン
アリ・・・蟻
D
馬・・・ホース、駒、むま
ピーマン・・・西洋唐辛子
包丁・・・庖丁
筆・・・毛筆、絵筆
ヘリコプター・・・ヘリ
パイナップル・・・パイン、鳳梨、アナナス
ズボン・・・スラックス、パンタロン、パンツ
スズメ・・・雀
ヒマワリ・・・ひ回り、日車、日輪草、向日葵
ノコギリ・・・のこ、手ノコギリ、鋸
ソファー・・・長椅子、椅子
3
時計 描画 の 採点 方 法( 基準 を 満た す 点の 最大 7 点)
- 5 -
① (1)∼(7)の、それぞれの採点基準を満たす場合に、それぞれの基準について1
点を加算する
② 採点基準(7)は、採点基準(5)及び(6)が正解の場合のみ、加点の判断を行う。
採点基準
(1) 1から12
までの数字
のみが書か
れているか
採
①
②
③
④
点
方
法
アラビア数字(3)、ローマ数字(Ⅲ)、漢数字(三)のいずれでも可
数字の並びや位置、順番は、採点の対象外
数字のいずれかが抜けている場合は、不正解
1∼12以外の数字がある場合は、不正解
11 12
1
10
正解:数字の位置は不適切であ
るが、1から 12までの数
字が記載されている。
2
9
8
3
7
65
4
12
1
正解:数字の順番は逆である
が、1から12までの数
字が記載されている。
11
2
10
3
9
8
4
5
12
6
7
1
11
正解:数字の並び方は不適切で
であるが、1から12まで
の数字が記載されている。
3
10
5
9
8
4
7
6
不正解:
10
4と11の数字
が記載されて 9
いない。
1∼12以外の数字(13)がある。
不正解:
2
12
12
1
13
1
11
2
2
10
3
8
9
3
8
7
5
6
- 6 -
4
7
6
5
(2) 数字の順
序が正しい
か
①
②
③
④
数字の位置は、採点の対象外
数字は、常に増えていくこと
数字は、1∼ 12まで書かれていなくても、順序さえ正しければ正解
数字の順序は、時計回りで判断する。
12
1
正解:数字の位置は採点の対象外
11
10
2
9
8
3
7
6 5
4
2
12
正解:数字の位置、数字の欠
損については採点の対
象外、数字は常に増え
ている。
9
8
3
7
12
11
5
1
3
10
5
9
8
4
不正解:数字が、1/3/5/
4/2と並んでおり、
数字が常に増えていな
い。
4
7
6
2
12
1
不正解:数字が逆順であり、
数字が常に減ってい
る。
11
2
10
3
9
4
8
5
7
6
(3) 数字は正
しい位置に
なければな
らない
① 4分割した十字線上にそれぞれの数字がある、又は4分割した部分
にそれぞの数字がある。
② 4分割した数字が適切である。
12/1/2/3、3/4/5/6、6/7/8/9、9/10/11/12 のうち、3つ適切な
位置に記載 されていることが必要
③ 数字の順番は、採点の対象外
- 7 -
12
11
1
10
2
9
正解:4分割した十字線上の数
字、4分割した数字、い
ずれも位置が適切である。
3
8
4
7
6
5
12
正解:4分割した十字線上に
数字はないが、4分割
部分に記入された数字
が適切
1
11
2
10
3
9
4
8
5
7
12
1
11
6
2
3
10
5
7
9
正解:数字の順番が違うが、
4分割部分に記入され
た数字に誤りがない。
4
8
6
12
不正解:右上に4つの数字が
あり、左下に2つの
数字しかない。
1
2
11
3
10
4
5
9
8
1
9
5
7
(4) 2つの針
があるか
不正解:4分割された部分に、
必要な数字が入ってい
ない。
4
8
6
2
3
10
7
6
① 針になったものが2本なくてはならない。
② 文字盤の数字の位置は、採点の対象外
- 8 -
③ 針の有無のみを採点し、針の指している時間は採点の対象外
④ 針の長さ(長針、短針の区別を問わない・・・同じ長さでも可)、針の
形状は、採点の対象外
⑤ 数字を○で囲む、括弧で囲む、□で囲む等等の方法は不正解
12
正解:針が2つある。
1
11
10
2
9
3
8
4
7
6
5
12
11
正解:針が2つある。指して
いる時間は問わない。
1
2
10
3
9
4
8
7
1
6
5
2
3
10
9
4
正解:針が2つある。針の指し
ている時間、針の長さ、
数字の位置などは、採点
の対象外
5
8
7
6
1
⑪
不正解:時間を示す○はある
が、針がない。
②
10
3
9
4
8
7
(5) 時間の数
字(11時)
を指し示し
ているか
6
5
※ 11時10分の出題を例示
① 短針、長針を問わない。(短針、長針のいずれで示されていても可、
同じ長さの針でも可、文字盤の「11」 を指していれば可)
② 数字を○で囲む、括弧で囲む、□で囲む等の方法でも 可(時間の数
- 9 -
字「11」を認識していれば可)
③ どの数字よりも「11」に近くなければならない。ただし、直近に書かれ
た数字との間に描かれていれば可
④ 文字盤の数字の位置、欠落等は、採点の対象外とするが、出題され
た時間を表示する数字が欠落している場合は、不正解
12
正解:短針が11を指している。
1
11
10
2
9
3
8
4
7
6
5
12
11
正解:長針が誤っているが、
短針は11を指している。
1
2
10
3
9
4
8
7
1
6
5
2
3
11
9
4
正解:どちらが短針か不明であ
るが、針が11を示してい
る。数字の位置、欠落は
採点の対象外
5
8
7
6
1
⑪
正解:どちらが短針か不明で
あるが、時間の数字11
を認識している。
②
10
3
9
4
8
7
(6) 分の数字
(10分)を
指し示して
いるか
6
5
① 短針、長針を問わない。(短針、長針のいずれで示されていても可、
同じ長さの針でも可、文字盤の「2」 を指していれば可)
② 数字を○で囲む、括弧で囲む、□で囲む等の方法でも 可(時間の数
字「10分は、文字盤の「2」であることを認識していれば可)
- 10 -
③ どの数字よりも「2」に近くなければならない。
④ 文字盤の数字の位置、欠落等は、採点の対象外とするが、出題され
た時間を表示する数字が欠落している場合は、不正解
正解:長針が2を指している。
数字の欠落、短針の位置
は採点の対象外
3
2
12
11
8
4
7
6
(7) 長針と短
針が正しい
長さの割合
になってい
るか
5
(注) 採点基準(5)及び(6)が正解の場合のみに採点を行う、加点用
の採点基準
① 長針が、短針よりも長くなっていなければならない。
② 数字を○で囲む、括弧で囲む、□で囲む等の方法は不可
12
正解:長針、短針が正しい割合
になっている
1
11
10
2
9
3
8
4
7
6
5
12
11
不正解:長針、短針が正しい
割合になっていない。
1
2
10
3
9
4
8
7
- 11 -
6
5