採点基準

2012 年第 2 回 10 月名大本番レベル模試地理 B 採点基準
第 2 回 10 月名大本番レベル模試地理 B
1
採点基準
単答記述問題
誤字,脱字,漢字間違いは0点。
2
論述問題
①「設問別加点基準」に基づき加点する。また,その他各問題の主旨に適した解答にも適
宜加点する。ただし,満点を超える得点は与えない。
②
以下の「共通減点基準」に基づき減点する。
3
共通減点基準
①
加点要素における誤字・脱字および漢字の間違いは1点減点。
②
下線の付け忘れは1点減点。
③
指定用語不使用は1点減点。
④
字数オーバーは1点減点。
*減点しなくていい要素,その他の注意
①
地理用語に関して,漢字の新字体/旧字体や,スロヴェニア⇔スロベニア,パキスタ
ン⇔パーキスターンといったカタカナ表記の通念の範囲内での異体に関しては減点はしな
い。
②
加点要素以外で誤った記述があった場合,その部分は0点だが,減点はしない。
③
加点項目は内容的に整合性が取れていればよく,字句の順序や表現は必ずしも完全に
一致していなくてもよい。
④
文章が未完のものも減点しない。
4
採点記号について
1.<□□□□> 加点ポイント
2.□□□□×
事実に誤認あり
3.□□✔□□
誤字あり/脱字あり
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5
設問別加点基準
1)
部分は必須キーワードであり,この表現がなければ当該加点ポイントに
おける加点はしない。その他は同義であれば加点する。
2)○○/△△
は「○○でも△△でも可」を意味する。
3)「②(①の説明として)」は,加点ポイント①を正解していなくても,加点ポイン
ト②に該当すれば加点する。
Ⅰ
問1
Bの利点 3点
複数の地図を隙間なく平面上に接合できること。
【加点ポイント】
★「図法A=多面体図法」を正解していなくても加点する。「図法B=ユニバーサル横メ
ルカトル図法」を正解していない場合は加点しない。
①(複数の地図を)隙間なく接合できる →2点
②(複数の地図を)平面上に接合できる →1点
※「正確な表現になる」は加点しない
問2
理由
理由 5点
付近に製塩所があり,点描による特有の描写がなされている。
【加点ポイント】
★ 「敷地の利用=塩田」の正解が加点の前提
①付近に製塩所がある →3点
②点描による特有の描写がなされている/塩田の地図記号がみられる →2点
問3
6点
自動車交通による京阪神地区との結びつきが強まり,県外からの観光客の受入数が増加し,
県内の一次産品は大都市圏に市場を得て出荷が増加した。一方で,県内の買い物客の大都
市への流出を促し,地元商店街の衰退をもたらす問題が生じている。
【加点ポイント】
①京阪神地区との結びつきが強まった →2点
※「大阪」「神戸」「関西圏」「本州」なども可
②(①の具体例として)県外からの観光客/投資が増加した →1点
③県内からの一次産品/農産物/工業製品の出荷が増加した →1点
④県内の買い物客が流出した →1点
※「人口が流出した」は加点しない
⑤地元商店街が衰退した
→1点
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問4
理由 5点
写真Cで市街地の左側に橋が架かっており,遠方に直線状の海岸がみられるため。
【加点ポイント】5点を超えない
★ 「方向=北西から南東」の正解が加点の前提
①市街地の左側に橋が架かる →5点
②遠方に直線状の海岸がみられる
→5点
※そのほか適切な判断理由であれば加点する
⑵
5点
海岸に平行して水田があったが,現在は畑に転換されている。
【加点ポイント】
①(地形図Aでは)水田であった
②(地形図Bでは)畑になった
問5
→2点
→3点
6点
橋の建設位置が高く,一部は自動車専用道路であり,自転車利用者や歩行者にとって利用
しにくいため。
【加点ポイント】
①橋の建設位置が高いこと →2点
②(一部が)自動車専用道路であること
→2点
③自転車利用者/歩行者/自動車を利用しない者/近距離移動者にとって利用しにくい
→2点
問6
⑵
6点
河川堤防や防潮堤などハード面の整備とともに,ハザードマップの作成や避難訓練の実施
などソフト面の対応をおこなう。
【加点ポイント】6点を超えない
①河川堤防の整備 →2点
②防潮堤の整備
→2点
③ハザードマップの作成
→2点
④避難訓練の実施 →2点
※そのほか適切な施策であれば加点する
Ⅱ
問1
⑶
6点
経営規模が大きく機械化が進んでいるため生産費が安く,国際市場を対象に栽培されてい
ることと,穀物メジャーによる効率的かつ近代的な流通システムが構築されていることか
ら,国際競争力が高いため。
【加点ポイント】
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①経営規模が大きい →1点
②機械化が進んでいる/労働生産性が高い
→1点
③効率的/近代的な流通システムが構築されている →1点
④穀物メジャー/アグリビジネスが企業的生産をおこなっている
⑤生産コストが低い/国際競争力が高い
⑷
→1点
→2点
6点
北アメリカ諸国やアルゼンチンでは家畜飼育用の飼料用に商業的に栽培されている。一方,
原産地であるメキシコをはじめとするラテンアメリカ諸国では,主に食用として自給的に
栽培されている。また,アメリカ合衆国では近年,バイオマスエネルギーとしての需要も
増加している。
【加点ポイント】6点を超えない
①北アメリカ/アルゼンチンなどでは,飼料用に栽培されている
→2点
②メキシコ/ラテンアメリカ諸国は,トウモロコシの原産地である →2点
③メキシコ/ラテンアメリカ諸国では,食用として栽培されている
→2点
④アメリカ合衆国/北アメリカでは,バイオマスエネルギーとしての用途もみられる
→2
点
⑸
6点
遺伝子組み換え作物の導入により,省力化と収量増加による収益性の向上が図られてきた。
日本はその輸入を求められてきたが,豆腐や味噌など食用の利用が多いため安全性に不安
が残っている。
【加点ポイント】6点を超えない
①(効率的に栽培する方法)遺伝子組み換え作物 →3点
②(①の補足として)省力化/収量増加/収益性の向上
→1点
③(遺伝子組み換え作物の問題)安全性への不安 →3点
問2
⑵
理由 4点
ドイモイ政策により農民の生産意欲が高まり,収益性の高い作物を生産するようになった
ため。
【加点ポイント】
①ドイモイ政策
→2点
②農民の生産意欲が高まった →1点
③収益性の高い作物/換金作物の栽培が増加した →1点
⑵
問題
4点
コーヒー園を造成するために熱帯林を伐採しており,生態系の破壊が懸念されている。
【加点ポイント】
①熱帯林伐採/森林破壊
→2点
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②(①の結果)生態系の破壊/地球温暖化の促進 →2点
⑶
6点
豊作時と干ばつや霜害など自然災害による不作時とで大きな価格差が生じることと,嗜好
品であるために投機目的で取り引きされることにより国際価格が大きく変動するため。
【加点ポイント】6点を超えない
①自然災害により大きな価格差が生じるため/自然条件の影響を受けやすいため →2点
②(①の具体例として)干ばつ →1点
③(①の具体例として)霜害 →1点
④投機目的で取引されるため →1点
⑤景気変動の影響を受けやすいため →1点
⑥(④・⑤の背景として)コーヒー豆は嗜好品である →1点
Ⅲ
問1
⑶
4点
急激な人口増加を農村が吸収できず,多くの人々が職を求めて都市に流入した。彼らは市
街地の周辺を不法占拠し,ファベーラと呼ばれるスラムを形成した。スラムの住民は,不
安定な雇用や劣悪な生活環境におかれ,行政による保護や規制を受けないインフォーマル
セクターに従事する者も多い。その結果,治安や衛生状態の悪化が生じている。
【加点ポイント】4点を超えない
<ブラジルで都市人口比率が高い増加率を示している理由>
①人口増加を農村が吸収できない/農村で余剰人口が生まれた/農村に就業先がない/
push型の人口移動/都市に職を求めて流入した 等の説明
→1点
<大都市で生じている問題>
②スラムの形成/拡大 →1点
③(③の補足として)ファベーラ
→1点
④インフォーマルセクターに従事する者の増加 →1点
⑤治安/衛生状態の悪化/大気汚染 等
⑷
あ
→1点
2点
コナーベーション(コナベーションも可)
問2
⑵
4点
メキシコシティは高地にあるため,酸素濃度が低く,自動車のエンジンが不完全燃焼を起
こしやすい。さらに盆地状の地形であるため,人口の増加によって急増した排ガスが滞留
し,深刻な大気汚染が生じている。
【加点ポイント】
★(1)で「G国=メキシコ」の正解が加点の前提
<現象>
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①大気汚染 →1点
<自然的原因>
②高地に位置する/酸素濃度が薄い →1点
③盆地状の地形である →1点
④(②・③の結果)自動車のエンジンが不完全燃焼を起こしやすい/有害な排ガスが生じ
やすい/汚染物質が滞留しやすい
⑶
F国
等
→1点
3点
すでに工業化を達成したF国では,社会が成熟しており,少子化と高齢化が進む。このた
め,社会保障費が増大し,財政が圧迫される。
【加点ポイント】
★「F国=スペイン」の正解が加点の前提
<人口の変化>
①工業化を達成している/社会が成熟している/先進国である/経済水準が高い →1点
②少子化/高齢化が進む
→1点
<社会的問題>
③社会保障費が増大する/生産年齢人口が減り活力が失われる →1点
⑶
J国
3点
工業化の達成途上にあるJ国では,高い出生率や平均年齢の低さを背景に人口が急激に増
加し,都市に集中する。そのため,都市環境の悪化や農村の過疎化が進展する。
【加点ポイント】
★「J国=インドネシア」と認識していることが加点の前提
<人口の変化>
①工業化の達成途上にある/発展途上国である/経済水準が低い
→1点
②人口が増加する/出生率が高いままである →1点
<社会的問題>
③都市の過密化/農村の過疎化/食糧不足/貧困の拡大
問3
⑵
等 →1点
4点
高い経済成長を背景に人口が首都圏に集中し,都心部の地価が急騰したため,人々はより
安価な住宅を求めて郊外に転居した。そのため,0-10km圏内では極端に人口が減少した一
方,20-50km圏内では人口が急増するドーナツ化現象が生じた。
【加点ポイント】
<特徴>
①人口の郊外への転居がみられた/都心部で人口が減少し郊外で人口が増加した →1点
②(①の現象名として)ドーナツ化現象 →2点
<要因>
③(①の要因として)都心部の地価高騰/郊外の安価な住宅を求めて転居した →1点
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⑷
4点
都心部では臨海地区などで再開発がおこなわれ,マンションが建設された。また,円高の
進展等にともなう製造業の空洞化により中小工場が減少し,その跡地に多くのマンション
が建設された。住宅の供給増加や地価の低下にともない,利便性の高い都心に人口が回帰
する一方,都心から遠い郊外では,高齢化や人口流出が進んだ。
【加点ポイント】
<特徴>
①都心に人口が回帰(増加)している/郊外で(高齢化や)人口流出が進んだ →1点
<要因>
②都心部では(臨海地区などで)再開発がおこなわれた →1点
③(②の背景として)都心の地価が下落した →1点
④(②の背景として)製造業の空洞化により工場が減少し跡地ができた →1点
Ⅳ
問1
⑴
各2点×4=8点
※C=シャンハイ D=ソウル E=プサン F=シェンチェン
※おおよそ○の範囲内にあれば加点する
⑵
2点
ウ
チベット仏教(ラマ教も可)
問2
⑵
8点
多くの製品が開発段階にあった時期は,技術力の高い日本に多くの生産拠点が立地した。
その後,円高で日本国内の生産費が高騰する中,製品の標準化で大量生産が可能になると,
生産拠点が次々と人件費の安い中国に移された。しかし,近年は高い技術を要する高付加
価値製品を中心に,日本への生産拠点の回帰もみられる。
【加点ポイント】8点を超えない
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★「カ=電気機械」の正解が加点の前提
①かつては日本国内に多くの電気機械工業の生産拠点が立地した →1点
②(①の理由として)(多くの製品が開発段階にあり)高い技術力を有する日本しか生産
できなかった
→1点
③近年は中国に生産拠点が移転した/近年は中国・韓国に生産拠点が移転した →1点
④(③の理由として)円高 →1点
⑤(④の補足として)(円高による)輸出不振 →1点
⑥(③の理由として)日本国内の生産費高騰 →1点
⑦(③の理由として)日本国内の賃金水準の上昇/海外の安価な労働力を求めた →1点
⑧製品の標準化で大量生産が可能となった
→1点
⑨(最新の動向として)日本への生産拠点の回帰もみられる →1点
⑩(⑨の理由として)(高付加価値製品については)高い技術力を有する日本しか生産で
きない/海外への技術流出を防止する/開発から製品化までの期間を短縮化する 等
→
1点
問3
9点
中国や韓国の農民1人当たりの農地面積は,企業的穀物農業の盛んな新大陸の国々に比べて
小さい。そのため,穀物の単位収穫量当たりの労働コストが高くなり,大量輸入するには
価格が高めになる。一方,野菜については,鮮度を保ちながらの輸送にコストがかかるた
め,日本にとっては距離の近い中国や韓国が輸入先として適している。
【加点ポイント】
<中国・韓国からの穀物の輸入量が少ない理由>
①中国・韓国は農民1人当たりの農地面積が小さい/経営規模が小さい/労働集約的であ
る
→2点
②(①の結果)価格が比較的高い/国際競争力が低い
→2点
<中国・韓国からの野菜の輸入量が多い理由>
③中国・韓国は日本との距離が近い →3点
④野菜は輸送の際に鮮度を保つ必要がある →2点
問4
⑵
8点
中国で産出し,消費される石炭は硫黄の含有量が多い。さらに,脱硫処理が徹底されない
ため,大気中にはかなりの量の硫黄酸化物が放出されている。したがって,偏西風の風下
にある日本には,その硫黄酸化物が越境汚染物質となって大量に飛来する。
【加点ポイント】8点を超えない
★「サ=中国」の正解が加点の前提
①中国では石炭の消費が多い →2点
※「化石燃料」の場合は1点のみ加点
②(①の補足として)中国国内では石炭が豊富に産出する
③中国では工業化が進展している
→2点
8/9
→2点
2012 年第 2 回 10 月名大本番レベル模試地理 B 採点基準
④中国の石炭は硫黄の含有量が多い →1点
⑤中国では脱硫処理が徹底されていない →1点
⑥偏西風によって硫黄酸化物が中国から日本へ運ばれる →2点
※「風によって運ばれる」の場合は1点のみ加点
9/9