自転車購入のススメ 2016 ◇「ロードバイクってやつ でいいんだろ?」 必ずしもそうとは限らない。毎年必ずと言 っていいほど自転車を購入する際に失敗 する人が一人はいる。NUCC は旅(ツーリン グ)をメインとする部活であり、すなわち自 転車は旅に向いているものでなければ活 動に支障がでてしまう。逆に言えば、旅が できればなんでもいい。 旅ができる自転 車とはなにか。リアキャリアが取り付けられ れば旅ができる。リアキャリアを取り付ける ためには「ダボ穴」と呼ばれるねじ穴が必 要不可欠である。このダボ穴のない自転 車を購入してしまう新入生がよくいる。現 在 NUCC ではロード、シクロクロス、マウンテ ンバイク、ツーリング車やクロスバイクと幅 広い自転車が使われているが、どの自転 車にも「ダボ穴」がついている。新入生は 自転車を購入するうえでは、この「ダボ穴」 があることを最も留意してほしい。わからな いことがあったらどんどん上級生に聞こう。 ◇まず初めに ・自転車をいつまでに買えば良いのか??? これは殆どの新入生が疑問に感じることだろう。結論から言えば 6 月末(夏合宿プレ)までに自転車があると望ま しい。 ・自転車を購入する上でのアドバイス 大抵の新入生は、自転車屋に自転車を見に行って、お店の人と話をして買う自転車を決めることだろう。ここで 言う自転車屋とは、スポーツバイクの専門店のことである。スポーツバイクは一般的なママチャリとは構造が異なる パーツを使っていることが多いため、ママチャリの量販店(イオンバイク、サイクルベースあさひ)などの店員は対応 できないことが多い。 よって、ここでは専門店で自転車を購入することを前提に話を進める(というかそうして欲しい)。 まず、自転車屋には納期がある。春は特に新規の注文が立て込むので、長いと購入を決めてから 1 か月以上 かかる場合もある。ここは購入する前に自転車屋に聞こう。また、自転車の購入する際に必要な料金は後払いで あることが多い。つまり、早めに注文しても、自転車の受け取りまでにお金が用意できれば大丈夫である。 あと、ついているコンポーネント(変速機の総称)だけに惑わされないでほしい。もちろん高いグレードのコンポーネ ントは値段なりに動くが、NUCC のツーリングには TIAGRA(ティアグラ)というグレードのコンポーネントさえあれば充分 すぎる。特定のパーツにこだわらずに自転車全体のバランスを見て決めて欲しい。結局、自分の気に入った色やシ ルエットなどを妥協せず、気に入ったものを買うのがベストである。 また、自転車のサイズ選びは最も重要な問題である。自転車において、大は小を兼ねるというのは通用しない。 無理して適正でないサイズの自転車に乗ると膝や腰など、身体を痛める原因になる。そこで、自転車屋に欲しい自 転車があっても、適正なサイズの在庫が無い場合は、諦めて別の自転車屋に行くか、そもそも購入する自転車を 変えるしかない。 名古屋市内の自転車屋さんを載せておくので、暇なときに一度行ってみても良いかもしれない。 ・Circles ・カトーサイクル ・ワイズロード名古屋 ・フクイサイクル ・猫の自転車屋さん ・ニコー製作所 ◇各種自転車のツーリングとしての特徴 ・マウンテンバイク MTB と書く事が多い。 ・予算 5 万円から。 NUCC では 10 万円前後が多い。本格的なものは 15 万円から。 サスペンションとフラットバーが特徴。ホイールサイズ(規格)は 29er か 27.5 インチ(650B)。6 万くらいまでのモデル だと昔ながらの 26 インチという規格もあるが、最近廃れてきているのでオススメはしない(替えのパーツなどが入手 しにくい)。 数万円程度の MTB についているサスペンションはツーリングに使うと一年程度で寿命が来る。 ・遅い 全車種中最も遅い。特に舗装路しか走らない場合は他の車種に比べて苦労する。 ・積載能力 ディスクブレーキなので、キャリアを特別なものにしなくてはならないが、フレームはかなり堅牢に作ってあり重心も 低いので、重い荷物を載せても安定する。 本格的な MTB はキャリアの装備を想定していないことが多く、ダボ穴が無い物も。 ・走破性は高い 全車種のなかでは最も高い。 林道や雪道など、太いタイヤを活かしてどこでも走れる。 しかし、オフロードを走行 する際はしっかりしたサスペンション、タイヤなどのパーツを装備した MTB が望ましい(=高価である)。 ・まとめ 太いタイヤを履けることとサスペンションがあること以外は、下記のシクロクロスの下位互換である。また、名古屋に は MTB で楽しめるようなオフロードが皆無であり、車や電車で郊外まで運ばない限り MTB の特徴を活かせる機会は 少ないだろう。 1台目のツーリング用車としては避けることが無難であり、2台目にしっかりとしたものを買うと後悔し ないだろう。 ・シクロクロス 本来はオフロード競技用に作られた自転車。 おすすめ。 見た目がロードバイクに似ていること、比較的安価である ことから NUCC では人気のある車種。 ただし似ているのは見た目だけで、性能や設計コンセプトは別物。 ロード欲 しいけど高いから...という人に積極的には勧められない。 ・予算 10 万円から ・走行性能 細いタイヤを使えばロードとほぼ変わらない速度で走れる。 逆にツーリングするときは太いタイヤを使えば安心して ツーリングをこなせる。 ・走破性 オフロード車なだけあって走破性もあり、舗装路はもちろん、簡単な林道程度なら困ることはなく、雑に扱える。 ・積載能力 ブレーキ台座があるのでキャリアへの対応力も高い。しかし最近は無いものも増えてきた。 ディスクブレーキ専用 だとまたキャリアが面倒なことになるかもしれない。 ・まとめ&将来性 ここ数年はシクロクロス競技が流行っているので、一台目に 15 万円くらいのものを買っておけば将来的にレースの 参加も楽しめる。現部員も冬になるとレースやオフロードを楽しんでいる。 後述のクロスチェックなど鉄パイプのモノは、ルックス的にサイドバッグやキャリアと親和性が高く、後々パーツ換装 してデイリーユースなおしゃれバイクとしてのポテンシャルがあるので、とにかく後悔しない車種。 ・ツーリング車 名前のとおりツーリングのために作られた自転車。おすすめ。 ・予算 10 万円から ・走行性能 ドロップバーで長距離巡航もできる。フレームは柔らかいのでシクロクロスには劣るが、柔らかい分、長距離走行時 体の痛みは少ない。 ロードではカーボンフレームは振動吸収性が〜みたいな意見は大きいが、クロモリツーリング 車のクッションとは比較にならない。 ・積載能力 キャリアを付けてくださいと言うコンセプトなので、何も考えなくてもだいたいのキャリアが前後ついて荷物がたくさん 付けられる。 ・その他 何かが大きく優れている訳ではないが、ほかの自転車と大きく差別化を図っている点といえば、荷物を積んでも見 栄えが損なわれない点である。 ツーリングは雰囲気が大事なので重要なポイント。 ・まとめ 他の車種を買う積極的な動機が無ければこれを買うべき。 ・クロスバイク これがクロスバイクだ!という定義は無く、フロントサスペンションがついた MTB 寄りのものからロードのハンドルをフラッ トにしたものまでいろいろ。基本はロードっぽいフレームに MTB パーツが付いている。 ・予算 他の車種に比べると安い。5 万円から。 ・走行性能 モノによる。 少なくともロードより低く MTB より高い。フラットバーなので長距離は向いていない。 ・デメリット 今となっては「ちょっと速いママチャリ」くらいの感じで、かなり生活に近い部分で普及してしまっている。 そのためク ロスバイクに乗っていても俺はチャリ部員だと言うアイデンティティが得られない。 ・ロードバイク オンロード競技用。 ・予算 10 万円から。 ・走行性能 回転性能がいい、軽い、ギアが大きい、等の理由でとにかく速い。しかし部活動では一番遅い人に合わせて走るこ とになるためそこまでメリットは得られない。 小さいギアがないため体力のない人にとっては踏んだり蹴ったりである。 部活と別にプライベートで高速巡航したい人向けだが、それなら二台目で買うのが望まれる。 ・積載能力 基本的にキャリア非対応だがまあだいたいなんとかなる。 ただし、ツーリング先でのトラブルを未然に防ぐ為にも信 頼性のあるダボ穴付きが望ましい。 ・メリット NUCC でまともに活動するなら、年間では複数人で走る距離より合宿地への自走など一人で走る距離の方が長く なる。そう言う場合はどう考えても楽。 部の雰囲気として、おすすめはしないが実際メリットは確実にある。 しかし MTB 同様機材の良さを楽しむ側面も強いので、一台目でなく二台目以降に金をかけるのがよい(1台目に安いロー ドバイクを買う→2台目に性能の高いロードバイクを買う、という流れになると、1台目はツーリングや通学しか用途 が無くなり、初期投資の 15 万円前後が無駄になってしまう)。 前述の通り、ロードはモノによっては積載に不安のあることがあるので、どうしてもロードがいい人は必ず上級生に相 談する方がいい。 ◇イチオシ自転車 ここで厳選するにあたって重視したのは ・長期ツーリングが快適に可能か ・キャリア、サイドバッグを付けた時のマッチ具合 ・ほどほどの値段 ・部の活動内における汎用性 の4点を基準に、個人的な見解込みで選んだものなので、参考程度に考えてくれれば良いです。 また、人によって考えている値段が違うと思うので、ここには定価の値段を書いておきますが、自転車屋さんはオマ ケを付けてくれたり、値引きしてくれることもあるので一概には言えません。 新入生のベストバイだと思われる、ツーリング車とシクロクロスについてピックアップします。 ・ツーリング車 【 丸 石 】 EMPEROR Touring Conductor 【価格】\110,000+税 【重量】12.2kg 【説明】丸石自転車の出す 700C ツーリングバイク。 700C のため走破性は他のランドナーに比べ高い。 分割式泥よけなので輪行しやすいが、慣れるまで に時間が必要である。 同系列の Touring Master もオススメ。 フロントが 3 段あるのもうれしい。 これを買うなら日東のキャンピーというキャリアで揃 えると雰囲気が出るが、少々高め。 【LOUIS GARNEAU】 LGS-GMT 【価格】\113,000+税 【重量】約 14kg 【説明】前後キャリア、泥除け付き。 バッグは付 いてないが安い。 ただ、ホイールが 26 インチか つ少々重いので速度は出づらい。 少し昔のツ アー車といった感じ。また、荷物を積んだままで も自転車を停めておけるようなスタンドが最初か ら付いている。 【LOUIS GARNEAU】 LGS-CT 【価格】\118.000+税 【重量】12.2kg 【乗っている上級生】カトウ 【説明】上の LGS-GMT をレーシーにしたツーリン グ車。ホイールも 700c となり、速度が出やすい。 新型の変速機を搭載し、補助ブレーキも付いて いるのでコスパの高い車両である。ただしサイズの 展開が少ないので、買うときは必ずお店の人や 上級生に聞いてチェックすべし。 【ARAYA】 FEDERAL 【価格】\62,000+税 【重量】12.9kg 【乗っている上級生】ハセガワ 【説明】 かなりコスパの高いツーリング車。輪行 が少し面倒なのと変速がダブルレバーなのが難 点だが、ツーリングを始めるのに適していると言 える。ホイールが重めなので、加速するときや登 りでは辛いかもしれないが、どうせ荷物を積むし 変わらない。とりあえず買っとけの一台である。 【GIANT】 GREAT JOURNEY 【価格】\110,000+税(バッグ付き) 【重量】13.9kg(バッグ含まず) 【乗っている上級生】岡本、前田ジャーニー 【説明】GIANT が出しているツーリング車。タイ ヤサイズは 650C なので走破性が高い。最初 から前後キャリアとバッグ2つが付属してくるの で、追加の支出が抑えられるのが Good。上 体を起こして楽な姿勢で乗れるので、ロングツ ーリングにも向いている。 【JAMIS】 AURORA 【価格】\126.000+税 【重量】13.1kg 【乗っている上級生】飯田 【説明】最初からフェンダー、リアキャリアが付属し、 40c のブロックタイヤも履けるモデル。変速はハン ドルの淵で行うバーエンドコントーラー(バーコン)を 採用しているので、調整やメンテナンスは楽であ る。トップチューブが水平になっているためオシャ レな一台である。フレームはアルミニウムなので乗 り心地は少し固め。 【KONA】 SUTRA 【価格】\167,000+税 【重量】 【乗っている上級生】森、久保木 【説明】ディスクブレーキを搭載したクロモリツーリ ング車。キャリアと泥除けも付いてくる。通常のブレ ーキに比べ制動力は高いが、タイヤが 40C と太め なので重いのが難点か。逆に乗り心地が良いとも 言える。 【BIANCHI】 LUPO DISC 【価格】\160,000+税 【重量】11.9kg 【乗っている上級生】ワタライ 【説明】自転車界のオシャレを代表する BIANCHI の クロモリツーリング車。ディスクブレーキと新型の変 速機を搭載し、カラーも3色展開しているので好き な色を選べる。但し、ギアは少し重めになっている ので、荷物をたくさん積むのには向いていないかも しれない。 【SURLY】 LONG HAUL TRUCKER 【価格】\194,400 【重量】 【説明】サーリーの出すクロモリツーリング車。ホイー ルは 650C なのでスピードは出にくいが登りは楽。フ ロントギアが三枚あるのも嬉しい。ディスクブレーキ を搭載した兄弟車の Disc Trucker は2年タケノウチ が海外ツーリングで使う予定。変速にはバーコンを 採用。 ・シクロクロス、グラベルロード 【SURLY】 CROSS-CHECK 【価格】\178.200 【重量】 【乗っている上級生】浜島、中野 【説明】Long Haul Trucker と並んでこちらも定番。 ツーリングにシクロクロスに町乗りに、なんでもござれ の万能車。 ホイールサイズは 700C。完成車はシ クロクロス仕様なので、ギアがちょっと重い。こちらも バーコンを使用する。姉妹モデルにディスクブレー キ仕様の Straggler も。 【JAMIS】RENEGADE EXILE 【価格】\105,000+税 【重量】11kg 【説明】フレームとフォークが軽量アルミ製で、かな りカッチリとした乗り心地のグラベルロード。40C の 太いタイヤが装着できる一方、レーシーな走りも可 能。使われているパーツを考えると一つ上のグレー ドでも良いかもしれない。ダボ穴の耐久性にやや不 安があるか。 【KONA】ROVE AL 【価格】\106,000+税 【重量】 【乗っている上級生】吉田純 【説明】シックな雰囲気にまとめられたグラベルロー ド。泥除けも装着できる。フレーム自体は軽量アル ミを使用しているので後々パーツを替えることで長 く乗れる一台だろう。 【FUJI】FEATHER CX+ 【価格】\115,000+税 【重量】10.8kg 【説明】上記の CROSS-CHECK の廉価版とも言え るクロモリバイク。細身のフレームとしなやかな乗り 心地を合わせ持つ。軽いパーツを使えばシクロク ロスとしての運用も可能になる、万能な一台。 【GIANT】REVOLT 【価格】\110,000+税 【重量】11.5kg 【乗っている上級生】堀 【説明】GIANT の出すグラベルロード。予めフレ ームに泥除けが付いている。グレードが二つある ので、パーツなどを見て欲しい方を選べる。トッ プチューブが水平ではないのでシクロクロスとし ての運用は厳しいかもしれない。 【MASI】SPECIALE CX 【価格】\120,000+税 【乗っている上級生】佐宗 【説明】カンチブレーキを装備したバイク。フレームはス チールなのでシクロクロスとしては少し重いかもしれな い。こちらもグレードがたくさんあるので財布と相談して 決めると良いだろう。 【FOCUS】MARES AX 105 【価格】\180,000+税(推測) 【重量】9.9kg 【乗っている上級生】キムケイ 【説明】11 速の変速機を搭載したアルミフレー ム、カーボンフォークのシクロクロス。軽量でレー シーな仕様だがリアキャリアにもきちんと対応し ている。いかんせん価格が高いのでお金に余裕 がある人向けだが、そのままレースにも出られる スペックなので買って後悔はしないだろう。 ・おまけ(クロスバイク、女 性向けモデル) 【GIANT】 ESCAPE 【価格】55,000+税~ 【重量】11kg 前後 【乗っている上級生】浅井 【説明】GIANT のコスパの高いクロスバイク。女 性用モデルもある。フロントギアを 3 枚装備して いるので登りも楽である。最低限のツーリングであれば、この自転車があれば充分こなせる。後々パーツを交換して ロードバイク化するなど、無限の可能性を秘めた一台である。 【BIANCHI】ROMA 【価格】\74,000~125,000 【重量】10kg 前後 【説明】街で見かけたことがあるかもしれない、ビ アンキのクロスバイク。フラットバーなので普段乗 りとしても使える一台で、私服で乗っても違和感 が無い。色の展開も豊富で、女性向けの小さな サイズも用意されており、人気のモデル。 【GIANT LIV】INVITE 【価格】\100,000+税 【説明】GIANT の女性専門ブランド、LIV が女 性専用として設計したフレームを採用。 145cm からでも乗れるサイズを用意している。 ディスクブレーキの高い制動力のおかげで、 握力の小さい女性でも安心して坂を下ること ができる他、3枚のフロントギアで急な坂も楽 に登ることができる。 【LOUIS GARNEAU】LGS-HST 【価格】\120,000+税~ 【重量】11.5kg 【説明】こちらはレーシーな仕様のグラベルロード。 女性専用設計ではないが、豊富なカラーリング を持つ。150cm 程の身長から乗れるサイズも用 意されている。こちらもディスクブレーキが採用 され、安心して乗れるが、少々ギアが重めかもし れない。 ざっと挙げるとこんな感じです。今回は上級生からの意見や見解を取り入れ、新入生が買って後悔しないような自 転車をピックアップしました。が、あくまでも参考なので、ここに書いてある自転車以外は買ってはいけないとかそう いう決まりは一切ありません。実際に自転車屋さんに行って実物を見たり、話を聞いたりするのが良いと思います。 また、買う自転車の目途が立ったら、一度上級生に相談した上で決めるのが良いと思います。 ・非常に悪い例 【WILIER】 CENTO 1 SR 【価格】\?00,000+税 【重量】6.9kg 【乗っている上級生】竹下(副部長) 【説明】まずダボ穴が無い。ツーリングにおいて 6.9kg という重量は荷物を載せれば誤差である。何故こんな自転車 を買ってしまったのか。副部長は弱虫ペダルの葦木場君に憧れてこの自転車を購入したらしい。
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