厚生労働科学研究費補助金 がん臨床 研究事業 相談支援センターの

厚生労働科学研究費補助金
がん臨床 研究事業
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
平成 22 年度 総括・分担研究報告書
研究代表者 高山 智子
平成 23(2011)年 5 月
目
次
Ⅰ.統括研究報告
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における相談支援センターのあり方に関する
研究
高山
智子
-----------------------------
5
Ⅱ.分担研究報告
1.相談支援ツールの開発と評価
(1)相談支援ツールの開発と評価
石川
睦弓
----------------------------- 17
2.相談員の効果的な継続教育方法と相談対応の質の向上
(2)相談支援ツールの開発と評価および相談員の継続教育方法の検討
菊内
由貴
----------------------------- 31
(3)相談支援センターにおける相談の質の確保のためのツール作成に関する研究
八巻
知香子、高山
橋本
久美子
智子、関
由起子、小郷
祐子、神田
典子、清水
奈緒美、
----------------------------- 35
(4)相談支援センター相談員の異動状況の把握と研修の評価に関する研究
高山 智子、八巻 知香子、小郷 祐子
----------------------------- 47
3.院内外における相談支援センターの機能、役割と位置づけに関する検討
(5)相談支援センターの院内外を含めた機能と役割、位置づけに関する検討-国立がん
研究センター中央病院の相談支援センターの体制に関する検討-
加藤 雅志、樋口 由起子
----------------------------- 69
(6)相談支援センターの機能の強化・充実と地域における相談支援センターのあり方に
関する研究-相談支援業務に携わる人々の意見や情報からの分析-
唐渡
敦也
----------------------------- 75
(7)相談支援センターの院内外を含めた機能と役割、位置づけに関する検討-相談員に
求められる精神心理的ケアの検討-
小川
朝生
----------------------------- 77
1
(8)相談支援センターの院内外を含めた機能と役割、位置づけに関する検討-がん診療
連携拠点病院の特徴に基づくグループ化の検討と神奈川県立がんセンターにおける電話
相談の相談内容に関する分析-
岡本 直幸、片山 佳代子
----------------------------- 81
(9)相談支援センターにおける効果的な情報収集と発信に関する検討
八巻
知香子、高山
加藤
雅志、唐渡
智子、石川
敦也、片山
睦弓、大松
佳代子、田尾
重宏、岡本
直幸、小川
絵里子、小郷
朝生、
祐子、神田
典子
----------------------------- 89
(10)相談支援センターの現状と課題、そして目指すべき方向性に関する検討
高山
智子、朝倉
隆司、池山
晴人、石川
睦弓、大松
重宏、岡本
小川
朝生、加藤
雅志、唐渡
敦也、菊内
由貴、八巻
知香子、小郷
川田 美也子、舩田 千秋、若尾 文彦
直幸、
祐子、
----------------------------- 99
Ⅲ.研究成果の刊行に関する一覧表
-----------------------------188
2
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
班員一覧
(五十音順)
研究代表者
高山
智子
独立行政法人国立がん研究センター
がん対策情報センター
がん情報・統計部
室長
診療実態調査室
研究分担者
朝倉
隆司
東京学芸大学
医療社会学
池山
晴人
独立行政法人国立病院機構
地域医療連携室
保健医療行動科学
近畿中央胸部疾患センター
医療社会事業専門職
石川
睦弓
静岡県立静岡がんセンター
大松
重宏
城西国際大学
岡本
直幸
地方独立行政法人神奈川県立病院機構
臨床研究所
小川
朝生
患者・家族支援研究部
福祉総合学部福祉総合学科
雅志
唐渡
敦也
神奈川県立がんセンター
独立行政法人国立がん研究センター東病院
公益財団法人
部門長
臨床開発センター
室長
独立行政法人国立がん研究センター
がん情報・統計部
研究部長
准教授
がん予防情報研究部門生物統計学・疫学
精神腫瘍学開発部・精神腫瘍学
加藤
教授
がん対策情報センター
がん医療情報コンテンツ室
癌研究会有明病院
室長
医療支援センター・企画部
センター長
菊内
由貴
独立行政法人国立病院機構
四国がんセンター
がん相談支援・情報センター
副看護師長
須田 木綿子
東洋大学社会学部
高齢者福祉・非営利活動論
八巻 知香子
独立行政法人国立がん研究センター
教授
がん対策情報センター
がん情報・統計部
研究員
佐賀県立病院好生館
研究協力者
大石
美穂
地方独立行政法人
荻原
修代
北里大学北里研究所病院
小郷
祐子
独立行政法人国立がん研究センター
3
がん対策情報センター
がん対策企画課
片山 佳代子
地方独立行政法人神奈川県立病院機構
神奈川県立がんセンター
臨床研究所
川田 美也子
地方独立行政法人大阪府立病院機構
大阪府立成人病センター
事務局医事グループ
神田
典子
独立行政法人国立がん研究センター
がん対策情報センター
がん情報・統計部
清水 奈緒美
地方独立行政法人神奈川県立病院機構
神奈川県立がんセンター
医療相談支援室
関
由起子
田尾 絵里子
埼玉大学
教育学部
独立行政法人国立がん研究センター
がん対策情報センター
がん情報・統計部
高野
橘
和也
直子
田中
結美
日立製作所ひたちなか総合病院
総合病院山口赤十字病院
京都第一赤十字病院
橋本 久美子
聖路加国際病院
樋口 由起子
独立行政法人国立がん研究センター中央病院
福地
智巴
静岡県立静岡がんセンター
藤澤
陽子
千葉大学医学部附属病院
舩田
千秋
独立行政法人国立病院機構
四国がんセンター
がん相談支援・情報センター
若尾
文彦
独立行政法人国立がん研究センター
4
がん対策情報センター
Ⅰ.
総括研究報告
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
(研究代表者:高山 智子)
統括研究報告書
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
研究代表者 高山智子
国立がん研究センター がん対策情報センター
がん情報・統計部 診療実態調査室 室長
研究要旨
【背景と目的】相談支援センターの業務と役割については、
「がん対策基本法」に基づ
き策定された「がん対策基本計画」や「がん診療連携拠点病院に関する指針」の中で、
相談支援センターの質的および量的な充足や受入れ体制の強化の必要性、また、患者団
体等との連携などの活動促進の必要性が示され、相談支援センターの整備は急務の課題
となっている。本研究では、相談支援センターの機能の強化・充実と地域における相談
支援センターのあり方についてあげられる課題について、1.相談支援ツールの開発と
評価、2.相談員の効果的な継続教育方法と相談対応の質の向上、3.院内外における
相談支援センターの機能、役割と位置づけから検討したことを整理した。特に 2 年目に
あたる H22 年度は、相談支援センターが置かれている現状について描写することを第
一に検討を行った。
【方法】文献検討、質問紙調査、半構造化インタビュー調査、地域住民調査、既存調
査結果を用いた二次分析と事例調査等の方法により、平成 22 年度は、3つの課題それ
ぞれについて以下の 10 の検討を行った。1.相談支援ツールの開発と評価:(1) 相談
支援ツールの開発と評価、2.相談員の効果的な継続教育方法と相談対応の質の向上:
(2)相談支援ツールの開発と評価および相談員の継続教育方法の検討、(3) 相談支援セン
ターにおける相談の質の確保のためのツール作成に関する研究、(4) 相談支援センター
相談員の異動状況の把握と研修の評価に関する研究、3.院内外における相談支援セン
ターの機能、役割と位置づけに関する検討:(5) 国立がん研究センター中央病院の相談
支援センターの体制に関する検討、(6) 相談支援業務に携わる人々の意見や情報からの
分析、(7) 相談員に求められる精神心理的ケアの検討、(8) がん診療連携拠点病院の特
徴に基づくグループ化の検討と神奈川県立がんセンターにおける電話相談の相談内容
に関する分析、(9) 相談支援センターにおける効果的な情報収集と発信に関する検討、
5
(10) 相談支援センターの現状と課題、そして目指すべき方向性に関する検討、である。
【結果および考察】相談支援センターにおけるがん医療の情報提供と相談対応の均て
ん化のためには、施設内、地域内、国内、での役割や機能など、さまざまな視点からの
分析とそれに対する取り組みが必要になってくる。相談支援センターの現状を描写する
ことを主として行った今年度の検討により、相談支援センターの機能が十分に発揮され
ていない原因が浮かび上がり、今後検討する優先的課題として、I. 相談支援センター
に課せられる役割と機能を明確にすること、II. 拠点病院内の相談対応機能を充実させ、
各々の病院の特性を踏まえた段階的な発展および充実を図れるようにすること、III. 本
来の相談支援センターの設置目的に沿った評価を行えるよう、直接指標だけでなく、間
接指標により活動状況や達成状況を測定する指標を開発すること。また責任所在を明確
にして、拠点病院や相談支援センターが適切に評価されるようにすること、IV. 各関係
者が相談支援をより充実させるための役割を認識し、後方支援を行うこと、V. 患者団
体等との連携協力の体制、がん患者支援の体制を整備すること、が示された。
【結論】今後は、さらにこれらの課題を克服していくために、相談支援センターの整
備に関わるすべての関係者が、現状の課題を共有し、目指すべき方向性について議論し、
具体的な方策に結びつけていく必要があると考えられる。そうした場の構築に関する検
討も今後求められる。
【研究分担者】
朝倉
隆司
東京学芸大学
医療社会学
池山
晴人
独立行政法人国立病院機構
地域医療連携室
保健医療行動科学
近畿中央胸部疾患センター
医療社会事業専門職
石川
睦弓
静岡県立静岡がんセンター
大松
重宏
城西国際大学
岡本
直幸
地方独立行政法人神奈川県立病院機構
臨床研究所
小川
朝夫
患者・家族支援研究部
福祉総合学部福祉総合学科
雅志
研究部長
准教授
神奈川県立がんセンター
がん予防情報生物統計学・疫学部門長
独立行政法人国立がん研究センター東病院
精神腫瘍学開発部・精神腫瘍学
加藤
教授
室長
独立行政法人国立がん研究センター
がん情報統計部
がん対策情報センター
がん医療情報コンテンツ室
唐渡
敦也
財団法人
癌研究会有明病院
菊内
由貴
独立行政法人国立病院機構
室長
医療支援センター・企画部
センター長
四国がんセンター
がん相談支援・情報センター
副看護師長
須田
木綿子
東洋大学社会学部
八巻
知香子
独立行政法人国立がん研究センター
がん情報統計部
臨床開発センター
高齢者福祉・非営利活動論
研究員
6
教授
がん対策情報センター
【研究協力者】
大石
美穂
地方独立行政法人
佐賀県立病院好生館
荻原
修代
北里大学北里研究所病院
小郷
祐子
独立行政法人国立がん研究センター
片山
佳代子
地方独立行政法人神奈川県立病院機構
がん対策情報センター
神奈川県立がんセンター
臨床研究所
川田
美也子
地方独立行政法人大阪府立病院機構
大阪府立成人病センター
神田
典子
独立行政法人国立がん研究センター
がん対策情報センター
清水
奈緒美
地方独立行政法人神奈川県立病院機構
関
由起子
埼玉大学教育学部
田尾
絵里子
独立行政法人国立がん研究センター
高野
和也
日立製作所ひたちなか総合病院
田中
結美
京都第一赤十字病院
橘
直子
神奈川県立がんセンター
がん対策情報センター
総合病院山口赤十字病院
橋本
久美子
聖路加国際病院
樋口
由起子
独立行政法人国立がん研究センター中央病院
福地
智巴
静岡県立静岡がんセンター
藤崎
陽子
千葉大学医学部附属病院
舩田
千秋
独立行政法人国立病院機構
若尾
文彦
独立行政法人国立がん研究センター
四国がんセンター
がん対策情報センター
国においても例を見ないものであり、わが
A.研究目的
相談支援センターの業務と役割について
国における社会環境にあった検討を進め、
は、
「がん対策基本法」に基づき策定された
実践に応用させていく必要がある。国内の
「がん対策基本計画」や「がん診療連携拠
相談支援センターを効果的に運用するため
点病院に関する指針(平成 20 年 3 月改訂)」
の体制や情報提供方法等に関する全国的な
の中で、相談支援センターの質的および量
研究は、平成 18~20 年度のがん臨床研究事
的な充足や受入れ体制の強化の必要性、ま
業でようやくはじまったところである「相
た、患者団体等との連携などの活動促進の
談内容の分析等を踏まえた相談支援センタ
必要性が示され、相談支援センターの整備
ーのあり方に関する研究(雨宮班)」。相談
は急務の課題となっている。
支援センターが新しく創設された取り組み
地域の拠点病院の相談支援センターにお
であること、またそのため課題が山積して
いて、がん患者や家族のみならず、地域の
いることもあり、相談支援センター整備の
住民の相談に対応するという体制は、諸外
ための検討は十分ではない。本研究では、
7
これまでの成果を踏まえ、相談支援センタ
本研究で相談記録などのデータを扱う際
ーの機能の強化・充実と地域における相談
には、データ取り扱い施設あるいは国立が
支援センターのあり方を検討することを目
んセンター倫理審査委員会の承認を得て実
的とする。具体的には、5つの課題、1.
施するなど、取り扱いについては慎重に行
相談支援ツールの開発と評価、2.相談員
い、情報保護を徹底した。
の効果的な継続教育方法、3.患者団体等
との連携のあり方、4.相談支援センター
C.研究結果
の広報方法、5.院内外における相談支援
1.相談支援ツールの開発と評価
センターの機能、役割と位置づけに関する
(1)
相談支援ツールの開発と評価
検討を行う。5つの課題は、がん医療にお
相談支援センターにおける業務の効率化
ける情報提供と相談対応の均てん化のため
と質の維持をサポートするツールについて
には、必要不可欠かつ相互補完的な要素で
検討することを目的に、本年度は、昨年度
ある。したがって、課題それぞれについて
作成した相談時に利用する記録ツールの配
3年間を通じて進めていく。これら5つの
布と評価、情報集積や活用のための相談
課題に対して、実態を把握し、具体的な課
FAQ ツール作成を実施した。記録ツールの
題に対する方策を検討することを目的とし
評価に関しては、10 名の相談員にツールを
た。5つの課題は、互いに補完関係にある
試用後、アンケート調査を実施した。ツー
こともあり、
2 年目にあたる平成 22 年度は、
ルの有用性に関しては 9 名がプラス評価だ
1.相談支援ツールの開発と評価、2.
ったが、使いやすさに関しては、繰り返し
相談員の効果的な継続教育方法と相談対
入力の不便さ、分類法の煩雑さ等から 5 名
応の質の向上、3.院内外における相談
が少し使いにくい、使いにくいといったマ
支援センターの機能、役割と位置づけに
イナス評価であった。
相談 FAQ ツールは、市販のデータベース
関する検討について報告する。
本研究で得られた知見やノウハウを具体
ソフト FileMaker Pro11.0 Advanced(ファ
的に実践しやすい方法で提示することによ
イルメーカー社)を使ってデータベースを
って、相談支援センターの体制構築を効果
設計し、そのうえで、市販のデータベース
的に進め、がん医療における情報提供と相
ソフトウエアがなくても動くランタイムソ
談対応の均てん化に帰することが期待され
リューションとして、データベースファイ
る。また、がん以外の疾患領域の情報提供
ルをバインドし、ベータ版として、フリー
や相談対応に応用することも可能であり、
ソフトウェアとして希望者に配布できるよ
医療全体の相談業務の質の向上に寄与する
うに準備した。
ことができる。
2.相談員の効果的な継続教育方法と相談
対応の質の向上
B.研究方法
(2)
文献検討、質問紙調査、半構造化インタビ
相談支援ツールの開発と評価および相
談員の継続教育方法の検討
ュー調査、地域住民調査、既存調査結果を
地域の医療機能情報データベースの内容
用いた二次分析と事例調査等の方法により
拡充と地域における緩和ケア・相談支援に
検討を行った。
8
おける質向上のための取り組みに対する考
担当医と話しにくい環境がある場合におい
察を行った。すでに愛媛県によって作成さ
ても、受診している病院で治療が継続でき
れた医療機能データベース(えひめ医療情
るよう助言することがあげられた。また教
報ネット)に、緩和ケアに関する PEACE
育的配慮として、相談支援センターの方針
プログラムの受講者情報を追加することに
そのものをきちんと共有することの必要性
ついて愛媛県がん診療連携協議会にて協議
や経験の浅い相談員の気持ちをサポートす
を行い、ひとます愛媛県がん診療拠点病院
ることが共通に指摘された。
評価表を利用した相談の評価では、
「良い」
である四国がんセンターのホームページ上
に、地域別に名簿を整理し情報公開を行っ
相談であったかについての判断が分かれた
た。
ものの、その原因としてニーズのとらえ方
地域における相談員の研修のあり方を検
の違いがあげられた。また相談支援センタ
討するにあたり、相談員相談員の基礎研修
ーの業務改善に向けた評価表の活用につい
受講状況や現在の配属部署などの現況調査
ては、活用可能性とともに、施設に合わせ
を実施した。また調査の内容については、
たカスタマイズや評価時の評価する側、さ
相談員同士の連携を促進させるために、専
れる側への配慮の必要性が指摘された。
門分野など相談員としての特徴などについ
ても盛り込んだ。愛媛県がん診療連携協議
(4)
会の緩和ケア・相談支援分科会の下部組織
把握と研修の評価に関する研究
相談支援センター相談員の異動状況の
として相談支援グループを立ち上げ、今後
相談支援センターの質の確保をするため
地域において継続可能なプログラムの検討
に不可欠である、相談員の異動状況の把握
について協議を行う予定とした。その準備
と、全国の相談員を対象に行われている相
段階として、相談支援グループにおけるリ
談員基礎研修(3)の学習効果について明らか
ーダおよびサブリーダーを決定し、年度計
にすること、また、相談員の職場環境とし
画を可視化しメンバーで共有できるよう具
て、快適で自己研鑽がはかれる環境になっ
体的な文書として作成した。
ているかについて明らかにすることを目的
として、H21 年度末までの基礎研修(3)修了
(3)
者 638 名を対象に、調査を実施した。
相談支援センターにおける相談の質の
相談員の 2 年間の異動・離職割合は、
7.9%
確保のためのツール作成に関する研究
相談支援センターの質の確保のための教
であった。また研修の主要な内容について
育プログラムのあり方について検討するた
の意識の変化の持続状況は、8 割以上にみ
め、相談の質を評価する目的で作成された
られ、一定以上の効果が持続していること
評価表を用いて相談の質を評価し、その利
が示唆された。仕事の満足感については、
用可能性について議論するワークショップ
やりがい感は、9 割以上があると回答して
を行った。
いた一方で、周囲からの評価が感じられる
ワークショップ参加者によるディスカッ
割合が低いことが示された。また身体的な
ションで、共有された基本姿勢として、相
負担感も約 7 割からあるという回答が示さ
談支援センターとして対応方針を明確にす
れた。
ること、それを相談者にも伝えることや、
9
3.院内外における相談支援センターの機
設以外からの相談は2割強にすぎなかった。
能、役割と位置づけに関する検討
また相談支援業務の院内周知や重要性認識
(5)
相談支援センターの院内外を含めた機
の程度は各医療機関で様々であり、相談員
能と役割、位置づけに関する検討-国立が
のモチベーションや相談件数、責任所在の
ん研究センター中央病院の相談支援センタ
明確化などに大きな影響を与えていると考
ーの体制に関する検討-
えられた。
がん診療連携拠点病院に設置が義務付け
(7)
られている相談支援センターが担うべき機
相談支援センターの院内外を含めた
能を明らかにしていくことを目的に、相談
機能と役割、位置づけに関する検討-相談
支援業務に積極的に取り組んでいる国立が
員に求められる精神心理的ケアの検討-
ん研究センター中央病院の相談支援センタ
相談支援センターの役割の一つにがん患
ーの体制、業務内容及び業務ごとに従事す
者のこころのケアがあげられている。相談
る時間量を明らかにした。その結果、
「他の
員に求められる精神心理的ケアを明らかに
医療機関との連携を要する相談支援業務」
するために、現状に関するレビューをおこ
が業務内に占める割合が 56%であり、
「他の
なった。国立がん研究センター東病院患
医療機関との連携を要しない相談支援業
者・家族相談支援センターおよび院外施設
務」が 26%、
「患者・家族に対する集団支援
「がん患者・家族総合支援センター」の開
プログラム運営業務」が 3%、「地域連携業
設におこなわれたアンケート調査および相
務」が 3%、
「教育関連業務」が 2%であっ
談記録(1,510 名分)をもとに相談支援の
た。
現状を記述的に解析した。
相談支援センターで相談を希望する項目
(6)
相談支援センターの機能の強化・充実
を併せて調査した結果、不安、抑うつ等の
と地域における相談支援センターのあり方
精神症状に関する相談は 14.8%にみられて
に関する研究-相談支援業務に携わる人々
いた。相談内容では、精神的な問題に関す
の意見や情報からの分析-
る相談の占める割合は、院外窓口では 8.3%
相談支援業務に携わる人々の意見や情報
に対して、院内は看護師による相談では
の収集を行い、相談支援センターの院内外
5.6%、医療ソーシャルワーカーを含めた相
を含めた機能と役割、位置づけを検討した。
談では 1%であった。
「がん診療連携拠点病院の緩和ケア及び相
(8)
談支援センターに関する調査」結果におい
相談支援センターの院内外を含めた
て、相談者の相談支援に関する情報入手経
機能と役割、位置づけに関する検討-がん
路の半数以上が医療機関スタッフ経由であ
診療連携拠点病院の特徴に基づくグループ
り、相談支援業務の 4 割が専任・兼任の相
化の検討と神奈川県立がんセンターにおけ
談員による対応であった。相談支援の半数
る電話相談の相談内容に関する分析-
は 20 分以上の時間を要し、かつ複数回の相
地域がん診療連携拠点病院における相談
談であり、約 1/3 が後方連携に関する内容
支援センターのあり方に関する研究を行う
であった。相談施設に入院または通院中の
ために、①「がん診療連携拠点病院の緩和
患者に関する相談が8割弱であり、相談施
ケア及び相談支援センターに関する調査」
10
2008 年度版のデータを用いて、拠点病院の
源の情報収集については訪問や地域での会
特徴に基づくグループ化の検討と、②神奈
合のとりまとめなどの活動が行われていた。
川県立がんセンターにおける電話相談の相
相談支援センターの効果的な情報収集と発
談内容に関する分析の2つの研究を行った。
信になっている活動が示される一方で、情
相談支援センターのグループ化に関しては
報収集や発信に関わる運営上の難しさも示
アンケート調査の回答に従って因子分析を
された。
行い、抽出された因子得点に従ってクラス
ター分析を行い、地域がん診療連携拠点病
(10)
院は大きく8つに分類できることが分かっ
して目指すべき方向性に関する検討
相談支援センターの現状と課題、そ
た。また、がんの電話相談内容に関しては
研究班により収集したデータおよび現時
相談内容をグラウンデッドセオリーアプロ
点で活用可能な既存の資料およびデータを
ーチ法に従って分類を行い、がん相談内容
総合的に分析・検討することによって、相
を大きく7つに分類することができた。
談支援センターの体制、相談支援センター
のスタッフと人材育成、相談支援センター
(9)
やスタッフを支える体制、広報、そして患
相談支援センターにおける効果的な
者団体(等)との連携について、現状と当
情報収集と発信に関する検討
本研究では、相談支援センターへのアク
面の課題とその対応について総合的に検討
セスのための仕組みと情報資源の蓄積につ
した。検討の結果、当面の課題と対応とし
いて意識的な取り組みが行われているのか
て、5 つの領域 15 の当面の課題と対応があ
どうかについて、全国 18 施設のがん診療連
げられた。
携拠点病院を訪問面接調査から、充実した
1. 相談支援センターの体制の整備
1) 個々の相談支援センターに課せられる
取り組みが行われている事例の特徴を明ら
役割と機能を明確にする
かにすることを目的とした。
2) 各拠点病院内の相談対応機能を充実さ
院内スタッフの周知、院外医療機関の情
せ、段階的な発展をめざす
報収集と連携、医療情報の収集、院内患者
3) 活動状況を測定する指標を開発・検証
への周知、院外患者への広報のそれぞれの
し、活用できるようにする
観点から検討を行った。意識的な取り組み
4) 責任所在を明確にし、活動範囲に見合
として、院内の周知では施設内のカンファ
った適切な活動評価を行う
レンス等への積極的な参加が有用であるこ
と、連携業務等を兼務する場合には、兼務
5) 相談支援センターの活動評価に及ぼす
によって院内のネットワーク構築に役立つ
要因を考慮し総合的に評価する 2. 相
場合もある一方、相談業務そのものの業務
談支援センターのスタッフの充実およ
が縮小する危険性があること、院外の周知
び人材育成
については積極的な取り組みが行われてい
2.相談支援センターのスタッフの充実およ
る施設は限られているものの、自治体の広
び人材育成
1) 相談支援センターの運営に必要なスタ
報誌への掲載、チラシの配布を行っている
ッフの充実をはかる
場合に、院外患者や地域住民からの相談が
2) 全国の相談支援センターで一定水準以
行われていることが示された。また地域資
11
上の相談対応の充実をはかる 3. 相談
保する
2) 相談支援センターの質を保証する取り
支援センターの運営を支える環境の充
組みと体制づくりを行う 3. 相談支援
実
3. 相談支援センターの運営を支える環境
センターの運営を支える環境の充実
3. 相談支援センターの運営を支える環境
の充実
1) 物理的な環境を整備する
の充実
1) 最低限必要な環境整備に差が生じない
2) 人的な環境を整備する
3) 各関係者が相談支援をより充実させる
よう支援を行う
2) 環境整備のための財源の確保とそのた
ための役割を認識し、後方支援を行う
4. 相談支援センターの認知度の向上
めの議論の場を持つ
4. 相談支援センターの認知度の向上
1) “仕組み”の中に相談支援センターを
1) 地域の利用者の意識への働きかけと環
知る機会を位置づける
2) 拠点病院の広報活動のバックアップ体
境づくりを行う
2) 情報が届きにくい人々へ情報を届ける
制を充実させる
3) 広域的かつ継続的な広報活動と都道府
手段と体制の整備を行う
県や国のバックアップ体制を充実させ
5. 患者団体等との連携協力の体制/がん
る 5. 患者団体等との連携協力の体制
患者支援の体制の整備
1) 地域の“患者力”の底上げをする
/がん患者支援の体制の整備
5. 患者団体等との連携協力の体制/がん
2) バランスのとれたがん患者支援体制を
患者支援の体制の整備
構築する
1) 「患者団体」
「患者団体等」などの言葉
D.考察
の定義を明確にする
1.相談支援ツールの開発と評価
2) 段階的に連携協力体制を構築する
(1) 相談支援ツールの開発と評価
また、さらなる課題と目指す方向性につ
相談記録ツールは、これまで汎用性を持
いては、5 つの領域 11 のさらなる課題と目
たせるため、相談内容の分類方法は複数準
指す方向性があげられた。
備、入力項目は詳細項目を含めて準備し、
1. 相談支援センターの体制の整備
利用者が必要な項目を選択して使用する設
1) 施設内における業務の整理と役割分担、
そして連携体制を構築する
計としていた。しかし、ツールを利用する
とき、事前にマニュアルを熟読して使用す
2) 日本の中でがん相談のニーズを予測し
る人はなく、項目の選択利用という仕様は、
体制整備を進める
利用者を混乱させ、かえって使いにくくさ
3) 継続的に安定して情報を収集し、分析、
せていた。また、できるだけ自動入力化を
評価、発信できる仕組みをつくる 2.
図る必要があった。これらの評価をふまえ
相談支援センターのスタッフの充実お
ると、直感的に操作し利用出来るツール、
よび人材育成
項目数全体のブラッシュアップによるさら
2.相談支援センターのスタッフの充実およ
なる改良が必要であると考えられる。
相談 FAQ ツールについては、ランタイム
び人材育成
1) 全国/地域で情報交換できる機会を確
アプリケーションはスタンドアロンでのみ
12
相談支援センターの質向上に向けて、相
の動作のため、情報の共有化という点では、
定期的にエクスポート、インポートの作業
談内容を評価する評価表の利用は有効であ
を行なわなければならないという欠点を有
ると考えられた。その利用にあたってはま
している。しかし、電子データでデータベ
ず相談支援センター内の理念・方針の検討
ース化することで、検索、データ抽出や更
とその検討を反映した相談支援センター版
新作業が容易となり、効率よく迅速に情報
への修正を行うこと、そのうえで相談員へ
を確認・提供することが可能となる。さら
の支援方法を考慮しつつ活用していくこと
に、情報を集積して共有することは、一定
が必要であり、実施可能性も高いと考えら
レベルの相談対応の質の維持にも寄与し、
れる。各相談支援センターでの活用のため
相談員の実践向上に役立つと考える。
のプログラム策定にあたっては、好事例の
蓄積、共有、相談支援センター間のコンセ
2.相談員の効果的な継続教育方法と相談
ンサスづくりが可能となる議論の場の設定
対応の質の向上
が重要であると考えられた。
(2)
相談支援ツールの開発と評価および
(4)
相談員の継続教育方法の検討
相談支援センター相談員の異動状況
の把握と研修の評価に関する研究
地域において緩和ケアについて知識やス
キルを持った医療者の情報を把握できるシ
相談員の 2 年間の異動・離職割合は、約
ステムづくりの第一歩として、PEACE プ
8%と低程度に抑えられており、拠点病院の
ログラム受講者情報は重要であり、それが
指定要件が効果的に働いたと考えられた。
データベースに盛り込まれることは活用可
しかし病院特性や地域によっては、異動が
能性が高いと考える。将来的には、単に
起こりやすい背景があることは否めず、今
PEACE プログラムを受講したという情報
後も詳細な調査を行うとともに、対応方法
レベルではなく、具体的な緩和ケアにおけ
を検討していく必要があると考えられた。
基礎研修の学習効果持続状況については、
る診療機能の現状についての情報公開が必
一定以上の効果が持続していることが示唆
要であると考える。
がん対策情報センターが実施する相談員
された。今後は、主観的な指標のみならず、
基礎研修を受けた相談員を配置することは
客観的にも効果が測定できるようにしてい
拠点病院の相談支援体制の要件でもある。
くことが望まれる。また、仕事の満足感に
しかしながら、相談員の配置異動などがあ
ついては、身体的な負担感が高く、周囲か
り、県内の相談員の現況は変化する。相談
らの評価が感じられる割合が低いなど、相
員の継続教育という課題に取り組むために
談支援センターに従事する際の負の要因と
も常に相談員自身の学習のレディネスを把
なり得ることが示唆され、今後これらの原
握することは重要であり、また相談員同士
因を明らかにするととともに、自己研鑽を
が顔の見えるつながりをもつことで、地域
する際のさらなる負担の原因にならないよ
情報共有の充実にもつながると考えられる。
うに環境を整備していく必要があると考え
られた。
(3)
相談支援センターにおける相談の質
3.院内外における相談支援センターの機
の確保のためのツール作成に関する研究
13
(7)
能、役割と位置づけに関する検討
(5)
相談支援センターの院内外を含めた
機能と役割、位置づけに関する検討-相談
相談支援センターの院内外を含めた
員に求められる精神心理的ケアの検討-
機能と役割、位置づけに関する検討-国立
患者調査の結果から、患者家族が相談支
がん研究センター中央病院の相談支援セン
援センターでの相談に期待する内容として、
ターの体制に関する検討-
国立がん研究センター中央病院の相談支
精神症状に関する相談も身体症状や治療に
援センターの業務の実施状況が明らかにな
関する内容とほぼ同等の水準にあり、患者
った。このような相談支援センターの業務
家族の関心が高いことが示唆された。また
実態を明らかにしたことは、他のがん拠点
実際の相談記録からも、精神的問題が院内
病院がそれぞれの状況に応じた相談支援セ
外を問わず取り上げられている一方、院内
ンターの在り方を検討していく際に、参考
相談窓口では職種により、精神的問題の取
とする資料となるものと考える。
り上げる頻度に差が認められた。この差が
今後は、多様ながん拠点病院の相談支援
生じた原因として、①職種により受ける相
センターについて、その実態を明らかにし
談内容が異なる、②職種により問題の同定
ていくとともに、がん患者や家族の療養生
能力が異なる、の 2 点が可能性として考え
活の質の向上に資する相談支援センターの
られた。このことから対応方法について考
あり方について検討していくことが必要で
えると、複数の職種が同じ窓口に並ぶ場合、
ある。
相談内容により担当を振り分けることが可
能である。しかし、がん診療連携拠点病院
(6) 相談支援センターの機能の強化・充実
の現状を考えた場合、転院など後方連携業
と地域における相談支援センターのあり方
務の比重が大きく、相談支援に十分な人数
に関する研究-相談支援業務に携わる人々
を割くことは難しい。精神的問題に関して
の意見や情報の収集による検討-
も、すべての相談員が同様のアセスメント
技術を持つことが望ましく、職種を越えた
相談支援業務の改善や相談員のモチベー
教育プログラムが必要であると考えられる。
ション向上には、院内における相談支援業
務の周知徹底や重要性認識の推進が重要で
(8)
あることが示唆され、また後方連携業務も
相談支援センターの院内外を含めた
重要な課題であった。地域・医療機関毎に
機能と役割、位置づけに関する検討-がん
異なる相談支援業務の解釈を各地域の医療
診療連携拠点病院の特徴に基づくグループ
環境に則して共通認識化することが、
「相談
化の検討と神奈川県立がんセンターにおけ
支援センターの院内外を含めた機能と役割、
る電話相談の相談内容に関する分析-
地域がん診療連携拠点病院における相談
位置づけ」に重要であると考えられた。
「相談支援業務に関する共通認識」を作
支援センターは、全ての施設に設置されて
成し「相談支援センターの院内外を含めた
はいるが、今回の解析によって、その内容
機能と役割、位置づけ」を充実させる責務
や活動状況については大きく8つに分類さ
を各がん診療連携拠点病院管理者に課すべ
れることが示された。がん患者や家族、が
きであると考えられる。
んサバイバーの支援を十分に行うことが相
談支援センターの使命であろうことから、
14
今回の解析結果に基づいた的確な指導やあ
り、優先的な課題から統合し直すと以下の
り方の提示によって相談支援センターの機
ようになると考えられた。
能の充実を図ることが必要である。
I. 相談支援センターに課せられる役割と
機能を明確にする。
がんの電話相談に関しては、相談内容の
II. 拠点病院内の相談対応機能を充実させ、
分析から 6 つの構造が抽出された。この結
果に基づいて電話相談の対応を行うことは、
各々の病院の特性を踏まえた段階的な発
的確な相談を可能にし、適切な時間配分に
展および充実を図れるようにする。
も利用できると思われる。また、相談員の
III. 本来の相談支援センターの設置目的に
教育の場の資料としても活用できると期待
沿った評価を行えるよう、直接指標だけで
される。
なく、間接指標により活動状況や達成状況
これらの解析結果は、今後、相談支援セ
を測定する指標を開発する。また責任所在
ンターのあり方を検討する場合や電話相談
を明確にして、拠点病院や相談支援センタ
の手法や電話相談員の教育場面などに有効
ーが適切に評価されるようにする。
IV. 各関係者が相談支援をより充実させる
な資料を提供すると思われる。
ための役割を認識し、後方支援を行う。
(9)
V. 患者団体等との連携協力の体制、がん患
相談支援センターにおける効果的な
者支援の体制を整備する。
情報収集と発信に関する検討
医療情報資源については、がん情報サー
今後は、さらにこれらの課題を克服して
ビスの十分なメンテナンスとともに、相談
いくために、相談支援センターの整備に関
支援センターでのインターネット利用環境
わるすべての関係者が、現状の課題を共有
を整えることは必須の要件であると考えら
し、目指すべき方向性について議論し、具
れた。一方、地域資源については全国一元
体的な方策に結びつけていく必要があると
的な情報収集は難しく、各地域で医療機関
考えられる。
等との連携を築き、情報交換・情報収集と
E.結論
蓄積が行われる体制が必要となる。地域機
本研究では、昨年度までの成果を踏まえ、
関に呼びかけたネットワーク作りは多くの
労力を必要とするため人員不足を訴える施
相談支援センターの機能の強化・充実と地
設が多い現状では難しい点もあると考えら
域における相談支援センターのあり方を検
れるが、こうした業務についても相談支援
討することを目的として、本年度は、1.
センターの重要な役割であることが各病院
相談支援ツールの開発と評価、2.相談員
の管理者にも周知され、支援されることが
の効果的な継続教育方法と相談対応の質の
必要であると考えられた。
向上、3.院内外における相談支援センタ
ーの機能、役割と位置づけに関する検討を
(10)
行った。
相談支援センターの現状と課題、そ
相談支援センターの現状を描写すること
して目指すべき方向性に関する検討
既存の資料・データを総合的に分析/検
を主として行った今年度の検討により、相
討することにより明らかになった 5 つの領
談支援センターの機能が十分に発揮されて
域の各課題は、それぞれ互いに関連してお
いない原因が浮かび上がり、今後検討する
15
べき優先的課題が示された。
今後は、さらにこれらの課題を克服して
いくために、相談支援センターの整備に関
わるすべての関係者が、現状の課題を共有
し、目指すべき方向性について議論し、具
体的な方策に結びつけていく必要があると
考えられる。そうした場の構築に関する検
討も今後求められると考えられる。
F.健康危険情報
なし
G.研究発表
1.論文発表
なし
2.学会発表
なし
H.知的財産の出願・登録状況(予定を含
む)
なし
16
Ⅱ.
分担研究報告
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
(研究代表者:高山 智子)
分担研究報告書
相談支援ツールの開発と評価
研究分担者
石川
睦弓
静岡県立静岡がんセンター
患者・家族支援研究部
研究部長
研究要旨:がん診療連携拠点病院に設置された相談支援センターの業務内容は多岐にわ
たるが、まだ設置されて経過が浅く、システム、運用形態、記録等、試行錯誤しながら業
務を実施している施設も多い。
そこで、本研究では、相談支援センターにおける業務の効率化と質の維持をサポートす
るツールについて検討する。本年度は、昨年度作成した相談時に利用する記録ツールの配
布と評価、情報集積や活用のための相談 FAQ ツール作成を実施した。記録ツールの評価に
関しては、10 名の相談員にツールを試用後、アンケート調査を実施した。ツールの有用性
に関しては 9 名がプラス評価だったが、使いやすさに関しては、繰り返し入力の不便さ、
分類法の煩雑さ等から 5 名が少し使いにくい、使いにくいのマイナス評価であり、直感的
に操作し利用出来るツール、項目数全体のブラッシュアップ等によりさらなる改良を加え
ることにした。
相談 FAQ ツールは、市販のデータベースソフト FileMaker Pro11.0 Advanced(ファイ
ルメーカー社)を使ってデータベースを設計し、そのうえで、市販のデータベースソフト
ウエアがなくても動くランタイムソリューションとして、データベースファイルをバイン
ドし、ベータ版として、フリーソフトウェアとして希望者に配布できるように準備した。
者に共通したキーワードの一つに「情報」
A.研究目的
がある。
がん診療連携拠点病院に設置された相談
相談支援センターでは、毎日多くの情報
支援センターの業務内容は、多岐にわたり、
患者や家族(周囲の人々)、地域住民、地域
が入り、また出て行く環境にある。多岐に
医療機関関係者に対して、相談対応、情報
わたる業務を効率的にこなし、さらに、相
提供や調整を行っている。この業務を対象
談支援センターとしての質向上のためには、
別にみると、患者や家族、地域住民を対象
情報収集と集積、分析、情報の共有化が重
とした個別相談と情報提供、地域の医療機
要となる。
関・医療者を対象とした情報の収集と提供
静岡がんセンターでは、2002 年の開院時
の大きく2つにわかれる。そして、その両
から、よろず相談部門を設け、院内外を問
17
わず患者・家族、地域住民からのがんに関
ンとして、データベースファイルをバイン
連した相談に対応する総合相談窓口として
ドした。ベータ版は、フリーソフトウエア
活用しており、年間 12,000 件余りの相談に
として希望者に配布できるよう準備した。
対応している。これまでに、このよろず相
(倫理面への配慮)
談の業務内容と実績、情報の取り扱い等を
情報の共有化、情報集積のための実用的
整理し、マニュアル・資料集として拠点病
院を中心とした他医療機関に提供してきた。
情報ツールであるデータベース設計を行う
あわせて、電子データとして保存している
作業を実施しており、特に個人情報を含む
よろず相談記録の相談内容を整理し分析を
データは取り扱っていない。
試みた。本研究では、それらの実践結果に
相談記録ツール試用者へのアンケート調査
基づき、相談支援センターにおける業務の
は、試用してもらう相談員に、研究趣旨等
効率化と質の維持をサポートするツール
文書で説明し、アンケートの記入・回収に
(記録ツール、相談 FAQ ツール)の開発を
より同意とした。なお、調査用紙には個人
めざしている。
情報は含まれていない。
B.研究方法
C.結果
厚生労働科学研究費補助金
1.
がん臨床研
相談記録ツール配布状況とアンケー
究事業「相談内容の分析等を踏まえた相談
ト調査結果
支援センターのあり方に関する研究」に研
(1)
究分担として参加したなかで、平成 20 年度
段階を含めて、これまでに 33 医療機関の試
に情報の共有化、情報集積のための実用的
用希望者に配布し、意見や要望をふまえて
情報ツールとして、既存のデータベースソ
変更を行った。具体的には、コードの変更、
フト FileMaker Pro9.0 Advanced を用いて
対応方法の種類のフィールド調整、また年
「相談記録ツール」と「相談 FAQ ツール」
1 回実施されていた相談支援センターに関
の2つのデータベースの検討を行った。昨
する調査の相談記入シートで用いられてい
年度は、このうち「相談記録ツール」を実
た小項目分類の一部変更に従い項目の一部
用に向けてさらに検討・改良を加え、本年
変更、基本情報・相談内容・相談評価・相
度相談員に試用してもらい、ツールの操作
談内容_FC(Focus Carting)形式の 4 画面
性、内容、集計機能の必要性等アンケート
それぞれに印刷用画面を別途作成、バック
調査を実施した。
アップ用に基本情報・相談内容・相談評価
相談記録ツールは、一昨年までの検討
また、「相談 FAQ ツール」に関しても検
をまとめてバックアップできるボタンを配
討・改良を加え、相談記録ツールと同様、
置、さらに相談内容記録に関して、相談内
汎用性・効率性・費用の 3 面から検討し、
容の分析ツールとしても使用できるように、
市 販 の デ ー タ ベ ー ス ソ フ ト FileMaker
相談内容をニーズの背景、相談内容、対応
Pro11.0 Advanced(ファイルメーカー社)
内容を種類(語りの促進・傾聴、情報提供、
を使って、相談 FAQ ツールを設計した。そ
その他の対応:編集可能)ごとに記載でき
のうえで、市販のデータベースソフトウェ
るようにした 3 枠、相談者の反応にわけた
アがなくても動くランタイムソリューショ
相談内容記録形式を加え、利用者が 3 種類
18
の記録形式で使いやすい形式を選択して記
作成し、画面の切替で移動できるようにし
録できるようにした。
た。5つのデータベースは、自施設の情報、
(2)
10 名の相談員に相談記録ツールを試
自施設の医療費概算情報、医療・生活情報、
用してもらい、試用後アンケート調査を実
地域社会資源情報、他施設情報で構成され
施した。調査の結果、ツールの有用性に関
ている。
しては、9 名がプラス評価であるが、ツー
① 施設情報画面
ルの使いやすさに関しては、5 名が、少し
受診やセカンドオピニオンの手続き、診
使いにくい、使いにくいのマイナス評価で
療外来の種類、対応疾患、実施している治
あった。その理由として、担当者情報など
療、設備などのデータを入力する。デフォ
繰り返し入力する不便さ、相談支援センタ
ルトで、静岡がんセンターで Q&A 用に作
ーに関する調査で使用される小項目を用い
成していた内容の項目を情報収集・入力時
た分類法は日々の相談記録用としては項目
の参考として記載した。
数が多く煩雑、全体入力項目が多い、日付
② 施設の医療費概算情報画面
手術、薬物療法などの治療費用等の事例
や相談時間などの自動入力化希望などがみ
を集積、あるいは医事課に確認し、自施設
られた。
の医療費概算を入力できるように配置した。
2.
相談 FAQ ツールの作成
③ 療・生活情報画面
(1) 経緯
医療情報としては、がんの疾患・検査・
静岡がんセンターのよろず相談では、
治療・副作用の情報や対処などの情報を入
2002 年 9 月の開院時から年間 1 万件余りの
力できるように項目を配置した。生活情報
施設内外からのがんに関する相談に対応し
では、経済・就労などの社会・生活面やピ
てきた。そのなかで、情報の共有と迅速に
アサポートなど、直接医療にはかかわらな
情報提供できるように「よくある質問」等
い情報を入力する項目を配置した。
をワープロでまとめ「電話相談 Q&A マニ
2 階層の分類分けが可能となるように分類
ュアル」を作成、印刷して各相談員に配布
ラベルを準備し、ラベルは利用者が編集で
し必要時利用していた。また、他施設から
きるように設定した。情報の更新日や情報
の希望に対応するために、他施設でも使用
源の項目も配置した。
できるような項目を Excel でまとめたテン
④ 会資源情報画面
生活支援サービス(子どもの一時預かり、
プレートを作成し、希望者に配布していた。
しかし、情報の種類や数が多くなってくる
被介護者の一時預かり、家事サービス、配
と、紙媒体によるツールでは、ほしい情報
食サービスなど)を中心に情報を整理でき
を探すためにも時間がかかり不便であった。
るようにした。項目では、資源の種類、資
そこで、データベースの相談 FAQ ツール作
源名称、資源の HP アドレス、都道府県、
成にとりかかった。
市区町村名、連絡先と連絡先担当者名、資
源利用可能者、資源利用手続き、資源利用
(2)データベース構成
費用などが入力でき、さらにフリー入力で
「電話相談 Q&A マニュアル」で用いた
使えるようにコメント項目を用意した。
⑤ 施設情報画面
項目を基本として、5つのデータベースを
19
D.考察
医療機関・訪問看護ステーションなど、
(1)相談記録ツール
他施設の情報を入手時、入力することで情
報の集積が可能となるようにした。具体的
これまで汎用性を持たせるため、相談内
には、情報 Keyword、都道府県・市区町村
容の分類方法は複数準備、入力項目は詳細
名、施設名称、施設 HP アドレス、施設種
項目を含めて準備し、利用者が必要な項目
類、連絡担当者と連絡先、条件情報(セカ
を選択して使用する設計としていた。しか
ンドオピニオン外来、土曜夜間診療、先進
し、ツールを利用するとき、事前にマニュ
医療などチェックができるようにした)。ま
アルを熟読して使用する人はなく、項目の
た医療・生活情報画面と同様、情報源の項
選択利用という仕様は、利用者を混乱させ、
目も配置した。
かえって使いにくくさせていた。また、で
全体としては、情報入手状況が明確にな
きるだけ自動入力化を図る必要があった。
るように、作成者・更新者、作成月日・更
これらの評価をふまえると、直感的に操作
新月日を配置した。また、インターネット
し利用出来るツール、項目数全体のブラッ
で最新情報も確認できるように、URL 欄を
シュアップによるさらなる改良が必要であ
設け、ショートカットメニューから「開く」
ると考えられる。
を選択すると、web ブラウザが起動し、指
(2)相談 FAQ ツール
定した URL ページが表示されるようにし
た。地域の社会資源、他施設情報に関して
紙媒体を用いた FAQ は、情報量が増えて
は、公式な情報とは別に「ピア情報」とい
くると情報の検索に時間がかかり、さらに
う欄を設けた。
情報の修正や追加、印刷、再配布に手間が
かかる。一方、電子媒体を用いた FAQ は、
(3)情報共有
検索やデータの集積には便利であるが、オ
ランタイムアプリケーションは、ネット
リジナルのデータベース構築には、特定の
ワーク共有はできず、単体使用に限られる
知識や技術を要し、市販のデータベースソ
が、入力されたデータは、エクセルなどに
フトウエアを導入する場合は、初期費用が
エクスポートできる。部署単位に各自のラ
かかる。そこで、情報の集積を容易にし、
ンタイムとは別にランタイムの全体用デー
汎用性のあるデータベースとして、
タベースを1つ準備すれば、全体のデータ
FileMaker Pro でデータベース設計後、ラ
ベースとしての保管、再配布が可能となる。
ンタイムアプリケーションとしてバインド
し、フリーソフトウエアとしての配布を可
(4)効率性・汎用性
能にした。
入力作業の効率化の一つとしてプルダウ
ランタイムアプリケーションはスタンド
ン選択式の項目をできるだけ導入した。ま
アロンでのみの動作のため、情報の共有化
た、汎用性を持たせるために、プルダウン
という点では、定期的にエクスポート、イ
メニューは編集ができるようにし、施設独
ンポートの作業を行なわなければならない
自の分類項目名などを継続して使えるよう
という欠点を有している。しかし、電子デ
にした。
ータでデータベース化することで、検索、
データ抽出や更新作業が容易となり、効率
20
よく迅速に情報を確認・提供することが可
なし
能となる。さらに、情報を集積して共有す
G.研究発表
ることは、一定レベルの相談対応の質の維
1.論文発表
持にも寄与し、相談員の実践向上に役立つ
雑誌
と考える。
①石川睦弓.がん患者・家族の抱える不安
や悩み.外来看護 16(3):067-079.日総研.
2011.
E.結論
相談支援センターにおける業務の効率化
と質の維持をサポートする実用的なツール
2.学会発表
として、相談記録ツールと相談 FAQ ツール
①石川睦弓、北村有子. 相談FAQデータベ
を作成した。ツールの媒体としては、検索
ースの開発-業務の効率化を支援するツー
やソートも行え、修正更新も容易であるこ
ル-.第 25 回日本がん看護学会学術集会講
とからデータベースソフトを用いた電子媒
演集.Vol25.339.2011
体を利用することとした。さらに、コスト
面を考慮し、ランタイムソリューションと
H.知的財産権の出願・登録状況(予定を
して、作成したツールをバインドし、フリ
含む。)
ーソフトウエアとして希望者への配布を可
1.特許の取得
能にした。
なし
これらのツールを利用することで、相談
2.実用新案登録
業務における記録時間の短縮化、情報の収
なし
集・集積による情報提供の効率化、情報の
3.その他
共有化、検索の容易性、収集・蓄積された
なし
データの後利用等が可能になった。しかし、
相談記録ツールに関しては、使いやすさに
関して問題を残していた。今後相談 FAQ ツ
ールに関しても試用版の利用者の評価を得
て、改善・改良を加え、両ツールとも直感
的に操作でき、使いやすいソフトウエアを
めざし、検討をすすめたい。
F.健康危険情報
21
相談支援ツールの紹介
相談業務の効率化や情報共有に役立つ2つの支援ツールを作成しました。
相談記録ツール
相談記録データベース
● 相談基本情報
● 相談内容の記録
(2種類の記録様式)
● 調査票用集計票
● 相談集計
相談FAQツール
相談FAQデータベース
●
●
●
●
●
自院の情報
自院の医療費概算
医療・生活情報
社会資源情報
他施設情報
汎用性のある相談支援ツールを作成しています。(開発・試作段階)
ツール自体がソフトウエアとして動くので、
データベースソフトなしで、利用できます。
データをエクセルにをエクスポートすることも可能です。
ご興味をおもちの方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。
ツールへのご意見、評価もよろしくお願いいたします。
連絡先
石川 睦弓
静岡がんセンター 研究所
患者・家族支援研究部
[email protected]
※本ツールは、厚生労働省科学研究費補助金(がん臨床研究事業 「相談支援センターの機能の
強化・充実と地域における相談支援センターのあり方に関する研究」の分担研究)で
22
作成しています。
相談記録ツール
相談記録をデータベース化することで、情報を集積・共有でき、検索機能や簡単な集計なども
行うことができます。
相談基本情報入力画面
○ 相談受付日等の基本情報と相談者の属性や
背景となる情報の画面です。
○ 入力の手間を省くため、できるだけ
プルダウンメニューで選択できるように
しています。
○ プルダウンメニューで該当する項目を選択
すると、自動的に隣の枠にコード入力され
ます。
○ 受付時間と終了時間を入れると、自動的に
相談にかかった時間が表示されます。
2009年11月に一部改良
相談内容の記録画面
<改良点>
1.印刷画面のレイアウトを準備
文字サイズ10ポイントで、相談基本情報、
相談内容(分類と内容の2ページ)それぞれ
を印刷できるようにしました。
2.バックアップ
全データをエクスポートできるボタンを
[受付]画面につくりました。
2つの記録様式
○ 相談内容・対応内容の記録画面です。
○ 相談内容の分類は、下記の3つの中から選択できます。
(1) がん対策情報センターが提供する相談記入シートの分類
(当てはまる項目は「1」にチェック)
(2) 静岡分類(大分類)
(3) オリジナル分類(最初にプルダウン項目にオリジナルの分類ラベルを入力すれば、
次回から選択式での使用が可能です)
○ 相談内容・対応内容の記録様式は、2種類のうち、どちらかを使用します。
(1) プレーンな様式 : 相談内容と対応内容の枠だけで自由に記載できます。
(2) フォーカス・チャーティング様式23 :フォーカス・データ・アクション・レスポンス
に分かれています。あとで、質的に分析したり、評価するときなど便利です。
相談集計画面
一日、あるいは期間指定の集計を見ること
ができます。
調査票用集計票画面
厚生労働省の相談支援センターに関する
調査票の項目にそって、データを抽出する
ことが可能です。
エクセルにエクスポートすることができます。
※どのデータも必要なデータを選んで、エクセルにエクスポートすることが可能です。
相談FAQツール
「自院の情報」、「自院の医療費概算」、「医療・生活情報」、「社会資源」、「施設情報」の5つ
の情報データベースにわかれています。様々な情報を集積・共有でき、情報検索の効率化を図ること
が可能です。
自院の情報画面
受診やセカンドオピニオンの手続き、診療外
来の種類、対応疾患、設備などのデータを
入力します。
デフォルトで、静岡がんセンターでQ&A用
に作成している内容の項目だけ参考に入れて24
あります。
自院の医療費概算画面
手術などの治療費用の問い合わせもあるため、
事例を集積、あるいは医事課に確認し、
自院の医療費概算を入力します。
医療・生活情報画面
<医療情報>
がんの疾患・検査・治療・副作用の
情報や対処などの情報を入力します。
<生活情報>
経済・就労などの社会・生活面や心理
面など、直接医療には関わらない
情報などを入力します。
○ 分類分けしてあり、リスト表示で
探しやすくすると共に、情報の
検索がしやすくなっています。
○ 情報の更新日や情報源が入力
できます。
社会資源画面
地域の行政機関やNPO法人が
実施している
子育て支援、
家事サポート、
送迎・配食サービスなどを
入力します。
他施設情報画面
医療機関・訪問看護ステーションな
ど、他施設の情報を入手時、
入力することで情報の集積が
可能です。
25
相談FAQツールの紹介
相談業務の効率化や情報共有に役立つ相談FAQツールを作成しました。
●
●
●
●
●
相談FAQツール
相談FAQデータベース
自施設の情報
自施設の医療費概算
医療・生活情報
社会資源情報
他施設情報
汎用性のある相談支援ツールを作成しています。(開発・試作段階)
ツール自体がソフトウエアとして動くので、
データベースソフトウエアなしで、利用できます。
データをエクセルにエクスポートすることも可能です。
ご興味をおもちの方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。
開発途中ですので、アンケートへのご協力をお願いいたします。
連絡先
石川 睦弓
静岡がんセンター 研究所
患者・家族支援研究部
TEL: 055-989-5222 内線5421
[email protected]
※本ツールは、厚生労働省科学研究費補助金(がん臨床研究事業 「相談支援センターの機能の
強化・充実と地域における相談支援センターのあり方に関する研究」の分担研究)の研究費で
作成しています。
26
「自院の情報」、「自院の医療費概算」、「医療・生活情報」、「社会資源」、「施設情報」の5つ
の情報データベースにわかれています。様々な情報を集積・共有でき、情報検索の効率化を図ること
が可能です。
自施設の情報画面
受診、セカンドオピニオンの手続き、
診療外来の種類、
対応疾患、
設備などの自施設に関する情報を
入力します。
デフォルトで、静岡がんセンターで
Q&A用に作成している内容の
項目だけ参考に入れてあります。
自施設の医療費概算画面
医療費は、患者さん、ご家族とも
気になるところです。
事例をそのたびに入力、
あるいは医事課に確認し、
自施設の医療費概算を集積します。
27
医療・生活情報画面
<医療情報>
がんの疾患・検査・治療・副作用の
情報や対処などの情報を入力します。
<生活情報>
経済・就労などの社会・生活面や心
理面など、直接医療には関わらない
情報などを入力します。
○
で
○
分類分けしてあり、リスト表示
探しやすくすると共に、情報の
検索がしやすくなっています。
情報の更新日や情報源が入力
できます。
社会資源画面
地域の行政機関やNPO法人が
実施している
子育て支援、
家事サポート、
送迎・配食サービスなどを
入力します。
他施設情報画面
医療機関・訪問看護ステーショ
ンなど、他施設の情報を入手時、
入力することで情報の集積が
可能です。
28
ツールの特徴
情報入手状況が明確になるように、作成者・更新者、作成年月日・更新年月
日を配置しました。
インターネットで最新の情報が
確認できるように、ホームペー
ジ等がある場合、URL欄を設け、
ショートカットメニューから
「開く」を選択すると、webブ
ラウザが起動し、指定したURL
ページが表示されるようにしま
した。
地域の社会資源、他施設情報に関しては、担当者同士の生の情報やコメント
が入力できるように、「ピア情報」の項目を配置しました。
29
30
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
(研究代表者:高山 智子)
分担研究報告書
相談支援ツールの開発と評価および相談員の継続教育方法の検討
研究分担者
菊内
由貴
四国がんセンター
副看護師長
研究要旨:地域の医療機能情報データベースの内容拡充と地域における緩和ケア・相談
支援における質向上のための取り組みに対する考察を行った。
行った。データベースへの追加については、
A.研究目的
本研究では、相談支援ツールの開発と評
愛媛県の予算計上の段取りに時間を要する
価および相談員の継続教育方法について検
ことがあり、ひとます愛媛県がん診療拠点
討する。
病院である四国がんセンターのホームペー
ジ上に、地域別に名簿を整理し情報公開を
行った。
B.研究方法
22 年度は、以下 4 点について行った。
【方法2】地域における相談員の研修のあ
1.地域の医療機能情報データベースの内
り方を検討するにあたり、相談員相談員の
基礎研修受講状況や現在の配属部署などの
容拡充に向けた取り組み
2.相談員現況調査
現況調査を実施した。また調査の内容につ
3.愛媛県がん診療連携協議会における相
いては、相談員同士の連携を促進させるた
談支援グループ立ち上げと質向上にお
めに、専門分野など相談員としての特徴な
ける取り組み
どについても盛り込んだ。
4.愛媛県がん診療連携協議会における緩
【方法3】愛媛県がん診療連携協議会の緩
和ケアグループの立ち上げと質向上へ
和ケア・相談支援分科会の下部組織として
の取り組み
相談支援グループを立ち上げ、21年度に
相談員研修プログラム検討委員会および内
C.研究結果
容検討班において再構築された相談員基礎
【方法1】すでに愛媛県によって作成され
研修3のプログラム内容を踏まえ、今後地
た医療機能データベース(えひめ医療情報
域において継続可能なプログラムの検討に
ネット)に、緩和ケアに関する PEACE プ
ついて協議を行う予定とした。その準備段
ログラムの受講者情報を追加することにつ
階として、相談支援グループにおけるリー
いて愛媛県がん診療連携協議会にて協議を
ダおよびサブリーダーを決定し、年度計画
31
を可視化しメンバーで共有できるよう具体
もある。しかしながら、相談員の配置異動
的な文書として作成した。
などがあり、県内の相談員の現況は変化す
【方法4】愛媛県がん診療連携協議会の緩
る。相談員の継続教育という課題に取り組
和ケア・相談支援分科会の下部組織として
むためにも常に相談員自身の学習のレディ
緩和ケアグループを立ち上げ、がん診療連
ネスを把握することは重要であり、また相
携拠点病院の緩和ケア担当者を中心としな
談員同士が顔の見えるつながりをもつこと
がら、地域の緩和ケア病棟を有する病院の
で、地域情報共有の充実にもつながると考
現場担当者を含めた事例検討会などの立ち
えられる。
上げについて協議した。緩和ケアグループ
【考察3】これまで愛媛県がん診療連携協
についても、リーダーおよびサブリーダー
議会の中では、緩和ケア・相談支援をひと
を決定し、年度計画を文書化した。また、
つのまとまりとした分科会としていた。こ
相談支援と緩和ケアという概念は常に表裏
れは相談支援においては緩和ケアの知識や
一体として理解されるべきとの考えから、
スキルが必要不可欠であることや、緩和ケ
計画策定については2つのグループのリー
アを受けている人々には相談支援が必要不
ダーおよびサブリーダーの 4 名の協働で行
可欠であるため一体化して捉える必要があ
った。
ると考えたためである。しかしながら人員
配置の現状や声からは、緩和ケアと相談支
D.考察
援のどちらかにしか自分が関与しないと感
【考察1】地域の医療機能情報が検索機能
じている者もいることや、現場としては相
のあるデータベースに整理されることは、
談支援、緩和ケアについて個別に検討した
相談支援センターが地域住民の相談に活用
い案件があるということを踏まえる必要が
するにあたって非常に有効である。また、
あった。その結果、緩和ケアと相談支援は
がん対策基本計画にあるようながん患者・
切り離せないという概念から安易に分科会
家族の療養生活の質向上にはがんになった
組織を分離させず下部組織としてのグルー
時点から緩和ケアの視点をもつことが重要
プを立ち上げることを方針とした。そこで
となる。その上で、地域において緩和ケア
相談支援グループについては、全国で行わ
について知識やスキルを持った医療者の情
れている基礎研修3以降の地域における継
報を把握できるシステムづくりの第一歩と
続教育のあり方について、まずは事例検討
して、PEACE プログラム受講者情報は重
をしながら検討していくこととなる。
要であり、それがデータベースに盛り込ま
【考察4】緩和ケアグループについては、
れることは活用可能性が高いと考える。将
まず拠点病院における緩和ケアの知識およ
来的には、単に PEACE プログラムを受講
びスキルの向上を目的に、各施設が持ちま
したという情報レベルではなく、具体的な
わりでの事例検討会を実施する。この検討
緩和ケアにおける診療機能の現状について
会の前提としては、担当した医療者擁護に
の情報公開が必要であると考える。
とどまることなく、忌憚ない意見でのディ
【考察2】がん対策情報センターが実施す
スカションによって質を高めることである
る相談員基礎研修を受けた相談員を配置す
ことを明確化する必要がある。なぜなら、
ることは拠点病院の相談支援体制の要件で
現状として同じ施設内ではポジションパワ
32
ー等が影響し、なかなか率直に意見できな
F.健康危険情報
かったり、意見が通らなかったりというこ
なし
とが起こるが、外部からの意見は受け入れ
やすかったりということが予測されるため、
G.研究発表
地域全体での緩和ケア質向上のためには、
1.論文発表
多施設共同の勉強会が有効であると考える。
1)菊内由貴
【病棟で退院支援を行える
人材はこう育てる!】 退院調整連携パスの
【昨年度までの研究成果】
活用と退院支援定着への取り組み(解説/特
1.地域の医療福祉資源情報のデータベー
集)地域連携入退院支援
ス構築:愛媛県医療機能情報データベース
Page29-35
3 巻 2 号
2010
(えひめ医療情報ネット)、愛媛県看護協会
のデータベース、愛媛県指定情報公開セン
H.知的財産権の出願・登録状況
ターデータベース(ケアマネジャー情報)
(予定を含む。)
2.四国がんセンターにおける 19 年度 20
1.
特許取得
年度の相談対応入力データの分析の結果、
2.
実用新案登録
同施設における相談内容はある一定の分布
3.
その他
傾向を示した。
3.相談員基礎研修3の再検討し新たなプ
ログラムが作成された。
E.結論
22 年度において、1.地域の医療機能情
報データベースの内容拡充に向けた取り組
み、2.相談員現況調査、3.愛媛県がん
診療連携協議会における相談支援グループ
立ち上げと質向上における取り組み、4.
愛媛県がん診療連携協議会における緩和ケ
アグループの立ち上げと質向上への取り組
み、以上 4 点について検討した。
昨年度までは、データベース構築や全国
レベルの教育内容の検討であったが、今年
度の取り組みは地域レベルでのしくみづく
りであった。この地域での取り組みが稼働
してこそ、地域でのがん医療の質向上へ寄
与することができるものになるであろうと
期待される。
33
なし
なし
特になし
34
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
(研究代表者:高山 智子)
分担研究報告書
相談支援センターにおける相談の質の確保のためのツール作成に関する研究
研究分担者
八巻 知香子
国立がん研究センター がん対策情報センター 研究員
高山 智子
国立がん研究センター がん対策情報センター 室長
研究協力者
関 由起子
埼玉大学
教育学部
准教授
小郷 祐子
国立がん研究センター がん対策情報センター 社会事業専門員
神田 典子
国立がん研究センター がん対策情報センター
清水 奈緒美
神奈川県立がんセンター
橋本 久美子
聖路加国際病院
医療相談支援室
室長
医療連携相談室
研究要旨:相談支援センターの質の確保・向上が求められている。本研究では相談支援
センターの質の確保のための教育プログラムのあり方について検討するため、相談の質を
評価する目的で作成された評価表を用いて相談の質を評価し、その利用可能性について議
論するワークショップを行った。
相談支援センターの質向上に向けて、相談内容を評価する評価表の利用は有効であると
考えられた。その利用にあたってはまず相談支援センター内の理念・方針の検討とその検
討を反映した相談支援センター版への修正を行うこと、そのうえで相談員への支援方法を
考慮しつつ活用していくことが可能であると考えられる。各相談支援センターでの活用の
ためのプログラム策定にあたっては、好事例の蓄積、共有、相談支援センター間のコンセ
ンサスづくりが可能となる議論の場の設定が重要であると考えられた。
ていくためには、相談の質を担保するため
A.研究目的
の運営方針、相談の質を測定し、フィード
国際がん情報サービスグループ
( International
Cancer
Information
バックできるツールとその運営方法が確立
Service Group: ICISG)は、品質を評価し、
され、共有されることが必要であると考え
品質を保証することの必要性を運営ガイド
られる。しかし、そのためには実際に相談
ラインの中で示している。わが国でも、全
支援センターを運営する人々の中で運営方
国どこでも質の高いがんの相談支援を行っ
針について共通理解を形成することから始
35
員がニーズを十分に捉えることができず、
める必要がある。
本研究に先行し、第 3 次対がん総合戦略
対応に困ったため一度電話を保留にした上
研究事業「患者・家族・国民の視点に立っ
で相談主任に対応を相談するという事例を
た適切ながん情報提供サービスのあり方に
用いた。相談支援センターの現場責任者と
関する研究(研究代表者:高山智子)」にお
して新人相談員にどのように指示をするか、
いて、NPO 法人が運営するがんの電話相談
どう教育していくのかについて相談支援セ
の質を評価するための評価表作成が行われ
ンターとしての方針についてグループディ
ている。作成された評価表は、
「方針の遵守」
スカッションを行った。
について 8 項目、
「相談員の相談技術」につ
(2)の評価表利用の体験にあたっては、
いて 13 項目、「相談者の反応」について 9
かなり混乱した状況にある患者本人からの
項目、
「相談の全体的な印象」について 1 項
電話で、経験を積んだ相談員が対応した事
目が設けられ、一定以上の信頼性、妥当性
例を用いた。参加者が各々評価表を用いて
が得られている。
実際に評価を行った後、グループごとに評
本研究ではこの評価表を用いて、相談支
価の全体的な傾向が一致しているか、評価
援センターの相談員との協働作業を行い、
が高く/低くなった理由は何か、各項目ご
そのプロセスを通じてがん専門相談員によ
とに評価が分かれるとすればそれはどのよ
る相談の質の確保に向けたツールづくりを
うな点なのかについてディスカッションを
行い、その利用可能性を検討することを目
行った。
模擬事例については、NPO がん臨床研究
的とする。
支援ユニットが運営する「がん電話情報セ
ンター」で実際に行われた相談事例につい
B.研究方法
がん診療連携拠点病院の相談支援センタ
て、個人情報を消去し、本筋に関わらない
ーの現場で指導的な立場にある人を対象と
部分の会話を編集するなどの作業を行った
して、ワークショップを実施した。全国か
相談内容をシナリオとして、第三者が演じ
ら応募があり、37 名が参加した(募集の呼
た会話を録音したものを用いた。
(3)の評価表の利用可能性についての
びかけについては添付資料1を参照)。
ワークショップは、主催者側から ICISG
評価については、相談支援センターでの今
の品質管理の基本的考え方についての紹介
後の活用の仕方も含めてグループディスカ
のあと、
(1)模擬事例を使った相談支援セ
ッションを行った。
ンターとしての対応方針についてのディス
(倫理的配慮)
カッションを行った。その後、がん相談の
質を評価するための評価表の紹介をした上
がん電話情報センターでの相談は、自動
で、
(2)模擬事例について評価表を用いた
音声で相談内容が録音されること、個人情
評価の体験、最後に(3)評価表の利用可
報は消去した上で録音内容が研究に用いら
能性のディスカッションを行うという形で
れることが相談者に通知されている。また、
構成した。
研究上の利用については、2009 年度に国立
がんセンター(当時)に設置された倫理委
(1)の対応方針についてのディスカッ
員会にて承認されている。
ションにあたっては、対応した新人の相談
36
C.研究結果
を作成することの必要性、作成後の運用マ
1.ワークショップ参加者によるディスカ
ニュアルの整備が必要だという指摘があっ
ッション
た。また、実際に評価表を用いるにあたっ
(1)相談支援センターとしての対応方針
ては、評価する目的の共有、評価される側
保留直後の対応については、責任者が電
への影響についての配慮の必要性が指摘さ
話をかわる、本人が対応を続けるという両
れた。
方の選択肢が挙げられたが、相談支援セン
(表3)
ターとして対応方針を明確にすること、そ
(4)参加者による感想(アンケート結果)
れを相談者にも伝えることが必要であると
参加者の背景およびワークショップに関
いう基本姿勢は共通していた。また、相談
する評価を図1~図5に示した。参加者はが
者が訴えている状況から、担当医と話しに
ん診療連携拠点病院の相談員で基礎研修3
くい環境があることを推察しながらも、受
をすでに受講した人が大半であった。
「相談
診している病院で治療が継続できるよう助
支援センターの方針を考えることの重要性
言することが基本的に必要な姿勢として指
を感じた」
「スタッフの教育方法について考
摘された。
えるきっかけになった」
「相談支援センター
教育的配慮については、相談支援センタ
内で方針について議論していこうと思う」
ーの方針そのものをきちんと共有すること
について、大半が「とてもそう思う」と答
の必要性と、経験の浅い相談員の気持ちを
えた。
サポートすることが共通して指摘された。
D.考察
(表1)
本研究で用いた評価表は NPO 法人が運
(2)評価表を利用した相談の評価
総合的に「良い」相談であったのかどうか
営する電話相談の質を評価するためのもの
については、判断が分かれ、その原因はニ
であり、評価表での得点そのものについて
ーズが何であると捉えたのかによる、とい
は一致しない点もあったが、これを用いて
う意見が出された。このケースについて相
相談内容を振り返るという活用可能性につ
談者のニーズが不安であると捉えた場合に
いてはワークショップの参加者から、相談
は、相談員の対応を支持し高評価となった
支援センターでも利用可能であるという評
が、転院だと捉えた場合には相談員がその
価が得られた。また、評価表を適切に用い
意向を掴んでいないとして低評価となった。
るためには、それ以前の課題として相談支
(表2)
援センターが何をすべきか、どのような方
(3)相談支援センターの業務改善に向け
針をもって対応にあたるべきかについて施
た評価表の活用可能性
設内で議論をする必要があるという意見が
評価を行うにあたっては、相談支援セン
多かった。このことから、施設内での理念・
ターの役割、方針、業務の範囲を明確にし
方針の検討を含め、本研究で用いた評価表
なければならないことが参加者に意識され
を相談支援センター向けに修正する取り組
たとの意見が多かった。実際に評価表を用
みそのものが相談支援センターの質を高め
いることについては、利用可能だという意
る取り組みとなりうると考えられた。
実際の活用場面については、評価のフィ
見が大半を占めたが、相談支援センター版
37
ードバックを受けるスタッフへの配慮につ
2.学会発表
いて検討が必要である、プラスの効果を上
1.
八巻知香子, 高山智子, 神田典子, 熊谷
げるためには相談支援センター内の雰囲気
たまき, 清水奈緒美, 植田潤, 小曲一
が重要であるという意見があった。これに
之, 佐々木佐久子, 中川圭, 根岸利光,
ついては、共通して必要とされる配慮につ
ハーシー久美, 本田麻由美, 山下芙美
いて検討すると同時に、好事例を蓄積し、
子, 清水千佳子, 的場元弘. 再発患者
共有していくことが重要であると考えられ
向け情報提供コンテンツの開発. 第 48
た。
回日本癌治療学会学術集会. 2010 年 10
月 28 日-30 日.京都.
また、相談支援センターは地域住民に対
2.
する相談に応じるなど、従来の病院機能だ
関由起子, 高山智子, 渡邉眞理, 清水奈
けではない新しい役割が期待されている。
緒美, 八巻知香子, 河村洋子. 大学電話
全国の相談支援センター間でのコンセンサ
によるがん情報提供・相談支援の質評
スづくりが必要であるとの議論もなされて
価ツールの検討
おり、相談支援センター間の情報共有、コ
治療学会学術集会. 2010 年 10 月 28 日
ンセンサスづくりの可能な議論の場を準備
-30 日.京都.
3.
していくことも重要であると考えられた。
高山智子,
関
第 48 回日本癌
由起子,
八巻知香子,
瀬戸山陽子, 八重ゆかり. がん相談者
E.結論
の質問・疑問からの情報づくり~診療
相談支援センターの質向上に向けて、相
ガイドラインの情報との比較から. 第
談内容を評価する評価表の利用は有効であ
48 回日本癌治療学会学術集会. 2010 年
ると考えられた。その利用にあたってはま
10 月 28 日-30 日.京都
4.
ず相談支援センター内の理念・方針の検討
高山智子, 八巻知香子, 熊谷たまき. 患
とその検討を反映した相談支援センター版
者・市民と協働して作成する情報づく
への修正を行うこと、そのうえで相談員へ
りのあり方の検討. 第 69 回日本公衆衛
の支援方法を考慮しつつ活用していくこと
生学会総会. 2010/10/27-29. 東京.
5.
Kiyotaka
Watanabe,
ンターでの活用のためのプログラム策定に
Yamaki,
Tomoko
あたっては、好事例の蓄積、共有、相談支
Seiichiro
Yamamoto,
援センター間のコンセンサスづくりが可能
Wakao.
となる議論の場の設定が重要であると考え
comprehensive cancer information
られた。
booklet for newly diagnosed patients
が可能であると考えられる。各相談支援セ
National
Chikako
Takayama,
Fumihiko
distribution
of
to support decision-making on cancer
F.健康危険情報
care UICC
2010
なし
congress.
18-21
world
August
Shenzhen, China
G.研究発表
1.論文発表
H.知的財産権の出願・登録状況
なし
なし
38
cancer
2010
表1:対応方針についてのディスカッション結果
グループ
A
ディスカッション内容
<保留解除後、相談者に対してとるべき対応>
・保留にした後は、連絡先をきき、問題点を整理してかけ直す
・相談者の不安,聴きたいこと,別の相談窓口にかけてきたかを明確化する
ことが必要
・医師とのコミュニケーションを支援する
・医師に聴くときの具体的な方法を示す
<教育的配慮、長期的課題>
・相談員が話しすぎて,相談者自身も相談の中身が見えなくなってきている
・相談員が相談者の言葉を整理して復唱するなどのスキルが必要
B
<保留解除後、相談者に対してとるべき対応>
・相談員が不安を受け止められなかったケースである
・責任者が電話をかわる
・自院の相談室につなげ、相談を促す
・症状判断ができないことを伝える
<教育的配慮、長期的課題>
・対応した相談員がどう受け止めたかを確認する
・責任者の対応を見てどう感じたかを確認する
・相談員の役割、相談支援センターの対応方法、限界を確認しあう
C
<保留解除後、相談者に対してとるべき対応>
・エビデンスに基づいた情報を提供する必要があり、職種にかかわらず一定
の質が保てることが重要
・なぜこの電話に相談してきたのかを考えることが必要
・直後の対応としては、短時間で先輩に電話内容を伝達できない可能性もあ
り、一度電話を切り、折り返すことが適切ではないか
・入院が長期化している患者を抱えている相談者にねぎらいの言葉をかける
ことは重要
<教育的配慮、長期的課題>
・一生懸命応えようとしている相談員の気持ちをサポートする
・一度電話を切るときの対応方法を助言する
・相談者がどこまで情報収集をする必要があるのかについては検討が必要
D
<保留解除後、相談者に対してとるべき対応>
・相談者の職種によって対応に差が出る懸念があること、相談支援の姿勢が
不明確になっていることが問題
・次の病院を探すことについては後日返答するのがよいだろう
39
D 続き
・背景にある不安を明確化できるかが重要であり、他院の相談窓口にかけて
きたことから担当医に話しにくい状況があると推察される
・相談支援センターの役割を明確に伝える必要がある
<教育的配慮、長期的課題>
・新人教育としては、状況を説明してもらい、一緒に考える施設が重要だろ
う
E
<保留解除後、相談者に対してとるべき対応>については前出のグループ報
告に同じ
<教育的配慮、長期的課題>
・相談員の役割を職種によらず明確に理解しておくことが必要
・相談員同士で振り返る機会をもつことが重要
F
<保留解除後、相談者に対してとるべき対応>
・保留の後,肝膿瘍は治癒に長くかかることもあること、個別性があること
を伝える
・患者とその家族が、現在かかっている病院でスムーズに治療を継続できる
よう支援する
・拠点病院を受診している様子なので、その病院に相談支援センターがある
こと、病棟看護師などに質問してもいいことを伝える
・なぜ医師と話しにくいのか、医師と話すシミュレーションなども含め具体
的に話すための方法を伝える
・相談者の気持ちの受け止めることが重要
40
表2:評価表を利用した相談の評価についてのディスカッション
グループ
A
ディスカッション内容
・総合的にみると相談対応は良かった
・主訴は他院の情報がほしいというものだが、ニーズは不安や理解不足だっ
たと思う。これをどう捉えたかで評価が分かれるのではないか
・ニーズは不安であると捉えたため、気落ちを引き出していることに高評価
をした
・70 代の相談者に対しての言葉遣いがやや不適切ではないか
B
・全体としてはあまり良くない相談(総合評価は2)
・同じ質問が繰り返されている、深刻な表明にも表面的な受け答えをしてい
る、相談員の誘導があるというところで低評価になった
・相談者の思いが要約、整理されているところはよかった
・主治医との関係を妨げている可能性あると判断し、方針に関わる項目の(1)
~(5)が 0 と評価した
C
・総合評価は2(主任と共に不十分な箇所を学習する必要がある)
・要約、言い換えが少ない、クローズドな質問が多い
・担当医との話し合いの必要性について触れられずに、最終的に「様子を見
ます」と本人に言わせている
・言葉遣いの不自然さがある
・相談者は主治医の方針に納得していないが、それを修正し切れていない
D
・全体に見ると、どちらかというと良い相談
・共感できていた
・具体的な行動目標が引き出せていればもっとよかったと思う
・メンタル面のアセスメントについてどこまで踏み込むかは検討が必要
E
・相談者のニーズをどう捉えたかにより、総合的な評価は分かれた
・ニーズを転院だと捉えた人は、あまりよくない相談と評価、検査結果に動
揺した不安だと捉えた人はよい相談だと評価した
・相談の進行に沿って、整理の度合いが高まればなおよい相談になると思わ
れた
F
・減点の少ない面接だった
・メンタル面のアセスメントを掘り下げる必要があったのではないか
・骨髄検査に関する不安にあまり触れていない
・終わり方が唐突な印象があった
41
表3:評価表は相談支援センターの業務に役立つかどうかについてのディスカッション
グループ
A
ディスカッション内容
・方針、理念を確認したい
・全事例でなくても、評価表を参考にしながら良かった、悪かった、その根
拠について検討する機会をもちたい
・県内での共通認識をつくっていくためのツールとしても使いたい
B
・評価表は評価ツールとして使える
C
・職場で実際に評価をした際、評価に対してどう対応するのかに注力してし
まった例があったので、評価表はどのように使うのか、使い方が大事だと思
う
・何のために評価するのかについて、評価する側、される側が共有していな
ければならないと思う
・失敗しても大丈夫、という環境が必要だと思うが、病院全体の体制とも関
係するので難しい
D
・今まで自分を評価する機会がなかったので、自分の相談を見直してみたい
・一人職場の場合には誰に評価してもらうのか考える必要がある
・点数をつけること自体が目的ではなく、なぜ減点するのか、その根拠を意
識することが重要だと思った
E
・部署の中で理念、方針を確認したい
・評価表を自分たちにあったものにして、使っていくのも大事だと思う
F
(質問)この評価表を国として導入していく方向にあるのか
→(主催者)考え方を共有するコンセンサスづくりが必要な段階だと考えて
いる
・評価が分かれた部分もあったので、マニュアルがほしい
→(主催者)今後、この評価表を参考に相談支援センターバージョンをつく
っていきたいと思う
42
参加者による感想(アンケート結果)
5
6
まだ受講して
いない
拠点病院以外
がん診療拠点
病院
基礎研修(3)
を既に受講し
た
31
32
図1:参加者の勤務先
図2:参加者の基礎研修(3)受講状況
相談支援センターの方針を考えることの
重要性を感じた
3 0
34
スタッフの教育方法について考えるきっか
けになった
相談の評価表を利用してみようと思う
8
29
0%
20%
とてもそう思う
2
12
23
相談支援センター内で方針について議論
していこうと思う
0
9
28
40%
60%
80%
まあそう思う
0
100%
あまり思わない
図3:参加者の感想
1
10
10
参加する
強く勧める
まあ勧める
26
27
未記入
参加しない(記
載なし)
図5:評価表を利用した研究への参加意向
図4:今後同様の研修の受講を勧めるか
43
「相談支援センターの質向上に関するワークショップ」
参考資料1:
【開催主旨】
相談支援センターで提供する情報やサービスの質を保ち、向上させるにはどのような取り組み
が必要でしょうか。
がん対策推進基本法(H19 年)の施行以降 3 年が経過し、がん診療連携拠点病院や相談支援セン
ターの体制整備が徐々に進められてきました。まだまだ体制整備が十分に進められていないとこ
ろがある一方で、がん患者やご家族の方々からは、相談支援センターが安心して利用でき、より
よい相談対応が提供されるようにとの多くの期待が寄せられています。
相談支援センターの相談対応の質の向上をめざすには、どのような取り組みを行っていく必要
があるのでしょうか。本ワークショップでは、相談支援センターにおける“相談対応の質”やそ
のための“実践的な取り組み”について、主に相談支援センターの実践を担い、運営されている
方を対象に、同じく相談支援センターに携わる人たちで一緒に質の向上や評価方法について考え
る機会としたいと考え企画いたしました。ご関心がある方は是非ご応募ください。

日時:H22 年 7 月 4 日(日)10:00~16:30

場所:国立がんセンター管理棟 1 階 第 1 会議室

〒104-0045 東京都中央区築地 5-1-1
都営大江戸線 A3 出口徒歩 1 分

対象:相談支援センターにおいて相談対応の実践を行い、
かつ、相談支援センターの運営に携わっている方

人数:20~30 名程度

参加費:無料

参加申し込み方法
【参加申込書】に必要事項をご記入の上、FAX または電子メールにて下記までお申
し込みください。

FAX:

電子メール:[email protected]

03-3547-8577
参加希望者多数の場合には、ご要望に添えないこともございます。ご了
承ください。
主催:がん臨床研究事業「相談支援センターの機能の強化・充実と地域における相談支
援センターのあり方に関する研究(厚生労働科学研究費補助金)」研究班
研究代表者:高山智子(国立がんセンター がん対策情報センター がん情報・統計部)
電話:03-3542-2511 (代表)
44
内線5685 (担当:神田、高山、八巻)
参考資料2:
「相談支援センターの質向上に関するワークショップ」
【参加申込書】
FAX または電子メールで、2010 年 6 月 15 日(火)12:00
までにお申し込みください。
FAX: 03-3547-8577
電子メール:[email protected]
◎
6 月 22 日(火)までに、志望動機などを参考の上選考後ご連絡を差し上げます。
ふりがな
1
お名前
病院名
2 ご所属
1.がん診療連携拠点病院
2.その他の医療機関
部署名
住
3 ご連絡先
(役職:
)
所
電話番号
E-mail
相談支援センタ
4 ーでの勤務形態
5 現在の職種
6 がん相談 件数
1. 専従
2. 専任
3. 兼任
4.その他
(
)
1. 福祉職 2. 看護職
(
現在:
3. 心理職
4. 事務職
5. その他
)
件/週
(現在相談を受けていない場合:これまでの相談対応経験
今回のワークシ
7 ョップ参加の動
機
今回のワークシ
8 ョップに期待す
ること
45
1. あり
2. なし)
46
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
(研究代表者:高山 智子)
分担研究報告書
相談支援センター相談員の異動状況の把握と研修の評価に関する研究
研究分担者
高山 智子
国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報統計部 室長
八巻 知香子 国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報統計部 研究員
研究協力者
小郷 祐子
国立がん研究センター がん対策情報センター
がん対策企画部
研究要旨:相談支援センターの質の確保・向上は、相談者が安心して相談支援センター
を利用するためにも重要である。本研究では相談支援センターの質の確保をするために不
可欠である、相談員の異動状況の把握と、全国の相談員を対象に行われている相談員基礎
研修(3)の学習効果について明らかにすること、また、相談員の職場環境として、快適で自
己研鑽がはかれる環境になっているかについて明らかにすることを目的として、H21 年度
末までの基礎研修(3)修了者 638 名を対象に、調査を実施した。
相談員の 2 年間の異動・離職割合は、8%程度に抑えられていた。また研修の主要な内容
についての意識の変化の持続状況は、8 割以上にみられ、一定以上の効果が持続しているこ
とが示唆された。仕事の満足感については、やりがい感は、9 割以上があると回答していた
一方で、周囲からの評価が感じられる割合が低いことが示された。また身体的な負担感も
約 7 割からあるという回答が示され、相談業務に従事する際の負の要因となり得ることが
示唆された。今後これらの原因を明らかにするととともに、自己研鑽をする際のさらなる
負担の原因にならないように環境を整備していく必要があると考えられた。
相談員の異動や離職が多く、相談支援セン
A.研究目的
ターの機能が維持され、継承されにくい状
相談員の知識やスキルの習得だけでなく
況があることが指摘されている。
それを維持・向上させるためには、その現
場でのノウハウの蓄積も必要である。とく
相談支援センターの相談員については、
に相談支援センターでは、院内外の情報収
基本計画に「すべての相談支援センターに
集と提供が行われる必要があるため、その
おいて、5 年以内に、がん対策情報センタ
ための院内外との連携体制やネットワーク
ーによる研修を修了した相談員を配置する
づくりにも重要である。しかし、一方で、
ことを目標とする」ことが示され、また指
47
定要件においても、
「国立がんセンターがん
解」「相談支援のプロセスの意識」「セカン
対策情報センターによる研修を修了した専
ドオピニオン相談時のファーストオピニオ
従および専任の相談支援に携わるものをそ
ンへの注意」
「患者会の相談時の患者会の特
れぞれ 1 人以上配置すること」が示された。
徴への配慮」)、現在の仕事への満足感、が
これを受けて、相談支援センター相談員を
んに関する新しい知識・情報の習得の機会、
対象とした5日間(基礎研修(1)(2)(3))合計
今後の研修機会の希望等である。これらの
33 時間の研修が、がん対策情報センターに
項目については、
「とてもそう思う」~「全
より提供されている。しかし、がん対策情
く思わない」の 4 段階でたずねた。またア
報センターから提供されている基礎研修で
ンケート調査については、無記名にて郵送
学んだことが、現場に戻った後にどの程度
回収を行った。
活用され、相談支援センターとしての意識
また、現在の所属が確認された場合に、
の共有や相談対応の質の向上にどのように
基礎研修(3)の復習用 DVD である「DVD で
貢献しているか(いないのか)については、
学ぶがん専門相談員のための学習の手引き
わかっていない。
(基礎研修(3)復習用)」編集・発行:国立が
そこで、本研究では、がん対策情報セン
んセンターがん対策情報センター、後援:
ターの協力のもと、1) 基礎研修(3)修了者の
公益財団法人正力厚生会の送付を行った。
所属調査を行うことにより、相談員の異動
(倫理的配慮)
及び離職状況を把握すること、2) 相談員基
礎研修(3)で提供された主な研修内容につい
今回実施した調査は、がん対策情報セン
て、学んだことを現在においても意識して
ターとの共催により、研修修了者名簿につ
業務を行っているか(基礎研修の学習によ
いは、がん対策情報センターから直接調査
るインパクトの持続状況)、さらに、3) 仕
実施会社に依頼を行っており、本研究班で
事の満足感と自己研鑽および学習環境の状
は、調査票の作成、配布および回収、集計・
況について、明らかにすることを目的とし
分析を担当した。所属先確認については、
た。
がん対策情報センターで実施されているた
め、本研究での研究班担当箇所について個
B.研究方法
人情報の取り扱いはなかった。
国立がん研究センターがん対策情報セン
ターの協力を得て、H21 年度末までの基礎
C.研究結果
研修(3)修了者 638 名に対して、研修受講時
1) 所属調査結果
からの所属変更の有無を平成 22 年 8 月 20
H21 年度末までの基礎研修(3)修了者 638
日~9 月 30 日までの期間で、メールおよび
名に対して、メールまたは電話による調査
電話調査により実施した。また現在の所属
を実施した結果、617 名(96.7%)について
が確認された研修修了者に対して、基礎研
所属が確認された。現在も受講時と同じ所
修(3)の評価に関する自記式調査法によるア
属先であったのは、583 名(91.4%)、産休
ンケート調査を実施した。基礎研修(3)の評
中 4 名(0.6%)、出向中 1 名(0.2%)
、退職
価に関する項目は、基礎研修(3)受講による
28 名(4.4%)、病院以外の他施設へ異動 1
意識の変化(「相談者の状況の多面的な理
名(0.2%)、所属確認ができなかった 21 名
48
(3.3%)で、所属確認できない人も含める
身体的負担感」308 名(68.6%)、
「働く部署
と、退職・異動者は合計 50 名(7.9%)とな
の周囲からの評価が感じられる」287 名
っていた。
(63.9%)であった。
また現在の所属先については、相談支援
新しい治療法などの知識・情報について
センター内 405 名(66.5%)、相談支援セン
は、「1.病院内のカンファレンスに出席す
タ ー 以 外 の 相 談 に 関 わ る 配 置 先 83 名
る」236 名(52.6%)、
「2.相談支援センタ
(13.6%)、その他の配置先 81 名(13.3%)、
ーで勉強会を開催する」45 名(10.0%)、
「3.
無回答 40 名(6.6%)であった。
自分で調べる」339 名(75.5%)、
「4.外部
の研修会に参加する」314 名(69.9%)
、
「5.
2) 基礎研修の学習によるインパクトの持
その他」76 名(16.9%)、
「6.特に何もしな
続状況調査結果
い」11 名(2.4%)であった。
基礎研修に関するアンケートについては、
医療・福祉の制度改変などについての知
所属確認がとれた 617 名のうち、アンケー
識・情報については、
「1.病院内のカンファ
ト送付先が確実に把握できた 609 名に対し
レンスに出席する」117 名(26.1%)、「2.
て郵送にて送付した。その結果、449 名
相談支援センターで勉強会を開催する」59
(73.7%)から回答が得られた。
名(13.1%)、「3.自分で調べる」366 名
基礎研修(3)の受講による変化に関する 4
(81.5%)、「4.外部の研修会に参加する」
項目「相談者の状況の多面的な理解」
「相談
292 名(65.0%)、
「5.その他」77 名(17.1%)、
支援のプロセスの意識」
「セカンドオピニオ
「6.特に何もしない」3 名(0.7%)であっ
ン相談時のファーストオピニオンへの注
た。
意」
「患者会の相談時の患者会の特徴への配
慮」について、受講後変化があったか、そ
D.考察
れぞれ 4 段階でたずねた結果、
「とてもそう
1) 相談員の異動・離職状況について
思う」または「少しそう思う」と回答した
相談支援センターで相談対応や院内外の
のは、「相談者の状況の多面的な理解」394
連携機能を維持し、さらに改善・強化して
名(87.8%)、「相談支援のプロセスの意識」
いくためには、相談支援センターで積み上
398 名(88.6%)、
「セカンドオピニオン相談
げていく知識やスキルのノウハウを蓄積す
時のファーストオピニオンへの注意」406
ることが不可欠である。現在の限られた人
名(90.4%)、「患者会の相談時の患者会の特
数の中での相談員の異動や離職は、ノウハ
徴への配慮」370 名(82.4%)で、いずれも
ウの蓄積、つまりは相談支援センターの体
8 割を超える結果であった。
制づくりに多大な影響を及ぼしうると考え
られる。
3) 仕事の満足感と自己研鑽および学習環
今回の調査で把握された異動・離職状況
境の状況
においては、現在においても受講時と同じ
現在の仕事(職務)の満足感に関する 3
所属先だったのは、産休中を含め 587 名
項目について、それぞれ「とてもそう思う」
(92.0%)であり、出向または院外への移
「少しそう思う」と回答したのは、
「仕事へ
動 2 名、退職 28 名、無回答 21 名であり、
のやりがい感」407 名(90.6%)、
「仕事への
異動または退職は、多くても 8%にとどまっ
49
後の変化については、すべてにおいて 8 割
ていることが示された。
このことから、相談員の異動・離職が多
以上が、受講後に意識の変化があったと回
いという印象や指摘とは異なり、ほとんど
答していた。今回の調査対象者の研修受講
の者が同じ職場に勤務していることが示さ
後からの期間は異なるものの、一定程度以
れた。この異動・離職割合については、日
上の研修の効果が持続していることが示さ
本看護協会が実施している「病院における
れたと考えられる。しかし、今回の調査に
看護職員需給状況調査」の、常勤の離職率
ついては、本人の主観的な意識についてた
11.9% 1
と比較して低水準に抑えられてい
ずねた結果であり、今後は客観的にも、効
た。各拠点病院が相談員を専従、専任とし
果を把握できるようにしていくことが望ま
て配置すること、またそのスタッフについ
れる。
て、研修を受ける必要があることを認識し
て、異動をとどめている要因として効果的
3) 仕事の満足感と自己研鑽および学習環
に働いたためと考えられる。しかし、養成
境について
人数が限られていることを考えると、1 名
また、現在の仕事(職務)に関する満足
が異動あるいは退職することのインパクト
感については、
「仕事へのやりがい感」につ
は大きく、そのインパクトの大きさが異動・
いて 90%以上と高い割合になっていた一
離職状況の印象に効いていた可能性も高い。
方で、
「身体的負担感」や「周囲からの評価」
また、公立系の医療機関においては、本人
は、60%台と低く、働く上での負の要因と
の意思とは関係なく、異動が行われるのも
なりうること、あるいは、なっていること
事実であり、都道府県によっては、公立系
が示唆された。今回の結果からは、なぜ低
の医療機関ががん診療連携拠点病院の大半
くなっているのか理由については不明であ
を占めているところもある。したがって、
るが、周囲からの評価については、おそら
今後は、こうした施設や地域の特性別の状
く新しくできた部門であることで、周囲に
況の違いを考慮して、異動や離職状況につ
認知されていないため生じているのではな
いて把握していく必要があると考えられる。
いかと考えられる。相談員が持続して健全
に働いていくためには、今後これらの要因
2) 基礎研修の学習によるインパクトの持
についての検討も必要である。
また全国レベルでの研修の機会が限られ
続状況(効果)について
基礎研修(3)における主な学習目標にもな
ていること、がんの相談対応範囲が非常に
っている要素についてたずねた 4 項目「相
広範囲に及び、治療法も刷新されることな
談者の状況の多面的な理解」
「相談支援のプ
どから、相談員の自己研鑽は欠かせない。
ロセスの意識」
「セカンドオピニオン相談時
今回の調査では、新しい治療法などの知識・
のファーストオピニオンへの注意」
「患者会
情報、医療・福祉の制度改変などの知識・情
の相談時の患者会の特徴への配慮」の受講
報のいずれの場合にも、最も多かったのは
1
社団法人日本看護協会「2009 年 病院における看護職
員需給状況調査」によると、常勤 11.9%、新卒 8.9%で、
前年比 0.3 ポイント減であった。News Release
(2010/3/16),
http://www.nurse.or.jp/home/opinion/press/2009pdf/
0316sanko-2.pdf
50
「自分で調べる」であった。忙しい職場の
中では特に、自己研鑽の機会は、さまざま
な場面で提供されていること、また、多様
な課題に対応するためには、さまざまな職
種や新しい知識を身につけられる場がある
ことが望ましいと考えられる。今回の調査
2.学会発表
では、自分で調べる以外に、実際にどのく
1.
八巻知香子, 高山智子, 神田典子, 熊谷
らいの学習の機会が周囲に存在しているの
たまき, 清水奈緒美, 植田潤, 小曲一
かについてはわからないが、院内や相談支
之, 佐々木佐久子, 中川圭, 根岸利光,
援センター内、外部での機会も利用しやす
ハーシー久美, 本田麻由美, 山下芙美
い場や職場環境の整備も必要であると考え
子, 清水千佳子, 的場元弘. 再発患者
られる。
向け情報提供コンテンツの開発. 第 48
回日本癌治療学会学術集会. 2010 年 10
月 28 日-30 日.京都.
E.結論
2.
相談員の異動・離職状況と、基礎研修の学
関由起子, 高山智子, 渡邉眞理, 清水奈
習効果について検討を行った。相談員の 2
緒美, 八巻知香子, 河村洋子. 大学電
年間の異動・離職割合は、約 8%と低程度に
話によるがん情報提供・相談支援の質
抑えられており、拠点病院の指定要件が効
評価ツールの検討
果的に働いたと考えられた。しかし病院特
治療学会学術集会. 2010 年 10 月 28 日
性や地域によっては、異動が起こりやすい
-30 日.京都.
3.
背景があることは否めず、今後も詳細な調
高山智子,
関
第 48 回日本癌
由起子,
八巻知香子,
査を行うとともに、対応方法を検討してい
瀬戸山陽子, 八重ゆかり. がん相談者
く必要があると考えられた。
の質問・疑問からの情報づくり~診療
基礎研修の学習効果持続状況については、
ガイドラインの情報との比較から. 第
一定以上の効果が持続していることが示唆
48 回日本癌治療学会学術集会. 2010 年
された。今後は、主観的な指標のみならず、
10 月 28 日-30 日.京都
4.
客観的にも効果が測定できるようにしてい
高山智子, 八巻知香子, 熊谷たまき.
くことが望まれる。また、仕事の満足感に
患者・市民と協働して作成する情報づ
ついては、身体的な負担感や周囲からの評
くりのあり方の検討. 第 69 回日本公衆
価が感じられる割合が低いなど、相談支援
衛生学会総会. 2010/10/27-29. 東京.
5.
Watanabe
K,
Yamaki
ることが示唆され、今後これらの原因を明
Takayama
T,
Yamamoto
らかにするととともに、自己研鑽をする際
Wakao
のさらなる負担の原因にならないように環
comprehensive cancer information
境を整備していく必要があると考えられた。
booklet for newly diagnosed patients
センターに従事する際の負の要因となり得
C,
S,
F. National distribution of
to support decision-making on cancer
F.健康危険情報
care UICC
2010
なし
congress.
18-21
world
August
Shenzhen, China
G.研究発表
1.論文発表
H.知的財産権の出願・登録状況
なし
なし
51
cancer
2010
参考資料1:
相談員基礎研修についてのアンケート
国立がん研究センターがん対策情報センターでは、がん診療連携拠点病院の
相談支援センターのがん専門相談員の方々に対して、研修事業を実施しており
ます。
このたび、平成 19-20 年度に基礎研修(3)を受講された皆様に、復習用 DVD
をお送りするとともに、基礎研修が役に立っているのか、また今後どのような
研修を企画していくことが必要であるのかについてご意見を伺うアンケートを
実施させていただきます。
今後の研修のあり方について重要な資料とさせていただきますので、お忙し
いとは存じますが、必ずご返送いただきますようお願い申し上げます。
このアンケートは、国立がん研究センターがん対策情報センターおよび厚生
労働科学研究費補助金がん臨床研究事業「相談支援センターの機能の強化・充
実と地域における相談支援センターのあり方に関する研究(主任研究者:高山
智子)」が共同で実施しています。
このアンケートについてのお問い合わせ先
国立がん研究センターがん対策情報センター
研修推進室
相談員研修担当(八巻、高山、小郷)
[email protected]
03-3542-2511 内線 5686, 2293
52
■
Ⅰ.はじめに、ご回答いただくあなたご自身のことについておうかがいします
問1.性
別
1
女性
問2.年
齢
1
20 歳代 2
30 歳代
1
常勤
非常勤
問3.雇用形態
2
男性
2
3
40 歳代
4
50 歳代
6
60 歳以上
付問.勤務時間は週に何時間ですか。
週
問4.現在の職種
1
福祉職
2
看護職
3
心理職
4
事務職
5
問5.現在の職種の経験年数
年
問6.がんの相談支援の経験年数
年
問7.現在の職務
2.それ以外(
1.相談支援センターの相談員
問8.相談支援センターでの勤務形態
1
専従
2
その他(
専任
)⑫
)
3
兼任
問9.あなたが相談支援基礎研修を受けた時期はいつですか。
それぞれについてお答え下さい。
(1)基礎研修1
1.平成 19 年度
2.平成 20 年度
3.平成 21 年度
(2)基礎研修2
1.平成 19 年度
2.平成 20 年度
3.平成 21 年度
(3)基礎研修3
1.平成 19 年度
2.平成 20 年度
3.平成 21 年度
問 10:基礎研修3の受講によって、以下のようなことで変化がありましたか。
とても
少し
あまり
全く
そう思う
そう思う
思わない
思わない
1
2
3
4
1
2
3
4
1
2
3
4
1
2
3
4
(1) 相談者の状況を、体の状態、心の状態、暮らしの
状態などに目を向けて多面的に理解できるようにな
った。
(2) 相談支援のプロセスを意識するようになった
(3) セカンドオピニオンの相談があった際には、相談
者のファーストオピニオンについての理解に注意を
払うようになった
(4) 患者会の相談があった際には、患者会がもつ特徴
を理解しながら応じられるようになった。
53
問 11:現在の仕事(職務)についてどう感じていますか。
とても
少し
あまり
全く
そう思う
そう思う
思わない
思わない
1.あなた自身の仕事にやりがいを感じますか。
1
2
3
4
2.あなた自身の仕事に身体的な負担を感じますか。
1
2
3
4
1
2
3
4
3.あなたの働いている部署が周囲から評価されて
いると感じますか。
問 12:今後の学習や研修についてうかがいます。
(1)
今回お送りした DVD を見ようと思いますか。
1.すでに見た
2.近日中に見ようと思う
3.いつか見ようと思う
4.見たくない
(2)今後、どのような研修があったらよいと思いますか。
1.新しいプログラムを作成するような研修
2.自分の相談の質を測定するような研修
3.新しく相談支援センターに配属された人や後輩の指導方法に関する研修
4.医学的知識に関する研修
5.行政的知識やがん対策の動向に関する研修
6.その他(
)
問 13:相談支援センターの質の評価に関する研究について伺います。
(1)あなたの病院の相談支援センターの相談の質について評価する必要を感じますか。
1.とても感じる
2.少し感じる
3.あまり感じない
(2)相談の質の評価に関する研究に参加したいと思いますか。
1.思う
2.思わない
→「思う」と回答された方には、後日、連絡させていただきますので、病院名、お名前、
連絡先をお書き下さい。
(実際に参加するかどうかは、説明をきいた後に判断していただいてかまいません)
部署
(
氏名
(
連絡先電話番号(
)
)
)
メールアドレス(
)
54
最後に、相談支援センターの役割や相談員研修について、思うことがありましたらご自由
にお書き下さい。
55
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
作成日 : 2010年10月13日
度数(人)
性別
設 問
選 択 肢
■ Ⅰ.はじめに、ご回答いただくあなたご自身のことについておうかがいします
問1.性別
1.女性
2.男性
問2.年齢
1.20歳代
2.30歳代
3.40歳代
4.50歳代
5.60歳以上
無回答
1.都道府県がん診療連携拠点
問3.勤務先
病院
2.地域がん診療連携拠点病院
3.その他
無回答
問4.病院の種類
1.がん専門病院
2.大学病院
3.総合病院
4.その他
無回答
問5.雇用形態
1.常勤
2.非常勤
3.派遣
4.その他
無回答
付問.勤務時間は週に何
1.10年以下
時間ですか。( )時間
2.20年以下
/週
3.30年以下
※前設問で1以外を選択し 4.31年以上
た41名対象
無回答
問6.専門資格(あてはまるものすべてに○)
1.がん看護専門看護師
2.認定看護師
3.看護師
4.保健師
5.社会福祉士
6.精神保健福祉士
7.社会福祉主事任用資格
8.心理士
9.その他
問7.現在の職種の経験年数
1.5年以下
2.10年以下
3.15年以下
4.20年以下
5.25年以下
6.30年以下
7.35年以下
8.36年以上
無回答
問8.がんの相談支援の経験年数
1.1年以下
2.2年以下
3.3年以下
4.4年以下
5.5年以下
6.10年以下
7.11年以上
無回答
問9.研修を受けた当初の配置場所は次の
1.相談支援センター
どれにあたりますか。(あてはまるもの1つに
2.相談支援センター以外の相談
○)
に関わる配置先
3.それ以外
問10.現在の配置場所は次のどれにあたり
1.相談支援センター
ますか。(あてはまるもの1つに○)
2.相談支援センター以外の相談
に関わる配置先
3.それ以外
無回答
副問10-1.現在の相談支援センターでの勤
1.専従
務形態はどれにあたりますか。
2.専任
3.兼任
4.その他
無回答
問11.あなたが受けるがん相談は平均して、
1.5件以下
1ヵ月あたり何件ぐらいですか。
2.10件以下
3.15件以下
4.20件以下
5.30件以下
6.40件以下
7.50件以下
8.51件以上
無回答
全体
女性
年齢
男性
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳以
上
無回答
449
361
88
56
137
118
111
26
1
361
88
56
137
118
111
26
1
361
0
41
86
107
102
24
1
0
88
15
51
11
9
2
0
41
15
56
0
0
0
0
0
86
51
0
137
0
0
0
0
107
11
0
0
118
0
0
0
102
9
0
0
0
111
0
0
24
2
0
0
0
0
26
0
1
0
0
0
0
0
0
1
81
72
9
9
22
16
29
5
0
307
59
2
19
92
312
24
2
408
33
2
3
3
1
4
18
12
6
21
31
183
17
188
78
100
8
42
95
93
66
40
50
46
35
20
4
44
109
119
60
27
50
29
11
308
245
42
2
17
80
242
20
2
321
32
2
3
3
1
4
18
11
6
20
31
176
16
121
51
64
5
28
79
63
43
33
45
44
33
19
2
34
93
97
52
21
38
18
8
251
62
17
0
2
12
70
4
0
87
1
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
7
1
67
27
36
3
14
16
30
23
7
5
2
2
1
2
10
16
22
8
6
12
11
3
57
35
12
0
6
11
34
5
0
52
4
0
0
0
0
0
2
1
1
0
0
1
1
50
14
18
2
2
40
15
0
0
0
0
0
0
1
11
17
16
5
5
1
0
1
40
100
15
0
7
25
99
6
0
132
3
2
0
0
0
0
1
1
3
8
7
23
5
92
33
50
2
13
14
62
51
9
0
0
0
0
1
12
29
28
19
9
27
11
2
99
84
18
0
2
26
83
7
0
114
4
0
0
0
0
0
0
4
0
12
20
55
4
26
16
17
3
9
15
8
12
27
41
14
0
0
1
11
32
31
10
9
12
9
4
71
66
14
2
3
22
79
5
2
98
12
0
1
0
0
2
7
3
1
1
4
78
7
20
15
14
1
17
20
7
3
3
9
29
31
8
1
9
25
35
18
3
9
8
4
79
21
0
0
1
8
16
1
0
11
10
0
2
3
1
2
8
3
1
0
0
25
0
0
0
1
0
1
6
1
0
1
0
2
4
12
0
1
5
9
8
1
1
1
0
19
1
0
0
0
0
1
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
98
71
27
14
27
30
22
5
0
43
320
39
257
4
63
2
42
11
104
17
74
10
79
2
20
1
1
85
67
18
12
22
27
22
2
0
41
3
212
66
35
1
6
67
73
45
61
49
26
31
66
31
35
2
176
48
28
0
5
56
57
39
48
39
23
23
53
23
6
1
36
18
7
1
1
11
16
6
13
10
3
8
13
8
2
0
23
13
4
0
2
8
10
4
11
4
3
1
10
5
10
1
67
19
16
1
1
23
15
14
15
17
11
10
23
9
16
1
49
16
7
0
2
20
20
11
12
8
8
12
18
9
10
0
54
16
8
0
1
15
24
13
20
11
3
7
11
7
3
1
18
2
0
0
0
1
4
2
3
9
1
1
4
1
0
0
1
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
56
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
作成日 : 2010年10月13日
度数(人)
性別
設 問
副問11-1.あなた (1)まだどこの病院にもか
が受けるがん相 かっていない患者さんや
談のうち、下記の 家族からの相談
人たちからの相
談は1ヶ月あたり
何件ぐらいです
か。
選 択 肢
1.0件
2.1件未満
3.2件未満
4.3件未満
5.4件未満
6.5件未満
7.5件以上
無回答
(2)他院に通院中・入院
1.0件
中の患者さんや家族から
2.1件以下
の相談
3.2件以下
4.3件以下
5.4件以下
6.5件以下
7.10件以下
8.20件以下
9.21件以上
無回答
問12.あなたが受けるがん以外の相談は平
1.0件
均して、1ヶ月あたり何件ぐらいですか。
2.5件以下
3.10件以下
4.15件以下
5.20件以下
6.30件以下
7.40件以下
8.50件以下
9.100件以下
10.200件以下
11.201件以上
無回答
■ Ⅱ.相談支援センター相談員基礎研修会についておうかがいします
問13.あなたが基礎研修(3)を受けた時期は 1.平成20年度
いつですか。
2.平成21年度
無回答
問14.基礎研修 (1) 相談者の状況を、体の 1.とてもそう思う
(3)の受講によっ 状態、心の状態、暮らしの 2.少しそう思う
て、以下のような 状態などに目を向けて多
3.あまり思わない
ことで変化があり 面的に理解できるように
4.全く思わない
ましたか。
なった。
無回答
(2) 相談支援のプロセスを
1.とてもそう思う
意識するようになった。
2.少しそう思う
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
(3) セカンドオピニオンの
1.とてもそう思う
相談があった際には、相
2.少しそう思う
談者のファーストオピニオ
3.あまり思わない
ンについての理解に注意
4.全く思わない
を払うようになった。
無回答
(4) 患者会の相談があっ
1.とてもそう思う
た際には、患者会がもつ
2.少しそう思う
特徴を理解しながら応じら 3.あまり思わない
れるようになった。
4.全く思わない
無回答
問15.現在の仕 1.あなた自身の仕事に
1.とてもそう思う
事(職務)につい やりがいを感じますか。
2.少しそう思う
てどう感じていま
3.あまり思わない
すか。
4.全く思わない
無回答
2.あなた自身の仕事に
1.とてもそう思う
身体的な負担を感じます
2.少しそう思う
か。
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
3.あなたの働いている部
1.とてもそう思う
署が周囲から評価されて
2.少しそう思う
いると感じますか。
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
問16.がんの新しい治療法などについて、あ
1.病院内のカンファレンスに出席
なたはどうやって知識・情報を得ていますか。 する
2.相談支援センターで勉強会を
開催する
3.自分で調べる
4.外部の研修会に参加する
5.その他
6.特に何もしない
全体
女性
年齢
男性
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳以
上
無回答
449
122
35
98
49
12
3
52
78
30
57
62
42
15
42
66
50
41
44
49
68
39
19
29
43
17
23
51
44
20
47
361
96
30
78
38
10
3
46
60
26
39
46
35
11
36
56
46
35
31
47
62
35
18
23
32
13
17
38
29
15
32
88
26
5
20
11
2
0
6
18
4
18
16
7
4
6
10
4
6
13
2
6
4
1
6
11
4
6
13
15
5
15
56
15
5
10
2
1
1
6
16
5
6
13
3
2
3
10
4
5
5
3
3
5
3
2
5
3
6
7
10
3
6
137
36
11
30
16
1
0
13
30
6
24
16
13
4
14
11
17
11
21
12
16
12
6
6
13
4
6
20
18
6
18
118
36
9
27
14
4
1
14
13
13
12
13
13
3
8
23
13
12
8
26
21
8
2
9
10
3
6
9
8
5
11
111
32
8
24
13
5
1
13
15
6
14
19
11
6
16
16
10
7
6
7
19
13
7
9
13
4
5
12
6
5
11
26
3
2
7
4
0
0
6
4
0
1
1
2
0
1
6
5
6
4
1
8
1
1
3
2
3
0
3
2
1
1
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
140
305
4
140
254
49
3
3
152
246
48
2
1
200
206
35
3
5
132
238
60
7
12
205
202
37
0
5
87
221
125
12
4
40
247
142
16
4
105
253
3
120
196
40
2
3
118
204
36
2
1
159
167
27
3
5
105
188
52
6
10
161
167
30
0
3
64
184
100
11
2
33
192
121
13
2
35
52
1
20
58
9
1
0
34
42
12
0
0
41
39
8
0
0
27
50
8
1
2
44
35
7
0
2
23
37
25
1
2
7
55
21
3
2
11
45
0
16
37
3
0
0
18
33
5
0
0
31
23
1
0
1
15
28
11
0
2
23
30
2
0
1
7
29
18
1
1
3
36
16
0
1
47
88
2
36
80
18
2
1
47
68
21
1
0
56
64
15
2
0
32
84
16
4
1
54
64
18
0
1
33
67
33
3
1
9
78
39
10
1
31
86
1
32
71
13
1
1
38
66
12
1
1
45
59
10
1
3
41
59
12
1
5
59
50
8
0
1
25
61
27
4
1
17
53
46
1
1
44
66
1
47
50
13
0
1
39
64
8
0
0
57
46
7
0
1
36
55
16
1
3
53
49
7
0
2
21
53
35
1
1
10
63
32
5
1
7
19
0
9
16
1
0
0
10
14
2
0
0
11
13
2
0
0
8
12
4
1
1
16
8
2
0
0
1
10
12
3
0
1
17
8
0
0
0
1
0
0
0
1
0
0
0
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
1
0
0
0
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
1
0
0
236
189
47
23
69
68
65
10
1
45
33
12
5
11
9
16
4
0
339
314
76
11
268
256
64
8
71
58
12
3
39
30
5
4
103
95
23
4
90
88
15
0
84
80
25
2
23
20
8
1
0
1
0
0
57
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
作成日 : 2010年10月13日
度数(人)
性別
設 問
問17.医療・福祉の制度改変などについて、
あなたはどうやって知識・情報を得ています
か。
問18.今後、どのような研修があったらよいと
思いますか。
問19.相談支援
センターの相談の
質の評価につい
て伺います。
(1) あなたの病院の相談
支援センターの相談の質
について評価する必要を
感じますか。
(2) 厚労省研究班で、相談
の質評価に関する研究が
行われています。相談の
質の評価に関する研究に
参加したいと思いますか。
選 択 肢
1.病院内のカンファレンスに出席
する
2.相談支援センターで勉強会を
開催する
3.自分で調べる
4.外部の研修会に参加する
5.その他
6.特に何もしない
1.新しいプログラムを作成するよ
うな研修
2.自分の相談の質を測定するよ
うな研修
3.新しく相談支援センターに配属
された人や後輩の指導方法に関
する研修
4.医学的知識に関する研修
5.行政的知識やがん対策の動
向に関する研修
6.その他
1.とても感じる
2.少し感じる
3.あまり感じない
無回答
全体
女性
年齢
男性
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳以
上
無回答
449
361
88
56
137
118
111
26
1
117
90
27
10
32
37
31
6
1
59
45
14
5
14
15
18
6
1
366
292
77
3
285
231
62
2
81
61
15
1
42
44
3
1
124
96
26
1
91
74
20
1
88
66
21
0
21
11
7
0
0
1
0
0
88
64
24
11
35
18
21
3
0
200
154
46
23
64
53
50
10
0
149
113
36
16
49
41
38
5
0
202
151
51
41
69
36
45
11
0
258
212
46
35
73
68
64
17
1
1.思う
22
158
252
35
4
214
18
129
201
28
3
170
4
29
51
7
1
44
1
20
29
6
1
28
10
51
77
9
0
59
5
49
55
12
2
58
4
31
73
6
1
57
2
7
17
2
0
11
0
0
1
0
0
1
2.思わない
215
176
39
27
71
52
51
14
0
20
15
5
1
7
8
3
1
0
無回答
58
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
設 問
選 択 肢
■ Ⅰ.はじめに、ご回答いただくあなたご自身のことについておうかがいします
問1.性別
1.女性
2.男性
問2.年齢
1.20歳代
2.30歳代
3.40歳代
4.50歳代
5.60歳以上
無回答
1.都道府県がん診療連携拠点
問3.勤務先
病院
2.地域がん診療連携拠点病院
3.その他
無回答
問4.病院の種類
1.がん専門病院
2.大学病院
3.総合病院
4.その他
無回答
問5.雇用形態
1.常勤
2.非常勤
3.派遣
4.その他
無回答
付問.勤務時間は週に何
1.10年以下
時間ですか。( )時間
2.20年以下
/週
3.30年以下
※前設問で1以外を選択し 4.31年以上
た41名対象
無回答
問6.専門資格(あてはまるものすべてに○)
1.がん看護専門看護師
2.認定看護師
3.看護師
4.保健師
5.社会福祉士
6.精神保健福祉士
7.社会福祉主事任用資格
8.心理士
9.その他
問7.現在の職種の経験年数
1.5年以下
2.10年以下
3.15年以下
4.20年以下
5.25年以下
6.30年以下
7.35年以下
8.36年以上
無回答
問8.がんの相談支援の経験年数
1.1年以下
2.2年以下
3.3年以下
4.4年以下
5.5年以下
6.10年以下
7.11年以上
無回答
問9.研修を受けた当初の配置場所は次の
1.相談支援センター
どれにあたりますか。(あてはまるもの1つに
2.相談支援センター以外の相談
○)
に関わる配置先
3.それ以外
問10.現在の配置場所は次のどれにあたり
1.相談支援センター
ますか。(あてはまるもの1つに○)
2.相談支援センター以外の相談
に関わる配置先
3.それ以外
無回答
副問10-1.現在の相談支援センターでの勤
1.専従
務形態はどれにあたりますか。
2.専任
3.兼任
4.その他
無回答
問11.あなたが受けるがん相談は平均して、
1.5件以下
1ヵ月あたり何件ぐらいですか。
2.10件以下
3.15件以下
4.20件以下
5.30件以下
6.40件以下
7.50件以下
8.51件以上
無回答
都道府
県がん
診療連
携拠点
勤務先
地域が
ん診療
その他
連携拠
点病院
作成日 : 2010年10月13日
度数(人)
病院の種類
無回答
がん専
門病院
大学病
院
総合病
院
その他
無回答
81
307
59
2
19
92
312
24
2
72
9
9
22
16
29
5
0
245
62
35
100
84
66
21
1
42
17
12
15
18
14
0
0
2
0
0
0
0
2
0
0
17
2
6
7
2
3
1
0
80
12
11
25
26
22
8
0
242
70
34
99
83
79
16
1
20
4
5
6
7
5
1
0
2
0
0
0
0
2
0
0
81
0
0
0
14
37
28
2
0
0
0
0
14
37
28
2
0
69
10
0
1
1
0
0
5
3
4
5
1
36
4
31
15
13
3
7
21
19
9
9
3
10
8
2
0
8
21
26
13
1
5
4
3
55
307
0
0
5
52
239
11
0
280
21
2
2
2
1
3
12
9
2
13
27
127
10
128
51
72
5
26
60
64
49
24
38
31
21
18
2
22
79
80
43
20
38
21
4
218
0
59
0
0
2
44
11
2
57
2
0
0
0
0
1
1
0
0
3
3
19
3
28
11
15
0
9
14
9
8
7
9
5
6
0
1
14
9
12
4
6
6
4
4
33
0
0
2
0
1
1
0
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
0
0
1
0
0
2
5
0
0
19
0
0
0
0
17
1
0
1
0
0
0
1
1
0
3
0
4
1
10
5
3
0
2
9
4
3
0
1
1
1
0
0
1
2
7
3
1
3
2
0
17
52
2
1
0
92
0
0
0
83
6
0
2
1
1
0
4
2
2
7
5
38
4
38
23
18
6
7
21
25
6
9
11
7
9
4
0
7
25
24
15
5
9
6
1
68
239
44
1
0
0
312
0
0
284
24
2
0
2
0
4
12
8
4
10
26
130
11
129
46
73
2
30
58
63
50
31
36
32
22
16
4
34
77
78
41
18
35
21
8
206
11
11
0
0
0
0
24
0
22
2
0
0
0
0
0
1
1
0
1
0
11
1
10
3
5
0
2
6
1
7
0
2
5
3
0
0
2
5
9
1
3
2
0
2
15
0
2
0
0
0
0
0
2
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
1
0
1
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
1
0
0
1
0
0
2
18
63
17
0
1
19
73
5
0
8
55
26
230
9
34
0
1
1
17
5
63
33
224
4
15
0
1
20
53
11
1
1
23
58
3
0
6
0
43
5
5
0
2
10
15
7
8
11
7
6
12
5
22
2
145
53
27
1
4
40
52
32
44
32
17
23
47
20
13
1
24
7
3
0
0
16
6
5
9
6
2
2
7
6
0
0
0
1
0
0
0
1
0
1
0
0
0
0
0
0
1
0
17
0
0
0
0
0
0
2
0
2
1
3
10
1
6
0
46
13
3
0
1
9
15
7
10
13
7
10
13
8
28
2
140
48
30
1
5
55
55
32
47
32
18
18
37
18
5
1
8
5
2
0
0
2
3
4
4
2
0
0
5
4
1
0
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
1
0
59
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
設 問
副問11-1.あなた (1)まだどこの病院にもか
が受けるがん相 かっていない患者さんや
談のうち、下記の 家族からの相談
人たちからの相
談は1ヶ月あたり
何件ぐらいです
か。
選 択 肢
1.0件
2.1件未満
3.2件未満
4.3件未満
5.4件未満
6.5件未満
7.5件以上
無回答
(2)他院に通院中・入院
1.0件
中の患者さんや家族から
2.1件以下
の相談
3.2件以下
4.3件以下
5.4件以下
6.5件以下
7.10件以下
8.20件以下
9.21件以上
無回答
問12.あなたが受けるがん以外の相談は平
1.0件
均して、1ヶ月あたり何件ぐらいですか。
2.5件以下
3.10件以下
4.15件以下
5.20件以下
6.30件以下
7.40件以下
8.50件以下
9.100件以下
10.200件以下
11.201件以上
無回答
■ Ⅱ.相談支援センター相談員基礎研修会についておうかがいします
問13.あなたが基礎研修(3)を受けた時期は 1.平成20年度
いつですか。
2.平成21年度
無回答
問14.基礎研修 (1) 相談者の状況を、体の 1.とてもそう思う
(3)の受講によっ 状態、心の状態、暮らしの 2.少しそう思う
て、以下のような 状態などに目を向けて多
3.あまり思わない
ことで変化があり 面的に理解できるように
4.全く思わない
ましたか。
なった。
無回答
(2) 相談支援のプロセスを
1.とてもそう思う
意識するようになった。
2.少しそう思う
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
(3) セカンドオピニオンの
1.とてもそう思う
相談があった際には、相
2.少しそう思う
談者のファーストオピニオ
3.あまり思わない
ンについての理解に注意
4.全く思わない
を払うようになった。
無回答
(4) 患者会の相談があっ
1.とてもそう思う
た際には、患者会がもつ
2.少しそう思う
特徴を理解しながら応じら 3.あまり思わない
れるようになった。
4.全く思わない
無回答
問15.現在の仕 1.あなた自身の仕事に
1.とてもそう思う
事(職務)につい やりがいを感じますか。
2.少しそう思う
てどう感じていま
3.あまり思わない
すか。
4.全く思わない
無回答
2.あなた自身の仕事に
1.とてもそう思う
身体的な負担を感じます
2.少しそう思う
か。
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
3.あなたの働いている部
1.とてもそう思う
署が周囲から評価されて
2.少しそう思う
いると感じますか。
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
1.病院内のカンファレンスに出席
問16.がんの新しい治療法などについて、あ
なたはどうやって知識・情報を得ていますか。 する
2.相談支援センターで勉強会を
開催する
3.自分で調べる
4.外部の研修会に参加する
5.その他
6.特に何もしない
都道府
県がん
診療連
携拠点
勤務先
地域が
ん診療
その他
連携拠
点病院
作成日 : 2010年10月13日
度数(人)
病院の種類
無回答
がん専
門病院
大学病
院
総合病
院
その他
無回答
81
18
3
17
12
0
0
16
15
5
9
6
4
2
10
11
13
11
10
5
16
7
4
6
9
2
3
8
8
3
10
307
87
26
72
32
12
2
29
47
18
42
47
31
11
27
45
34
28
24
34
44
29
14
20
30
12
14
36
30
13
31
59
16
6
9
5
0
1
7
15
7
5
9
6
2
5
10
3
2
10
10
8
2
1
3
4
3
5
7
6
4
6
2
1
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
19
1
0
3
3
0
0
8
4
0
0
0
0
0
1
1
5
8
4
0
6
3
0
1
1
0
3
0
0
0
5
92
22
7
26
12
4
0
9
12
3
8
6
10
4
11
18
12
12
8
11
18
8
1
6
11
1
3
10
9
5
9
312
96
27
64
30
8
2
31
54
26
49
53
31
9
28
40
31
17
28
36
40
26
18
20
29
16
13
38
33
14
29
24
3
1
4
3
0
1
4
8
1
0
3
1
1
2
6
2
4
4
2
4
2
0
2
2
0
4
2
2
1
3
2
0
0
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
31
48
2
27
44
8
1
1
32
38
11
0
0
32
40
7
0
2
21
42
14
3
1
33
40
7
0
1
19
38
20
3
1
8
47
20
5
1
100
205
2
98
170
36
1
2
103
171
31
1
1
145
135
23
2
2
98
165
35
3
6
146
135
25
0
1
57
152
89
8
1
26
166
104
10
1
8
51
0
14
40
4
1
0
16
37
5
1
0
22
31
4
1
1
13
29
11
1
5
25
26
5
0
3
10
30
16
1
2
5
33
18
1
2
1
1
0
1
0
1
0
0
1
0
1
0
0
1
0
1
0
0
0
2
0
0
0
1
1
0
0
0
1
1
0
0
0
1
1
0
0
0
5
14
0
7
10
2
0
0
7
11
1
0
0
9
9
1
0
0
6
11
2
0
0
6
12
1
0
0
5
8
6
0
0
1
11
6
1
0
37
53
2
36
46
9
0
1
37
45
10
0
0
45
39
8
0
0
41
37
14
0
0
52
34
5
0
1
18
46
25
2
1
11
56
23
1
1
92
218
2
89
181
37
3
2
95
179
35
2
1
136
143
25
3
5
78
178
39
6
11
134
145
29
0
4
59
157
84
9
3
24
167
104
14
3
6
18
0
7
16
1
0
0
13
9
2
0
0
10
13
1
0
0
7
10
5
1
1
12
10
2
0
0
5
9
9
1
0
4
11
9
0
0
0
2
0
1
1
0
0
0
0
2
0
0
0
0
2
0
0
0
0
2
0
0
0
1
1
0
0
0
0
1
1
0
0
0
2
0
0
0
49
157
29
1
11
51
163
10
1
4
32
9
0
1
11
27
5
1
58
59
20
1
237
213
46
8
43
41
10
2
1
1
0
0
12
12
6
0
76
65
21
2
229
217
44
9
20
18
5
0
2
2
0
0
60
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
設 問
問17.医療・福祉の制度改変などについて、
あなたはどうやって知識・情報を得ています
か。
問18.今後、どのような研修があったらよいと
思いますか。
問19.相談支援
センターの相談の
質の評価につい
て伺います。
(1) あなたの病院の相談
支援センターの相談の質
について評価する必要を
感じますか。
(2) 厚労省研究班で、相談
の質評価に関する研究が
行われています。相談の
質の評価に関する研究に
参加したいと思いますか。
選 択 肢
1.病院内のカンファレンスに出席
する
2.相談支援センターで勉強会を
開催する
3.自分で調べる
4.外部の研修会に参加する
5.その他
6.特に何もしない
1.新しいプログラムを作成するよ
うな研修
2.自分の相談の質を測定するよ
うな研修
3.新しく相談支援センターに配属
された人や後輩の指導方法に関
する研修
4.医学的知識に関する研修
5.行政的知識やがん対策の動
向に関する研修
6.その他
1.とても感じる
2.少し感じる
3.あまり感じない
無回答
都道府
県がん
診療連
携拠点
勤務先
地域が
ん診療
その他
連携拠
点病院
作成日 : 2010年10月13日
度数(人)
病院の種類
無回答
がん専
門病院
大学病
院
総合病
院
その他
無回答
81
307
59
2
19
92
312
24
2
22
81
14
0
4
28
76
9
0
5
46
8
0
1
15
37
4
2
68
49
13
0
247
200
53
3
50
42
11
0
1
1
0
0
14
11
4
0
80
60
19
2
251
203
47
1
19
16
7
0
2
2
0
0
11
62
15
0
2
21
61
4
0
39
132
29
0
6
45
139
10
0
24
102
22
1
6
37
98
7
1
34
142
24
2
5
34
151
10
2
47
173
37
1
8
52
182
15
1
1.思う
5
37
40
3
1
41
15
98
178
29
2
141
2
22
33
3
1
32
0
1
1
0
0
0
3
10
8
1
0
9
8
40
45
6
1
44
9
95
188
26
3
148
2
11
11
2
0
11
0
2
0
0
0
2
2.思わない
38
152
23
2
9
42
152
12
0
2
14
4
0
1
6
12
1
0
無回答
61
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
作成日 : 2010年10月13日
構成比(%)
性別
設 問
選 択 肢
■ Ⅰ.はじめに、ご回答いただくあなたご自身のことについておうかがいします
問1.性別
1.女性
2.男性
問2.年齢
1.20歳代
2.30歳代
3.40歳代
4.50歳代
5.60歳以上
無回答
1.都道府県がん診療連携拠点
問3.勤務先
病院
2.地域がん診療連携拠点病院
3.その他
無回答
問4.病院の種類
1.がん専門病院
2.大学病院
3.総合病院
4.その他
無回答
問5.雇用形態
1.常勤
2.非常勤
3.派遣
4.その他
無回答
付問.勤務時間は週に何
1.10年以下
時間ですか。( )時間
2.20年以下
/週
3.30年以下
※前設問で1以外を選択し 4.31年以上
た41名対象
無回答
問6.専門資格(あてはまるものすべてに○)
1.がん看護専門看護師
2.認定看護師
3.看護師
4.保健師
5.社会福祉士
6.精神保健福祉士
7.社会福祉主事任用資格
8.心理士
9.その他
問7.現在の職種の経験年数
1.5年以下
2.10年以下
3.15年以下
4.20年以下
5.25年以下
6.30年以下
7.35年以下
8.36年以上
無回答
問8.がんの相談支援の経験年数
1.1年以下
2.2年以下
3.3年以下
4.4年以下
5.5年以下
6.10年以下
7.11年以上
無回答
問9.研修を受けた当初の配置場所は次の
1.相談支援センター
どれにあたりますか。(あてはまるもの1つに
2.相談支援センター以外の相談
○)
に関わる配置先
3.それ以外
問10.現在の配置場所は次のどれにあたり
1.相談支援センター
ますか。(あてはまるもの1つに○)
2.相談支援センター以外の相談
に関わる配置先
3.それ以外
無回答
副問10-1.現在の相談支援センターでの勤
1.専従
務形態はどれにあたりますか。
2.専任
3.兼任
4.その他
無回答
問11.あなたが受けるがん相談は平均して、
1.5件以下
1ヵ月あたり何件ぐらいですか。
2.10件以下
3.15件以下
4.20件以下
5.30件以下
6.40件以下
7.50件以下
8.51件以上
無回答
全体
女性
年齢
男性
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳以
上
無回答
449
361
88
56
137
118
111
26
1
80.4
19.6
12.5
30.6
26.3
24.8
5.8
100.0
0.0
11.4
23.9
29.7
28.3
6.7
0.0
100.0
17.0
58.0
12.5
10.2
2.3
73.2
26.8
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
62.8
37.2
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
90.7
9.3
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
91.9
8.1
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
92.3
7.7
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
18.1
20.1
10.2
16.1
16.1
13.6
26.6
19.2
0.0
68.7
13.2
68.2
11.7
70.5
19.3
62.5
21.4
73.0
10.9
71.2
15.3
60.6
12.8
80.8
0.0
100.0
0.0
4.3
20.6
69.8
5.4
4.7
22.3
67.4
5.6
2.3
13.6
79.5
4.5
10.7
19.6
60.7
8.9
5.1
18.2
72.3
4.4
1.7
22.0
70.3
5.9
2.8
20.2
72.5
4.6
3.8
30.8
61.5
3.8
0.0
0.0
100.0
0.0
91.5
7.4
0.4
0.7
89.7
8.9
0.6
0.8
98.9
1.1
0.0
0.0
92.9
7.1
0.0
0.0
96.4
2.2
1.5
0.0
96.6
3.4
0.0
0.0
88.3
10.8
0.0
0.9
47.8
43.5
0.0
8.7
100.0
0.0
0.0
0.0
2.9
11.4
51.4
34.3
2.9
11.8
52.9
32.4
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
66.7
33.3
0.0
0.0
50.0
50.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
16.7
58.3
25.0
7.1
14.3
57.1
21.4
0.0
0.0
0.0
0.0
4.7
6.9
40.8
3.8
41.9
17.4
22.3
1.8
9.4
21.3
20.9
14.8
9.0
11.2
10.3
7.9
4.5
5.5
8.6
48.8
4.4
33.5
14.1
17.7
1.4
7.8
22.0
17.5
12.0
9.2
12.5
12.3
9.2
5.3
1.1
0.0
8.0
1.1
76.1
30.7
40.9
3.4
15.9
18.6
34.9
26.7
8.1
5.8
2.3
2.3
1.2
0.0
0.0
1.8
1.8
89.3
25.0
32.1
3.6
3.6
72.7
27.3
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
5.8
5.1
16.8
3.6
67.2
24.1
36.5
1.5
9.5
10.3
45.6
37.5
6.6
0.0
0.0
0.0
0.0
10.2
16.9
46.6
3.4
22.0
13.6
14.4
2.5
7.6
12.8
6.8
10.3
23.1
35.0
12.0
0.0
0.0
0.9
3.6
70.3
6.3
18.0
13.5
12.6
0.9
15.3
18.2
6.4
2.7
2.7
8.2
26.4
28.2
7.3
0.0
0.0
96.2
0.0
0.0
0.0
3.8
0.0
3.8
23.1
3.8
0.0
3.8
0.0
7.7
15.4
46.2
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
10.0
24.9
27.2
13.7
6.2
11.4
6.6
9.6
26.3
27.5
14.7
5.9
10.8
5.1
11.8
18.8
25.9
9.4
7.1
14.1
12.9
20.0
30.9
29.1
9.1
9.1
1.8
0.0
8.9
21.5
20.7
14.1
6.7
20.0
8.1
9.6
28.1
27.2
8.8
7.9
10.5
7.9
8.4
23.4
32.7
16.8
2.8
8.4
7.5
3.8
19.2
34.6
30.8
3.8
3.8
3.8
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
68.6
69.5
64.8
71.4
72.3
60.2
71.2
73.1
0.0
21.8
19.7
30.7
25.0
19.7
25.4
19.8
19.2
0.0
9.6
71.7
10.8
71.6
4.5
72.4
3.6
75.0
8.0
76.5
14.4
63.2
9.0
71.2
7.7
80.0
100.0
100.0
19.1
18.7
20.7
21.4
16.2
23.1
19.8
8.0
0.0
9.2
9.7
6.9
3.6
7.4
13.7
9.0
12.0
0.0
67.5
21.0
11.1
0.3
69.8
19.0
11.1
0.0
58.1
29.0
11.3
1.6
57.5
32.5
10.0
0.0
65.0
18.4
15.5
1.0
68.1
22.2
9.7
0.0
69.2
20.5
10.3
0.0
90.0
10.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
16.0
17.5
10.8
14.6
11.7
6.2
7.4
15.8
16.6
16.9
11.5
14.2
11.5
6.8
6.8
15.7
13.8
20.0
7.5
16.3
12.5
3.8
10.0
16.3
15.7
19.6
7.8
21.6
7.8
5.9
2.0
19.6
18.0
11.7
10.9
11.7
13.3
8.6
7.8
18.0
18.3
18.3
10.1
11.0
7.3
7.3
11.0
16.5
14.4
23.1
12.5
19.2
10.6
2.9
6.7
10.6
4.0
16.0
8.0
12.0
36.0
4.0
4.0
16.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
62
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
作成日 : 2010年10月13日
構成比(%)
性別
設 問
副問11-1.あなた (1)まだどこの病院にもか
が受けるがん相 かっていない患者さんや
談のうち、下記の 家族からの相談
人たちからの相
談は1ヶ月あたり
何件ぐらいです
か。
選 択 肢
1.0件
2.1件未満
3.2件未満
4.3件未満
5.4件未満
6.5件未満
7.5件以上
無回答
(2)他院に通院中・入院
1.0件
中の患者さんや家族から
2.1件以下
の相談
3.2件以下
4.3件以下
5.4件以下
6.5件以下
7.10件以下
8.20件以下
9.21件以上
無回答
問12.あなたが受けるがん以外の相談は平
1.0件
均して、1ヶ月あたり何件ぐらいですか。
2.5件以下
3.10件以下
4.15件以下
5.20件以下
6.30件以下
7.40件以下
8.50件以下
9.100件以下
10.200件以下
11.201件以上
無回答
■ Ⅱ.相談支援センター相談員基礎研修会についておうかがいします
問13.あなたが基礎研修(3)を受けた時期は 1.平成20年度
いつですか。
2.平成21年度
無回答
問14.基礎研修 (1) 相談者の状況を、体の 1.とてもそう思う
(3)の受講によっ 状態、心の状態、暮らしの 2.少しそう思う
て、以下のような 状態などに目を向けて多
3.あまり思わない
ことで変化があり 面的に理解できるように
4.全く思わない
ましたか。
なった。
無回答
(2) 相談支援のプロセスを
1.とてもそう思う
意識するようになった。
2.少しそう思う
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
(3) セカンドオピニオンの
1.とてもそう思う
相談があった際には、相
2.少しそう思う
談者のファーストオピニオ
3.あまり思わない
ンについての理解に注意
4.全く思わない
を払うようになった。
無回答
(4) 患者会の相談があっ
1.とてもそう思う
た際には、患者会がもつ
2.少しそう思う
特徴を理解しながら応じら 3.あまり思わない
れるようになった。
4.全く思わない
無回答
問15.現在の仕 1.あなた自身の仕事に
1.とてもそう思う
事(職務)につい やりがいを感じますか。
2.少しそう思う
てどう感じていま
3.あまり思わない
すか。
4.全く思わない
無回答
2.あなた自身の仕事に
1.とてもそう思う
身体的な負担を感じます
2.少しそう思う
か。
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
3.あなたの働いている部
1.とてもそう思う
署が周囲から評価されて
2.少しそう思う
いると感じますか。
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
1.病院内のカンファレンスに出席
問16.がんの新しい治療法などについて、あ
なたはどうやって知識・情報を得ていますか。 する
2.相談支援センターで勉強会を
開催する
3.自分で調べる
4.外部の研修会に参加する
5.その他
6.特に何もしない
全体
女性
年齢
男性
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳以
上
無回答
449
32.9
9.4
26.4
13.2
3.2
0.8
14.0
361
31.9
10.0
25.9
12.6
3.3
1.0
15.3
88
37.1
7.1
28.6
15.7
2.9
0.0
8.6
56
37.5
12.5
25.0
5.0
2.5
2.5
15.0
137
33.6
10.3
28.0
15.0
0.9
0.0
12.1
118
34.3
8.6
25.7
13.3
3.8
1.0
13.3
111
33.3
8.3
25.0
13.5
5.2
1.0
13.5
26
13.6
9.1
31.8
18.2
0.0
0.0
27.3
1
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
7.4
14.1
15.3
10.4
3.7
10.4
16.3
12.3
10.1
7.9
11.8
13.9
10.6
3.3
10.9
17.0
13.9
10.6
5.3
24.0
21.3
9.3
5.3
8.0
13.3
5.3
8.0
9.8
11.8
25.5
5.9
3.9
5.9
19.6
7.8
9.8
5.2
20.7
13.8
11.2
3.4
12.1
9.5
14.7
9.5
11.8
10.9
11.8
11.8
2.7
7.3
20.9
11.8
10.9
5.7
13.3
18.1
10.5
5.7
15.2
15.2
9.5
6.7
0.0
4.5
4.5
9.1
0.0
4.5
27.3
22.7
27.3
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
12.2
16.9
9.7
4.7
7.2
10.7
4.2
5.7
12.7
10.9
5.0
14.3
18.8
10.6
5.5
7.0
9.7
4.0
5.2
11.6
8.8
4.6
2.7
8.2
5.5
1.4
8.2
15.1
5.5
8.2
17.8
20.5
6.8
6.0
6.0
10.0
6.0
4.0
10.0
6.0
12.0
14.0
20.0
6.0
10.1
13.4
10.1
5.0
5.0
10.9
3.4
5.0
16.8
15.1
5.0
24.3
19.6
7.5
1.9
8.4
9.3
2.8
5.6
8.4
7.5
4.7
7.0
19.0
13.0
7.0
9.0
13.0
4.0
5.0
12.0
6.0
5.0
4.0
32.0
4.0
4.0
12.0
8.0
12.0
0.0
12.0
8.0
4.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
31.5
68.5
29.3
70.7
40.2
59.8
19.6
80.4
34.8
65.2
26.5
73.5
40.0
60.0
26.9
73.1
0.0
100.0
31.4
57.0
11.0
0.7
33.5
54.7
11.2
0.6
22.7
65.9
10.2
1.1
28.6
66.1
5.4
0.0
26.5
58.8
13.2
1.5
27.4
60.7
11.1
0.9
42.7
45.5
11.8
0.0
34.6
61.5
3.8
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
33.9
54.9
10.7
0.4
32.8
56.7
10.0
0.6
38.6
47.7
13.6
0.0
32.1
58.9
8.9
0.0
34.3
49.6
15.3
0.7
32.5
56.4
10.3
0.9
35.1
57.7
7.2
0.0
38.5
53.8
7.7
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
45.0
46.4
7.9
0.7
44.7
46.9
7.6
0.8
46.6
44.3
9.1
0.0
56.4
41.8
1.8
0.0
40.9
46.7
10.9
1.5
39.1
51.3
8.7
0.9
51.8
41.8
6.4
0.0
42.3
50.0
7.7
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
30.2
54.5
13.7
1.6
29.9
53.6
14.8
1.7
31.4
58.1
9.3
1.2
27.8
51.9
20.4
0.0
23.5
61.8
11.8
2.9
36.3
52.2
10.6
0.9
33.3
50.9
14.8
0.9
32.0
48.0
16.0
4.0
0.0
0.0
100.0
0.0
46.2
45.5
8.3
0.0
45.0
46.6
8.4
0.0
51.2
40.7
8.1
0.0
41.8
54.5
3.6
0.0
39.7
47.1
13.2
0.0
50.4
42.7
6.8
0.0
48.6
45.0
6.4
0.0
61.5
30.8
7.7
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
19.6
49.7
28.1
2.7
17.8
51.3
27.9
3.1
26.7
43.0
29.1
1.2
12.7
52.7
32.7
1.8
24.3
49.3
24.3
2.2
21.4
52.1
23.1
3.4
19.1
48.2
31.8
0.9
3.8
38.5
46.2
11.5
0.0
100.0
0.0
0.0
9.0
55.5
31.9
3.6
9.2
53.5
33.7
3.6
8.1
64.0
24.4
3.5
5.5
65.5
29.1
0.0
6.6
57.4
28.7
7.4
14.5
45.3
39.3
0.9
9.1
57.3
29.1
4.5
3.8
65.4
30.8
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
52.6
52.4
53.4
41.1
50.4
57.6
58.6
38.5
100.0
10.0
9.1
13.6
8.9
8.0
7.6
14.4
15.4
0.0
75.5
69.9
16.9
2.4
74.2
70.9
17.7
2.2
80.7
65.9
13.6
3.4
69.6
53.6
8.9
7.1
75.2
69.3
16.8
2.9
76.3
74.6
12.7
0.0
75.7
72.1
22.5
1.8
88.5
76.9
30.8
3.8
0.0
100.0
0.0
0.0
63
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
作成日 : 2010年10月13日
構成比(%)
性別
設 問
問17.医療・福祉の制度改変などについて、
あなたはどうやって知識・情報を得ています
か。
問18.今後、どのような研修があったらよいと
思いますか。
問19.相談支援
センターの相談の
質の評価につい
て伺います。
(1) あなたの病院の相談
支援センターの相談の質
について評価する必要を
感じますか。
(2) 厚労省研究班で、相談
の質評価に関する研究が
行われています。相談の
質の評価に関する研究に
参加したいと思いますか。
選 択 肢
全体
女性
年齢
男性
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60歳以
上
無回答
449
361
88
56
137
118
111
26
1
1.病院内のカンファレンスに出席
する
2.相談支援センターで勉強会を
開催する
3.自分で調べる
4.外部の研修会に参加する
5.その他
6.特に何もしない
1.新しいプログラムを作成するよ
うな研修
2.自分の相談の質を測定するよ
うな研修
3.新しく相談支援センターに配属
された人や後輩の指導方法に関
する研修
4.医学的知識に関する研修
5.行政的知識やがん対策の動
向に関する研修
6.その他
1.とても感じる
2.少し感じる
3.あまり感じない
無回答
26.1
24.9
30.7
17.9
23.4
31.4
27.9
23.1
100.0
13.1
12.5
15.9
8.9
10.2
12.7
16.2
23.1
100.0
81.5
65.0
17.1
0.7
78.9
64.0
17.2
0.6
92.0
69.3
17.0
1.1
75.0
78.6
5.4
1.8
90.5
70.1
19.0
0.7
77.1
62.7
16.9
0.8
79.3
59.5
18.9
0.0
80.8
42.3
26.9
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
19.6
17.7
27.3
19.6
25.5
15.3
18.9
11.5
0.0
44.5
42.7
52.3
41.1
46.7
44.9
45.0
38.5
0.0
33.2
31.3
40.9
28.6
35.8
34.7
34.2
19.2
0.0
45.0
41.8
58.0
73.2
50.4
30.5
40.5
42.3
0.0
57.5
58.7
52.3
62.5
53.3
57.6
57.7
65.4
100.0
4.9
35.5
56.6
7.9
5.0
36.0
56.1
7.8
4.5
33.3
58.6
8.0
1.8
36.4
52.7
10.9
7.3
37.2
56.2
6.6
4.2
42.2
47.4
10.3
3.6
28.2
66.4
5.5
7.7
26.9
65.4
7.7
0.0
0.0
100.0
0.0
1.思う
49.9
49.1
53.0
50.9
45.4
52.7
52.8
44.0
100.0
2.思わない
50.1
50.9
47.0
49.1
54.6
47.3
47.2
56.0
0.0
無回答
64
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
設 問
選 択 肢
■ Ⅰ.はじめに、ご回答いただくあなたご自身のことについておうかがいします
問1.性別
1.女性
2.男性
問2.年齢
1.20歳代
2.30歳代
3.40歳代
4.50歳代
5.60歳以上
無回答
問3.勤務先
1.都道府県がん診療連携拠点
病院
2.地域がん診療連携拠点病院
3.その他
無回答
問4.病院の種類
1.がん専門病院
2.大学病院
3.総合病院
4.その他
無回答
問5.雇用形態
1.常勤
2.非常勤
3.派遣
4.その他
無回答
付問.勤務時間は週に何
1.10年以下
時間ですか。( )時間
2.20年以下
/週
3.30年以下
※前設問で1以外を選択し 4.31年以上
た41名対象
無回答
問6.専門資格(あてはまるものすべてに○)
1.がん看護専門看護師
2.認定看護師
3.看護師
4.保健師
5.社会福祉士
6.精神保健福祉士
7.社会福祉主事任用資格
8.心理士
9.その他
問7.現在の職種の経験年数
1.5年以下
2.10年以下
3.15年以下
4.20年以下
5.25年以下
6.30年以下
7.35年以下
8.36年以上
無回答
問8.がんの相談支援の経験年数
1.1年以下
2.2年以下
3.3年以下
4.4年以下
5.5年以下
6.10年以下
7.11年以上
無回答
問9.研修を受けた当初の配置場所は次の
1.相談支援センター
どれにあたりますか。(あてはまるもの1つに
2.相談支援センター以外の相談
○)
に関わる配置先
3.それ以外
問10.現在の配置場所は次のどれにあたり
1.相談支援センター
ますか。(あてはまるもの1つに○)
2.相談支援センター以外の相談
に関わる配置先
3.それ以外
無回答
副問10-1.現在の相談支援センターでの勤
1.専従
務形態はどれにあたりますか。
2.専任
3.兼任
4.その他
無回答
問11.あなたが受けるがん相談は平均して、
1.5件以下
1ヵ月あたり何件ぐらいですか。
2.10件以下
3.15件以下
4.20件以下
5.30件以下
6.40件以下
7.50件以下
8.51件以上
無回答
都道府
県がん
診療連
携拠点
勤務先
地域が
ん診療
その他
連携拠
点病院
作成日 : 2010年10月13日
構成比(%)
病院の種類
無回答
がん専
門病院
大学病
院
総合病
院
その他
無回答
81
307
59
2
19
92
312
24
2
88.9
11.1
11.1
27.2
19.8
35.8
6.2
79.8
20.2
11.4
32.7
27.5
21.6
6.9
71.2
28.8
20.3
25.4
30.5
23.7
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
89.5
10.5
31.6
36.8
10.5
15.8
5.3
87.0
13.0
12.0
27.2
28.3
23.9
8.7
77.6
22.4
10.9
31.8
26.7
25.4
5.1
83.3
16.7
20.8
25.0
29.2
20.8
4.2
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
73.7
40.7
9.0
8.3
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
26.3
0.0
57.1
2.2
76.8
14.1
45.8
45.8
0.0
100.0
17.3
45.7
34.6
2.5
1.6
16.9
77.9
3.6
0.0
3.5
77.2
19.3
0.0
50.0
50.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
86.3
12.5
0.0
1.3
91.8
6.9
0.7
0.7
96.6
3.4
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
89.5
5.3
0.0
5.3
91.2
6.6
0.0
2.2
91.6
7.7
0.6
0.0
91.7
8.3
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
62.5
37.5
4.0
12.0
48.0
36.0
0.0
50.0
50.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
50.0
50.0
14.3
0.0
57.1
28.6
0.0
16.7
50.0
33.3
0.0
0.0
50.0
50.0
0.0
0.0
0.0
0.0
6.2
1.2
44.4
4.9
38.3
18.5
16.0
3.7
8.6
25.9
23.5
11.1
11.1
3.7
12.3
9.9
2.5
4.2
8.8
41.4
3.3
41.7
16.6
23.5
1.6
8.5
19.7
21.0
16.1
7.9
12.5
10.2
6.9
5.9
5.1
5.1
32.2
5.1
47.5
18.6
25.4
0.0
15.3
24.1
15.5
13.8
12.1
15.5
8.6
10.3
0.0
0.0
0.0
50.0
0.0
50.0
50.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
15.8
0.0
21.1
5.3
52.6
26.3
15.8
0.0
10.5
47.4
21.1
15.8
0.0
5.3
5.3
5.3
0.0
7.6
5.4
41.3
4.3
41.3
25.0
19.6
6.5
7.6
22.8
27.2
6.5
9.8
12.0
7.6
9.8
4.3
3.2
8.3
41.7
3.5
41.3
14.7
23.4
0.6
9.6
18.8
20.5
16.2
10.1
11.7
10.4
7.1
5.2
4.2
0.0
45.8
4.2
41.7
12.5
20.8
0.0
8.3
25.0
4.2
29.2
0.0
8.3
20.8
12.5
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
50.0
50.0
50.0
0.0
50.0
50.0
0.0
0.0
0.0
0.0
50.0
0.0
0.0
10.3
26.9
33.3
16.7
1.3
6.4
5.1
7.3
26.1
26.4
14.2
6.6
12.5
6.9
25.5
16.4
21.8
7.3
10.9
10.9
7.3
0.0
0.0
50.0
0.0
0.0
50.0
0.0
5.3
10.5
36.8
15.8
5.3
15.8
10.5
7.7
27.5
26.4
16.5
5.5
9.9
6.6
11.2
25.3
25.7
13.5
5.9
11.5
6.9
9.1
22.7
40.9
4.5
13.6
9.1
0.0
0.0
0.0
50.0
0.0
0.0
50.0
0.0
67.9
71.0
55.9
100.0
89.5
73.9
66.0
62.5
100.0
22.2
20.5
28.8
0.0
5.3
20.7
23.4
20.8
0.0
9.9
67.9
8.5
75.4
15.3
58.6
0.0
50.0
5.3
89.5
5.4
68.5
10.6
72.3
16.7
65.2
0.0
50.0
24.7
17.4
19.0
50.0
5.3
25.0
18.7
13.0
0.0
7.4
7.2
22.4
0.0
5.3
6.5
9.0
21.7
50.0
81.1
9.4
9.4
0.0
64.2
23.5
11.9
0.4
70.6
20.6
8.8
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
74.2
21.0
4.8
0.0
63.9
21.9
13.7
0.5
53.3
33.3
13.3
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
13.2
19.7
9.2
10.5
14.5
9.2
7.9
15.8
13.9
18.1
11.1
15.3
11.1
5.9
8.0
16.4
30.2
11.3
9.4
17.0
11.3
3.8
3.8
13.2
50.0
0.0
50.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
11.1
0.0
11.1
5.6
16.7
55.6
10.7
17.9
8.3
11.9
15.5
8.3
11.9
15.5
18.7
18.7
10.9
16.0
10.9
6.1
6.1
12.6
10.0
15.0
20.0
20.0
10.0
0.0
0.0
25.0
50.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
50.0
65
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
設 問
副問11-1.あなた (1)まだどこの病院にもか
が受けるがん相 かっていない患者さんや
談のうち、下記の 家族からの相談
人たちからの相
談は1ヶ月あたり
何件ぐらいです
か。
選 択 肢
1.0件
2.1件未満
3.2件未満
4.3件未満
5.4件未満
6.5件未満
7.5件以上
無回答
(2)他院に通院中・入院
1.0件
中の患者さんや家族から
2.1件以下
の相談
3.2件以下
4.3件以下
5.4件以下
6.5件以下
7.10件以下
8.20件以下
9.21件以上
無回答
問12.あなたが受けるがん以外の相談は平
1.0件
均して、1ヶ月あたり何件ぐらいですか。
2.5件以下
3.10件以下
4.15件以下
5.20件以下
6.30件以下
7.40件以下
8.50件以下
9.100件以下
10.200件以下
11.201件以上
無回答
■ Ⅱ.相談支援センター相談員基礎研修会についておうかがいします
問13.あなたが基礎研修(3)を受けた時期は 1.平成20年度
いつですか。
2.平成21年度
無回答
問14.基礎研修 (1) 相談者の状況を、体の 1.とてもそう思う
(3)の受講によっ 状態、心の状態、暮らしの 2.少しそう思う
て、以下のような 状態などに目を向けて多
3.あまり思わない
ことで変化があり 面的に理解できるように
4.全く思わない
ましたか。
なった。
無回答
(2) 相談支援のプロセスを
1.とてもそう思う
意識するようになった。
2.少しそう思う
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
(3) セカンドオピニオンの
1.とてもそう思う
相談があった際には、相
2.少しそう思う
談者のファーストオピニオ
3.あまり思わない
ンについての理解に注意
4.全く思わない
を払うようになった。
無回答
(4) 患者会の相談があっ
1.とてもそう思う
た際には、患者会がもつ
2.少しそう思う
特徴を理解しながら応じら 3.あまり思わない
れるようになった。
4.全く思わない
無回答
問15.現在の仕 1.あなた自身の仕事に
1.とてもそう思う
事(職務)につい やりがいを感じますか。
2.少しそう思う
てどう感じていま
3.あまり思わない
すか。
4.全く思わない
無回答
2.あなた自身の仕事に
1.とてもそう思う
身体的な負担を感じます
2.少しそう思う
か。
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
3.あなたの働いている部
1.とてもそう思う
署が周囲から評価されて
2.少しそう思う
いると感じますか。
3.あまり思わない
4.全く思わない
無回答
1.病院内のカンファレンスに出席
問16.がんの新しい治療法などについて、あ
なたはどうやって知識・情報を得ていますか。 する
2.相談支援センターで勉強会を
開催する
3.自分で調べる
4.外部の研修会に参加する
5.その他
6.特に何もしない
都道府
県がん
診療連
携拠点
勤務先
地域が
ん診療
その他
連携拠
点病院
作成日 : 2010年10月13日
構成比(%)
病院の種類
無回答
がん専
門病院
大学病
院
総合病
院
その他
無回答
81
27.3
4.5
25.8
18.2
0.0
0.0
24.2
307
33.5
10.0
27.7
12.3
4.6
0.8
11.2
59
36.4
13.6
20.5
11.4
0.0
2.3
15.9
2
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
19
6.7
0.0
20.0
20.0
0.0
0.0
53.3
92
27.5
8.8
32.5
15.0
5.0
0.0
11.3
312
37.2
10.5
24.8
11.6
3.1
0.8
12.0
24
18.8
6.3
25.0
18.8
0.0
6.3
25.0
2
0.0
0.0
50.0
50.0
0.0
0.0
0.0
7.0
12.7
8.5
5.6
2.8
14.1
15.5
18.3
15.5
6.4
14.8
16.6
11.0
3.9
9.5
15.9
12.0
9.9
14.3
10.2
18.4
12.2
4.1
10.2
20.4
6.1
4.1
0.0
50.0
0.0
50.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
6.7
6.7
33.3
53.3
3.6
9.5
7.1
11.9
4.8
13.1
21.4
14.3
14.3
9.2
17.3
18.7
10.9
3.2
9.9
14.1
10.9
6.0
5.0
0.0
15.0
5.0
5.0
10.0
30.0
10.0
20.0
0.0
0.0
0.0
0.0
50.0
0.0
50.0
0.0
0.0
7.0
22.5
9.9
5.6
8.5
12.7
2.8
4.2
11.3
11.3
4.2
12.3
15.9
10.5
5.1
7.2
10.9
4.3
5.1
13.0
10.9
4.7
18.9
15.1
3.8
1.9
5.7
7.5
5.7
9.4
13.2
11.3
7.5
0.0
0.0
50.0
0.0
0.0
0.0
0.0
50.0
0.0
0.0
0.0
0.0
42.9
21.4
0.0
7.1
7.1
0.0
21.4
0.0
0.0
0.0
13.3
21.7
9.6
1.2
7.2
13.3
1.2
3.6
12.0
10.8
6.0
12.7
14.1
9.2
6.4
7.1
10.2
5.7
4.6
13.4
11.7
4.9
9.5
19.0
9.5
0.0
9.5
9.5
0.0
19.0
9.5
9.5
4.8
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
39.2
60.8
32.8
67.2
13.6
86.4
50.0
50.0
26.3
73.7
41.1
58.9
29.7
70.3
25.0
75.0
0.0
100.0
33.8
55.0
10.0
1.3
32.1
55.7
11.8
0.3
23.7
67.8
6.8
1.7
50.0
0.0
50.0
0.0
36.8
52.6
10.5
0.0
39.6
50.5
9.9
0.0
28.7
58.4
11.9
1.0
29.2
66.7
4.2
0.0
50.0
50.0
0.0
0.0
39.5
46.9
13.6
0.0
33.7
55.9
10.1
0.3
27.1
62.7
8.5
1.7
50.0
0.0
50.0
0.0
36.8
57.9
5.3
0.0
40.2
48.9
10.9
0.0
30.5
57.6
11.3
0.6
54.2
37.5
8.3
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
40.5
50.6
8.9
0.0
47.5
44.3
7.5
0.7
37.9
53.4
6.9
1.7
50.0
0.0
50.0
0.0
47.4
47.4
5.3
0.0
48.9
42.4
8.7
0.0
44.3
46.6
8.1
1.0
41.7
54.2
4.2
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
26.3
52.5
17.5
3.8
32.6
54.8
11.6
1.0
24.1
53.7
20.4
1.9
0.0
100.0
0.0
0.0
31.6
57.9
10.5
0.0
44.6
40.2
15.2
0.0
25.9
59.1
13.0
2.0
30.4
43.5
21.7
4.3
0.0
100.0
0.0
0.0
41.3
50.0
8.8
0.0
47.7
44.1
8.2
0.0
44.6
46.4
8.9
0.0
50.0
50.0
0.0
0.0
31.6
63.2
5.3
0.0
57.1
37.4
5.5
0.0
43.5
47.1
9.4
0.0
50.0
41.7
8.3
0.0
50.0
50.0
0.0
0.0
23.8
47.5
25.0
3.8
18.6
49.7
29.1
2.6
17.5
52.6
28.1
1.8
50.0
50.0
0.0
0.0
26.3
42.1
31.6
0.0
19.8
50.5
27.5
2.2
19.1
50.8
27.2
2.9
20.8
37.5
37.5
4.2
0.0
50.0
50.0
0.0
10.0
58.8
25.0
6.3
8.5
54.2
34.0
3.3
8.8
57.9
31.6
1.8
50.0
50.0
0.0
0.0
5.3
57.9
31.6
5.3
12.1
61.5
25.3
1.1
7.8
54.0
33.7
4.5
16.7
45.8
37.5
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
60.5
51.1
49.2
50.0
57.9
55.4
52.2
41.7
50.0
4.9
10.4
15.3
0.0
5.3
12.0
8.7
20.8
50.0
71.6
72.8
24.7
1.2
77.2
69.4
15.0
2.6
72.9
69.5
16.9
3.4
50.0
50.0
0.0
0.0
63.2
63.2
31.6
0.0
82.6
70.7
22.8
2.2
73.4
69.6
14.1
2.9
83.3
75.0
20.8
0.0
100.0
100.0
0.0
0.0
66
相談員基礎研修会についてのアンケート集計表
設 問
問17.医療・福祉の制度改変などについて、
あなたはどうやって知識・情報を得ています
か。
問18.今後、どのような研修があったらよいと
思いますか。
問19.相談支援
センターの相談の
質の評価につい
て伺います。
(1) あなたの病院の相談
支援センターの相談の質
について評価する必要を
感じますか。
(2) 厚労省研究班で、相談
の質評価に関する研究が
行われています。相談の
質の評価に関する研究に
参加したいと思いますか。
選 択 肢
都道府
県がん
診療連
携拠点
勤務先
地域が
ん診療
その他
連携拠
点病院
作成日 : 2010年10月13日
構成比(%)
病院の種類
無回答
がん専
門病院
大学病
院
総合病
院
その他
無回答
81
307
59
2
19
92
312
24
2
1.病院内のカンファレンスに出席
する
2.相談支援センターで勉強会を
開催する
3.自分で調べる
4.外部の研修会に参加する
5.その他
6.特に何もしない
1.新しいプログラムを作成するよ
うな研修
2.自分の相談の質を測定するよ
うな研修
3.新しく相談支援センターに配属
された人や後輩の指導方法に関
する研修
4.医学的知識に関する研修
5.行政的知識やがん対策の動
向に関する研修
6.その他
1.とても感じる
2.少し感じる
3.あまり感じない
無回答
27.2
26.4
23.7
0.0
21.1
30.4
24.4
37.5
0.0
6.2
15.0
13.6
0.0
5.3
16.3
11.9
16.7
100.0
84.0
60.5
16.0
0.0
80.5
65.1
17.3
1.0
84.7
71.2
18.6
0.0
50.0
50.0
0.0
0.0
73.7
57.9
21.1
0.0
87.0
65.2
20.7
2.2
80.4
65.1
15.1
0.3
79.2
66.7
29.2
0.0
100.0
100.0
0.0
0.0
13.6
20.2
25.4
0.0
10.5
22.8
19.6
16.7
0.0
48.1
43.0
49.2
0.0
31.6
48.9
44.6
41.7
0.0
29.6
33.2
37.3
50.0
31.6
40.2
31.4
29.2
50.0
42.0
46.3
40.7
100.0
26.3
37.0
48.4
41.7
100.0
58.0
56.4
62.7
50.0
42.1
56.5
58.3
62.5
50.0
6.2
46.3
50.0
3.8
4.9
32.1
58.4
9.5
3.4
37.9
56.9
5.2
0.0
50.0
50.0
0.0
15.8
52.6
42.1
5.3
8.7
44.0
49.5
6.6
2.9
30.7
60.8
8.4
8.3
45.8
45.8
8.3
0.0
100.0
0.0
0.0
1.思う
51.9
48.1
58.2
0.0
50.0
51.2
49.3
47.8
100.0
2.思わない
48.1
51.9
41.8
100.0
50.0
48.8
50.7
52.2
0.0
無回答
67
68
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
(研究代表者:高山 智子)
分担研究報告書
相談支援センターの院内外を含めた機能と役割、位置づけに関する検討
-国立がん研究センター中央病院の相談支援センターの体制に関する検討-
研究分担者
加藤
雅志
国立がん研究センター
がん対策情報センター
がん医療情報コンテンツ室
室長
研究協力者
樋口
由起子
国立がん研究センター中央病院
相談支援室
研究要旨:がん診療連携拠点病院に設置が義務付けられている相談支援センターが担う
べき機能を明らかにしていくことを目的に、相談支援業務に積極的に取り組んでいる国立
がん研究センター中央病院の相談支援センターの体制、業務内容及び業務ごとに従事する
時間量を明らかにした。その結果、
「他の医療機関との連携を要する相談支援業務」が業務
内に占める割合が 56%であり、「他の医療機関との連携を要しない相談支援業務」が 26%、
「患者・家族に対する集団支援プログラム運営業務」が 3%、「地域連携業務」が 3%、「教
育関連業務」が 2%であった。今回の結果は、多様ながん診療連携拠点病院の相談支援セン
ターのモデルの一つとして、その在り方を示すものと考えられる。
り、本分担研究においては、相談支援業務
A.研究目的
全国のがん診療連携拠点病院で整備が進
について積極的に取り組んでいる国立がん
む相談支援センターの機能、役割、位置づ
研究センター中央病院における相談支援セ
けについては、未だ十分な整理がされてい
ンターの体制について調査し、相談支援セ
ない。今後、相談支援センターが果たすべ
ンターに求められる機能等について検討を
き機能等を明確にすることで、実施してい
行う。
る業務の質ついての評価が可能となり、全
B.研究方法
国の相談支援センターの提供する支援の質
の向上に資するものと考えられ、これらを
国立がん研究センター中央病院相談支援
明確にしていくことが求められている。相
センターで作成している業務記録及びがん
談支援センターの院内外を含めた機能と役
相談専門員のインタビューをもとに、業務
割、位置づけについて検討していくにあた
内容及びそれぞれの業務に従事する時間量
69
を算出した。
ンド、院内カンファレンスの参加など)
(倫理面への配慮)
(3) 患者・家族に対する集団支援プログラム
本研究では、個人が特定される情報につい
運営業務(膵がん胆道がん教室、GVHD 教
て取り扱っていない。
室など)
C.研究結果
3.地域連携業務
(1) 地域医療機関との医療連携強化のため
国立がん研究センター中央病院における
相談支援センターの体制及び業務について
の情報交換会関連業務
は以下であった(2010 年 11 月現在)。
(2) 国立がん研究センター中央病院連携医
療機関情報データベース管理業務
(3) 東京都中央区 介護認定調査会
【病院及び相談支援センターの状況】
1.国立がん研究センター中央病院の概要
4.ボランティア関連業務
定床:600 床
年間新入院患者数
(1) 中央病院のボランティアの活動支援業
12,837 人/年
年間院内死亡がん患者数
343 人/年
務
入院患者:511 人/日
5.委員会関連業務
平均在院日数:13.5 日
年間外来延べがん患者数
234,880 人/年
外来患者:約 1000 人/日
6.教育関連業務
2.相談支援センターの体制(2010 年 11 月
7.その他
19 日現在)。
(1)患者図書館の管理業務
常勤がん専門相談員(ソーシャルワーカー)
(2)ミーティング
など
3 名、非常勤がん専門相談員(ソーシャル
ワーカー)5 名、事務員 1.5 名
【各業務に従事する時間量】
国立がん研究センター中央病院の相談支
【業務内容】
援センターにおいて、上記の体制により、
1.相談支援業務
がん専門相談員は担うべき必須業務に対し
(1)対面相談
て、最低でおよそ 63 時間/日(1258 時間/
(2)電話相談
(電話相談窓口「患者必携
月)
(ただし、事務員の業務時間は除く)の
サポートセンター」を含む)
時間をかけている状況にあり、その内訳は
(3)メール相談
以下のとおりであった。
2.相談支援に伴う業務
A
(1) 相談支援に伴う院外連携業務(他の医療
援業務(1-(1)~(3)、2-(1))
機関との調整、退院前カンファレンスの実
介入ケース数(1 ヶ月あたり)1 人あたりの
施など)
合計の支援・対応時間(調整や記録含む)
(2) 相談支援に伴う院内連携業務(病棟ラウ
入院患者
70
他の医療機関との連携を要する相談支
90 ケース/月×342 分/ケース※
外来患者
60 ケース/月×197 分/ケース※
談支援センターの設置が義務付けられてい
相談支援センター全体で要する時間
る。その背景には、がん拠点病院が、がん
42,600 分/月=710 時間/月(56%)
患者やその家族に対する正確な情報提供や
※計算方法については(別紙 1)
不安の軽減を目的とした相談支援を実施し
B
ていくことが期待され、その業務を担う部
他の医療機関との連携を要しない相談
支援業務(1-(1)~(3))
門として相談支援センターが位置付けられ
介入ケース数(1 ヶ月あたり)1 人あたりの
たことにある。しかし、がん拠点病院の相
合計の支援・対応時間(調整や記録含む)
談支援センターは、がん拠点病院制度の見
対面
180 ケース/月×平均 20 分/ケース
直しとともに広く知られるようになった概
電話
440 ケース/月×平均 10 分/ケース
念であり、関係者の中でもその果たすべき
133 時間/月
役割については、統一をみていない現状に
患者必携サポートセンター
5 時間/日×2
ある。がん拠点病院の中には、もともと地
人=200 時間/月
域連携を担っていた部門に「相談支援」の
相談支援センター全体で要する時間
業務が付加した病院も少なくなく、現在も
133 時間/月+200 時間/月=333 時間/月
連携業務を中心に活動している相談支援セ
(26%)
ンターも多い。また、院内患者からの相談
C
病 棟 ラ ウ ン ド (2-(2))
16 時 間 / 月
の場合、相談内容が地域連携に関連する場
(1.3%)
合も多く、相談業務と連携業務が切り離せ
D 院内カンファレンスの参加(2-(2))
ないという現状もある。
10 時間/月×2 人=20 時間/月(1.6%)
そのような中で、国立がん研究センター
E 患者・家族に対する集団支援プログラム
中央病院の相談支援センターは、院外から
運営業務(2-(3))
の相談業務についても積極的に取り組んで
12 時間/月×3 人=36 時間/月(2.9%)
F
地域連携業務(3-(1)-(3))
いると同時に、院内の連携業務についても
32 時間/月
行っており、多様ながん診療連携拠点病院
の相談支援センターのモデルの一つとなる
(2.5%)
G
ボランティア関連業務(4)
6 時間/月
ことを目指している。
今回、このような相談支援センターの業
(0.5%)
H
委員会関連業務(5) 5 時間/月(0.4%)
務実態を明らかにしたことは、他のがん拠
I 教育関連業務(6) 20 時間/月(1.6%)
点病院がそれぞれの状況に応じた相談支援
J その他(7)
センターの在り方を検討していく際に、参
0.5 時間/日×8 人=80 時間/
考とする資料となるものと考える。
月(6.4%)
今後は、多様ながん拠点病院の相談支援
センターについて、その実態を明らかにし
相談支援センターにおける現在の必須の延
べ業務時間
1258 時間/月=63 時間/日
ていくとともに、がん患者や家族の療養生
活の質の向上に資する相談支援センターの
あり方について検討していくこととする。
D.考察
がん診療連携拠点病院制度において、平
成 18 年度から、がん診療連携拠点病院に相
E.結論
71
25 日
今回、国立がん研究センター中央病院の
4.
相談支援センターの業務の実施状況が明ら
名古屋
加藤雅志.インターナショナル・シン
かになった。全国のがん診療連携拠点病院
ポジウム「世界各地における地域緩和
において適切な相談支援が実施できる体制
ケア」 わが国における地域緩和ケア.
を整備していくうえでの、一つのモデルと
第 15 回日本緩和医療学会学術大会
して参考になり得るものと考えられる。今
2010 年 6 月 18 日、19 日 東京
後、相談支援センターの機能を整理、その
役割を果たすために必要な体制について、
H.知的財産権の出願・登録状況(予定を
更なる検討を行っていく。
含む。)
1.特許取得
G.研究発表
なし
論文発表
1.
2.実用新案登録
加藤雅志.エビデンスに基づく緩和ケ
ア、精神腫瘍学.腫瘍内科
7(1) :
なし
-がん
3.その他
62-69(2011.01)
2.
加藤雅志.がん患者のこころ
特記すべきことなし
対策基本法で何が変わっていくのか.
現 代のエスプリ
517 : 21-29
(2010.08)
3.
加藤雅志.緩和ケアのあるべき姿.臨
床精神医学
39(7):855-860(2010.
07)
学会発表
1.
加藤雅志.がん医療情報の発信.第 48
回 日本癌治療学会学術集会 2010 年
10 月 28 日-30 日
2.
京都
加藤雅志.がん対策と緩和ケアにおけ
る精神腫瘍学の果たすべき役割につい
て
-がん患者とその家族の療養生活
の質の維持向上のために-.第 69 回
日本癌学会学術総会 2010 年 9 月 22
日-24 日
3.
大阪
加藤雅志.精神症状の捉え方
-がん
医療の領域で働く医療従事者のための
エッセンス-.第 23 回日本サイコオン
コロジー学会
学会
第 10 回日本認知療法
合同大会 2010 年 9 月 24 日、
72
(別紙 1)
相談支援センターが、他の医療機関との連携に関する相談支援業務に要する時間の
計算方法
依頼からケースの終結までの流れ
退 院 ・ 転 院
多職種との情報
談
記
共有・連携調整
面
他 機 関 調 整
談
主 治 医 へ の 報 告
面
数回
録
【入院患者一人当たりの支援時間】
初回面談 40 分+医師への報告 10 分+他機関調整(一人当たり 4 種類の医療資源×数か所
への打診)72 分
+継続面談(数回)65 分+多職種との情報共有・連携調整 20 分+記録 75 分=342 分
【外来患者一人当たりの支援時間】
初回面談 35 分+医師への報告 5 分+他機関調整(一人当たり 4 種類の医療資源×数か所へ
の打診)72 分
+継続面談(数回)30 分+記録 55 分=197 分
他機関調整における「4 種類の医療資源」とは、訪問看護ステーション、往診医、緊急時の
対応病院、緩和ケア病棟であり、患者の今後の経過を予想し、多くのケースでこれらの 4
種類の医療機関を紹介している。
73
74
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
(研究代表者:高山 智子)
分担研究報告書
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
-相談支援業務に携わる人々の意見や情報からの分析-
研究分担者
唐渡
敦也
公益財団法人
医療支援センター
癌研究会有明病院
センター長
研究要旨:相談支援業務に携わる人々の意見や情報の収集を行い、相談支援センターの
院内外を含めた機能と役割、位置づけを検討した。相談支援業務の院内周知や重要性認識
の程度は各医療機関で様々であり、相談員のモチベーションや相談件数、責任所在の明確
化などに大きな影響を与えていた。
「相談支援業務に関する共通認識」を作成し「相談支援
センターの院内外を含めた機能と役割、位置づけ」を充実させる責務を各がん診療連携拠
点病院管理者に課すべきである。
A.研究目的
やがん診療連携拠点病院に準ずる病院で相
相談支援センターの院内外を含めた機能
談支援業務に携わる人々の意見や情報の収
と役割、位置づけに関する検討
集に努めた。
B.研究方法
(倫理面への配慮)
相談支援センターの実態把握を目的に相
個人の情報や背景を問う調査ではなく、
談支援センターへの訪問聞き取り調査と厚
相談支援センター運営にかかわる組織要因
生労働省委託事業として実施された「がん
等を探索する研究であり倫理上の問題はな
診療連携拠点病院の緩和ケア及び相談支援
いと考えられるが,施設や個人が特定でき
センターに関する調査」結果を許可に基づ
ないように留意を払い、公表を行う際には
き入手し、相談支援業務の充実度に関する
事前に施設からの承諾を得ることとした。
背景因子を検討した。また「東京都がん診
療連携協議会内の「連携・相談支援協議会」
C.研究・調査結果
に係る会合や種々のがん診療連携拠点病院
「がん診療連携拠点病院の緩和ケア及び相
75
談支援センターに関する調査」結果におい
め、各がん診療連携拠点病院管理者に「相
て、相談者の相談支援に関する情報入手経
談支援センターの院内外を含めた機能と役
路の半数以上が医療機関スタッフ経由であ
割、位置づけ」を充実させる責務を課すべ
り、相談支援業務の 4 割が専任・兼任の相
きである。
談員による対応であった。相談支援の半数
は 20 分以上の時間を要し、かつ複数回の相
F.健康危険情報:非該当
談であり、約 1/3 が後方連携に関する内容
であった。相談施設に入院または通院中の
G.研究発表
1. 論文発表
患者に関する相談が8割弱であり、相談施
設以外からの相談は2割強にすぎなかった。
1.
乳癌診療
こんなときどうする Q&A
また、相談支援業務の院内周知や重要性
「外来化学療法を実施する場合、病院
認識の程度は各医療機関で様々であり、相
(病診)連携で注意すべき点は何でし
談員のモチベーションや相談件数、責任所
ょ う か ? 」 p241-p243 、 中 外 医 学 社
在の明確化などに大きな影響を与えている
2010 年 6 月 25 日
2.
と考えられた。
胆道がんの治療とケアガイド「自分の
病気とより良く付き合うために・医療
連携ってなに?」金原出版 (in press)
D.考察
相談支援業務の改善や相談員のモチベー
ション向上には、院内における相談支援業
H.知的財産権の出願・登録状況
務の周知徹底や重要性認識の推進が重要で
(予定を含む。)
あることが示唆され、また後方連携業務も
1.
特許取得
重要な課題であった。地域・医療機関毎に
2.
実用新案登録
異なる相談支援業務の解釈を各地域の医療
3.
その他
環境に則して共通認識化することが、
「相談
支援センターの院内外を含めた機能と役割、
位置づけ」に重要であると考えられた。
E.結論
各都道府県のがん診療連携協議会は相談
員専従化の進捗状況を把握するとともに、
各地域医療環境に則した「相談支援業務に
関する共通認識」の作成や各がん診療連携
拠点病院の方向性や体制などの明確化を勧
76
なし
なし
特になし
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
(研究代表者:高山 智子)
分担研究報告書
相談支援センターの院内外を含めた機能と役割、位置づけに関する検討
-相談員に求められる精神心理的ケアの検討-
研究分担者
小川
朝生
国立がん研究センター東病院
精神腫瘍学開発部
臨床開発センター
室長
研究要旨:相談支援センターの役割の一つにがん患者のこころのケアがあげられている。
がん患者の精神症状緩和を図り、療養生活の質の向上を目指すためには情緒的サポートに
加えて、うつ病を同定し、専門支援につなぐ介入が重要である。本研究では、相談支援セ
ンターと支持療法・緩和ケアチームとの連携をさぐる上で、相談支援の実体を検討した。
そこで本研究では、相談員に求められる
A.研究目的
精神心理的ケアを明らかにするために、現
がん患者は一般人口よりうつ病有病率が
高く、自殺や QOL の全般的な低下など深刻
状に関するレビューをおこなった。
な事態をもたらす。特に終末期がん患者の
B.研究方法
うつ病は身体的制約から抗うつ薬等一般的
国立がん研究センター東病院患者・家族
な抗うつ療法が難しく、新しい抗うつ療法
相談支援センターおよび院外施設「がん患
の開発が望まれる。
この状況は、相談支援センターを訪れる
者・家族総合支援センター」の開設におこ
患者・家族にも同様である。とくに社会的
なわれたアンケート調査および相談記録を
問題と精神心理的問題との関連は強く、社
もとに相談支援の現状を記述的に解析した。
会的問題にさらされた患者は、社会的問題
(倫理面への配慮)
がない患者と比較して抑うつスクリーニン
グ陽性の割合が 2 倍以上ともいわれている。
研究への参加は個人の自由意思によるも
今後相談支援センターが機能するためには、
のとし、研究に同意し参加した後でも随時
通常の情緒的支援に加えて、抑うつ・不安
撤回が可能であること、研究に参加しない
など精神症状へも十分な対応スキルを持つ
場合でも何ら不利益は受けないこと、個人
ことが必要である。しかし、現状では相談
のプライバシーは遵守されることを開示文
員の実践のために求められるスキルが何か
書にて示し説明する。調査中に生じる身
明らかになっていない。
体・精神的負担についてはできるだけ軽減
77
することに努める。本研究は実施施設の倫
また実際の相談記録からも、精神的問題
理委員会にて審議を受け、研究実施計画の
が院内外を問わず取り上げられている一方、
承認を得た後に実施する。参加者には開示
院内相談窓口では職種により、精神的問題
文書を用いて研究の目的・内容に関して十
の取り上げる頻度に差が認められた。この
分に説明し、参加者本人から文書にて同意
差が生じた原因として、①職種により受け
を得られた後におこなわれる。
る相談内容が異なる、②職種により問題の
同定能力が異なる、の 2 点の可能性がある。
複数の職種が同じ窓口に並ぶ場合、相談内
C.研究結果
東病院外来にて行われた患者調査(2196
容により担当を振り分けることが可能であ
名に配布し 1510 名より回収、回収率 69%)
る。しかし、がん診療連携拠点病院の現状
では、相談支援センターの認知率は 72%、
を考えた場合、転院など後方連携業務の比
利用率は 8%であった。
重が大きく、相談支援に十分な人数を割く
相談支援センターで相談を希望する項目
ことは難しい。精神的問題に関しても、す
を併せて調査した結果、不安、抑うつ等の
べての相談員が同様のアセスメント技術を
精神症状に関する相談は 14.8%にあり、栄
持つことが望ましく、職種を越えた教育プ
養 (20.8%) や 病 状 ・ 治 療 に 関 す る 相 談
ログラムが必要であろう。
(19.3%)、薬物(15.9%)についでおり、身体
症状(14.8%)やコミュニケーション(14.7%)、
E.結論
相談支援センターの相談支援業務におけ
社会的問題(13.9%)と並んでいた。
院内・院外での相談窓口感での精神症状
る精神的問題へのアセスメントは重要であ
に関する相談内容の差異もあわせて検討し
り、相談員への教育方法の検討が必要であ
た。院外(がん患者・家族総合支援センタ
る。
ー)窓口では、相談方法の 60%が電話、相
談経路は自らが 53%で相談時間は 25 分で
F.健康危険情報
あった。院内相談窓口では、来訪が 79%で
特記すべきことなし。
あり、医療者からの指示が 57%をしめた。
相談時間は 21 分であった。相談内容では、
G.研究発表
精神的な問題に関する相談の占める割合は、
論文発表
院外窓口では 8.3%に対して、院内は看護師
1.
Shimizu, K., Ogawa, A., Uchitomi, Y.,
による相談では 5.6%、医療ソーシャルワー
et al : Feasibility and usefulness of
カーを含めた相談では 1%であった。
the 'Distress Screening Program in
Ambulatory Care' in clinical oncology
practice. Psychooncology 19: 718-25,
D.考察
2010
患者調査の結果から、患者家族が相談支
援センターでの相談に期待する内容として、
2.
Asai, M., Ogawa, A., Uchitomi, Y., et
精神症状に関する相談も身体症状や治療に
al : Psychiatric disorders and stress
関する内容とほぼ同等の水準にあり、患者
factors experienced by staff members
家族の関心が高いことが示唆される。
in cancer hospitals: a preliminary
78
finding from psychiatric consultation
精神神経学会学術総会, 広島県広島市,
service at National Cancer Center
2010,
2.
Hospitals in Japan. Palliat Support
3.
せん妄をきたしたがん患者における非
Ogawa, A., Uchitomi, Y., et al :
定型抗精神病薬の高血糖, 第 48 回日
Involvement
本癌治療学会学術集会, 京都府京都市,
of
a
psychiatric
2010,
3.
care team at the Japanese cancer
1139-46, 2010
病院精神医学会総会, 東京都千代田区,
高橋真由美,小川朝生,内富庸介, 他:【う
2010,
4.
緩和ケア領域にお
8.
GHP精神腫瘍学研修会
小川朝生: 心理士のアセスメント・介
入, 第23回日本サイコオンコロジー
けるうつ病. 綜合臨床 59: 1224-1230,
学会研修セミナー, 愛知県名古屋市,
2010
2010,
小川朝生: 精神科医への期待
5.
いま進
小川朝生: 患者の意向に沿った治療を
められている事業から. 精神神経学雑
考える(意思決定能力), 第23回日
誌 112: 1010-1017, 2010
本サイコオンコロジー学会, 愛知県名
大谷恭平, 小川朝生, 内富庸介, 他: サ
古屋市, 2010, JPOSシンポジウム
バイバーにおける認知機能障害. 腫瘍
6
6.
内科 5: 202-210, 2010
7.
小川朝生: がん患者におけるコンサル
テーションの実際, 第23回日本総合
とその対策の実際
6.
一般演題(ポスター)
center hospital. Jpn J Clin Oncol 40:
つを診る】 各領域におけるうつ病診療
5.
鈴木真也, 小川朝生, 内富庸介, 他 :
Care 8: 291-5, 2010
consultation service in a palliative
4.
シンポジウム 21
小川朝生: 在宅ケア各論
第 5 回. 温
小川朝生: 緩和ケアチーム・フォーラ
ム よりよい活動のために-成熟期へ
第 5 号: 13-15, 2010
の道しるべ-, 第 15 回日本緩和医療
小川朝生:【がんの告知と看護師の役割
学会学術大会, 東京都千代田区,
看護師のコミュニケーション技術】医
2010,
職種別フォーラム4
座長
療者間のコミュニケーション. がん看
9.
護 15: 50-52, 2010
H.知的財産権の出願・登録状況(予定を
白井由紀, 小川朝生, 内富庸介, 他: が
含む。)
ん治療中の患者の精神症状. エビデン
1.特許取得
なし
スにもとづいたOncologyNursing 総
集編: 163-167, 2010
10. 小川朝生 :がんチーム医療におけるコ
2.実用新案登録
ミュニケーション・スキル. Oncology
なし
Nursing 1: 22-25, 2010
3.その他
特記すべきことなし
学会発表
1.
小川朝生: 精神科医への期待
いま進
められている事業から, 第 106 回日本
79
80
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
(研究代表者:高山 智子)
分担研究報告書
相談支援センターの院内外を含めた機能と役割、位置づけに関する検討
-がん診療連携拠点病院の特徴に基づくグループ化の検討と
神奈川県立がんセンターにおける電話相談の相談内容に関する分析-
研究分担者
岡本
直幸
研究協力者
片山
佳代子
神奈川県立がんセンター
神奈川県立がんセンター
臨床研究所専門員
臨床研究所特別研究員
研究要旨:地域がん診療連携拠点病院における相談支援センターのあり方に関する研究
を行うために、①「がん診療連携拠点病院の緩和ケア及び相談支援センターに関する調査」
2008 年度版のデータを用いて、拠点病院の特徴に基づくグループ化の検討と、②神奈川県
立がんセンターにおける電話相談の相談内容に関する分析の2つの研究を行った。相談支
援センターのグループ化に関してはアンケート調査の回答に従って因子分析を行い、抽出
された因子得点に従ってクラスター分析を行い、地域がん診療連携拠点病院は大きく8つ
に分類できることが分かった。また、がんの電話相談内容に関しては相談内容をグラウン
デッドセオリーアプローチ法に従って分類を行い、がん相談内容を大きく7つに分類する
ことができた。これらの解析結果は、今後、相談支援センターのあり方を検討する場合や
電話相談の手法や電話相談員の教育場面などに有効な資料を提供すると思われる。
おり、一律に同等の相談支援センターを整備し、
A.研究目的
2007 年 4 月より施行されている「がん対策
同等の活動を展開することは難しいと思われ
基本法」において、相談支援センターの設置が
る。とくに、地域における拠点病院の相談支援
求められ、その業務と役割は「がん対策基本計
センターにおいては、がん患者や家族の相談の
画」や「がん診療連携拠点病院に関する指針(平
みならず、地域住民のあらゆる相談に対応しな
成 20 年 3 月)の中で示されている。とくに、
ければならず、センターの設置というハード面
相談支援センターの質的向上や量的な充足、患
の完備のみでは不十分であろう。各地域の社会
者団体等との連携による活動の促進が謳われ
環境に適した検討を行い、実践に応用させてい
ているところである。しかし、相談支援センタ
く必要があると思われる。
ーを設置する地域がん診療連携拠点病院は、が
本研究では、相談支援センターの適切なあり
ん専門病院、大学附属の病院、国公立などの公
方を検討することを目的に組織された研究班
的な総合病院、私立の総合病院などが含まれて
の課題である「相談支援センターの機能の強
81
化・充実と地域における相談支援センターのあ
の分析に関しては、神奈川県立がんセンターが
り方に関する研究」の支援を受けて、「相談支
ん臨床研究・情報機構の「がん情報センター」
援センターの院内外を含めた機能と役割、位置
が行っている「がんの電話相談」の相談内容の
づけに関する検討」という分担研究課題のもと
資料のなかで、開始当初からのデータ約 1,000
で、①「がん診療連携拠点病院の緩和ケア及び
件を用いて相談内容の解析を行った。解析には
相談支援センターに関する調査」2008 年度版
グラウンデッドセオリーによる方法によって、
のデータを用いて、拠点病院の特徴に基づくグ
各相談内容の分類と構造化を行い、基本的構造
ループ化の検討と、②神奈川県立がんセンター
と修飾的内容との区別を行う方法によって、相
における電話相談の相談内容に関する分析の
談内容の新たな分類を試みた。
2つの研究を行い、相談支援センターのあり方
に関する検討のための基礎資料の確保を行っ
C.研究結果
た。
1.
B.研究方法
表1
拠点病院の分類
抽出された17の因子
ん診療連携拠点病院
因子番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
の緩和ケア及び相談
12
Ⅴ14,15,16
相談支援センターと地域の医療機関との情報交換
や共有
支援センターに関す
13
14
15
16
17
Ⅰ5,14,15,22
Ⅳ2,3,4,7
Ⅰ13、Ⅲ7,8
Ⅴ10,11
Ⅰ11,12
職員の理解度
ファックスやメールでの相談対応
チラシや冊子での広報活動
患者さんや地域のニーズ把握のための調査実施
がんに関する冊子の配布、その利用状況の把握
地域がん診療連携
拠点病院の相談支援
センターに係る資料
は、2008 年に緩和ケ
ア学会が調査した「が
る調査」のうち、相談
支援センターに関す
る質問 85 項目に回答
した 378 施設のデー
タを用いた。
解析は、各施設の 85
項目の回答をもとに
因子分析を行い、固有
表2
関連質問番号
Ⅰ15-20
Ⅱ1,4,7,10
Ⅲ11,12,13、Ⅲ5
Ⅴ12,13
Ⅳ9,10、Ⅵ1,3
Ⅲ1,2,3,4
Ⅱ2,5,8,11
Ⅳ8、Ⅵ7,8
Ⅴ1,2,3,5,6,8
Ⅱ3,6,9,12
Ⅵ4,5,6,11
因子の意味
認知・支援・位置づけが十分
専従のスタッフ
ホームページの活用
都道府県連絡協議会のサブグループ
相談対応マニュアル
拠点病院・相談支援センターの表示と明記
専任のスタッフ
国がんの研修会参加スタッフの有無
他の拠点病院へ情報の提供ができる
兼任のスタッフ
相談事例の定期的検討会・カンファレンスの開催
がん診療連携拠点病院アンケート結果に基づく8グループ分類
G1
G2
G3
G4
G5
G6
G7
G8
認知・支援・位置づけ
因子
―
―
○
○
○
○
◎
○
専従のスタッフ
―
―
◎
―
―
―
―
―
ホームページの活用
○
―
○
○
―
○
◎
○
都道府県連絡協議会のサブグループ
○
―
○
○
◎
○
○
○
相談対応マニュアル
―
―
○
―
―
◎
○
○
拠点病院・相談支援センターの表示と明記
―
―
―
―
―
―
―
◎
値1以上の因子を抽
専任のスタッフ
○
―
○
○
◎
○
○
○
国がん研修会参加スタッフの有無
○
○
○
―
―
―
◎
○
出し、施設ごとに計算
他の拠点病院へ情報の提供ができる
○
○
○
○
○
○
◎
○
兼任のスタッフ
○
○
○
○
○
○
○
◎
相談事例の定期的県検討会・カンファレンス
―
―
○
―
○
◎
―
―
なデータとしてクラ
相談支援センターと地域の医療機関との情報
交換や共有
―
○
○
◎
○
○
○
○
スター分析を行い、地
職員の理解・支援
○
○
○
○
◎
○
○
○
ファックスやメールでの対応
―
―
―
○
○
―
◎
○
チラシや冊子で広報
◎
○
○
○
○
○
○
○
患者さんや地域のニーズ調査
―
○
○
○
◎
○
○
○
がんに関する冊子の配布・その利用状況把握
◎
○
○
○
○
○
○
○
した因子得点を新た
域がん診療連携拠点
病院の分類を行った。
また、がんの電話相談
注)◎:最も良い、○:◎と有意な差なし、―:◎と有意な差あり(P<0.05)
82
相談支援センターのアンケート調査 85 項目
に分類された医療機関の 17 因子得点の平均を
に回答を行った 378 施設の資料を用いて因子
算定し、最高得点のグループ(◎で示す)を基
分析を行った。幾つかの施設によっては、無回
準として検定を行い、有意差がなかったグルー
答の項目があったことから、無回答の項目の回
プ(○で示す)、有意に低かったグループ(-
答は回答枝の中で最も悪いと思われる回答枝
で示す)に分けて表2に示した。グループ1の
を回答したものとして解析を行った。主因子法、
医療機関では、チラシや冊子を配布して相談支
バリマックス回転による因子分析の結果、17
援センターの広報を図り、国がん作成の小冊子
の因子が抽出された。抽出された 17 因子それ
の配布を積極的に行っている反面、施設内での
ぞれに含まれる質問項目から、各因子の意味を
認知や支援、位置づけが不十分で専従のスタッ
決定し、表1の結果を得た。第一因子は、質問
フも少ないという状況であることが示されて
I15-20 が強く関連しており、質問の内容から
いる。また、グループ2では、特徴的に高い項
「相談支援センターの施設内での認知度、支援
目は無く、17 項目中 9 項目において最高得点
度、位置づけの明確化」を示す因子と考えられ
のグループと比較して有意に低い状況である
た。第二因子は「専従のスタッフの存在」、第
ことが判明した。グループ3から8に関しては
三因子は「ホームページの活用」、第四因子は
表2を参照されたい。以上の結果から、地域が
「道府県の連絡協議会のサブグループとして
ん診療連携拠点病院における相談支援センタ
の位置づけが十分」、第五因子以下は表1を参
ーの活動状況は、施設によって大きく異なって
照されたい。
いることが示された。
この抽出された 17 因子に関して、各施設の
今後、各施設の特徴と問題点を的確に把握し、
得点を計算し、計算された因子得点に基づいて
各拠点病院の相談支援センターの足並みをあ
クラスター分析を行った。クラスター分析の結
る程度一致させる必要があると思われる。各グ
果、地域がん診療連携拠点病院は8つのグルー
ループに属する施設名は付表1に示した。
今回の解析は、アンケート結果のみに基づい
プに分けることができた(表2)。各グループ
表3
利用回数
相談内容の特徴抽出
内容1
内容2
内容3
内容4
内容5
内容6
内容7
内容8
内容9
内容10
初めて
昨年高血圧性心臓 その後老人保健施設
病で3ヶ月入院 に入所
今の状況で在宅
1/4に不性出血
主治医(眼科) 婦人科の診察を
療養に切り替え
(新鮮血で多かっ
当センターを受診
はこのまま様子 受けた方がいい
てショートステ
た)があり、その
できるか?
を見ましょうと か?がんが心配
イなどに通える
後止まっている
でしょうか?
初めて
発熱・食欲不振で
近医受診エコー・
胃カメラは異常なし
CTで肝臓に陰があ
る
肝臓の陰が淡く
肝臓に関しては 受診病院には設
ラジオ波治療はど 患者に負担にな 広がっていると
今後大腸検査予定 ラジオ波治療を 備がないため、
言われたが、が
んな治療か?
るか?
薦められた
施設を知りたい
んでしょうか?
初めて
昨年10月がん性胸 胸腔鏡で肺生検する
膜炎と診断
もはっきりせず
セカンドオピニオ
内科医ー進行が
大きい病院は直
外科医ー喉に対 ンで頭頚部の医師 今後PET-CT・エ
CTで喉に異物があ
生検は経験の多 化療も抗がん剤治療
んなので放治・
ぐには治療して
して生検をする は生検は一般的な コー検査の結果
るー内科医は鏡水
い施設で受けた の多い施設で受けた
手術は出来ない
はくれないので
べき リスクあ ものである がん で治療方針が決
とは関連なし 外
い
い
化療を開始する
はないか
り
であれば化療をす まる
科医は関連がある
べき
るべき
初めて
2年前健診でPSA値 2~3ヶ月毎に再検
8.7で生検ーが で徐々に上がり、現
在9.7
ん細胞(-)
主治医にPSA値1
他の検査はない 当センターでも前
0以上になったら 再度生検を勧め
か(内視鏡な 立腺に関する基準
どうなるのかとき られる
は同じか?
ど)
いた
初めて
大学病院で再度の検
手術を勧められた 査で良性の皮膚線維
腫と診断される
診断が異なるため、
もう1ヶ所検査を 施設の紹介
受けたい
初めて
昨年12月頃から喉
がんではないかと心
の奥から耳にかけ
配
て違和感あり
近医でPETについ
もっと早く検査
て問い合わせたと
をしてくれる施
ころ、1ヶ月先と
設を知りたい
のこと
初めて
健診で卵巣の腫れ 大学病院と当セン
を指摘され、精 ターではどちらがい
査・診断
いか?
大学病院ならどこ
がいいか?
初めて
出産ぎりぎりまで検
4年前妊娠中に異
査をしたが、正常と
型成と言われる
中間を繰り返した
生理は順調にき
出産すると異型
ていたが、最近
出産後、子供が病 成がん化すると
生理が不順と 現在結果待ち
弱で検診を受けず 聞いたが、本当
なっているので
か?
検査を受けた
83
腫瘍マーカーも
調べたのでがん
なのではない
か・進行してい
るのではないか
と心配
た解析であることから、今後、施設の規模(ベ
っていることから、がん情報センターでは、が
ッド数、医師数、看護師数、標榜科など)や設
んセンターに関係する患者や家族を除いた方
立母体などのデータを加え、よりきめの細かい
を対象として実施している。このがん情報セン
解析を行って、各施設の的確な課題を提示する
ターの電話相談の相談件数は平成 23 年 1 月ま
ことによって、格差のない相談支援センターの
でに 7000 件を越すほどの相談が寄せられてい
運営へと結びつけることが出来ると期待して
るが、今回の解析では開始当初からのデータ約
いる。
5000 件を用いて相談内容の解析を行った。
2.
【解析方法】表 3 にがん電話相談(以下、相談)
電話相談内容の分析
神奈川県立がんセンター(以下、がんセンタ
内容の特徴の抽出結果の一部を示した。各相談
ー)では、平成 18 年 5 月に神奈川がん臨床研
内容の記録を閲覧し、抽出した内容を独立した
究・情報機構を組織し、がんの臨床研究の支援
データとし、グラウンデッド・セオリー・アプ
とがん患者、家族および一般県民へのがん情報
ローチ法(以下、GTA 法)、木下の M-GTA 法
の提供を積極的に行っている。特に、がん情報
に基づき、データを①切片化、②ラベル化、③
の提供に関しては「がん情報センター」を設置
カテゴリー化し、④各カテゴリー間の位置づけ
し、県内の医療機関におけるがん診療情報の提
(axial coding)をすることで、⑤理論の構築
供を行うと共に、平成 18 年 10 月 16 日より月
(selective coding)、相談内容の構造化を試み
~金(祝祭日は除く)の 1 日4時間、看護師に
た。
よる「がんの電話相談」を行っている。がんセ
【結果】5165 件中、初回相談のみ 4251 件を
ンターにおいても電話や対面による相談を行
分析したところ、ラベル化(特性、次元)およ
表4 6つの相談内容の構造 カテゴリー
サブカテゴリー
がんと診断あり
1 診断
2
3
4
5
6
内容
診断されたばかり、本当にがんだろうか?
手術をすすめられたがセカンドオピニオンの希望(診断について意見を聞きたい、よりよい治療を受けた
がんの診断なし
検査中、「本当にがんだったらどうしたらいいか」
疑いあり、自己判断ではがんではないか?
症状あり
「転移したのではないだろうか?」、術後数年経過している。
症状
気になる症状がある、 再発ではないか?
症状なし
健診で異状発見、精密検査へ(早期発見)、どのような経過をたどるのか?
治療前(受診前)
どのような経過をたどるのか?
治療
セカンドオピニオンの希望(診断について意見を聞きたい、よりよい治療を受けたい)
治療中
現在の治療方針について(使用している薬剤など)
医療(者、施設)不信、
転院希望(がんセンターにかかりたい)
セカンドオピニオンについて(担当医が嫌がるのでは?、自分の不利益にならないか?)
治療後
経過観察中であるが、気になる症状がある、再発したのでは?転移したのでは?
放置
高齢のため治療できない状態、治療はしていない
終末期
余命少ないと宣告されている、他にできることはないか?
ホスピスについて教えて、緩和ケアについて教えて
漠然とした不安
夫のタバコをやめてほしい、がんになるんじゃないか?
質問・問合せ
がんは移るか?風呂を共有しているが問題ないか?職場でがんが広がっている、辞めた方がいいか
子どもに遺伝しないか?将来がんになるのでは?
がん情報について質問 がん拠点病院とは?
パンフレット、冊子がほしい、どこでもらえるか?
近隣のがん専門病院を教えてほしい
治療にいくらかかるのか?
家族の死
寂しさを分かち合いたい、患者会を紹介して。がんサロンを教えて。
死
後悔
もっとできることがあったのではないか?医療不信、医療過誤ではないか・
動揺、心配、不安(精神的、生活面)
不安
ひとり暮らしの問題(独居老人)
(コアカテゴリー)
がん以外の疾患がある
経済的なこと(医療費、高度医療にかかる費用)
がん情報について(施設、金額的なこと)
がん看護問題(老老介護)
84
び、さらに 6 つのカテゴリーに分類することが
殆どの愁訴において不安からくる動揺、心配な
できた(表 4)。つぎに各カテゴリーの関係お
どを現しており、治療に関連することのみでは
よび構造を検討した結果、コアカテゴリー、サ
なく、精神的、経済的、生活面において殆どの
ブカテゴリー、カテゴリーに位置づけることが
相談内容に共通するものである。「不安」をコ
でき、これにより相談内容の構造化が図1のよ
アカテゴリーとして位置づけることで、
「診断」
うに収束した。
「症状」「治療」カテゴリーを包括する、ある
がん電話相談は、まず初めに「がんと診断さ
いは修飾する形の構造となっていると推測さ
れているか否か」により、大きく振り分けられ
れた(図1)。このモデルによりがん診断直後、
る構造となっている。相談内容においては、す
あるいは治療前のセカンドオピニオン(「より
でにがんと診断されている者からの相談が最
よい治療を受けたい、診断についての他の医師
も多く(78.3%)、そのうち現在すでに治療中
の意見を参考にしたい」
)と治療中に求めるセ
の者が 30.7%と多いことがわかった。
カンドオピニオン(医療者、病院への不信から
また相談内容の特徴から 18 のサブカテゴリ
転院を含めてセカンドオピニオンを希望する
ーに、さらに6つのカテゴリーにまとめること
など)とでは、求める内容に違いがあり、単純
ができた。そのうち、「不安」カテゴリーは、
なセカンドオピニオンの希望という分類には
データの中に頻繁に現れるものであり、他のカ
収まらないことも示唆された。また、電話相談
テゴリーを包括できるコアカテゴリーとして
の6つのカテゴリーよって電話相談の時間も
の位置づけが可能である。例えば、
「どうした
異なることが明らかであることから(表5)、
らいいか?」
「これからどうなっていくのか?」
今後の1日の電話相談時間の設定や電話相談
「これではだめなのか?」という問いかけは、
員の配置等に関する基礎的な資料になると思
がんの診断は?
がん診断あり
症状は?
症状なし
症状あり
転移?
術後10数年経過、気になる症状あり
健診で異状あり、精密検査へ
(早期発見)
治療について
セカンドオピニオンの希望
がん診断なし
診断について、より良い治療を
疑いあり、検査中
自己判断「がんだったら・・・」
質問
治療前
どのような経過をたどるのか
治療中
治療内容について(薬剤,代 替 療 法 )
医療(者、施設)不信
転院希望(がんセンターへ)
30.7%
治療後
経過観察中、何かできることはないか
転移?再発? 気になる症状あり
放置
高齢のため治療しない、できない
本人の希望
終末期
余命少ない、他にできることはないか?
ホスピスについて 緩和ケアについて
がん拠点病院とは?
パンフ・冊子が欲しいが?
医療機関(検診)等の情報収集など
がん情報
患者会
セカンドオピニオンに
ついて
医師が嫌がる?
不利益にはならないか?
家族の死
患者会、患者サロンの紹介
分かち合いたい
漠然とした不安
夫にタバコをやめてもらいたい
がんは移るか? 風呂を共有している
子どもに遺伝しないか?
後悔
故人にもっとできることがあったのでは?
医療不信 医療過誤?
コアカテゴリー
不安:動揺(精神的、生活面)、経済的(治療費)
コ ア カ テ ゴ リ ー :データ中に頻繁に現れ、対象としている抽象度が高い現象をあらわすことができ
他のカテゴリーを包括できるもの
カ テ ゴ リー
図1 相談内容のモデル化
サ ブ カテ ゴ リー
85
表5 相談時間別相談の分類
相 談 時 間
分類
内容
1
がんの診断の有無
2497( 58.4)
1404( 33.1)
284( 6.7)
48( 1.1)
13( 0.3)
4246(100)
2
症状に関すること
2499( 58.7)
1408(33.1)
285( 6.7)
49( 1.2)
13( 0.3)
4254(100)
3
治療に関すること
2019( 55.1)
1323( 36.1)
264( 7.2)
43( 1.2)
13( 0.4)
3662( 100)
4
がんに関する質問
問合せ
25(89.3)
3( 10.7)
0( 0.0)
0( 0.0)
0( 0.0)
28(100)
5
故人(死)に関すること
6( 60.0)
4( 40.0)
0( 0.0)
0( 0.0)
0( 0.0)
10( 100)
7044( 57.8)
4140( 34.0)
833( 6.8)
140( 1.2)
39( 0.3)
12193( 100)
合計
15分未満(%)
15-30分(%)
30-45分(%)
45-60分(%)
1時間以上
合計
た。その結果、大きく8つのグループに分ける
われる。
ことができた。それぞれのグループでは、相談
支援センターの立場や認知度の状態、運用状況
3.倫理面への配慮
今回の研究では、第一の研究に用いた「地域
などに相違があり、それぞれのグループで幾つ
がん診療連携拠点病院に対するアンケート調
かの改善すべき点が明らかとなった。今後、こ
査」のデータは個人情報を含んでいない。また、
のグループの特徴をもとに、基本的な相談支援
個人情報もデータとして含まれていないこと
センターの機能を確保するような働きかけが
から倫理面の問題はないと思われる。第二の研
望まれる。
第二の研究としては、神奈川県立がんセンタ
究に関しては、電話相談の内容を分析したが、
電話相談時点で個人情報を収集することはな
ーに設置された神奈川がん臨床研究・情報機構
く、また、電話相談者に対し、相談の終了時点
のがん情報センターで行っている電話相談の
で「相談内容を統計的に分析することがあるこ
相談内容に関する分析を行った。がんの電話相
と」の了解をえていること、集計結果のみを公
談内容をグラウンデッド・セオリー・アプロー
表することから、この研究に関しても倫理面に
チ法に従って分類を行い、がん相談内容を大き
関する問題はないと思われる。
く 6 つに分類することができた。このように相
談内容の構造をモデル化することによって、電
話相談の基本的な対応策を事前に準備するこ
D.考察
地域がん診療連携拠点病院における相談支
とが可能となり、また、電話相談を受ける相談
援センターのあり方に関する研究を行うため
員にとっても基本的な相談の流れや構造を把
に2つの研究を行ってきた。1 つは、2008 年
握しておくことによって的確な相談対応が可
に緩和ケア学会によって調査された「がん診療
能になると思われる。今後は、このモデルの最
連携拠点病院の緩和ケア及び相談支援センタ
終的な構造化をめざし、全国のがん電話相談で
ーに関する調査」の資料のなかで、相談支援セ
の活用を目指したい。
ンターに係る 85 の質問項目のデータを用いて、
E.結論
地域がん診療連携拠点病院別の相談支援セン
地域がん診療連携拠点病院における相談支
ターの特徴の抽出とグループ化の検討を行っ
86
1.
援センターは、全ての施設に設置されてはいる
片山佳代子、岡本直幸:がんの相談支援
が、今回の解析によって、その内容や活動状況
に関する研究―神奈川がん臨床研究のが
については大きく8つに分類されることが示
ん電話相談内容の分析―、第 21 回日本疫
された。がん患者や家族、がんサバイバーの支
学会、2011 年 1 月、札幌
2.
援を十分に行うことが相談支援センターの使
片山佳代子、岡本直幸:がんのキャンサ
命であろうことから、今回の解析結果に基づい
ーサバイバーの調査研究―神奈川県にお
た的確な指導やあり方の提示によって相談支
ける電話相談記録の分析、第 69 回日本公
援センターの機能の充実を図ることが必要で
衆衛生学会、2010 年 10 月、東京
3.
ある。
斉藤杉子、上野世津子、市原智子、森田
がんの電話相談に関しては、相談内容の分析
裕美、長江美有、小山佐恵、岩本佐代子、
から 6 つの構造が抽出された。この結果に基づ
片山佳代子、岡本直幸:大型商店等で開
いて電話相談の対応を行うことは、的確な相談
催する保健事業参加者の体脂肪率、BM
を可能にし、適切な時間配分にも利用できると
Iの傾向について、第 69 回日本公衆衛生
思われる。また、相談員の教育の場の資料とし
学会、2010 年 10 月、東京
4.
ても活用できると期待される。
N. Okamoto, E. Bando, N. Saruki, A.
Imaizumi, H. Yamamoto, T. Mitsushima,
M.
F.健康危険情報
Yamakado,
“AminoIndex”,
なし
a
M.
Akaike:
novel
screening
marker based on plasma free amino
G.研究発表
acid
論文
screening、第 69 回日本癌学会、2010.9、
1.
大阪
山田顕光、清水大輔、太田郁子、千葉明彦、
profile,
for
colorectal
岡本直幸、栁田康弘、猿木信裕、他:乳癌
スクリーニングにおける血漿中アミノ酸
H.知的財産権の出願・登録状況
測定の有用性、乳癌の臨床、25:108-109,
1
2010.
2.
なし
2
岡本直幸:胸部エックス線検査の有効性評
3
く健康診断の有効性に関する調査研究報
告書」平成 22 年 10 月、pp9-24, (社)
その他
なし
全国労働衛生団体連合会
岡本直幸:神奈川県のがん登録、JACR
Monograph 16: 61-71、2010、地域がん
登録全国協議会
4.
実用新案登録
なし
価に関する研究、「労働安全衛生法に基づ
3.
特許取得
片山佳代子、岡本直幸:メッシュ法でみた
がん罹患・死亡と社会経済的要因の関連、
JACR Monograph 16:75-76、2010、地
域がん登録全国協議会
学会発表
87
cancer
88
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
(研究代表者:高山 智子)
分担研究報告書
相談支援センターにおける効果的な情報収集と発信に関する検討
研究分担者
八巻 知香子
国立がん研究センター
がん対策情報センター
研究員
高山
智子
国立がん研究センター
がん対策情報センター
室長
石川
睦弓
静岡県立静岡がんセンター
大松
重宏
城西国際大学
岡本
直幸
神奈川県立がんセンター
患者・家族支援研究部
福祉総合学部福祉総合学科
臨床研究所
研究部長
准教授
がん予防情報生物統計学・疫学
部門長
小川
朝夫
国立がん研究センター東病院
精神腫瘍学
臨床開発センター
精神腫瘍学開発部・
室長
加藤
雅志
国立がん研究センター
唐渡
敦也
財団法人
がん対策情報センター
癌研究会有明病院
室長
医療支援センター・企画部
センター長
研究協力者
片山 佳代子
神奈川県立がんセンター
臨床研究所
田尾 絵里子
国立がん研究センター
がん対策情報センター
小郷
祐子
国立がん研究センター
がん対策情報センター
神田
典子
国立がん研究センター
がん対策情報センター
研究要旨:患者・家族の様々な相談に応じる窓口として設置された相談支援センターは、
地域住民に対する相談に応じるなど、従来の病院機能だけではない新しい役割が期待され
ている。新しい役割に応える窓口として機能するためには、1)ニーズをもつ人がアクセ
スできること、2)アクセスした人のニーズを把握し、対応できる資源を持ち合わせてい
ることが必要である。よって本研究ではアクセスのための仕組みと情報資源の蓄積につい
て意識的な取り組みが行われているのかどうかについてヒアリングを行い、充実した取り
組みが行われている事例の特徴を明らかにすることを目的とする。
全国 18 施設のがん診療連携拠点病院を訪問し、面接調査を行った。また、可能な場合に
は都道府県の担当部署も併せて訪問し、地域状況の情報収集を行った。
89
結果から、院内の周知については施設内のカンファレンス等に積極的に参加し、医療ス
タッフからの信頼を得ることが相談ニーズを抱える患者、家族等からのアクセスを保障す
ることに極めて有用であると考えられた。また、連携業務等を兼務する場合には、兼務が
よって院内でのネットワーク構築に役立つ場合もあるが、相談業務の重要性を強く意識し
なければ相談業務が縮小する危険性があることが指摘された。院外の周知については積極
的な取り組みが行われている施設は限られていたが、自治体の広報誌への掲載、チラシの
配布を行っているケースでは、院外患者や地域住民からの相談がなされており、潜在ニー
ズは多いものと考えられた。そのことから少なくとも都道府県拠点病院では院外周知の積
極的な取り組みが期待されると言える。
地域資源の情報収集については訪問や地域での会合をとりまとめるなどの活動を行って
いるかどうかには施設による差異がみられた。地域機関に呼びかけたネットワーク作りは
多くの労力を必要とするため人員不足を訴える施設が多い現状では難しい点もあると考え
られるが、こうした業務についても相談支援センターの重要な役割であることが各病院の
管理者にも周知され、支援されることが必要であると考えられた。
に知られていることが最低条件となる。他
A.研究目的
患者・家族の様々な相談に応じる窓口と
方、アクセスした人のニーズに応えるため
して、全てのがん診療連携拠点病院に相談
には、相談員のアセスメントやコミュニケ
支援センターが設置されて 5 年目を迎えた。
ーションの個人の力量に加えて、相談支援
相談支援センターは自院の患者のみならず、
センターがもつ情報資源が必要となる。
地域住民に対する相談にも対応することが
よって本研究では相談員個人の力量以外
求められるなど、従来の病院機能だけでは
の要素である、アクセスのための仕組みと
ない新しい役割が期待されている。新しい
相談支援センターがもつ情報資源について
役割であるが故に効果的な活用のためには
意識的な取り組みが行われているのかどう
組織内外への周知や運営方法の工夫が必要
かについてヒアリングを行い、充実した取
とされるが、手探りで取り組まれているの
り組みが行われている事例について特徴を
が現状である。
明らかにすることを目的とする。
がんに関わるすべての不安や疑問に答え
B.研究方法
られる窓口として機能するためには、1)
地域、病院の特性を広くカバーできるよ
ニーズをもつ人がアクセスできること、2)
アクセスした人のニーズを把握し、対応で
うサンプリングを行い、計 18 のがん診療連
きる資源を持ち合わせていることが必要で
携拠点病院を訪問し、面接調査を行った。
ある。そして、アクセスを確保するために
18 施設の内訳は、都道府県拠点 10 施設/
は、院内患者に対しては困難ケースと思わ
地域拠点病院 8 施設、がん専門病院 2 施設
れる人がつながる仕組みを備えていること、
/大学病院 6 施設/一般病院 12 施設であっ
院外患者に対しては相談窓口の存在が地域
た。訪問先施設の概要を表1に示した。ま
90
た、可能な場合には都道府県の担当部署も
動として割く人的資源が限られる難しさが
併せて訪問し、地域の状況に関する背景情
発生する傾向があった。相談支援センター
報の収集を行った。
として十分な人員を確保した状態で、かつ
訪問先で得た情報について、フィールド
スタッフが相談支援センターに求められる
ノートを作成し、訪問者全員で内容を確認
機能を十分に理解して運営しなければ、必
した。本研究ではこのフィールドノートに
要な相談には地域の住民等も含めて答えて
記載された事項を検討対象とした。
いくという相談支援センターが備えるべき
機能が事実上失われる危険性もあった。
C.研究結果
2.院外医療機関の情報収集と連携
相談支援センターの位置づけ、院内外の
情報収集および連携関係に関して言及され
意欲的な活動が行われている施設では、
た点を表2にまとめた。なお、本研究が探
自ら地域資源の調査を行ったり、地域の医
索的な質的調査であるため、調査の初期に
師会や医療機関を交えた勉強会の事務局を
おいては、具体的な質問に至っていない施
とりまとめるなどの関係を築く中で情報収
設もある。そのため、言及がなかったこと
集が行われていた。都道府県によっては保
が必ずしも活動がないことを意味するわけ
健所や県の取り組みとして情報収集が行わ
ではない。
れていたところもあったが、それらの情報
収集が行われている県でも、相談支援に必
要な情報を追加的に収集し、共有する施設
1.院内スタッフへの周知
積極的な周知を行っている相談支援セン
もあった。また、機会をみつけては積極的
ターでは、病棟や診療科のカンファレンス
に医療機関等の連絡先を訪問し、実際に足
に頼んで参加させてもらう、緩和ケアチー
を運ばなければ分からない情報を施設内に
ムに同行する、病棟内を定期的にラウンド
蓄積する努力を行う施設もみられたが、そ
するといった活動が挙げられた。特に発足
の数は限られていた。
当初は病棟に足繁く足を運び、何かできる
多くの施設では相談支援センタースタッ
ことはないか尋ねるなどの努力を重ねて協
フが得た情報をファイリングして活用する
力体制を構築したケースでは、院内から頼
などして、スタッフ間で情報共有が行われ
られる相談支援センターとして認知されて
ていたが、それすら十分に行われていない
いた。これらの活動が継続的に行われてい
ケースも見られた。
る施設では、院内スタッフから患者が紹介
3.医療情報の収集
されるケースが増加傾向にあることが語ら
れ、不安や困難を抱えている患者や家族が
必ずしも全ての医療機関で尋ねたわけで
適切に紹介される環境をつくることに極め
はないが、話題に上った施設では、がん対
て有効であることが伺えた。
策情報センターが運営する「がん情報サー
緩和ケアチームと兼任するスタッフがい
ビス」の利用を挙げたところが最も多く、
ること、看護部門の中で活動することなど
そのほか、各学会がとりまとめたガイドラ
が結果として周知を広めている施設もあっ
インや PDQ を利用している施設もあった。
たが、その場合には相談支援センターの活
患者向けには同センターが作成した冊子、
91
そのほか静岡がんセンター等が作成した冊
D.考察
子等を活用していると話したり、実際にこ
1.アクセスの確保
入院案内のチラシ等への掲載はほぼ全て
れらの冊子が閲覧用に並べられている施設
の病院で行われていたが、院内スタッフに
が多数あった。
相談支援センターが認知され、紹介される
ことが極めて有効に働いていた。院内スタ
4.院内患者への周知
チラシを作成する、入院案内のチラシに
ッフへの周知については、頻回に病棟をラ
掲載するといった取り組みはほとんどの施
ウンドする、病棟や診療科のカンファレン
設で行われていたが、その示し方は医療連
スに参加するといった相談員が直接活動に
携室、福祉相談等の形で掲載されている施
参加する取り組みが最も有効であることが
設も多く、がん相談支援の実施について明
伺えた。院外患者への周知については意図
示しているとは限らなかった。一方で、が
的な働きかけがなされている施設は少なか
んに関する相談支援センターの機能を独立
ったが、自治体の広報誌への掲載、チラシ
させた上で、外来治療に移行する段階の説
の配布などが行われているケースがあり効
明に相談支援センターの存在を盛り込むな
果を上げていた。
がん診療連携拠点病院の相談支援センタ
ど、患者が必ず経由するルートとして知ら
ーには、自院の患者のみならず地域の住民
される体制を整えている施設もあった。
に対する情報提供や相談への対応が求めら
れているが、その取り組みができている施
5.院外患者への広報
積極的な広報をしている施設としていな
設の数は多くはないといえる。しかし、取
い施設が存在した。特に院外広報に力を入
り組みがなされた施設では多くの院外患者
れている相談支援センターは、いずれも相
からの相談が持ち込まれており、潜在的ニ
談機関があることを知らせること、地域の
ーズはどの地域にも多く存在する可能性が
医療機関と密な連携関係を築くことの必要
高い。全ての拠点病院が同等の機能を即時
性を痛感し、行動している事例であった。
に整えることは難しいとしても、少なくと
その背景としては、地域内資源が不足して
も都道府県拠点病院ではその機能を充実さ
いることについての気づき、都道府県拠点
せていくことが求められていると言えよう。
として地域住民への責任を感じていること
2.情報資源の蓄積
などが挙げられる。
積極的な広報をしている施設では、いず
がん情報サービスなど医療情報について
れも一定以上の院外患者・家族等からの相
はインターネットの利用、紙資料のファイ
談が持ち込まれていた。利用されている広
リングなどで対応している施設が多かった
報手段は、自治体の広報誌、チラシの配布、
が、地域資源の情報収集については訪問や
地方紙やケーブルテレビ等の取材を受ける
地域での会合をとりまとめるなどの活動を
などであり、いずれも多額の費用を必要と
行っているかどうかには差異がみられた。
しない方法で確実な周知効果を得ていた。
相談支援センターの機能が充実し、より多
くのニーズに応えるためには、互いの意欲
的な活動実践が共有できるなど、よりよい
92
取り組みを各地で展開しやすくする環境作
的な情報収集は難しく、各地域で医療機関
りが重要であると考えられた。また、医療
等との連携を築き、情報交換・情報収集と
情報については一元的に最新の情報が提供
蓄積が行われる体制が必要となる。地域機
されること、すなわち現状では最もよく利
関に呼びかけたネットワーク作りは多くの
用されているがん情報サービスの情報が適
労力を必要とするため人員不足を訴える施
切に更新されていくこと、そして各相談支
設が多い現状では難しい点もあると考えら
援センターにおいてはインターネットの利
れるが、こうした業務についても相談支援
用環境を整えることが必須であると考えら
センターの重要な役割であることが各病院
れた。
の管理者にも周知され、支援されることが
必要であると考えられた。
E.結論
全国のがん診療連携拠点病院 18 施設を
F.健康危険情報
なし
訪問し、アクセスのための仕組みと情報資
源の蓄積について意識的な取り組みが行わ
れているのかどうかについてヒアリング調
G.研究発表
査を行った。結果から、院内の周知につい
1.論文発表
ては施設内のカンファレンス等に積極的に
なし
参加し、医療スタッフからの信頼を得るこ
2.学会発表
とが相談ニーズを抱える患者、家族等から
1.
八巻知香子, 高山智子, 神田典子, 熊
のアクセスを保障することに極めて有用で
谷たまき, 清水奈緒美, 植田潤, 小曲
あると考えられた。また、連携業務等を兼
一之, 佐々木佐久子, 中川圭, 根岸利
務する場合には、兼務がよって院内でのネ
光, ハーシー久美, 本田麻由美, 山下
ットワーク構築に役立つ場合もあるが、相
芙美子, 清水千佳子, 的場元弘. 再発
談業務の重要性を強く意識しなければ相談
患者向け情報提供コンテンツの開発.
業務が縮小する危険性があることが指摘さ
第 48 回日本癌治療学会学術集会. 2010
れた。院外の周知については積極的な取り
年 10 月 28 日-30 日.京都.
組みが行われている施設は限られていたが、
2.
関由起子, 高山智子, 渡邉眞理, 清水
広報が行われている施設では院外患者や地
奈緒美, 八巻知香子, 河村洋子. 大学
域住民からの相談がなされており、潜在ニ
電話によるがん情報提供・相談支援の
ーズは多いものと考えられた。そのことか
質評価ツールの検討
ら少なくとも都道府県拠点病院では院外周
治療学会学術集会. 2010 年 10 月 28 日
知の積極的な取り組みが期待されると言え
-30 日.京都.
3.
る。
高山智子,
関
第 48 回日本癌
由起子,
八巻知香子,
医療情報資源については、がん情報サー
瀬戸山陽子, 八重ゆかり. がん相談者
ビスの十分なメンテナンスとともに、相談
の質問・疑問からの情報づくり~診療
支援センターでのインターネット利用環境
ガイドラインの情報との比較から. 第
を整えることは必須の要件であると考えら
48 回日本癌治療学会学術集会. 2010 年
れた。一方、地域資源については全国一元
10 月 28 日-30 日.京都
93
4.
高山智子, 八巻知香子, 熊谷たまき.
患者・市民と協働して作成する情報づ
くりのあり方の検討. 第 69 回日本公衆
衛生学会総会. 2010/10/27-29. 東京.
5.
Kiyotaka
Watanabe,
Yamaki,
Tomoko
Seiichiro
Yamamoto,
Wakao.
National
Chikako
Takayama,
Fumihiko
distribution
of
comprehensive cancer information
booklet for newly diagnosed patients
to support decision-making on cancer
care UICC
2010
congress.
18-21
world
August
cancer
2010
Shenzhen, China
H.知的財産権の出願・登録状況
なし
94
表1:訪問先施設一覧
ID
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
地域ブロック
拠点種別
病院種別
病床数
年間患者数
北海道・東北
北海道・東北
北海道・東北
関東
関東
関東
関東
甲信越
甲信越
近畿
近畿
近畿
中国・四国
中国・四国
九州・沖縄
九州・沖縄
九州・沖縄
九州・沖縄
地域
都道府県
都道府県
地域
都道府県
都道府県
地域
都道府県
地域
都道府県
都道府県
地域
都道府県
地域
都道府県
地域
都道府県
地域
一般
一般
一般
一般
がん専門
がん専門
大学
一般
一般
大学
大学
一般
大学
一般
大学
一般
大学
一般
500~999床
500~999床
500~999床
500~999床
500床未満
500床未満
1000床以上
500~999床
500床未満
500~999床
500~999床
500床未満
500~999床
500~999床
500~999床
500~999床
500~999床
500~999床
5千以上1万未満
1万以上
1万以上
5千以上1万未満
5千以上1万未満
5千以上1万未満
1万以上
1万以上
5千以上1万未満
1万以上
1万以上
5千以上1万未満
1万以上
1万以上
5千以上1万未満
5千以上1万未満
5千以上1万未満
5千以上1万未満
95
年間新入院
がん患者数
2千人未満
2千人未満
2千~5千人
2千人未満
5千人以上
5千人以上
5千人以上
2千人未満
2千~5千人
2千人未満
2千~5千人
2千人未満
2千~5千人
2千~5千人
2千~5千人
2千~5千人
2千人未満
2千~5千人
表2:相談支援センターの業務範囲、院内外の情報収集や連携関係の状況
ID
部署の対応範囲
1
がん相談支援科は地域医療連携室から
発展したが、地域連携室とは独立して相
談業務に専念。がん診療相談拠点病院
の運営会議の事務局も担当。
院内スタッフへの周知活動
医療者・医療機関等への周知や関係作り
院外医療機関等の情報収集
院外医療機関等との連携づくり
医療情報の
蓄積・提供
院内機関誌に1年間ほど毎月投稿して周
保健所が地域情報をまとめた。自院で情 地域病院との合同カンファレンス等を準備 がん対策情報センターの小冊
知を図った。
報収集することはできていない。
中。
子は有用
相談を受けた後、医師や看護師に必ず
フィードバックする。
がん対策情報センター「がん
院内の勉強会に参加
福祉相談、退院支援、がん相談が1つの
相談員が緩和ケアチームとの兼任である 実際に連携できる先について相談室内で 県内の相談支援センター間の連携ができ 情報サービス」と小冊子、静岡
2 部門として対応(担当はそれぞれ分かれ
がんセンター小冊子、がん研
ていない
ことにより院内各部署との連携が促進さ 情報共有
る)
究振興財団小冊子を利用
れている
3
保健所が県のモデル事業として地域の医
組織図上は生活習慣病センター内にがん
がん情報サービスの情報を印
退院支援を中心に行っていることもあり、 療情報をまとめて冊子にしており、webで
拠点病院の相談部会を年に1~2回開催。
相談支援課が設置されているが、他の疾
刷・ファイリング、製薬会社等
医師からのオーダーで相談が発生する事 も公開。県内のセカンドオピニオン対応病
顔の見える関係にはなっている。
患についても対応。地域医療部、医療安
の勉強会資料のファイリング
院については相談部会でとりまとめ、内部
が多い。
全部も同室で相談にあたる。
資料として利用。
4
福祉相談、がん相談が1つの部で、内部
で振り分ける(窓口は一本化)
緩和ケアのラウンドに同行
カンファレンスに参加
隔月ペースでがん診療連携拠点委員会。
拠点病院以外の医療機関の情報が収集 県内の拠点病院の相談員が集まる機会
がん情報サービスを利用
が乏しく必要性は感じている。
できていない
地域の研修会には積極的に参加
3回/年を目標に相談室便りを発行し看
看護相談、相談支援センター、医事課が 護師に周知。3回/年を目標に院内勉強
(言及なし)
5 入り組んだ形の組織。在宅支援、地域連 会。
院内スタッフには周知されており、患者に
携も担当。
利用が促されている
6
県の相談支援協議会が発足し、顔が見え
る関係になりつつある。
50冊程度の患者向け図書を
地域の訪問看護ステーション等を対象に 準備
勉強会を実施。
病棟との協働を大切にして、相談の結果
県内拠点病院の相談支援部会を組織し、
について病棟にも必ずフィードバックして 問い合わせて得た情報などをカード化して
年に1回の研修会と部会を開催。限られた 学会がとりまとめたガイドライ
地域連携、一般的な相談、クレーム処理
室内で共有。地域情報については県が運
いる。
医療資源の中で患者さんに対応するため ン、がん情報サービスを利用
まで含む。
医師が患者さんの目の前で直接つないで 営する情報センターでも収集・蓄積
には県内の連携が欠かせない
くれるケースも多い。
関わる機会の少ない病棟のカンファレン
スには自ら頼んで参加し、今では参加す
ベッドコントロール、栄養相談等も含む全
るのが当たり前になった。
7 ての患者の受入・送り出し窓口を一本化し
がんサロンを開始して以降、ニュースを発
た部署。
行するようになり、院内職員用ページにも
掲載。
訪問したり、情報をもらったりしながら情報
を蓄積し、ファイリングする。実際に訪問す
ることで、その施設の実際の姿が把握で
きるため、機会を見つけては積極的に訪
問している。
相談部門が4科(医療連携、医療福祉相
談、保健指導、管理栄養)あり、すべてで 特に言及はなかったが、相談の大半は医
8 がん相談に対応することになっているが、 師や看護師から言われて来室するとのこ (言及なし)
がんに関わる相談は主として医療連携科 と。
で対応。
診療所の医師との定期的な研究会の開
催、訪問看護ステーションとの意見交換
がん対策情報センターの小冊
会、地域の病院との交流会などの事務局
子等
を担当。地域の「メゾレベルの資源開拓」
に力を入れている。
(言及なし)
病棟へ頻繁に出向き、がん相談支援セン
県内のがん診療連携拠点病院整備委員
医療連携室とは別にがん相談全般を受け ターの名前や担える業務を広く知ってもら
会で、拠点病院の機能評価を実施した。 県内の相談支援部会は十分には機能し
9 る部署として独立。ただし、連携できるよう うよう努めている。周知が進んだことで、
他院の活動や取り組みをみることで大変 ていない。
がんと聞いたら相談支援センターにまわし
にSWは地域連携室に机を置く。
勉強になり、また情報交換の場になった。
てもらうようになった。
10
相談支援センターという組織はなく、Ns、 関連部門との連携に留まっており院内全
(言及なし)
SWともに医療サービス課に所属。
体への周知ができていない。
11 地域連携室と同一
新人研修の場などでは紹介しているが、
勉強会などは実施していない。
地域連携室としては一定程度認知されて
いると思われるが、全員が知っているとは
言えない状況。
12 地域医療連携室として相談対応。
SWが定期的に病棟をラウンド。
ファイルを作成して情報を蓄積。ネット検
新人研修や研修医にはガイダンスで地域
索等。
医療連携室について説明される。
13
拠点病院の相談分科会を3ヶ月ごとに実
施。交流を深めている。
(言及なし)
がん対策情報センター「がん
情報サービス」を利用
(言及なし)
県がまとめた施設情報だけでは相談者に
地域医療連携のネットワークを立ち上げ、
紹介する上で必要な情報が不足するの
事務局を担当。100以上の施設に案内し、 (言及なし)
で、独自に調査を行い、情報をまとめたリ
50施設が登録、研修会には70名が参加。
ファレンスを作成。情報の更新が課題。
近隣の3病院とは顔の見える関係があり、
スムーズに情報交換や紹介ができてい
る。他の拠点病院との関係は交流の機会 (言及なし)
が限られ、顔の見える関係とはいえない
状況。
病院間の情報交換のためにつくられた意
地域連携室の中に相談支援センターが設 院内からの相談が少なく、周知がこれか 他の医療機関の情報でよく使うものにつ 見交換会は県拠点の負担が多かったが、 がん対策情報センターの小冊
置されており、相談と連携の両方に対応 らの課題
いては各相談員がファイリングして利用 持ち回りで実施することで効果を上げてい 子を活用
る
緩和ケア支援センターが先行して設立さ
れておりそちらでも相談を受けるが、相談
14 支援センターとしては、健康推進センター
内の相談部門として、がん相談とその他
の相談を受けている。
年7回がんについての院内研修会があ
り、そのうちの1回つかって相談支援セン
ターについて周知する機会があった。臨
床腫瘍科、緩和ケア支援センターとの連
携あり。
15 地域医療連携室の中に設置
医療機関対象の調査をもとに情報を整備
医療連携室の立ち上げ当初、連携室につ
しているが、更新が追いつかない。問い合 県内の相談員が集まる機会があり、そこ
いて院内向け勉強会を開催
わせて得た情報などは部署内で共有。医 で情報収集が可能
医師、Nsからの協力は個人レベル
師会が準備する情報も利用。
16 がんに限らず相談に対応。
緩和ケア医とともに地域の訪問診療をす
る機関を訪問し開拓。その後症例検討会
を開くことで多数の機関と連携しやすい場
院内で相談の必要性、広報の必要性につ
医療機関との連携が密であるため、直接
を設けた。地域包括支援センターなども参 PDQ他資料を準備
いて繰り返しプレゼンテーションをしている
の情報提供を受けている。
加。とりまとめは同院が担当していたが、
ため、理解は得られている。
症例を持ち回りで提供する形に移行して
きた。
17
県が出す情報には必ず目を通す。他院の
市内の拠点病院との意見交換会、県内の
情報については、インターネットで情報収
拠点病院意見交換会、患者会との情報共 (言及なし)
集後、直接電話して確認してから利用者
有・連携体制がある。
に提供。
医療連携協議会にて主な病院の情報は
地域医療連携センター内に相談支援室が カンファレンスの参加や情報共有を行って リスト化されている。訪問看護は看護協会
(言及なし)
による情報、在宅医療はいしかいによる
設置されており、退院支援が中心。
いる。
情報を利用。
医療連携科に所属。別途がん治療セン
18 ターがあり、毎日半日相談室が設けられ
ている。
(言及なし)
がん対策情報センターの情報
を利用
年20件を目標に連携先の病院を訪問。拠
看護部には退院調整での連携があるた
がん対策情報センター「がん
件が運営するサイト、県医師会が作成す
点病院の相談支援センター間の情報交換
め、周知されていると思うが、医師に知ら
情報サービス」を利用
る冊子を利用。
は特にない。
れているかどうかは不明。
注1)表内の(言及なし)は、必ずしも活動がないことを意味するものではない。
96
表2:相談支援センターの業務範囲、院内外の情報収集や連携関係の状況(つづき)
患者への周知
ID
院内患者への周知活動
1 病棟にパンフレットをおいている。
2
院外患者への周知活動
情報収集と発信に関わる
運営上の難しさ
院外患者・家族からの相談
市内の病院、クリニック190箇所にパンフ
レットを配布。管内の機関誌にも紹介を掲
載してもらった。
地域に医療資源がないことを実感してき 担当区域が非常に広く、医療資源が足りな
管内の住民からの相談は入ってくる
た。公平に行き渡るべき医療情報につい い
て住民の方たちへの情報提供は必須。出
張相談にも対応。繰り返し実施していくこ
とが重要だと考えている。
全入院患者に「患者・家族相談支援室」を
新聞や広報誌を通じた広報
案内
相談件数の増加
H19から増加。相談窓口について周知
が進んだ結果では。チラシを見て来る
人も3割弱、家族・知人からの紹介も1
割ほど。
院外からの相談は多くはないが(1割程
兼務のため仕事が煩雑となり対応しきれな
度)、医療資源の少ない地域からの問い 新聞記事が出ると来室者が急増する
い側面もある。
合わせなどがある。
3 (言及なし)
これまではあまり行っていない。今後県の 県の拠点病院と、県の協議会議長の所属 6割が院外からの相談だが、拠点病院で
広報誌で拠点病院について周知する予 病院が異なるため、事務局機能が一元化し あることを知ってというより、地域の主要 (言及なし)
定。
ていないことによる運営上の難しさがある。 な病院として相談しているのではないか。
パンフレットを作成
4 院内15箇所にポスター
ホームページに場所、直通電話番号
(言及なし)
5
外来で相談支援センターを広報するラック 電話が鳴ってもとれない状況のため、院
を設置。
外への広報はしていない。
6 入院案内に相談室の紹介を掲載
入院パフレットには相談部門について記
載。がん相談の窓口が一本化されていな
講演会を年に10回程度実施
いため、電話もどの科に回すのか患者側
が判断する必要がある。
(言及なし)
不採算部門のため、増員が実現しない中、
様々でかつ多数の相談を限られた人員で
院外相談が160件/月と非常に多い。
対応。人員不足で電話が鳴っても出られな
い状況が続いている。
連携と相談が同一の部署のため、連携業
務が忙しくなると相談が押されてしまう現状
原則として院外患者向けには別窓口があ がある
るため、ホームページ上の案内と年に1回 クレーム処理も担当することは、院内を見
発行する機関誌に情報を掲載
渡せるが、同じ担当者からクレームに関す
る問い合わせと連携等への協力依頼をす
ることになりやりづらさもある
相談部門が大きくまとまっていることもあ
7 り、院内の周知がなされている。インター (言及なし)
ネット上でニュースを発行している。
8
(言及なし)
がん相談は増加
アピールして増やしていきたい
ネットで検索して相談にきた、という
ケースもあり、相談支援センターが公
式な窓口となって以降相談件数は増
加。
院外患者向けには別途電話相談窓口が
あるが、相談された場合には対応する。 急増中。入院日数の短縮、病床回転
相談支援センターの一般的な認知度が向 率が上がったこと、罹患率の増加が影
上したことに伴い、相談件数も増加してい 響しているのではないか。
ると感じる。
地域の診療所等との連携はできているが、 自院の患者がほとんどで、他院の患者か 患者数の増加、連携の必要性が高
他の拠点病院との連携が不十分
らの電話は月に数本程度
まったことでSWが増員されてきている
相談支援センターの重要性が院内で認識
(言及なし)
されていない。
院内の情報室にがんの資料ではなく、相
談室の案内をおき、相談支援センターに がん教室の開催。募集案内を地方紙に掲
9 情報をとりに来るルートを整備。退院後の 載。有線放送、病院祭、市民公開講座な (言及なし)
化学療法に入る前の説明で必ず相談支 どを利用してアナウンス。
援センターの紹介も入れてもらう。
電話相談は院外からの相談が多い。
(言及なし)
100~120件/月で横ばい
10
「総合相談窓口の案内」を作成。院内各
所で掲示。
特になし
相談支援センターとしての体制ができてい
院外からの相談はあまりない。
ないこと。
11
入院案内にチラシを入れたり、病棟に掲
示をするなどしている。
市民向け冊子の中で支援センターや拠点
病院についても紹介。公開講座について
広報誌に載せたところ200名が集まり盛
況だった。
緩和ケアの市民向け勉強会は集まりが非
県内からの利用者が多いが、隣接県の近
常に悪く、緩和ケアへの抵抗感が強いこと
い地域に大きな病院がないためその地域 年々増加
が予想される。参加しやすい環境作りを試
からの受診・相談も多い。
みている。
12
入院案内に連携室について紹介。がん相
これまでほとんど行っていない
談についてはチラシや掲示。
13
院内への周知がほとんどできておらず、
今後の課題。
14 案内用のカラーパンフレットあり。
15
(言及なし)
(言及なし)
退院後、他の医療機関でフォローアップを
(言及なし)
受けている元自院患者からの相談が多い
がんサロンについて、地方紙で週1回広
報。
相談員一人体制が長かったため、積極的 ホームページを見た患者・家族が代表電
な広報ができなかった。2人に増えたので、 話の交換を通じて相談支援センターに回 (言及なし)
今後の院内周知が課題。
るケースが多い
公式サイト上にがん相談の案内あり。同
一医療県内の拠点病院で連携して女優
の音無美紀子氏を招いて市民向け講演
会を開催。
(言及なし)
医療ソーシャルワーカーについてパンフ
レットを配布。院内患者さんにもがん診療
特段の活動なし
連携拠点病院であることは十分に周知さ
れていない可能性がある
総合受付から案内されるケースもある。
院内へのSW配置からの日が浅く、SWの認
(言及なし)
知を広げる努力の段階。
ポスターを3000枚作成して、県、市、社
(特に言及はなかったが、院外に対して十
以前は院長直属であったが、看護部の下 非常に広く地域で広報が行われており、
協、公民館、県が設けている総合相談窓
16 分な広報がなされているため、院内につ
に入ったことで意思決定等のスピード等で 手応えを感じている。地域のケアマネー
口等で配布。ケーブルテレビの取材にも
いても充実しているものと推察される)
難しくなった面もある
ジャー等からの問い合わせも多い。
応じて広報に利用。
(言及なし)
(言及なし)
広報の効果により急増中。
リーフレットあり。入院時のしおりセットに
17 相談支援室の案内を入れている。
まだ十分な周知ができていない。
特段の活動なし
カンファレンスへの参加が定着していない
診療科には、SWが個人で参加を試みてい 院内外を問わず、県内からの相談は入っ
(言及なし)
るがなかなか実現しない。
てくる。
がん患者の受け入れ先が確保しづらい。
18 院内にがん相談があることを掲示。
人員が限られるため特に実施していな
い。
相談支援センターとしての位置づけがきち
ホームページを見て電話がかかってくる
んとなされておらず、医療連携の一部署に
ケースがある。
なっていること。
注1)表内の(言及なし)は、必ずしも活動がないことを意味するものではない。
97
(言及なし)
98
平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金 (がん臨床研究事業)
相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究
(研究代表者:高山 智子)
分担研究報告書
相談支援センターの現状と課題、そして目指すべき方向性に関する検討
研究分担者
高山
智子
国立がん研究センター
がん対策情報センター
がん情報・統計部 室長
朝倉
隆司
東京学芸大学医療社会学
保健医療行動科学
池山
晴人
近畿中央胸部疾患センター・地域医療連携室
教授
医療社会事業専門職
石川
睦弓
静岡県立静岡がんセンター研究所
患者・家族支援研究部
研究部長
大松
重宏
城西国際大学福祉総合学部福祉総合学科
岡本
直幸
神奈川県立がんセンター臨床研究所
生物統計学・疫学
朝生
国立がん研究センター東病院
加藤
雅志
国立がん研究センター
唐渡
敦也
財団法人
がん予防情報研究部門
部門長
小川
がん情報・統計部
准教授
精神腫瘍学開発部
室長
がん対策情報センター
室長
癌研究会有明病院
医療支援センター・企画部
センター長
菊内
由貴
国立病院機構四国がんセンター
がん相談支援・情報センター
副看護師長
八巻
知香子 国立がん研究センター
がん対策情報センター
がん情報・統計部 研究員
研究協力者
小郷
祐子
国立がん研究センター
がん対策企画部
川田
社会事業専門員
美也子 地方独立行政法人大阪府立病院機構
ー
舩田
がん対策情報センター
千秋
事務局医事グループ
大阪府立成人病センタ
主査
国立病院機構四国がんセンターがん相談支援・情報センター
副看護師長
若尾
文彦
国立がん研究センター
副センター長
99
がん対策情報センター
研究要旨:本報告書では、相談支援センターの体制、相談支援センターのスタッフと人材
育成、相談支援センターやスタッフを支える体制、広報、そして患者団体(等)との連携に
ついて、現状と当面の課題とその対応について検討することを目的として、研究班により収
集したデータおよび現時点で活用可能な資料およびデータから総合的に分析・検討を行っ
た。
その結果、多くの課題は互いに関連しているが、優先的な課題から統合して整理し直すと、
I. 相談支援センターに課せられる役割と機能を明確にする。II. 拠点病院内の相談対応機能
を充実させ、各々の病院の特性を踏まえた段階的な発展および充実を図れるようにする。III.
本来の相談支援センターの設置目的に沿った評価を行えるよう、直接指標だけでなく、間接
指標により活動状況や達成状況を測定する指標を開発する。また責任所在を明確にして、拠
点病院や相談支援センターが適切に評価されるようにする。IV. 各関係者が相談支援をより
充実させるための役割を認識し、後方支援を行う。V. 患者団体等との連携協力の体制、が
ん患者支援の体制を整備する。の 5 つに整理された。
さらにこれらの課題を克服していくために、今後は、相談支援センターの整備に関わるす
べての関係者が、現状の課題を共有し、目指すべき方向性について議論し、具体的な方策に
結びつけていく必要があると考えられた。
れるようになるのか、がんの情報ニーズの
A.研究目的
相談支援センターは、がん患者や家族の
整備は、相談支援センターだけで対応でき
がんの情報を求める声がもとになって、
「が
るものなのか、とくにがんに罹患したこと
ん診療連携拠点病院の整備指針(平成 18 年
で通常のコントロール感が失われた状況に
2 月)」により設置された。その後「がん対
おいては、自ら情報や支援を求めたり、声
策基本計画(平成 19 年 6 月)」を反映させ
を発せられない場合も多く、今後の相談支
た「がん診療連携拠点病院の整備に関する
援センターのあり方を考えるためには、さ
指針(平成 20 年 3 月改訂)」の中で、相談
まざまに考えられる背景を含めて総合的に
支援センター相談員の研修の必要性や人的
検討することが必要である。
な充足(1 名から 2 名配置へ)、そして患者
本報告書では、研究班により収集したデ
団体等との連携などの活動を促進していく
ータおよび現時点で活用可能な資料および
ことが示され、全国の相談支援センターの
データを分析・検討することによって、相
整備が進められている。このように相談支
談支援センターの体制、相談支援センター
援センターの必要性が認識され、整備が進
のスタッフと人材育成、相談支援センター
められているにも関わらず、相談件数は伸
やスタッフを支える体制、広報、そして患
び悩み、十分に利用されていないことが指
者団体(等)との連携について、現状と当
摘されている。その理由の一つとして、相
面の課題とその対応について検討すること
談支援センターの周知が進んでいないこと
を目的とした。がん対策における相談支援
があげられているが、周知が進めば利用さ
の取り組みは、これまでにない新しい仕組
100
みを作り上げていくというプロセスである。
題と対応があげられた。
そのため、どのような相談支援のあり方が
1. 相談支援センターの体制の整備
1) 個々の相談支援センターに課せられる
望ましいかなど実態の分析のみからは見え
役割と機能を明確にする
てこない視点も多くある。したがって、そ
2) 各拠点病院内の相談対応機能を充実さ
れぞれの課題に対して基本となりうる考え
方や視点について論点を整理するとともに、
せ、段階的な発展をめざす
3) 活動状況を測定する指標を開発・検証
当面の対応では解決が難しい事項について
は、今後目指す方向性として考察を行った。
し、活用できるようにする
4) 責任所在を明確にし、活動範囲に見合
った適切な活動評価を行う
B.研究方法
5) 相談支援センターの活動評価に及ぼす
相談支援センターの体制や機能の実態把
要因を考慮し総合的に評価する
握のために、本報告書では、これまでに相
談支援センターに関して行われた既存の調
査の二次データ分析および研究班で実施し
2. 相談支援センターのスタッフの充実お
た(実施中のものを含む)の調査結果によ
よび人材育成
1) 相談支援センターの運営に必要なスタ
り多角的・総合的に分析を行った。分析に
利用したデータは、以下のとおりである。
ッフの充実をはかる
(1) がん診療連携拠点病院(以下、拠点病
2) 全国の相談支援センターで一定水準以
院)の現況報告(H20,21 年度)
上の相談対応の充実をはかる
(2) 厚労省委託事業「がん診療連携拠点病
院の緩和ケア及び相談支援センタ-に
3. 相談支援センターの運営を支える環境
関する調査」
(緩和医療学会:H19 年度、
の充実
(財)がん集学的治療研究財団:20,21
1) 物理的な環境を整備する
年度)
2) 人的な環境を整備する
(3) 世論調査(内閣府:H19、21 年度)
3) 各関係者が相談支援をより充実させる
(4) 地域住民に対する相談支援センターの
ための役割を認識し、後方支援を行う
イメージに関する調査(本研究班:H21
年度実施)
4. 相談支援センターの認知度の向上
(5) 相談支援センターとがん当事者の連
1) “仕組み”の中に相談支援センターを
携・協働の実態調査(本研究班:H21
知る機会を位置づける
年度実施)
2) 拠点病院の広報活動のバックアップ体
(6) 相談支援センターへの訪問聞き取り調
制を充実させる
査(18 施設)
(本研究班:H21-22 年度
3) 広域的かつ継続的な広報活動と都道府
実施(継続中))
県や国のバックアップ体制を充実させ
る
C.研究結果
検討の結果、当面の課題と対応として、
以下の 5 つの領域について、15 の当面の課
5. 患者団体等との連携協力の体制/がん
患者支援の体制の整備
101
2) バランスのとれたがん患者支援体制を
1) 「患者団体」
「患者団体等」などの言葉
構築する
の定義を明確にする
2) 段階的に連携協力体制を構築する
D.考察
また、さらなる課題と目指す方向性と以
明らかになった 5 つの領域の各課題は、
下の 5 つの領域について、11 のさらなる課
それぞれ互いに関連しており、優先的な課
題と目指す方向性があげられた。
題から統合し直すと以下のようになると考
1. 相談支援センターの体制の整備
えられた。
1) 施設内における業務の整理と役割分担、
I. 相談支援センターに課せられる役割と機
能を明確にする。
そして連携体制を構築する
II. 拠点病院内の相談対応機能を充実させ、
2) 日本の中でがん相談のニーズを予測し
各々の病院の特性を踏まえた段階的な発
体制整備を進める
3) 継続的に安定して情報を収集し、分析、
展および充実を図れるようにする。
III. 本来の相談支援センターの設置目的に
評価、発信できる仕組みをつくる
沿った評価を行えるよう、直接指標だけで
2. 相談支援センターのスタッフの充実お
なく、間接指標により活動状況や達成状況
よび人材育成
を測定する指標を開発する。また責任所在
1) 全国/地域で情報交換できる機会を確
を明確にして、拠点病院や相談支援センタ
保する
ーが適切に評価されるようにする。
2) 相談支援センターの質を保証する取り
IV. 各関係者が相談支援をより充実させる
組みと体制づくりを行う
ための役割を認識し、後方支援を行う。
V. 患者団体等との連携協力の体制、がん患
3. 相談支援センターの運営を支える環境
者支援の体制を整備する。
の充実
詳細については、
「相談支援センターの現
1) 最低限必要な環境整備に差が生じない
状と課題、そして目指すべき方向性」報告
よう支援を行う
書本文を参照。
2) 環境整備のための財源の確保とそのた
めの議論の場を持つ
E.結論
相談支援センターの現状と課題、今後目
4. 相談支援センターの認知度の向上
指す方向性について、既存のデータおよび
1) 地域の利用者の意識への働きかけと環
現在進行中の調査等の結果から総合的に分
境づくりを行う
析を行った。その結果、優先的に実施する
2) 情報が届きにくい人々へ情報を届ける
5 つの事項が明らかになった。
手段と体制の整備を行う
今後は、さらにこれらの課題を克服して
いくために、相談支援センターの整備に関
5. 患者団体等との連携協力の体制/がん
わるすべての関係者が、現状の課題を共有
患者支援の体制の整備
し、目指すべき方向性について議論し、具
1) 地域の“患者力”の底上げをする
体的な方策に結びつけていく必要があると
102
考えられる。
邉眞理、清水奈緒美、河村洋子、小郷
F.健康危険情報
祐子、山縣典子、橋本明子、瀬戸山陽
なし
子、
「電話によるがん情報提供・相談支
援の質評価ツールの検討、第 48 回癌治
療学会(京都)2010/10/29
G.研究発表
6.
1.論文発表
1.
Watanabe
Y,
関由起子、高山智子、看護師の多重課
Intersubjectivity
in
題 及 び 業 務 中 断 の 検 討 - Time and
communication:
Comparing
Motion Study, ビデオ分析法を用いて
doctors
-、保 健医療社会 学論集、 Vol21(1),
patient-satisfaction
39-51, 2010.
International
Communication
高山智子,
関
doctor-patient
with
varying
scores,
Conference
in
7.
Watanabe K., Yamaki C., Takayama
の質問・疑問からの情報づくり~診療
T., Yamamoto S., Wakao F., National
ガイドラインの情報との比較から. 第
distribution
48 回日本癌治療学会学術集会(京都)
comprehensive cancer information
2010/10/30
booklet for newly diagnosed, Patients
八巻知香子、高山智子、神田典子、熊
to support decision-making on cancer
谷たまき、清水奈緒美、植田潤、小曲
care, UICC, Shenzhen, China, Aug
一之、佐々木佐久子、中川圭、根岸利
18-21, 2010.
program
芙美子、再発患者向け情報提供コンテ
H.知的財産権の出願・登録状況
ンツの開発、第 48 回癌治療学会(京都)
なし
2010/10/30
高山智子、八巻知香子、熊谷たまき「患
者・市民と協働して作成する情報づく
りのあり方の検討」第 69 回日本公衆衛
生学会総会、2010/10/29(/27-29) 東
京国際フォーラム
4.
高山智子、がん医療情報の格差の現状
と対策、シンポジウム
がん医療情報
提供を考える-医療者と患者の情報ギ
ャップ(情報の非対称性)を如何に埋
めるか?第 48 回癌治療学会(京都)
2010/10/29
5.
on
Healthcare
光、ハーシー久美、本田麻由美、山下
3.
two
Italy.
由起子, 八巻知香子,
瀬戸山陽子, 八重ゆかり. がん相談者
2.
T,
(ICCH), 5-8 September 2010, Verona,
2.学会発表
1.
Takayama
関由起子、高山智子、八巻知香子、渡
103
of
104
参考資料:相談支援センターの現状と課題、そして目指すべき方向性」報告書
厚生労働科学研究費補助金(がん臨床研究事業)
「相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究」
報告書
相談支援センターの現状と課題
そして目指すべき方向性
研究代表者:高山 智子
平成 23 (2011)年 3 月
105
はじめに
全国のがん診療連携拠点病院に相談支援センターという窓口が設置され(「がん診療連携
拠点病院の整備指針(平成 18 年 2 月)」
)、がんの相談対応を行うという新しい取り組みが
はじめられて 5 年が経過した。現在、がん対策の一環として進められている相談支援セン
ターの枠組みは、全国のがん診療連携拠点病院の相談支援センターが、自院に通院するが
ん患者や家族のみならず、地域住民のがんに関する相談対応を行い、国民の不安や情報不
足を解決するというものである。また国や自治体からの補助金という枠組みの中で、各医
療機関が相談対応のサービスを提供し、さらにサービスを推進させるという取り組みは、
諸外国においても国内においても例がなく、この新しい仕組みが有効に機能するためには、
わが国の社会環境に合わせて発展させていく必要がある。しかし、すでに 5 年が経過した
とはいえ、全国のがん診療連携拠点病院では、現在においても、まさに模索しながら相談
支援センターを運営している状況であると考えられる。
平成 24 年度には、「がん対策基本計画」(平成 19 年 6 月策定)の 5 年ごとの見直しを踏
まえて、第二期「がん対策基本計画」が策定される予定である。相談支援センターの今後
の体制整備をより効果的に進めていくためにも、客観的なデータと分析に基づいて、相談
支援センターの現状を検証することが必要である。
本報告書はこうした背景から、相談支援センターの実態を把握し、現時点での課題とそ
の対応策について、現時点で利用可能なデータを分析し、論点を整理し、考察した。がん
対策における相談支援の取り組みは、これまでにない新しい仕組みを作り上げていくとい
うプロセスであり、将来どのような姿を目指すのかといった視点は、実態の分析のみでは
見えてこない。また全国 377 のがん診療連携拠点病院の背景や地域の実情が異なる中で、
多くの現場で共通する課題以外にも、それぞれの現場で異なる課題に直面している可能性
も高い。そのため本報告書では、今後各々の現場で応用していけるように、諸外国での事
例から得られた知見についても示すとともに、関係者間で共有すべき論点および基本とな
り得る考え方についてもできるだけ示すようにした。またその際にとりうる方策について
も、可能な限り具体的になるような記述につとめた。
しかし、すべての論点について必ずしも具体的な内容まで示せていないものもある。こ
の報告書を利用して、実際の相談対応を行う相談員のみならず、利用者を含む相談支援セ
ンターの整備に関わるすべての関係者が、現状の課題を共有し、目指すべき方向性につい
て議論する際の材料にしていただければ幸いである。
平成 23 年 3 月
平成 21 年度厚生労働科学研究費補助金(がん臨床研究事業)
「相談支援センターの機能の強化・充実と地域における
相談支援センターのあり方に関する研究」
研究代表者
1
106
高山
智子
背景
相談支援センターは、がん患者や家族のがんの情報を求める声がもとになって、
「がん診
療連携拠点病院の整備指針(平成 18 年 2 月)
」により設置された。その後「がん対策基本
計画(平成 19 年 6 月)
」を反映させた「がん診療連携拠点病院の整備に関する指針(平成
20 年 3 月改訂)」の中で、相談支援センター相談員の研修の必要性や人的な充足(1 名から
2 名配置へ)、そして患者団体等との連携などの活動を促進していくことが示され、全国の
相談支援センターの整備が進められている。このように相談支援センターの必要性が認識
され、整備が進められているにも関わらず、相談件数は伸び悩み、十分に利用されていな
いことが指摘されている。その理由の一つとして、相談支援センターの周知が進んでいな
いことがあげられているが、周知が進めば利用されるようになるのか、がんの情報ニーズ
の整備は、相談支援センターだけで対応できるものなのか、とくにがんに罹患したことで
通常のコントロール感が失われた状況においては、自ら情報や支援を求めたり、声を発せ
られない場合も多く、今後の相談支援センターのあり方を考えるためには、さまざまに考
えられる背景を含めて総合的に検討することが必要である。
現在進められている日本のがん対策における情報提供および情報支援の体制は、全国の
がん診療連携拠点病院に設置された相談支援センターと国立がん研究センターがん対策情
報センターの大きな2つの柱をもとに進められている。その中で相談支援センターに求め
られる機能は幅広い。患者や家族に対する個別の相談対応だけでなく、患者会の立ち上げ
支援などの組織や地域に対する相談対応や相談対応するための資源の確保などの機能や役
割を求められることもある。また相談支援センターとして、情報の蓄積や院内外との関係
づくりや調整業務も不可欠である。さらに地域のがん相談窓口であるためには、医療や福
祉等の関係機関だけでなく、広く地域に対して相談支援センターの存在や活動内容の周知
や広報を行う必要があり、こうした多様な求めに対応する必要がある。
相談支援センターは、その病院を利用する患者や家族だけのがんに関する情報提供や相
談窓口としてではなく、その地域の住民に対してもがんの情報提供や相談窓口になること
を期待されて設置された。こうした相談支援センターが設置されるに至った背景や相談支
援センターを取り巻く環境から、本来のニーズに応えるための機能を果たしているか(果
たせるものなのか)、といったプログラム自体を評価することも、今後のよりよい相談支援
体制を検討するためには必要である。つまり、利用者からみて「いつでも、だれでも、ど
こにいても、信頼できるがんに関する情報が、
(必要とするときに/求めれば)安心して手
に入れられる相談支援センターの窓口となったか」というものである。
P.H.ロッシらによると、プログラムの評価の種類には、1) プログラムのニーズ、2) プロ
2
107
グラムの設計、3) その実施とサービス提供、4) そのインパクトあるいはアウトカム、5) そ
の効率性、の5領域のうち1つ以上のアセスメントを含むものとされる(ロッシ他、2008)。
この視点を考慮して相談支援センターのプログラムとしての評価を考えると、
1) 相談支援センター(あるいはがん相談)のニーズはどのくらいあるか
2) 相談支援センター(あるいはがん相談)はどうあるべきか
3) 相談支援センターの相談対応の実態はどのようになっているか
4) 相談支援センターができたことで、何がどのように変わったか、求められていたニー
ズを満たすことができているか
5) 相談支援センターの運用を効率化するためにはどのようにしたらよいか
といったリサーチ・クエスチョンが考えられる。今後すべての観点から評価されること
が理想的であるが、相談支援センターが開設されてまだ間もないこともあり、このうち現
時点で何らかの評価が可能なのは、1)~3)までであると考えられる。
以上のようなプログラム評価の視点を踏まえ、本報告書では、研究班により収集したデ
ータおよび現時点で活用可能な資料およびデータを分析・検討することによって、相談支
援センターの体制、相談支援センターのスタッフと人材育成、相談支援センターやスタッ
フを支える体制、広報、そして患者団体(等)との連携について、現状と当面の課題とそ
の対応について検討することを目的とした。がん対策における相談支援の取り組みは、こ
れまでにない新しい仕組みを作り上げていくというプロセスである。そのため、どのよう
な相談支援のあり方が望ましいかなど実態の分析のみからは見えてこない視点も多くある。
したがって、それぞれの課題に対して基本となりうる考え方や視点について論点を整理す
るとともに、当面の対応では解決が難しい事項については、今後目指す方向性として考察
を行った。
3
108
方法
相談支援センターの体制や機能の実態把握のために、本報告書では、これまでに相談支
援センターに関して行われた既存の調査の二次データ分析および研究班で実施した(実施
中のものを含む)の調査結果により多角的・総合的に分析を行った。
分析に利用したデータは、以下のとおりである。
 がん診療連携拠点病院(以下、拠点病院)の現況報告(H20,21 年度)
 国立がん研究センターがん対策情報センター「がん情報サービス」に H23 年 3
月現在公開中の現況報告結果は、H22 年度指定された拠点病院 377 施設である。
掲載情報は、H21 年 10 末に提出のものである。
 本文中においては、「現況報告」と示す。
 厚労省委託事業「がん診療連携拠点病院の緩和ケア及び相談支援センタ-に関す
る調査」(緩和医療学会:H19 年度、(財)がん集学的治療研究財団:20,21 年度)
 本文中においては、「医療水準調査」と示す。
 世論調査(内閣府:H19、21 年度)
 地域住民に対する相談支援センターのイメージに関する調査(本研究班:H21 年度
実施)
 相談支援センターとがん当事者の連携・協働の実態調査(本研究班:H21 年度実施)
 相談支援センターへの訪問聞き取り調査(18 施設)(本研究班:H21-22 年度実施
(継続中))
分析の結果得られた図表は、本文最後に示した。また本文の説明に必要な背景に関する
ものは、資料として本文中に示した。
4
109
サマリー
検討の結果、相談支援センターの体制整備および機能充実のための当面の課題と必要と
される対応、さらなる課題と目指す方向性は、5つの領域ごとに、表 i. のようにまとめら
れた。
表 i. 相談支援センターの体制整備および機能充実のための当面の課題と必要とされる対応、
さらなる課題と目指す方向性 (まとめ)
当面の課題と対応
さらなる課題と目指す方向性
1. 相談支援センターの体制の整備
1) 個々の相談支援センターに課せられる役割
と機能を明確にする
1) 施設内における業務の整理と役割分
担、そして連携体制を構築する
2) 各拠点病院内の相談対応機能を充実させ、
段階的な発展をめざす
2) 日本の中でがん相談のニーズを予測し
体制整備を進める
3) 活動状況を測定する指標を開発・検証し、
活用できるようにする
3) 継続的に安定して情報を収集し、分析、
評価、発信できる仕組みをつくる
4) 責任所在を明確にし、活動範囲に見合った
適切な活動評価を行う
5) 相談支援センターの活動評価に及ぼす要因
を考慮し総合的に評価する
2. 相談支援センターのスタッフの充実および人材育成
1) 相談支援センターの運営に必要なスタッフ
の充実をはかる
1) 全国/地域で情報交換できる機会を確
保する
2) 全国の相談支援センターで一定水準以上の
相談対応の充実をはかる
2) 相談支援センターの質を保証する取り
組みと体制づくりを行う
3. 相談支援センターの運営を支える環境の充実
1) 物理的な環境を整備する
1) 最低限必要な環境整備に差が生じない
2) 人的な環境を整備する
よう支援を行う
3) 各関係者が相談支援をより充実させるため
の役割を認識し、後方支援を行う
2) 環境整備のための財源の確保とそのた
めの議論の場を持つ
4. 相談支援センターの認知度の向上
1) “仕組み”の中に相談支援センターを知る
機会を位置づける
1) 地域の利用者の意識への働きかけと環
境づくりを行う
2) 拠点病院の広報活動のバックアップ体制を
充実させる
2) 情報が届きにくい人々へ情報を届ける
手段と体制の整備を行う
3) 広域的かつ継続的な広報活動と都道府県や
国のバックアップ体制を充実させる
5. 患者団体等との連携協力の体制/がん患者支援の体制の整備
1) 「患者団体」
「患者団体等」などの言葉の定
義を明確にする
1) 地域の“患者力”の底上げをする
2) バランスのとれたがん患者支援体制を
2) 段階的に連携協力体制を構築する
構築する
5
110
以上5つの領域の各課題は、それぞれ互いに関連している。優先的な課題から統合し直
すと以下のようになると考えられる。
I.
相談支援センターに課せられる役割と機能を明確にする。
II.
拠点病院内の相談対応機能を充実させ、各々の病院の特性を踏まえた段階的な発展
および充実を図れるようにする。
III. 本来の相談支援センターの設置目的に沿った評価を行えるよう、直接指標だけでなく、
間接指標により活動状況や達成状況を測定する指標を開発する。また責任所在を明
確にして、拠点病院や相談支援センターが適切に評価されるようにする。
IV.
各関係者が相談支援をより充実させるための役割を認識し、後方支援を行う。
V.
患者団体等との連携協力の体制、がん患者支援の体制を整備する。
I. 相談支援センターに課せられる役割と機能を明確にする
がん対策として拠点病院に新たに位置付けられた相談支援センターの整備として進めら
れるべきは、病院内外からのがん情報提供や相談の窓口となる相談支援機能である。しか
し現状では、相談支援業務以外の複数の業務をこなしている状況があり、院外からの相談
は 2 割で、残り 8 割のうちの多くが連携に関する業務になっていると考えられた。退院支
援や連携業務については、拠点病院でなくても(どんな病院でも)有する機能であり、他
の病院では再現できない機能を有するようにしていくことこそ、拠点病院に求められてい
る役割と言える。相談支援センターに課されている役割と機能を再度認識し直し、それに
沿って整備が進められる必要がある。
また拠点病院の相談支援業務が補助金として提供されるのに対して、連携調整機能の中
には、退院支援加算などの診療報酬がつくものが含まれることで、病院経営として、相談
支援機能にはインセティブが働きにくい状況になっていると考えられる。相談支援センタ
ーが適切に評価され、拠点病院として本来の相談支援機能が果たしやすくなるような仕組
みが求められている。
II. 拠点病院内の相談対応機能を充実させ、各々の病院の特性を踏まえた段階的な発展およ
び充実を図れるようにする
全国の拠点病院は、その病院の規模やがんの専門性の度合いは大きく異なるため、すべ
ての拠点病院が同一の体制やサービスを備えることは実情にそぐわない。がん専門病院、
大学病院、一般総合病院の特徴とともに地域の中での役割により、その病院ならではの強
みを生かした取り組みをすることが必要である。まず院内のがん患者や家族のための情報
提供や相談窓口を充実させた上で、情報提供や相談対応の対応範囲や支援の深さなど、拠
点病院自らが、全国あるいは地域の中で目指す役割と機能を設定し、段階的に発展させて
いくことが望ましい。またそれに応じた適切かつ十分な補助が行われることが必要である。
図 i. は、目指すべき役割と機能を対応範囲と深さによって分類した模式図である。
「すべ
6
111
ての拠点病院」がまず担うべき範囲を B1 として、その病院が目指す方向(C1、A1、B2)
に発展させる(図 ii)といったように、各拠点病院(相談支援センター)が自らの位置や発
展させる領域を検討したり、都道府県や全国の中で、不足している機能や役割をモニター
し補完領域を見極めるための枠組みとして活用できると考えられる。
支援の対応範囲と深さの中で、病院種別や機能等によってより強みが発揮されやすいと
考えられる領域を図示すると図 iii.のようになると考えられる。その病院が自施設の特性に
よって強みをより発揮しやすい領域へ発展させたり、都道府県や国がより広域的な視点か
らニーズに合わせて計画的に発展させられるように働きかけていくことも必要である。
また相談員配置数が限られ(過半数以上の施設で専従スタッフ 1 名)
、関連する多様な業
務を同時にこなさなくてはならないなど、拠点病院単位でみても、全国の体制としてみて
も、必ずしも効率的な相談支援提供体制になっていない。現在のようなすべての領域を小
規模分散型の相談支援体制で行うのではなく、A1, A2 の領域などは諸外国でも例があるに
ように、部分的に大規模集中型の体制をとることにより、効率化や標準化をはかりやすく
なる。また A や C に相当する領域は、拠点病院以外の外部の窓口でも代替可能であると考
えられ、拠点病院外で支援体制が充実されることにより、拠点病院では、拠点病院内でし
か提供できないその他のサポート領域に注力できるようになると考えられる。
図 i.
目指すべき役割と機能を対応範囲と深さによって分類した模式図
多
支援を必要とする人の数
患者サポートの深さ
対応範囲の広さ
支援なし
0
前方支援
院内支援
後方支援
A
B
C
A0
B0
C0
A1
B1
C1
A2
B2
C2
A3
B3
C3
一般的なニーズ
に対する支援
1
2
より複雑なニーズ
少
に対する支援
3
ニーズがあるにもかかわらず、
特に不足していると考えられる領域
7
112
図 ii. すべての拠点病院がまず担う範囲(B1)からの段階的発展の方向
多
支援を必要とする人の数
患者サポートの深さ
対応範囲の広さ
支援なし
0
前方支援
院内支援
後方支援
A
B
C
A0
B0
C0
A1
B1
C1
A2
B2
C2
A3
B3
C3
一般的なニーズ
に対する支援
1
2
より複雑なニーズ
少
に対する支援
3
図 iii.
病院種別や機能等によってそれぞれの強みがより発揮されやすい領域
多
支援を必要とする人の数
患者サポートの深さ
対応範囲の広さ
支援なし
0
前方支援
院内支援
後方支援
A
B
C
A0
B0
A1
B1
すべての
拠点病院
の起点
C0
一般的なニーズ
に対する支援
C1
1
2
多くの一般
総合病院
A2
B2
C2
A3
B3
C3
より複雑なニーズ
少
に対する支援
3
都道府県拠点病院が
都道府県拠点病院大
都道府県拠点病院
ん専門病院
学病院
がん専門病院
がん専門病院
8
113
III. 本来の相談支援センターの設置目的に沿った評価を行えるよう、直接指標だけでなく、
間接指標により活動状況や達成状況を測定する指標を開発する。また責任の所在を明確に
して、拠点病院や相談支援センターが適切に評価されるようにする。
院外の利用者に対する相談支援の活動は、病院としてのインセンティブが働きにくく、
評価が間接的で見えにくいため、相談員や相談支援センターの活動への病院からの支援が
得にくく、相談員のモチベーションが得られにくいこともある。そのためにも、相談支援
センターの活動に対して適切な評価が行われる必要がある。相談支援センターの活動評価
として相談件数があげられているが、こうした直接的な指標だけでなく、長期的な視点で
みた地域の利用者増加やリピート率の向上、不適切なドクターショッピングの防止、然る
べき必要なサービスまでのアクセス時間の短縮、地域の患者・家族や住民の安心などとい
った間接的な効果が期待されると考えられ、これらを測定できる指標を開発し、継続して
測定していく必要がある。また測定、把握した活動状況が拠点病院や地域のインセンティ
ブにつながるように、地域の関係者や住民に対する働きかけや取り組みそのものを重要な
活動評価の一つとして位置付けていくことも必要である。さらに責任の所在を明確にし、
活動状況や達成状況を拠点病院や地域、全国でモニタリングした結果を、各責任元の評価
に結びつけていくことも重要である。
また全国における相談対応の均てん化の状況の把握には、より大きな単位(全国)での
相談件数の推移や相談(疑問や不安など)の発生状況と対応状況をセットで把握し、それ
に応じて国レベルでの対策を講じていく必要がある。
IV. 各関係者が相談支援をより充実させるための役割を認識し、後方支援を行う
いくつかの相談対応を取り巻く環境の整備状況は、相談件数と関連がみられていた。たと
えば、相談業務に専念できる専従スタッフやがんの専門性をもつスタッフ(がん専門看護
師)の配置や支援、相談支援センター内でのマニュアル整備や事例検討などの質的な向上
に向けた活動が行われること、病院長や腫瘍センター長、各診療科医師をはじめとする院
内各部署からの相談支援センターへの人的な支援、パソコン等の配置といった物的な環境
整備、病院受診者が必ず(相談支援センターに)立ち寄る仕組みとしていることやホーム
ページ上の相談支援センターの利用方法や時間などの記載は、相談件数の増加につながっ
ていた。
これらのほとんどすべてが相談対応の基盤になるものであり、拠点病院の特徴によらず、
最低限すべての拠点病院で整備されるようにしていくことが必要である。また相談対応の
基盤として必要な環境整備において、病院間や地域間での差が生じないようにするために、
拠点病院内での認識を高める必要がある。また適切な支援が行えるように、都道府県や国
で環境整備の充実の度合いを確認していくことも必要である。
さらに相談支援センターの質的な強化には、相談員一人あたりの相談件数が一定数以上
保たれること、相談対応を客観的にモニターして個人や相談員同士で互いにフィードバッ
9
114
クすることや、研修、定期的なカンファレンスや学習の機会、ストレス・マネジメントな
ど、個人で行える活動から、組織として行う活動、地域や全国単位で行う情報交換できる
機会を確保することも重要である。
また利用者を増やすために不可欠な広報活動については、人数の限られた相談支援セン
ターでは、十分に担えきれない状況が伺えた。広報活動の範囲は幅広く、継続的に行う必
要もあるため、相談支援センターとしてよりも拠点病院として、また地域や全国レベルで
の広報を継続して実施する仕組みも必要である。
相談員が相談者に対して行う相談支援のプロセスを円滑に進められるように、相談支援
センター、拠点病院、都道府県、国(全国)がそれぞれの役割を認識し、後方から支援し
ていくことが重要である。
V. 患者団体等との連携協力の体制/がん患者支援の体制の整備
連携する相手として示されている「がん患者団体(等)」や、連携の目的について認識が
異なっていることで、計画や実践にたずさわる関係者らの間で混乱を生じている可能性が
ある。「がん患者団体(等)」が何を指すのか、言葉の定義を明確にするとともに、連携の
目的や連携の相手(患者団体等、患者団体、患者・家族)について、関係者間で共通理解を
はかりながら計画を進めて行く必要がある。
また都市部や地方などの地域によって利用できる支援や資源などの環境や連携協力体制
の前提となる条件が異なっている。相談支援センターや患者団体(等)の準備状況に合わ
せた段階的な連携協力体制を構築していくことが必要である。相談支援センターでは、ま
ず地域の患者会を把握し紹介をできる体制をつくること、その地域に患者会が存在しない
場合には、相談支援センターだけでなく地域として「患者会」の立ち上げ支援やピアサポ
ートを提供できる体制構築の支援を行い、当事者らが自立して主体的な活動が行えるよう
育てていくことが求められる。
さらに患者や家族に求められるピアサポートなどの支援の必要性は、治療終了後も長期
に渡って発生すると考えられ、患者支援団体等の協力も得て、病院以外の地域でも担える
ような場や体制づくりをしていくことも必要である。そのためには、全国の取り組みの中
で、注目すべき活動や参考となるモデル活動に関して情報交換できる場をつくり、関係者
の間で地域に合った連携の姿を具体的にイメージできるようにすることも必要である。
10
115
研究班員一覧
研究代表者
高山
智子
独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報・統計部
室長
分担研究者
朝倉
隆司
東京学芸大学医療社会学
保健医療行動科学
教授
池山
晴人
近畿中央胸部疾患センター・地域医療連携室
石川
睦弓
静岡県立静岡がんセンター研究所
大松
重宏
城西国際大学福祉総合学部福祉総合学科
岡本
直幸
神奈川県立がんセンター臨床研究所がん予防情報研究部門生物統計学・疫学
医療社会事業専門職
患者・家族支援研究部
研究部長
准教授
専門員
小川
朝生
独立行政法人国立がん研究センター東病院精神腫瘍学開発部・精神腫瘍学
室長
加藤
雅志
独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報・統計部
室長
唐渡
敦也
財団法人
癌研究会有明病院
医療支援センター・企画部
センター長
菊内
由貴
独立行政法人国立病院機構四国がんセンターがん相談支援・情報センター
副看護師長
八巻 知香子 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報・統計部
研究員
研究協力者
小郷
祐子
独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん対策企画課
研修専門職
川田 美也子 地方独立行政法人大阪府立病院機構
グループ
舩田
千秋
大阪府立成人病センター
事務局医事
主査
独立行政法人国立病院機構四国がんセンターがん相談支援・情報センター
副看護師長
若尾
文彦
独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター
11
116
副センター長
目次
はじめに ..............................................................................................................................................1
背景 ......................................................................................................................................................2
方法 ......................................................................................................................................................4
サマリー ..............................................................................................................................................5
研究班員一覧 .................................................................................................................................... 11
目次 .................................................................................................................................................... 12
1.
相談支援センターの体制 ......................................................................................................... 13
1.1. 拠点病院、相談支援センター、相談対応の現状 .............................................................13
1.2. 日本の相談支援体制の充実のために、前提となる考え方 .............................................17
1.3. 相談支援センターの体制における当面の課題とその対応 .............................................22
1.4. さらなる課題と今後目指す方向性 ..................................................................................... 29
2.
相談支援センターのスタッフおよび人材育成 ..................................................................... 32
2.1. 相談員の教育・研修の現状................................................................................................. 32
2.2. 相談支援センターのスタッフ充実のために、前提となる考え方 .................................34
2.3. 相談支援センターで求められる機能充実に向けて、当面の課題とその対応 ............. 37
2.4. さらなる課題と今後めざす方向性 ..................................................................................... 42
3.
相談支援センターの運営を支える環境 .................................................................................44
3.1. 相談支援センターの運営を支える環境の現状 .................................................................44
3.2. 相談支援センターの運営を支える環境の充実に向けて、前提となる考え方 ............. 45
3.3. 相談支援センターの運営を支える環境の充実に向けて、当面の課題とその対応 ..... 47
3.4. さらなる課題と今後目指す方向性 ..................................................................................... 49
4.
相談支援センターの認知度 ..................................................................................................... 50
4.1. 相談支援センターの認知度と広報活動の現状 .................................................................50
4.2. 認知度向上、広報活動の充実に向けて、当面の課題とその対応 .................................51
4.3. さらなる課題と今後目指す方向性 ..................................................................................... 52
5.
患者団体等との連携協力の体制/がん患者支援の体制...................................................... 53
5.1. “がん患者団体等”との連携協力体制の構築の現状 ..........................................................53
5.2. よりよい連携協力体制を構築するための前提として(定義とあり方、留意点) ..... 54
5.3. 連携協力体制における当面の課題とその対応 ...............................................................56
5.4. 今後めざす方向性.................................................................................................................61
参考文献 ............................................................................................................................................ 63
参考資料 ............................................................................................................................................ 65
図表一覧 ............................................................................................................................................ 66
12
117
相談支援センターの体制
1.
1.1. 拠点病院、相談支援センター、相談対応の現状
1) 拠点病院の病床数、がん患者割合、および相談支援センタースタッフ数
(1) 病床数
現況報告によると、全国のがん診療連携拠点病院(以下、拠点病院と略す)の病床数は、
146~1505 床(平均 601.3±232.9)、年間入院がん患者数は、359~12,695 人(平均 2,817.5
±1,850.4)で、年間新入院患者に占めるがん患者の割合は、平均 0.3±0.2(range: 0.019~1.0)
で 1.9%~100%であった(表1)。また、年間外来がん患者数は 132~381,138 人(平均 47,245.8
±50,310.2)となっていた。病床数、がん患者割合ともに、病院により大きく違いがみられ
た。
(2) 相談支援センタースタッフ数
全国の相談支援センターにたずさわるスタッフ数は、合計で 2,117 名、その内訳は、専従
679 名(32.1%)、専任 479 名(22.6%)
、兼任 959 名(45.3%)であった。常勤は、1880 名の
約 9 割となっていた。職種別に見ると、社会福祉士等が 858 名(40.5%)と最も多く、続い
て看護師 738 名(34.9%)、事務員 217 名(10.3%)となっていた(表2)
。
一施設あたりの相談支援センターに関わる全スタッフ数は、平均 5.6±3.6 名(range: 0~
20 名)、そのうち相談業務に携わるスタッフ数は、平均 5.0±3.2 人(range: 0~20 名)であ
り、その他の事務業務やデータ処理等に携わるスタッフは、平均 0.1~0.3 人(range: 0~5
名)で 1 名にも満たなかった(表3)。全スタッフの1日あたりの相談支援センター業務に
当たる就業時間を常勤(8時間/日)と非常勤(6時間/日)で換算した場合には、27.3±16.9
時間(0~114 時間)、相談業務担当者の相談業務に当たる就業時間は、平均 24.7±14.9 時間
(range: 0~88 時間)で、常勤職員 8 時間/日とした場合、およそ3名分の相当時間数であっ
た(表3)。
相談支援センターのスタッフ数を、施設割合でみると(表4)、~2名まで 54 施設(14.3
%)、3~4 名まで 123 施設(32.6%)
、5~6 名まで 83 施設(22.0%)、7~8 名まで 60 施設(15.9%)、
9~10 名 30 施設(8.0%)、11~20 名
27 施設(7.2%)であった。一施設あたりの専従の人
数は、平均 1.8±1.8 人(range 0-13、中央値 1)、専任の人数は、平均 1.3±1.3 人(range0-8、
中央値 1)で、専従と専任を合わせた人数は、平均 3.1±1.9 人(range: 0-14、中央値 3)であ
った。
また、拠点病院の種別、病院種別で見てみると都道府県拠点病院は、地域拠点病院に比
べ複数人数の割合が高く、病院種別では、一般、大学病院に比べ、がんセンターでは、4 人
以上の配置の割合が高くなっていた(図 1~図 4)。
2) 全国の相談支援センターにおける相談対応状況
(1) 全国の総相談件数と施設別の相談件数
現況報告によると、H22 年度の拠点病院 377 施設に対応する H20 年度、H21 年度の相談
13
118
件数総数は、61,217 件/2 ヵ月(8 週として 7,652 件/週)、76,370 件/2 ヵ月(8 週として 9,546
件/週)であった。
また、施設別の相談件数の平均は、平均 170.5±334.1(range: 0~3186 件)、H21 年度は、
平均 203.7(range: 1~2580 件)となっていた。医療水準調査の結果からも、一施設あたり
の相談件数は、20.2、 21.4、 23.1 件/週と僅かずつであるが年々増加していた(表5)。
病院種別(がんセンター/成人病センター、大学病院、一般総合病院)では、がんセン
ター/成人病センターが最も多く、2 ヵ月あたり平均 700 件代で、大学病院の平均 200 件弱
の約 4 倍、一般総合病院の平均 100~140 件代の 5~6 倍となっていた。拠点病院種別(都
道府県および地域がん診療連携拠点病院、みなし拠点病院)では、都道府県拠点病院は、
平均 430 件代で、地域拠点病院の 120~150 件代の約 3 倍となっていた。
(2) 相談件数別の施設分布
相談件数別の施設分布をみると、1 週間あたり 10 件未満(80 件未満/2 ヵ月)の相談支援
センター数は、H20 年度で 207 施設(57.7%)
、H21 年度で 164 施設(43.7%)と、全体に占
める割合は減少してきているものの 4 割以上が 1 日 2 件未満の対応件数にとどまっていた
(表6)。一方 1 週間あたり 50 件以上/週(400 件以上/2 ヵ月)の相談支援センター数は、
H20 年度で 38 施設(10.6%)、H21 年度で 46 施設(12.3%)と、1 日に 10 件以上対応する施
設はわずかながら増加が見られていた。
(3) 院内および院外の相談対応件数と内訳
総相談記入シート件数に占める相談内容の内訳は、全体の約8割が院内の利用者に対し
て行われたもので、院外からの相談割合は約2割(平成 19、20、21 年度それぞれ、1,197
件(18.7%)
、1,449 件(18.9%)、1,476 件(17.8%))にとどまっていた(表7)。
平成 21 年度の院内(6,534 件)と院外(1,476 件)からの相談内容の内訳(全体を 100 と
したときの最も比重の高いもの)をみると、院内からの相談で多くなっていたのは、医療
費・生活費・社会保障制度 1,061 件(16.2%)、転院 805 件(12.3%)、在宅医療 725 件(11.1%)、
院外からは、受診方法・入院 233 件(15.8%)、セカンドオピニオン 174 件(11.8%)となっ
ており分布に差がみられた(図5)
。
(4) 相談件数を元にした指標と拠点病院別の活動状況
活動状況をみるために現時点において把握されている相談件数等の指標はいくつかある
が、未提出施設があったり、把握の仕方(どのように相談件数をどこまでの範囲でカウン
トし、報告に含めるかなど)が異なるなど、必ずしも信頼性の高い指標となっているとは
言えない。したがって、各年度それぞれの調査方法で把握された指標を複数用意し、それ
ぞれ上位にランクされる施設を列挙した(表8)。さらに、現在の拠点病院の規模やがん患
者割合等、病院の背景情報が大きく異なることから、その施設の相談件数を病床数、新規
がん患者数、がん患者割合で割った指標、さらに、活動状況ののび具合をみるために、H20
年度から H21 年度報告の相談件数の増加数の指標を準備した。本報告書で取り上げた指標
と基準値を資料 1 に示した。
14
119
資料 1. 本報告書で取り上げた指標と基準値
本報告で取り上げた指標
データの
出典
内 容
本報告で取り上げた
基準値
H19 年度相談記入シート提出
医療水準調査
1 週間の件数
50 件以上(10 件/日以上)
医療水準調査
1 週間の件数
50 件以上(10 件/日以上)
医療水準調査
1 週間の件数
50 件以上(10 件/日以上)
H20 年度相談件数
現況報告
2 ヵ月分の相談件数
400 件以上(10 件/日以上)
H21 年度相談件数
現況報告
2 ヵ月分の相談件数
400 件以上(10 件/日以上)
H21 年度相談件数/病床数
現況報告
病床数に対する相談件数の
0.85 以上
割合
(全体の上位 10%に相当)
新規がん患者数に対する相
0.16 以上
談件数の割合
(全体の上位 10%に相当)
その病院のがん患者割合に
1700 以上
件数
H20 年度相談記入シート提出
件数
H21 年度相談記入シート提出
件数
H21 年度相談件数/新規がん患
現況報告
者数
H21 年度相談件数/がん患者割
現況報告
合
H21 年度相談件数の前年度か
対する相談件数
(全体の上位 10%に相当)
現況報告
H20 年度から H21 年度の増
160 以上
加相談件数
(20 件/週の増加以上)
医療水準調査
病院既利用者以外からの相
上位 10 位
らの増加数(件/2 ヵ月)
院外相談件数
談
院外相談件数/全国院外相談
件数総数
医療水準調査
全国院外相談件数に占める
全国全院外件数の 1%以上
その施設の対応割合
表8をみると、相談件数と病院規模やがん患者割合からみただけであるが、ほぼすべて
の指標で上位となる施設(KKR 札幌医療センター、宮城県立がんセンター、栃木県立がん
センター、埼玉県立がんセンター、東京都立駒込病院、静岡県立静岡がんセンター、広島
赤十字・原爆病院など)
、病床数に比して上位となる施設(長野市民病院、国立がんセンタ
ー東病院)、H20 年度から H21 年度にかけて相談件数の増加が多い病院として上位になる施
設(岩手医科大学病院、筑波大学附属病院、伊勢崎市民病院、福井大学医学部附属病院、
岐阜市民病院、高知県・高知市病院企業団立高知医療センター、福井大学病院)があり、
病院の背景情報により活動状況に特徴があることが示唆された。
(5) 全国において院外相談件数の割合が上位となる拠点病院
医療水準調査で把握された院内と院外の相談件数から、院外相談件数が上位の 10 位まで
に入る施設と、全国の院外相談件数に占める割合が 1%以上となる施設を表9に示した。こ
こで示した相談件数についても、1 週間の件数であること、未回答の施設があるなど、必ず
しもすべてが信頼性の高い指標とはいえない。したがって、H19, 20, 21 年度の 3 年間の傾向
を示すことによって、指標の確かさを可能な限り保証するようにした。
各年度の院外相談件数が上位 10 施設までに入る施設の院外相談件数は、H19,20,21 年度で、
450~500 件超で、全体の 30~40%の比率となっていた。またその 10 施設の相談件数を経年
15
120
的に見ると件数は横ばいであったが、年々割合は少なくなる傾向にあった。全国院外相談
に占める割合が 1%を超える施設についても、H19,20,21 年度で、それぞれ 27 施設(61.2%)、
21 施設(48.9%)、19 施設(41.9%)となっており、全国の院外相談の 4 割以上の件数を 20
~30(5~10%)の施設で対応しているという結果であった。全国院外相談に占める割合が
1%以上になる施設についても施設数、相談件数、全体に占める割合ともに、年々少なくな
る傾向にあった。
さらに上位 10 位あるいは全国院外相談割合が 1%以上の施設として列挙された 31 施設の
うち、都道府県拠点病院は 16 施設、がんセンター/成人病センターは 14 施設と過半数を占
めていた(表9)。
(6) 都道府県別の相談対応状況
都道府県別の相談支援センタースタッフ数、相談対応件数を表 10 に示した。また、人
口 10 万人あたりの相談支援センタースタッフ数、H21 年度の相談件数を元に算出した年
間相談件数、推定院内相談件数(件/年)、推定院外相談件数(件/年)、推定罹患数に占め
る年間相談件数の割合(%)、院内がん登録件数に占める年間院内相談件数の割合(%)
を算出した。
都道府県別の H20,21 年度の相談件数(2 ヵ月分)は、都道府県毎に異なり、都市部で
高く、地方では少なく、経年変化で件数の増加がみられるのは、主に人口が多い都府県
であった(図6)。さらに、都道府県別の推定罹患数に占める相談件数の割合を見てみる
と、石川県、鳥取県、愛媛県で高く、院内がん登録件数に占める院内相談件数は、石川
県、鳥取県、愛媛県、茨城県、東京都、埼玉県で高くなっていた(図7)。
3) 相談支援センター内で行われている業務
医療水準調査の結果では、相談支援センター内で対応している業務における、相談支
援機能と連携調節機能の割合は、「1:9」から「10:0」まで幅があった。相談支援
機能と連携調節機能の割合で全施設にしめる割合が最も大きかったのは、
「5:5」で 118
施設(31.6%)、相談支援機能が 5 割未満となっていたのは 52 施設(13.9%)、逆に 6 割以
上となっていたのは 173 施設(46.3%)であった。相談支援機能のみと答えた施設はわず
か 9 施設(2.4%)であった。そのうち、発展経緯(拠点病院指定で新規窓口として設置、
または、既存部門からの発展)について回答が得られた 363 施設についてみてみると、
既存部門から発展して相談支援センターが置かれている場合には、その中で相談支援に
充てられる業務割合が相対的に少なくなっていた(図8)
。
また、H21 年度より厚労省研究班により実施された全国の相談支援センターの訪問調査
の結果から、相談支援センターで担っていると考えられる業務を全て列挙してみると、
資料2のように、相談支援センターによりその対応範囲は異なるものの、幅広い領域の
機能を担っていることが示された。またその機能は、がんだけに適用されるもの、拠点
16
121
病院だけが有するものがあり、それぞれの機能の診療加算や補助の背景も異なっていた。
さらに訪問による聞き取り調査の結果から、このように複数の幅広い領域を担ってい
ることに加え、拠点病院によっては、既存の業務における管理体制と新しい管理体制の 2
つの体制を併せ持っていたり、相談支援センターに所属する複数の職種別に管理体制が
異なるなどの理由から、相談支援業務の記録や報告について複数の管理者に報告してい
る場合も少なからず存在していること、またそれにより業務に混乱を来しやすい状況に
なっていることが示された。
資料 2.相談支援センターで担っている機能と各機能の疾患特異性、拠点病院と加算・補助
の背景
相談支援センターで担っている機能
疾患特異性
拠点病院のみ
(がん)
が有する機能
診療加算、補助の背景
予約・受付
-
クレーム対応
-
(医療安全管理の一貫として)
退院支援・退院調整
急性期病棟等退院調整加算
地域ネットワークづくり
-
がん診療連携拠点病院の各種窓口
がんのみ
○
指定要件・補助金
相談支援センターの広報
がんのみ
○
指定要件・補助金
がん患者必携の説明・利用支援
がんのみ
○
がん対策推進基本計画
がんのみ
○
指定要件・補助金
がんのみ
○
がん患者カウンセリング料
緩和ケア診療(院内)
がんのみ
○
緩和ケア診療加算
地域連携パスの利用
がんのみ
○
がん治療連携計画策定料、がん治
および事務局
(H22 年度末より)
患者支援団体等との連携(患者サロ
ンなど)
がん患者カウンセリング(告知の時、
今後の治療について話すときの同
席)
療連携指導料
相談支援センター18 カ所の聞き取りの結果より
1.2. 日本の相談支援体制の充実のために、前提となる考え方
1) 相談支援センター内で行われている業務の分類・整理
相談対応件数の伸び悩みという実情がある一方で、相談支援センターの業務に携わるス
タッフからは、業務が忙しいという声が聞かれることは多い。
相談支援センター内で行われている業務を分類してみると、資料3に示したように、が
んと治療の経過による時間軸と療養/居住の場所を背景として拠点病院内にある相談支援セ
ンターからみた場合に、大きく分けて3つの対応範囲があると考えられる。1 つ目は、がん
と疑われた、あるいは、がんと診断された人たち(まだ治療する病院までたどり着いてい
ない人たち)が、治療する病院を探して、利用する情報提供や支援に対応する業務(①前
17
122
方支援)、2 つ目は、病院内で発生する医療安全管理の一貫として運営されるクレーム対応
や院内の相談支援に関連する業務(がん患者のカウンセリング-告知時や今後の治療につ
いて話すときの同席、緩和ケア診療への協力業務)、そして退院や転院時に行われる退院支
援や退院調整等の業務(②院内支援・連携)、3 つ目に、指定要件に示されているがん患者
支援団体等との連携(③後方支援)に関わる業務である。またこの他、地域内でのネット
ワークづくり等は、①②③の業務を円滑に進めるために日常業務として存在している。さ
らに、現時点での聞き取り調査では明らかになっていないが、退院後地域で生活している
がん患者や家族等の療養生活上の問題や不安に対して相談対応や何らかの支援を行うこと
も、③の業務の範囲に含まれると考えられる。
各々の相談支援センターがこれらのどの業務に対応しているかについては、相談支援セ
ンターにより異なるが、それぞれの機能を果たすために関わる関係者が異なることやアプ
ローチ方法が異なることで、非常に複雑かつ、負担の多い業務になっている。そのため、
本来求められている相談業務に注力しにくい状況が生じていると考えられる。
資料 3.相談支援センターで“現実に”担っている機能(前方支援/院内/後方支援別)
がんと治療の経過
療養/居住の場所
院外(地域)
① 前方支援
・予約・受付センター
院内(通院・入院)
院外(地域)
② 院内支援・連携
③ 後方支援
・地域ネットワークづくり
・患者必携の説明・利用支援
・クレーム対応(医療安全管理の一貫
として)
・退院支援・退院調整
・がん患者カウンセリング(告知の時、
今後の治療について話すとき)
・地域連携パスの利用
・緩和ケア診療(院内)
・がん診療連携拠点病院の各種窓口
および事務局
・地域ネットワークづくり
・患者必携の説明・利用支援
・地域ネットワークづくり
・患者必携の説明・利用支援
・患者支援団体等との連携
・患者支援団体等との連携
・患者支援団体等との連携
・相談支援センターの広報
-患者サロンの紹介等
・相談支援センターの広報
-院内患者サロン運営・運営支援等
-院外患者サロン運営・運営支援
-患者会立ち上げ支援等
注)18 カ所の相談支援センター訪問聞き取り調査の結果より
またすでに、相談支援センターをはじめとする国内の相談対応窓口が対応している範囲
を図示してみると、「2.相談支援センターが現在対応している範囲」(資料 4)にあるように、
電話相談や問い合わせに対応を行っている(財)日本対がん協会のホットラインや国立が
ん研究センターの患者必携サポートセンターは、①の前方支援の部分に対応すると考えら
れ、一部の都道府県拠点病院は、②の院内支援を主として、①の前方支援と③の後方支援
18
123
を構築中であると考えられる。いち早く院外も含めたがんの相談窓口を開設した静岡県立
静岡がんセンターのよろず相談は、①②をカバーしているものと考えられる。一方、その
他多くの拠点病院は、②のみ、あるいは②に加え③を構築中の段階であると考えられる。
さらに、資料 4 の例 6 に示した部分は、相談支援センターに期待されているよりもさらに
複雑で専門性も求められるものであり、都道府県レベルや地域医療コーディネータ、国立
がん研究センターの対話外来の役割として期待されているのは、現在治療中か、治療を拒
否された場合(積極的な治療を受けたいのに緩和ケアを進められた場合)など、③の後方
支援にあたるところにあたる(すなわち新たに病院を探す場合には①と同じ機能となる)
と考えられる。いわゆる“がん難民”として認識されているのは、この部分であると考え
られ、日本の中で最も整備が進んでいない領域と言える。特にこの場合には、利用者(患
者や家族)の状況は、より複雑な専門性の求められる状況になっていると考えられ、例1
の場合に求められる相談対応窓口の機能や体制とは大きく異なると考えられる。
わが国における相談支援体制の整備状況でみた場合には、この後方支援に対応する部分
に加えて、前方支援の部分が、整備が十分でない領域と考えられる。
資料 4. 相談支援センターの担っている機能と対応範囲
相談支援センターが担う機能と現在対応している範囲(実態)
1.相談支援関連部門が担う機能
地域のネットワークづくり
病院
①前方支援
③後方支援
②院内支援
がんと治療の経過
療養/居住の場所
院外(地域)
院内(通院・入院)
現在構築中
2.相談支援センターが現在対応している範囲
未整備部分
利用者に求められている部分
例1. ホットライン(対がん協会) /患者必
携サポートセンター
例2. 一部の県拠点クラス
例3. よろず相談(静岡がんセンター)
例4. 多くの拠点病院 (パターン1)
例5. 多くの拠点病院 (パターン2)
例6. 地域医療コーディネータ、がん対話
外来(国立がん研究センター)等
院外(地域)
他施設での治療
19
124
2) 求められる支援の量と資源配分を考慮した効率的な相談対応の体制整備
しかし全国のすべての拠点病院が①②③のすべての範囲の相談対応をするのは、病院規
模やがん患者割合からみても現実的ではなく、体制整備として効率的とはいえない。限ら
れたマンパワーと財源の中で、より効率的に情報やサポート提供を行うことが必要不可欠
である。そのためには、必要とされる情報やサポートを、それらを必要とする人たちの多
少に見合った、提供資源を準備し、適切な場所で提供することが必要になる。資料 5 は、
がん患者に必要なサポート提供について、サポートを必要とする患者数からどのように、
段階的に提供されるのかについて図示したものである。一般的なニーズに対する情報や支
援については、すべての患者が知っておく必要があるが、より複雑なニーズになるほど、
必要とする患者が限られてくる。とくにわが国においては、ようやく拠点病院の相談支援
センターの整備が始まったが、相談支援センターの情報やサポート提供の範囲は、すべて
の患者が必要とする一般的なニーズから他のがん患者と話をする機会を求める多くの患者
の間に位置すると考えられ、情報提供やサポート提供の入り口となるがん情報サービス(ワ
ンナンバーの電話)や、複雑なニーズに対応するより専門性の求められる心理サポートプ
ログラムや危機介入、長期グループ介入などの資源についてはほとんど整備が進められて
いない状況にある。限られたマンパワーと財源を適切に配分していくとともに、これらの
支援を提供できる人材の育成や支援を提供できる環境の整備も進めていく必要がある。
資料 5. がん患者のためのサポート提供~ニーズの程度および患者数
がん患者のためのサポート提供
-サポートを必要とする患者数からみたもの-
一般的な
ニーズ
情報を必要とする
すべての患者
All patients
相談支援
センター
▼
▼
▼
他のがん患者と話をする機会を求める
多くの患者
Many patients
▼
▼
▼
特定の提案から利益を得られる
一部の患者
Some patients
複雑な
ニーズ
集中的な治療を必要とする
少数の患者
Few patients
・オリエンテーション・プログラム
・ヘルス・ケア・チームとの対話
・がん情報サービス(ワンナンバーの電話)
・患者教育プログラム(各種トピック)
・セルフ・ヘルプ・グループ
・心理サポートプログラム/グループ
・ピア・サポートプログラム(Reach to
Recoveryなど)
・セルフ・ヘルプ・グループ
・心理教育グループ
・行動訓練(トレーニング)
・危機介入(1対1)
・短期カウンセリング(1対1)(家族)
・セルフ・ヘルプ・グループ
・心理療法(短期/長期)(1対1/家族)
・長期グループ介入
Fitch, M (2000): Supportive care for cancer patients’. Hospital Quarterly, 3(4):39-46.より一部改変
20
125
3) 病院や地域の役割とニーズに応じた段階的な相談支援センターの発展へ
全国の拠点病院は、その病院が独自に持っている役割(大学病院、がん専門病院、一般
総合病院など)や各地域での役割にさまざまな違いがある。また拠点病院によって病床数
(約8倍の差)やがん患者の入院(約 55 倍の差)・外来患者数(約 900 倍の差)が大きく
異なり、拠点病院種別や病院種別において相談支援センターの専従の人数、相談件数とも
に有意な差が見られていたように、全国一律に同じような規模と体制で、相談支援センタ
ーの運営を実施するのは難しいといえる。
また全国で 2,100 名を超える相談支援に携わるスタッフが、377 の拠点病院に分散してい
ることで、一施設平均 5,6 名、時間数で換算すると 3 名分、専従スタッフのみとすると 1 名
程度のスタッフという状況の中で、さまざまな関連する業務を同時にこなさなくてはなら
ないなど、拠点病院単位でみても、必ずしも効率的な相談支援提供体制になっているとは
言えない。がん専門病院、大学病院、一般総合病院の特徴とともに地域の中での役割によ
り、その病院ならではの強みを生かした取り組みをすることが必要であろう。その際に、
それぞれの拠点病院の規模や役割、現存のマンパワー等についても考慮しつつ、拠点病院
自らが、全国あるいは地域の中で目指す役割と機能を設定し、段階的に発展させていく必
要がある。またそのためには、対応範囲と内容に応じた適切かつ十分な補助が行われるこ
とも重要である。
資料 6. は、
目指すべき役割と機能を対応範囲と深さによって分類した模式図である。各々
の記号の目指す範囲とクライテリア(指標)、測定・評価方法、またそれぞれに必要な経済
的な裏付け(補助金額など)については、さらに検討が必要であるが、これによって自施
設の位置を確認し、どの方向に発展させるかを検討しやすくなると考えられる。拠点病院
としてどの範囲を担うのかを明確にわかりやすく提示することで、相談支援センターとし
て、全国あるいは県内で自分の位置を確認しやすくなる。また外からも見えやすくするこ
とで、拠点病院ですぐにカバーできないところや、抜け落ちている支援領域についても見
えやすくなり、優先順位を付けたりなどの対策も講じやすくなると考えられる。
各拠点病院(相談支援センター)が自らの目指す役割と機能を定めて整備を進めるとと
もに、都道府県ではその地域の中で、国の立場では全国の中で、不足している機能や役割
をモニターし、足らないものについては補完できるように、然るべき施設に対してインセ
ンティブが持てるように働きかけることも必要である。
21
126
資料 6.
目指すべき役割と機能について支援の対応範囲と深さにより分類した模式図
多
支援を必要とする人の数
患者サポートの深さ
対応範囲の広さ
支援なし
0
前方支援
院内支援
後方支援
A
B
C
A0
B0
C0
A1
B1
C1
A2
B2
C2
A3
B3
C3
一般的なニーズ
に対する支援
1
2
より複雑なニーズ
少
に対する支援
3
注)「対応範囲の広さ」は、拠点病院内相談支援センターからみた支援の範囲を示す
1.3. 相談支援センターの体制における当面の課題とその対応
1) 個々の相談支援センターに課せられる役割と機能を明確にする
相談支援センターは、その病院を利用する患者や家族のがんに関する情報提供や相談窓
口としてのみではなく、その地域の住民に対してもがんの情報提供や相談窓口になること
を期待されて、平成 18 年のがん診療連携拠点病院の整備指針に盛り込まれた。こうした背
景を考慮すると、がん対策として拠点病院に新たに位置付けられた相談支援センターの整
備として進められるべきは、日常の診療機能を維持するために必要とされる連携調整機能
ではなく、①の前方支援の部分に注力した活動である。すなわち病院内だけでなく、病院
外に対するがん情報提供や相談の窓口となる相談支援機能である。
実際に、現在の多くの相談支援センターでは、院内からの相談が 8 割を占め、②院内支
援のうち、とくに連携に関する業務が中心になっている状況が起きていると考えられる。
退院支援や連携業務については、拠点病院でなくても(どんな病院でも)有する機能であ
る。他の病院では再現できない機能を有するようにしていくことこそ、拠点病院に求めら
れている役割と言えるのではないだろうか。相談支援センターに課されている役割と機能
を再度認識し直し、それに沿って整備が進められる必要がある。
また拠点病院の相談支援業務が補助金として提供されるのに対して、連携調整機能の中
には、退院支援加算などの診療報酬がつくものが含まれることで、同じ部署内で両方の業
務を行っている場合には、病院経営として、相談支援機能にはインセティブが働きにくい
22
127
状況になっていると考えられる。相談支援センターが適切に評価され、拠点病院として本
来の相談支援機能が果たしやすくなるような仕組みが求められている。
2) 各拠点病院内の相談対応機能を充実させ、段階的な発展をめざす
現在多くの拠点病院の本来のあるべき相談支援センターの整備は十分とはいえない。そ
の中でも、拠点病院の相談支援センターであれば、まず B1(資料 6)を起点として院内の
相談対応機能を充実させることが必要だろう。全国罹患推計値によれば、年間 67.6 万人が
新規にがんを罹患すると推定されており、そのうち約半数にあたる 42 万人が、拠点病院を
利用しているとされる1(がん診療連携拠点病院 院内がん登録
2008 年全国集計 報告書)。
拠点病院の利用者が、相談支援センターを知り、適切に利用できるようになることで、毎
年約 6 割の新規罹患がん患者の情報や相談支援に対応できることになる。
院内の相談対応機能を充実させた上で、さらに病院によっては、B2 と C1 を充実させ、
その後、A1 を追加で充実させるなど、相談対応の範囲を広げるのか、相談対応の深さを追
求するのか、病院の特徴やめざす方向に合わせて発展させていくことが必要だろう。たと
えば、対応範囲と患者サポートの深さに応じた相談支援センターで有するべき機能は、資
料 7 のようになると考えられる。今後求められるニーズに沿ってこの内容も変わっていく
ことが予想されるが、目指す姿の参考になると思われる。
「がん診療連携拠点病院 院内がん登録 2008 年症例 全国集計 平成 21(2009)年度
実施 調査報告(概数・速報版)」国立がん研究センター がん対策情報センターがん情報・
統計部 院内がん登録室 (H20 年(2008 年)1 月 1 日~12 月 31 日までの 1 年間に院内がん
登録に報告された症例数は 421,806 症例(H20 年度の全国の拠点病院 353 施設について)
であった。http://ganjoho.ncc.go.jp/data/hospital/news/2010/files/20101008_4-2(2).pdf
1
23
128
資料 7. 対応範囲と患者サポートの深さに応じた相談支援センターで有するべき機能の例
① 前方支援
A
② 院内支援
B
③ 後方支援
C
がんを経験していない人
その施設を利用している人
がんを経験した人すべて
A0
0
・支援せず
B0
(・診断・治療のみ)
・支援せず
A1
1
2
・全国の相談支援センターの利
用案内
・自施設への受診案内
・入院案内
B1
(・入退院の支援)
(・施設の利用案内)
・相談支援センターの利用案内
C1
・定期的受診勧奨
A2
B2
C2
・(地域の人々への)がん情報の
提供
・(地域の人々への)がんに関す
る相談対応
・(全国の)患者会の情報提供
・(院内利用者の)がんの情報提
供
・(院内利用者の)治療や療養の
相談対応
・(地域の)患者会の情報提供
・(地域の)治療や療養の相談対
応
・患者図書室の公開
・(院内利用者への)患者教育プ
ログラム(勉強会、講義など)の
提供
・(院内利用者の)患者サロン
(場)の提供/運営
・患者教育プログラム(勉強会、
講義など)の(地域の体験者向
け)公開
・(地域への)患者サロンの公開
A3
3
C0
・退院後の支援なし
B3
C3
・受診相談
・(院内利用者の)心理サポート
・(院内利用者の)後方病院の紹
介
・危機介入の対応(院内連携を
含む)
・地域での 講 演会(予防、 検診
等:がんを経験していない人向
け)
・地域でのがんに関する啓発活
動
・院内患者会(サポートグルー
プ)の運営/運営支援
・(院内利用者の)ピアサポート
提供の支援
・(地域の体験者の)心理的サポ
ート
・(地域の体験者の)後方病院の
紹介
・危機介入の対応(院外連携を
含む)
・地域の患者会(セルフヘルプグ
ループ)の運営支援、立ち上げ
支援
・(地域の体験者の)ピアサポー
ト提供の支援
・地域での講演会(がん経験向
け)
相談支援センターの活動状況には、すでに施設によっていくつかの特徴があること(表
7)やがん専門病院や都道府県拠点病院において院外からの相談割合が高くなっていてこ
とからも、拠点病院ごとの特徴と地域の中での役割により、その病院ならではの強みを生
かした取り組みをすることが必要である。
支援の対応範囲と深さの中で、病院種別や機能等によってより強みが発揮されやすいと
考えられる領域を図示すると資料 8 のようになると考えられる。「すべての拠点病院」がま
ず担うべき範囲を B1 として、さらに A1, C1 については、多くの一般総合病院においてそ
の地域にある強みを生かして、地域で療養する人々に情報や支援を提供しやすいと考えら
れる。情報提供やサポート提供の入り口になる前方支援の A の部分は、情報やノウハウを
24
129
蓄積しやすい都道府県拠点病院やがん専門病院、また後方支援 C3 については、より複雑な
情報や支援が必要とされることやがんに特化した支援をより広域な患者や家族にも提供す
る役割を担っていると考えられる都道府県拠点病院やがん専門病院、院内支援 B2,B3 につ
いては、都道府県拠点病院やがん専門病院に加えて、専門性を生かして大学病院でも強み
を発揮しやすいと考えられる。
また相談員配置数が限られ(過半数以上の施設で専従スタッフ 1 名)
、関連する多様な業
務を同時にこなさなくてはならないなど、拠点病院単位でみても、全国の体制としてみて
も、必ずしも効率的な相談支援提供体制になっていない。現在のようなすべての領域を小
規模分散型の相談支援体制で行うのではなく、A1, A2 の領域など諸外国でも例があるによ
うに、部分的に大規模集中型の体制をとることにより、効率化や標準化をはかりやすくな
るだろう。
また拠点病院以外の外部の窓口でも代替可能、あるいは、拠点病院以上に充実した支援
が提供される領域もある。A1, A2 に相当する拠点病院外にある外部にあるワンストップ相
談窓口(日本対がん協会のホットライン等)や、C の領域に相当するがん患者支援団体が提
供する地域で展開しているさまざまな支援サービスは、より多くの人が必要とする支援で
あり、拠点病院以外で支援体制が充実されることは、拠点病院が院内でしか提供すること
ができないその他のサポート領域に注力できることからも重要であると考えられる。また、
外部の支援機関は、その領域に特化してノウハウを蓄積できるという強みを発揮して、そ
の領域においてより充実したサポート提供がなされると考えられる。
25
130
資料 8.
病院種別や機能等によってより強みが発揮されやすい領域
多
支援を必要とする人の数
患者サポートの深さ
対応範囲の広さ
支援なし
0
前方支援
院内支援
後方支援
A
B
C
A0
B0
A1
B1
すべての
拠点病院
の起点
C0
一般的なニーズ
に対する支援
C1
1
2
多くの一般
総合病院
A2
B2
C2
A3
B3
C3
より複雑なニーズ
少
に対する支援
3
都道府県拠点病院が
都道府県拠点病院大
都道府県拠点病院
ん専門病院
学病院
がん専門病院
がん専門病院
3) 活動状況を測定する指標を開発・検証し、活用できるようにする
(1) 指標の開発と検証
拠点病院(相談支援センター)の活動状況や特徴を把握する試みの一つとして、いくつ
かの指標を算出し比較したところ、相談件数の急な増減がみられる施設も散見された。現
時点では、活動状況の活発度を反映したことによるのか、単なる数え方の違いによるのか
は、不明である。全国で統一した考え方で相談件数を報告するという取り組みは、平成 19
年度に現況報告として報告が求められるようになってからであり、まだ日が浅いために、
相談件数一つをとってもその数え方がまだ一定していないことが背景にあると考えられる。
活動状況の一つの重要な指標である相談件数の数え方については、厚生労働省から事務連
絡がなされているが、今後も定期的に確認することも重要であろう。
指標が安定した上で、あるいは安定しない場合でも、これらの指標が確かなものかを確
認するためにも、詳細な相談支援センターの活動状況の調査が必要である。また相談支援
センターが十分に機能していない(しきれていない)中で、活動状況を示す一つの指標と
しての相談件数が着実に伸びている施設では、どのような背景により、相談件数増加につ
ながっているのかを探索し、全国の相談支援センター活性化のためのヒントにしていくこ
とも必要である。また場合によっては、活性化の要因としてあがったものを相談支援セン
26
131
ターの整備条件として加えていくこともあるだろう。
さらに相談件数以外にも、患者サポートの深さや対応範囲に応じた活動を示す指標を作
っていくことも、県内や全国での各々の相談支援センターの機能を明確にするためにも必
要である。
(2) 指標の活用
指標は単に開発し、測定するためのものではない。あくまでも活用するために開発し、
測定され、そして現状把握や今後の方向性を定めるために活用されなければならない。院
外相談件数が上位になる施設についてみたところ、上位施設に占める院外相談件数はほぼ
横ばいであったが、割合は年々減少していた。一方で院外相談について、上位施設に占め
る割合は、5~10%の施設で4割程度の相談に対応しているという状況であった。これは、
拠点病院の相談支援センターの周知が年々わずかずつでも進んだ結果として、一部の相談
支援センターに限定的でなくなってきているという結果を示しているのと同時に、この病
院ということで、周囲からがんに対して期待の高い病院は、ある程度限定していることを
示唆していると考えられる。
利用者側からすると、その拠点病院や相談支援センターを知っているかどうかだけでな
く、知っていたとしてもその施設へ何を期待するか(しているか)によっても利用の仕方
が異なってくる。たとえば、身近で在宅療養に関する相談は近くの病院で、がんの”最新の”
治療は、がんの専門病院で、という意識が働くことは、容易に想像ができる。都道府県拠
点病院やがんセンター/成人病センターといった、規模が大きく、がんの専門性が高いと考
えられる施設の院外相談件数が多くなっていたことは、こうした背景があるものと考えら
れる。理想としてのあり方と現実との乖離や方向性をみるためにも、指標を活用して定期
的に確認していくことも重要である。
4) 責任所在を明確にし、活動範囲に見合った適切な活動評価を行う
相談支援センターの活動に対して適切な評価が行われることは、相談員のモチベーショ
ンの向上や相談支援体制をより充実させることにつながる。しかし、前方支援、つまりは、
院外の利用者に対する相談支援の活動は、病院としてのインセンティブが働きにくい状況
にあり、また評価が間接的にならざるを得ない(見えにくい)ことにより、相談員が適切
に評価されない(されにくい)という状況が発生している。
相談支援センターに求められている役割は、「いつでも、だれでも、どこにいても、信頼
できるがんに関する情報を(必要とするときに)安心して手に入れられるための相談窓口
となっているか」であり、この視点に立って相談支援センターの評価をする必要がある。
利用者は、全国どこの相談窓口を利用することも可能なため、院外の利用者への対応につ
いては、都道府県や全国レベルなどのより大きな単位で適切な評価が行われる必要がある。
一方、多くの拠点病院においては、拠点病院で適切に評価することが可能であるのは、院
内の利用者に対する対応が主とならざるを得ない。
27
132
活動評価を行うことは、継続的に活動改善を行っていくために必要なものであり、その
責任所在を明確にすることが必要である。相談支援センターの活動は、相談支援センター
のスタッフだけで進められるものではなく、がん対策を担う拠点病院としての役割である。
がん対策推進基本計画
中間報告書(平成 22 年 6 月 15 日)においても、「相談支援センタ
ーを院長直属的な組織と位置付けることが提案されている」と示されており、これは、相
談支援センターの体制を強化する上でも評価されることである。今後は、さらに進めて、
相談支援業務の量・質の向上をはかるためにも「年間相談件数が○○件以上あることが望
ましい」や「がん診療における質の評価や向上を目的とした患者満足度調査の施行及び公
表が望ましい」を施設標準化し、責任所在を病院管理者と明記するなど、国として望まし
い方向性を示していくことが必要であろう。またそれによって、拠点病院としての役割や
実際に行っていることを示しやすくなり、その地域のがん対策を牽引しやすくなると考え
られる。
5) 相談支援センターの活動評価に及ぼす要因を考慮し総合的に評価する
(1) 活動評価に及ぼす要因
相談件数は相談支援センターの活動評価の一つの指標であるが、相談件数が増えること
が、相談支援センターの最終的なゴールではないことにも注意が必要である。相談件数に
影響を与える要因は多数存在するため、それらの要因についても考慮して活動評価を行う
必要がある。たとえば、病院内に、他の相談窓口があれば、相談支援センターの相談件数
は増加しないであろうし、病院の機能全体で、患者や家族の不満や不安が生じにくい環境
にあれば、その病院の相談支援センターの院内からの相談件数は増加しないと考えられる。
またその地域の病院機能・がん相談機能全体が充実していて、患者や家族の不満や不安、
情報ニーズがそれらで吸収されていれば、その地域の病院の相談件数は増加しないであろ
う。その他、相談件数に影響を与える要因としては、以下のようなものが考えられる。
院内
 相談支援センター以外の相談対応場所、窓口の存在
 院内外の診療環境の充実の度合い
 医師やその他の医療スタッフとの関係、対応、役割分担の意識など
地域
 他病院や他県への流出、地の利、交通の便
 その地域のがんに対する隠匿性(ニーズがあっても相談行動には至りにくい)
 ニーズが喚起されていない(相談することそのものに抵抗がある)など
(2) 間接指標の評価の充実
このように考えると、拠点病院内の努力で達成しやすい②の院内支援の機能、地域を巻
28
133
き込んだ活動をしないと達成が難しい①の前方支援、③の後方支援の機能をいかに充実さ
せるか、どうして機能の充実が進まないかについても、より広い視点で考えることが必要
になる。とくに、①および③の機能については、地域内の関連諸機関や地域住民など、相
手(しかも多数の)があることであり、効果が出るまでには時間がかかり、かつ、間接的
な効果となるため測定そのものが難しい。しかし、長い目で見て地域の利用者増加やリピ
ート率の向上、不適切なドクターショッピングの防止、然るべき必要なサービスまでのア
クセス時間の短縮、地域の患者・家族や住民の安心などといった間接的な効果につながる
ものと考えられ、拠点病院や地域のインセンティブとなるように、地域の関係者や住民に
対する働きかけや取り組みそのものを重要な活動評価の一つとして位置付けていくことも
必要である。そしてその達成状況を地域でモニタリングし、しっかりと評価に結びつけて
いくことも重要である。
(3) 相談発生場所からの相談ニーズの把握
さらに都道府県別の相談対応件数の開きがみられていたが、注意しなくてはならないの
は、相談対応受付場所による相談件数の把握であることである。
相談支援センターでの相談は、全国どこでもアクセス可能であるため、その地域の利用
者のニーズを把握するには、相談者の居住地による相談発生場所からみた相談発生状況を
把握することが必要である。また全国における相談対応の均てん化の状況の把握には、よ
り大きな単位(全国)での相談件数の推移や相談(疑問や不安など)の発生状況と対応状
況をセットで把握し、それに応じて国レベルでの対策を講じていく必要がある。
1.4. さらなる課題と今後目指す方向性
1) 施設内における業務の整理と役割分担、そして連携体制を構築する
①前方、②院内、③後方支援の業務のうち、診療報酬がつく場合には、病院からのイン
センティブが働きやすくなることはすでに述べた。それ以外にも①の院外に対する相談対
応に比べ、②に関わる業務は院内利用者の訪問者の対応であることで、院外からの相談と
重なった場合には、院内の利用者を優先せざるを得ない状況が発生しやすい。そのため、
十分な対応スタッフがいない場合には、現場の相談員は対応の優先度に対してジレンマを
抱えることになる。業務間での葛藤が起きないよう体制を整備していくことが必要である。
利用者側からすると相談窓口は一本化されていることが望ましい。しかし近年の医療機
能の分化とそれに伴う地域との連携の必要性等の理由からか、看護相談など関連類似の部
門が、病院内に複数設置される傾向にあり、このような状況は、利用者からすると混乱を
招きやすい状況となっていると考えられる。相談支援センター内、あるいは、院内で連携
や相談対応部門など関連部門が複数ある場合には、少なくとも、それぞれの部門の役割を
明確にするとともに、その上で十分な連携をとっていく体制が必要である。
また逆に、相談対応窓口が一つの場合にも、管理体制が複数になっていることにより、
業務の記録や報告を複数箇所に行う必要があるなど、現場のスタッフに負担が生じている
29
134
ことが示唆された。患者や家族の相談窓口として、迅速な意思決定が求められることも多
いことからも、然るべき管理者(院長直属など)のもとで、混乱が生じないよう管理体制
を構築していくことが求められる。
2) 日本の中でがん相談のニーズを予測し体制整備を進める
本来は、最初に検討されることであるが、がんの情報提供や相談対応の体制をどのよう
に構築するかについては、まずがんの情報や相談に対するどのようなニーズがどの程度あ
るのかについて把握することからはじまる。がんに関する情報やサポートのニーズには、
健常者のがんに関する疑問や不安などから、がんの疑いがある状態、治療前、治療中、治
療後、在宅療養中、社会復帰してからなど、その人の置かれた状況によって大きく異なる
こと、窓口の置かれている場所や時間、媒体によっても発せられるニーズは異なることも
あり、社会の状況を含めた治療方法の進歩など時間とともに変化するニーズを知るために
は、定期的なニーズ把握をしていくことや日々の相談対応からニーズをくみ取るという作
業も必要である。
がんに罹患したら必ず相談する訳ではなく、また相談したとしてその相談が 1 回だけで
終わるとは限らない。がんに関連してその状況に応じた疑問や不安が出てきた場合に、医
師や看護師など医療の中で身近にいる医療者や、その他さまざまな相談場所にアクセスす
るという状況が生まれる。したがって、どの程度のニーズがあるのかについて把握するこ
と難しく、また相談窓口の周知が十分に行き届いていない、利用者のニーズも十分に喚起
されていない現在の状況の中で予測することは非常に難しい。諸外国のがん対策で行って
いるがんの情報サービス対応件数を参考にすると(資料 9)、がん情報サービスとして、あ
る程度周知が進んだ、長年の歴史を持った信頼された機関によるがんの相談窓口利用状況
ということを前提とした場合、がん罹患割合に対する対応件数の割合は、約 0.2~1.0 とな
っていた。
日本の相談支援センターで対応している相談のうち、これらに相当するのは、院外から
の相談ということになる。したがって、これらの情報をもとに試算してみると、0.15~0.22
となる。相談支援センターの周知の状況だけでなく、利用者側の相談に対する親和性やが
んに対する隠匿性の程度なども異なるため、そのまま日本の状況に当てはめるには限界が
あるが、少なくとも H21 年度現在の 2 倍から 5 倍の相談がなされていない潜在的な相談が
あると考えられる。
このように相談件数には、さまざまな要因が影響するため、周知が進んだとしてもすぐ
に数として反映されるかどうかはわからない。しかし当面は、倍の相談対応件数を想定し
て体制を整備するなど、計画的に体制整備を進めていくことが必要であろう。
30
135
資料 9. 諸外国のがん相談対応窓口の対応体制と対応件数
国名
米国
実施主体
米国がん研究
(設立年~)
所
1)
(1975~)
対応相談員数
3)
対応時間
カナダ
フランス
日本
米国がん協会
カナダがん協
フランス国立
日本相談支援
1)
会
がんセンター
センター2)
(1997~)
(1996~)
(2005~)
(2006~)
90 名
220 名
65 名
5-10 名
679 名(専従)
月~金
7 日/週
月~金
月~土
月~金 4)
9-16:30
24 時間
9-18
9-19
午前・午後
120 万件
7 万件
2.5 万件
9.1 万件 5)
(local time)
対応件数
28 万件
(年)
(2005)
(2005)
(2006)
(2009)
469.8 件
225.8 件
42.7 件
71.6 件
がん罹患割合
M: 536.8
483.3
521.6
495.1
( 10
F: 458.9
403.4
384.4
328.1
約 1.0
約 0.5
約 0.2
0.15~0.22
対応件数
(2005)
(人口 10 万人あたり)
万 人 あ た り )
IRAC(2002)
がん罹患割合に対する
対応件数の割合
1) 当時の米国の NCI-CIS の認知度(2005):28.4%, 1-800-Cancer: 18.7%,
ACS の認知度(2003): 96.8%,
1-800-ACS-2345: 4.3% (NCI Health Information National Trend Survey(HINTS)
http://hints.cancer.gov/index.jsp より
2) 相談支援センター「利用あり~言葉だけ知っている」29.9%(H21 年度世論調査より)
3) 対応相談員数は、いずれも対応件数把握年となる。
4) 全国の相談支援センター約 8 割での対応状況(現況報告の結果より)
5) 2009 年度厚労省委託事業「がん医療水準の均てん化を目的とした医療水準等調査事業」より 1 週間分の相
談件数から試算、 院内外を含めた相談件数は、試算値(45.8 万件/年)から、院外相談件数(全体の約 2 割)を試
算した。
3) 継続的に安定して情報を収集し、分析、評価、発信できる仕組みをつくる
残念ながらわが国では、がん罹患数も統計的に推定した数があるのみで、正確な実数は
把握されていない。また院内がん登録で把握されたがん患者数についても、ようやく整備
が進められるようになったところであり、数値そのものについても検証段階にあるもので、
公開されている数値についても都道府県単位のみで、施設別ではない。したがって、推定
がん罹患患者数に占める相談件数の割合や院内がん登録件数に占める院内がん相談の割合
については、精度の高い指標というよりも一つの目安として捉えるしかない。しかし、継
続的に推移をみていくことで、相談対応状況の何らかの傾向がみえてくる可能性もある。
また院内がん登録の施設別の件数が公開されるようになれば、院内の相談対応状況につい
てより的確に捉える指標となる可能性もある。
一方、本報告の中で扱った相談件数、院内外の相談件数、相談支援センターの整備状況
に関する調査結果は、現況報告と厚労省委託事業で行われた医療水準調査で把握されたも
のであり、後者については、今後も引き続き調査が実施されるかどうかは不明な状況であ
る。根拠に基づくがん対策を行い、がん対策の進捗状況を把握していくためには、継続的
31
136
に安定した方法で、実態を把握できる仕組みが必要である。イギリスでは、がん対策施行
5年後に行われた中間評価によって、最も必要なものは情報収集の仕組みであると結論づ
け、さまざまなタイプのがんや患者のタイプについて比較可能な診断、治療、アウトカム
に関する国レベルの情報の収集、分析、発信を担う National Cancer Intelligence Network がつ
くられ、このしくみを中心にがん対策が進められている(Cancer Reform Strategy, 2007; 東,
2010)2。こうした継続的に情報を収集し、データに基づくがん対策を実施できるような仕
組みが必要である。
2.
相談支援センターのスタッフおよび人材育成
相談支援センターの相談員については、基本計画に「すべての相談支援センターにおいて、5
年以内に、がん対策情報センターによる研修を修了した相談員を配置することを目標とする」こと
が示され、また指定要件においても、「国立がんセンターがん対策情報センターによる研修を
修了した専従および専任の相談支援に携わるものをそれぞれ 1 人以上配置すること」が示された。
これを受けて、相談支援センター相談員を対象とした5日間(基礎研修(1)(2)(3))合計 33
時間の研修が、がん対策情報センターにより提供されている。研修費用は無料、研修参加
に伴う旅費は個人または施設負担である3。
また、厚生労働省総務課がん対策推進室長による事務連絡(H20 年 4 月 2 日)で、平成2
2年3月31日までに、相談支援センターの相談員(複数配置)について、1名は「相談
員基礎研修(2)」まで修了し、もう1名は「相談員基礎研修(3)」まで修了している必要があ
ることが示され、拠点病院の研修修了者配置の整備が進められている。
2.1. 相談員の教育・研修の現状
1) 研修受講状況
指定要件として示されたこともあり、現況報告では基礎研修(3)まで修了している者1名
と基礎研修(2)まで修了している者 1 名の配置は、すべての拠点病院で満たされていた(現
況報告 H21 年 10 月末提出)。
全国の相談支援センターに携わる全スタッフ 2,117 名についてみてみると、研修を修了し
ている者の割合は、基礎研修(3)までの修了者は 465 名4(22.0%)、基礎研修(2)までの修了者
は 1,079 名(51.0%)で、基礎研修(3)まで修了した人数は、平成 21 年 10 月末現在で、1施
設あたり平均
1.3±0.5 人であった。
施設別の配置状況をみると、1 名のみ 298 施設(79.1%)、
The Cancer Reform Strategy:NHS が 2000 年に Cancer Plan を発表後の改善を踏まえ
た上で、今後 5 年間(2012 年までの)がんサービスの明確な方向性を決めるために作成 さ
れた。10 領域に関する活動計画 programme of action、がんのアウトカム改善のための 6
領域、提供を確実にするための 4 活動領域が計画されている。
3 基礎研修の内容の詳細については、がん対策情報センター「がん情報サービス」を参照
http://ganjoho.ncc.go.jp/
2
4
現況報告では2カ所報告欄があり、現況報告(別紙 27)に報告された研修終了状況では、
基礎研修 1,2,3 修了者は、480 名となっていた。
32
137
2 名 71 施設(18.8%)、3 名 7 施設(1.9%)、4 名 1 施設(0.3%)となっており、指定要件は満
たしているものの、基礎研修(3)までの修了者は、8割以上の相談支援センターで、一人の
みという状況であった。
2) 異動・離職の状況
国立がん研究センターがん対策情報センターが報告している修了者数の報告によると、
H21 年 10 月末現在の H22 年度拠点病院所属の基礎研修(3)までの修了者数は、509 名となっ
ていた5。現況報告により報告されている研修修了相談員数との差分をとると、44 名(8.6%)
が、H21 年 10 月末現在において相談支援センタースタッフとして登録されていないことが
示された。つまり、44 名は、H20,21 年度中に受講した後に病院内他部署所属となるなどの
異動や離職等となっていると考えられる。また本研究班で行った H21 年度末までに相談員
基礎研修(3)を修了した 638 名について行った所属確認調査においても、相談支援センター
に所属しているのは 587 名(92.0%)、出向または院外への移動 2 名、退職 28 名、無回答 21
名であり、異動または退職は、多くても 8%にとどまっていることが示された。
3) スタッフの人数と構成の現状
本報告書の「1.1. 1) (2) 相談支援センターのスタッフ」に示したように、現況報告による
と、全国の相談支援センターにたずさわる全スタッフ数は、2,117 名であり、その内訳は、
専従 679 名(32.1%)、専任 479 名(22.6%)、兼任 959 名(45.3%)となっていた。職種別で
は、社会福祉士等が 858 名(40.5%)と最も多く、続いて看護師 738 名(34.9%)、事務員 217
名(10.3%)となっていた(表2)。
一施設あたりの相談支援センターに関わる全スタッフ数は、平均 5.6±3.6 名(range: 0~
20 名)、そのうち相談業務に携わるスタッフ数は、平均 5.0±3.2 人(range: 0~20 名)であ
った。事務業務やデータ処理等に携わるスタッフは、平均 0.1~0.3 人(range: 0~5 名)と
なっていた(表3)。
相談支援センターのスタッフ数を、施設割合でみると(表4)、2名まで 55 施設(14.6%)、
3~4 名まで 122 施設(32.4%)、5~6 名まで 83 施設(22.0%)、7~8 名まで 60 施設(15.9%)、
9~10 名 30 施設(8.0%)、11~20 名
27 施設(7.2%)であった。一施設あたりの専従の人
数は、平均 1.8±1.8 人(range 0-13、中央値 1)、専任の人数は、平均 1.3±1.3 人(range0-8、
中央値 1)で、専従と専任を合わせた人数は、平均 3.1±1.9 人(range: 0-14、中央値 3)であ
った。
事務業務の業務を担当するスタッフは、全国に 217 名、事務業務担当のスタッフを置い
ている相談支援センターは、72 施設のみであり8割以上の相談支援センターで全く配置さ
5
H21 年度 10 月末までの基礎研修(3)の修了者数は 639 名、H22 年 10 月末までで 1,101 名で
あった。そのうち拠点病院の基礎研修(3)の修了者数は H21 年 10 月末までで 363 名、H22 年
10 月末までで合計 872 名が修了しているという結果であった(がん対策情報センターより)。
33
138
れていない状況であった。
医療水準調査により把握された相談支援センターの体制整備状況に関する調査項目と相
談記入シートの提出状況、また現況報告で把握された相談件数との関連をみてみると、「専
従スタッフの人数(II.1)」は、H20,21 年度の相談件数、H19,20,21 年度の相談記入シート提
出件数に有意な関連がみられていたが、専任、兼任のスタッフの数は、関連がみられなか
った。また、
「がん専門看護師の配置または支援」は、H19,20,21 年度の相談記入シート提出
件数に関連がみられた。また、専従医療ソーシャルワーカーの数が多い場合には、同じく
相談記入シート提出件数が多くなっていた(表 11)。
4) 相談対応の質向上に向けた取り組みの状況
H21 年度医療水準調査の結果から、相談支援センターの研修・教育体制で、「相談対応に
ついて自施設でマニュアルとしてまとめている(Ⅵ.1)6」は約 5 割、
「相談対応マニュアル
は、定期的に見直しを実施している(Ⅵ.3)」は約 4 割、
「相談事例に対する対応内容につい
て定期的に検討会を実施している(Ⅵ.4)」について毎週 1 回以上実施しているのは 3 割弱、
「相談事例の傾向の分析から問題の抽出を行っている(Ⅵ.5)」についてある程度以上実施し
ているは 6 割弱であった。また「院内の関係部署のスタッフと定期的なカンファレンスを
実施している(Ⅵ.6)」について週 1 回以上実施しているのは 4 割弱、
「相談業務に関連した
学会・研究会等における活動をしている(Ⅵ.11)」について参加および発表で 7 割強であっ
た。また、これらの相談対応の向上に向けた相談支援センターや院内での取り組みは、相
談記入シートの数とも有意な関連がみられ、それぞれの活動をしている場合に、相談件数
は多くなっていた(表 11)。
2.2. 相談支援センターのスタッフ充実のために、前提となる考え方
現在、がん対策として進められている相談支援センターの体制づくりは、国内ではこれ
までに例がなく、諸機関で模索しながら進められている状況である。しかしながら諸外国
のがん対策における情報提供体制をみてみると、参考にできる視点は数多くあると考えら
れる。
1) 諸外国のがん相談対応窓口の設置方式
諸外国のがん対策の一環で行われている相談対応窓口の設置形態および国内の配置方式
をみてみると(資料 10)
、院外独立型の設置形式が主となっている。院内に設置している形
態のカナダがん協会でも、組織は病院からは独立しているが、情報収集や継続教育等の機
会確保のために、病院施設の一部を間借りして運営している。またそれぞれの国内の配置
方式は、集中型である。なお 2005 年時点では 4 カ所だった米国 NCI が統括するセンター数
は、2010 年より 1 カ所となっている。
6
「医療水準調査」H21 年度調査票に示されている質問の番号を示す。
34
139
資料 10. 諸外国のがん相談対応窓口の設置方式
国名
米国
カナダ
フランス
日本
米国がん協会
カナダがん協
フランス国立
日本相談支援
1)
会
がんセンター
センター2)
(1975~)
(1997~)
(1996~)
(2005~)
(2006~)
院外独立型
院外独立型
院内設置
院外独立型
院内一体型
実施主体
米国がん研究
(設立年~)
所
設置形態
1)
組織独立型
全国の配置方式
センター数 (統括組織数)
集中
集中
集中
集中
分散
4 (1)
1 (1)
4 (1)
1 (1)
377 (377)
件数
28 万件
120 万件
7 万件
2.5 万件
9.1 万件 3)
(年)
(2005)
(2005)
(2006)
(2009)
469.8 件
225.8 件
42.7 件
71.6 件
がん罹患割合
M: 536.8
483.3
521.6
495.1
( 10
F: 458.9
403.4
384.4
328.1
約 1.0
約 0.5
約 0.2
0.15~0.22
件数
(2005)
(人口 10 万人あたり)
万 人 あ た り )
IRAC(2002)
がん罹患割合に対する
対応件数の割合
1) 当時の米国の NCI-CIS の認知度(2005):28.4%, 1-800-Cancer: 18.7%,
ACS の認知度(2003): 96.8%,
1-800-ACS-2345: 4.3% (NCI Health Information National Trend Survey(HINTS)
http://hints.cancer.gov/index.jsp より
2) 相談支援センター「利用あり~言葉だけ知っている」29.9%(H21 年度世論調査より)
3) 2009 年度厚労省委託事業「がん医療水準の均てん化を目的とした医療水準等調査事業」より 1 週間分の相
談件数から試算、 院内外を含めた相談件数は、試算値(45.8 万件/年)から、院外相談件数(全体の約 2 割)を試
算した。
2) 国内の配置方式の違いによる特徴と運営上の差異
国内の配置方式の違いによる差異について資料 11 に示した。教育、知識・運営ノウハウ
の蓄積、相談対応に利用する情報・リソースの確保・整備、相談対応の質の担保について、
分散型と集中型では、集中型の方が、さまざまな必要とされる機能にそれぞれの対応スタ
ッフを確保しやすく、相談対応件数が多くなることで、全体としてノウハウの蓄積がしや
すく、質の担保もしやすいという特徴があげられる。
35
140
資料 11. 国内の配置方式の違いによる差異
人員
教育
分散型
集中型
・少数
・多数
・それぞれの機能は、同じスタッフが担う
・それぞれの機能に必要な担当スタッフを
必要がある
確保しやすい
・事例検討は可能
・事例検討は可能
・自前研修する場合の負担大
・自前研修する場合の負担少(担当スタッ
・外部の教育・研修機会に参加しにくい
フにより担うこと可能)
(特に平日)
・外部の教育・研修機会に参加しやすい
・比較的短期間でできる(事例数多・分析
スタッフの確保)
知識・運営ノウハウの
・時間がかかる(事例数少・分析スタッフの
・比較的短期間で達成しやすい
蓄積
確保難)
相談対応に利用する
・時間がかかる
・比較的短期間で達成しやすい
・機関ごと(377 病院)の運営方針・理念に
・標準化に向けた取り組みは、スタッフ間
少なからず依存、研修/意識統一の機会を
の交流・学習機会を担保することによりあ
確保しにくいため標準化が難しい
る程度可能
情報・リソースの確
保・整備
相談対応の質の担保
全国の標準化に向けて充実させるため
には、他機関との交流を通じた研修等の
機会が必要
3) 設置形態の違いによる特徴と運営上の差異
設置形態の違いによる起こりやすい運営上の差異について、資料 12 に示した。教育機会
については、院内設置の場合には、病院内のさまざまな勉強会などを利用することにより、
確保しやすいと考えられる。一方、院外設置の場合は、自前または外部の研修・教育機会
を利用する必要がある。またスタッフについては、院内設置においては相談部門以外にも
さまざまな機能を担う場合が多いことから、その役割を明確にしていない場合には持つべ
き機能や役割においても不明確になりやすい。そのために、院内全体の意識統一が図れて
いない場合には、通常行われている院内外のローテーションによるスタッフの異動が起こ
りやすくなる。連携については、院内設置の場合には、より複雑なニーズに応えるために
は、その相談対応窓口以外の役割や機能を有している場合には、(深さ)の連携体制をとり
やすい。一方、院外設置の場合には、より複雑なニーズに応えるためには、他の機関との
(広さ)の連携をとることが必要になる。
評価については、院内設置の場合には、院内への貢献とがん対策としての院外に対する
貢献を期待されるが、院内と院外の評価の方向性は必ずしも一方向ではない場合が多いこ
と、院内スタッフには院外の貢献が見えにくいことから、相談支援センターのスタッフに
対する適切な評価が得られにくい状況が起きやすい。
36
141
資料 12. 設置形態の違いによる特徴と運営上の差異
設置形態
教育
院 内
院 外
・教育機会を確保しやすい
・教育機会を確保しにくい
(院内のさまざまな勉強会を利用できる)
(自前 or 外部の研修機会を利用する必要
・院内ローテーションに組み込まれた場合
・(離職以外の)異動は起こりにくい
は異動が起こりやすい
・スタッフ募集~選考の過程で、モチベーシ
・本人希望でなく、配属による配置転換の
ョンの高いスタッフを集めやすい
がある)
スタッフ
場合には、相談対応のモチベーションが高
くならないこともある
役割
・前方支援である相談対応以外に、院内連
・外部の相談対応に向けた役割は明確
携、後方支援の役割が不明確になりやすい
業務内容が単調になりやすい
・業務内容が複雑になりやすい
そのための工夫が必要
そのための業務の整理や業務量の把握
が必要である
相談者が他の支援
・より複雑なニーズに応えるための(深さ
・より複雑なニーズに応えるために、他の機
を必要とする場合
の)連携がしやすい
関と(広さの)連携がしやすい
の連携とそのため
そのためには院内に多様なサポート体制
そのためには、全国や地域など対応範
の整備
が構築されている必要がある
囲に応じた諸機関情報の収集が不可欠と
なる
評価単位
・院内と院外の二方向の活動評価となりや
・機関外の一方向活の活動評価となる(機
すい(院内評価と院外評価の乖離=院外に
関内の評価=機関外の評価は一致)
向けたサービスは、院内では評価されにく
そのため広域な枠組みでの評価体制が
い)
必要
そのため複数の視点でより広域な枠組
みでの評価体制が必要
2.3. 相談支援センターで求められる機能充実に向けて、当面の課題とその対応
ここでいうスタッフの充実とは、数だけでなく、相談支援センターのさまざまな機能に
対応するために求められる適性やスキルなどの質的な充実も含む。
1) 相談支援センターの運営に必要なスタッフの充実をはかる
相談支援センターには、さまざまな機能が求められ、それらを支えるための人材が必要
となる。
(1) 個別の相談対応を行うために必要な能力・条件等
相談支援センターが安心して利用できる相談対応窓口となるためには、全国の相談員が
利用者のニーズに応じて適切な相談対応ができる必要がある。がんの相談窓口運営に関し
て 35 年以上の歴史を持つ米国国立がん研究センターがん情報サービスが示している相談員
(情報提供専門家と呼ばれる)の条件には、がんについての知識、コミュニケーション・
スキル、技術的な能力(パソコン、タイピング等)が必要とされており、これら 3 つすべ
ての条件を満たすことが必須とされている(高山・山本,2008)。さらに知識などを更新す
37
142
るために自己研鑽できることも必要な能力としてあげられている。こうした知識やスキル
を身につけられる環境を整備するとともに、トレーニングだけでは身につけることが難し
いコミュニケーション能力や相談対応の適性を見極めてスタッフを配置することも相談支
援センターの管理者には求められる。
(2) 院内外の資源や支援を確保するために必要な能力・条件等
相談支援センターにおいては、多くの院内外の関係づくりや調整、マネジメント・スキ
ルも求められる。とくに院内外の情報収集や調整業務は、予期せぬ対応を求められる可能
性も高く、状況に応じて対応することや他部署や他機関との交渉能力も必要である。
実務にあたるスタッフのレベルで、院内外の関係づくりや調整、マネジメント・スキル
を持つ適切な人材を配置できるようにするとともに、相談支援センターや病院として他機
関との関係づくりや調整が必要となることも多くあるため、相談支援センターの責任者や
管理者レベルで、必要に応じて対応できるように体制を整備しておくことも必要である。
(3) 広報活動に対応するために必要な能力・条件等
相談支援センターが地域のがんの相談窓口として機能するためには、医療機関や関連機
関との関係づくりだけでなく、地域内の一般住民に向けた情報発信や広報活動が必要とな
る。対外交渉や広報資材の作成、関係機関への働きかけなどを含む幅広い院内外の対応が
期待されるため、相談員が相談対応をしながらこれらの対応すべてを担うには限界がある。
そのため、相談支援センターのみで行うというよりも、病院内の然るべき対応部署で行う
など拠点病院として広報のバックアップが求められる。
2) 全国の相談支援センターで一定水準以上の相談対応の充実をはかる
相談支援センターの相談員の条件は、
「がん対策情報センターによる研修を修了した相談
員を配置すること」(基本計画)、「がん対策情報センターによる研修を修了した専従及び専
任の相談支援に携わる者をそれぞれ 1 名以上配置すること」(指定要件)と示されているの
みで、現時点でその他の質的な条件については何も触れられていない。また現状について
も、相談員の研修受講状況の把握のみで、全国の相談支援センターで均質な対応が提供さ
れているかについては、把握されていない。全国の相談支援センターで一定水準以上の相
談対応の充実をはかるためには、そのための条件と体制を整備していくことも必要である。
(1) 業務量に見合った適切なスタッフ配置
さまざまな機能が求められる相談支援センターを担っているスタッフは、現在、社会福
祉士、看護師などの職種が全体の約8割を占めており、医療や福祉の知識については一定
水準以上の知識を有していると考えられる。しかし資格によっては医療や福祉制度、がん
の知識などに対して強みの程度が異なることから、利用者の幅広いニーズに対応するため
には、一つの職種ということではなく、さまざまな専門性を生かしたスタッフが協力して
利用者の相談や情報提供に対応できることが必要である。そのためには複数の専門性をも
つスタッフの配置がより理想的といえる。
38
143
がん相談対応の専従スタッフの充実
専従スタッフの数は、H20、H21 年度の相談件数、H19、20、21 年度の相談記入シート提
出件数の多さと関連がみられていたことからも、相談支援の業務に専念できる環境である
かどうかが、相談支援センターの利用件数を高めるためには重要であると考えられる。専
従スタッフ数は、過半数を超える施設で 1 人の配置であり、相談員以外の専従事務スタッ
フの配置はないところが 7 割以上となっていた。相談支援センターとしての活動を高める
ためには、相談員が相談業務に専念できるよう専従スタッフとして従事する事務のスタッ
フを配置することも必要である。
がんの専門性をもつスタッフの充実
さらに、がん専門看護師といった、がんの専門性をもつスタッフの配置や支援が、相談件
数とも関係がみられていた。がんの患者や家族からの期待や院内外の医療関係者からのが
ん専門看護師への専門的な対応に対する期待によるものか、あるいは、がん専門看護師か
ら利用者に対してニーズを発掘しやすいためなのかは、現時点での調査結果からは明らか
ではないが、相談支援センターに専念できるスタッフの数以外にも、専門性といった質的
な側面が、相談支援センターの充実には必要だということを示唆しているものと考えられ
る。こうしたがんの専門性をもつ適切なスタッフの配置により、相談対応の数のみならず、
より質の高い相談対応が行われるようになるのではないかと考える。このように考えると
看護師の領域ではすでに存在するがん専門看護師だけでなく、がんの専門性をもつオンコ
ロジーソーシャルワーカーの存在も今後重要になってくるのではないかと思われる。
事務業務、データ処理、広報などの対応をするスタッフの充実
相談対応を充実させるには、相談対応をバックアップする事務業務やデータ処理、広報等
の対応をするスタッフの充実も不可欠である。スタッフが十分でない状況下においては、
たとえば、事務作業に追われて相談対応に集中できない、広報活動が行えない、逆に、広
報した場合に対応しきれないという不安により、広報活動を躊躇するという悪循環が起き
やすい。実際に、8割以上の相談支援センターでは、相談業務担当以外のスタッフは全く
配置されていない状況であった。拠点病院としての相談対応のバックアップ体制を充実さ
せることも重要である。
(2) 相談対応の質を維持・向上するために必要な対応件数
相談員の相談対応の質を維持・向上するためには、一定数以上の相談対応を行うことが必
要である。諸外国におけるがんの電話相談窓口(コールセンター)においては、3 日/週は、
質の維持向上には必要であり、質の担保のためには、12~15 件/日程度とされている(ICISG,
2010)。これをもとに試算すると、各相談員が 10 件/日程度(30 件/週、120 件/月、1440 件/
年程度)は、質を維持・向上するために相談対応に専念できる環境を作っていくことが望
ましいと考えられる。
しかし、多くの相談支援センターでは、相談支援センターの利用者が少なく、とくに一
般病院の場合には、がんの相談が必ずしも多いわけではないため、一定程度の件数をこな
39
144
すことそのものが難しい可能性がある。また専従と専任 2 名の体制では、相談対応以外の
事務的な業務も同時にこなすという状況が発生するため、それにより相談対応が圧迫され
る可能性がある。けれども、全国の相談支援センターの専従・専任スタッフにより、その
地域のがん相談を充実させていくためには、利用者が少ない場合には、利用者が増えるよ
う院内外に働きかけをすることもその相談支援センター、相談員の役割であると考えられ
る。
また逆に一定以上の質を担保した相談対応を行うためには、相談員一人あたりの相談対
応が、12~15 件/日を極端に超えないような配慮も管理者には求められる。がんの相談対応
業務以外を担うスタッフについても、当然、その業務量を加味して、1 日の相談対応可能件
数が決められる必要がある。
相談支援センターが対応できる相談件数は、対応するスタッフ数に依存する。また、そ
の拠点病院や相談支援センターが、患者会の立ち上げ支援など、個別の相談対応以外の機
能を充実させる場合には、この限りではない。いずれにしても、その拠点病院(相談支援
センター)としての役割と機能を定める必要がある。
(3) 全国の相談支援センターのがん相談支援に関する理解や意識の共有
全国の利用者が安心して相談支援センターを利用できるようにするためには、全国の相
談支援センターのどこを利用しても、同じように相談対応が受けられるよう、全国で一定
水準以上の相談対応ができるスタッフが配置されていることが求められる。現在行われて
いる基礎研修は、がん相談支援の実務者で、医療または福祉の関係の有資格者あるいはそ
れに準ずる者を対象に、がんの相談対応における基本的な知識とスキルを学ぶことを目的
として構成された研修である。今後、研修受講者の効果については確認していく必要があ
るが、がんの相談支援に関する共通の理解やスタンスを身につけるためには大事な機会の
一つになると考えられる。
各拠点病院の指定要件の人数(基礎研修 3 までの修了者が 1 名いること)は満たしてい
るが、現段階では、全国で相談支援に携わると報告された相談支援センターのスタッフの
うち基礎研修(3)まで修了しているのは2割ほどにとどまっていた。少なくとも相談支援セ
ンターの約半数を占める専任と専従の 1,058 名については、基礎研修を受けられるようにす
ることが望ましい。また実質的な関わりの度合いが異なると考えられるが、兼任のスタッ
フについても、相談支援センターに関わるのであれば、全国レベル、都道府県レベルでの
意識の共有のためにも受講できるようにすることが望ましいと考えられる。
研修修了者の数が十分でない原因の一つに、基礎研修ががん対策情報センターのみによ
り提供されていることから、十分な研修提供体制がないことが考えられる。そのためには、
研修の一部を E-learning 化していくなど、提供方法の工夫と充実が図られる必要がある。
(4) 相談支援センターのノウハウの蓄積と相談対応の質向上のための体制づくり
異動・離職状況とその背景要因の把握と対策
相談支援センターで相談対応や院内外の連携機能を維持し、さらに改善・強化していく
40
145
ためには、相談支援センターで積み上げていく知識やスキルのノウハウを蓄積することが
不可欠である。現在の限られた人数の中での相談員の異動や離職は、ノウハウの蓄積、つ
まりは相談支援センターの体制づくりに多大な影響を及ぼしうる。
H21 年 10 月末現在に把握された異動・離職の割合(2 年間)は、約 8%と考えられ、日本
看護協会が実施している「病院における看護職員需給状況調査」の、常勤の離職率 11.9%7
と比較して低水準に抑えられていた。各拠点病院が相談員を専従、専任として配置するこ
と、またそのスタッフについて、研修を受ける必要があることを認識して、異動をとどめ
ていることが背景として効果的に働いたためと考えられる。しかし、養成人数が限られて
いることを考えると、1 名が異動あるいは退職することのインパクトは大きい。
これらの異動や離職状況についても考慮に入れて、相談支援センターの機能や質的な向
上のための取り組みを考える必要があるため、引き続き異動や離職状況を把握していくこ
とは必要である。
ノウハウの蓄積と相談対応の量と質の確保
相談件数が増加することで、相談対応の経験も蓄積され、対応能力が向上することが期待
される。また院内外の関係者との関係作りにもつながり、相談員や相談支援センターとし
ての相談対応リソースも充実すると考えられる。
相談対応についてマニュアルとしてまとめ、定期的に見直しをはかる、また検討会を行う
といった相談対応のノウハウを蓄積するための取り組みや、相談事例の分析を行ったり、
院内の関係部署との定期的なカンファレンスや相談業務に関連した学会・研究会等におけ
る活動といった質的な向上に対する取り組みを行っているところは、相談件数が多いとい
う結果であった。これらの活動は、まだ十分とは言えない状況にあり、各々の相談支援セ
ンターで取り組んでいけるようにする必要がある。
相談対応の質の向上は、相談対応数を一定程度以上こなすことにより、質的な向上に関す
る活動への取り組みにも影響すると考えられ、相談対応の量と質を合わせた双方向性のよ
いフィードバックがかかっていると考えられる。したがって相談支援センターの質的な強
化には、相談件数が一定数以上(多く)保たれること、それに対応してマニュアル整備や
事例検討などの質的な向上に向けた活動が行われるという両側面を含む相談対応に焦点を
充てた取り組みが推進されるようにしていく必要があると考えられる。
(5) 継続学習・教育の機会の確保
基本計画および指定要件の枠組みで提供されている研修は、基礎研修の 33 時間のみであ
る。がんの治療方法や社会制度、また倫理的な課題についても、時間とともに変わるため、
それに対応して相談員が利用する情報を更新できるようにすることが必要である。日々の
相談対応をする中で個々に自己研鑽をはかることに加え、そうした個々の自己研鑽をバッ
7
社団法人日本看護協会「2009 年 病院における看護職員需給状況調査」によると、常勤
11.9%、新卒 8.9%で、前年比 0.3 ポイント減であった。News Release (2010/3/16),
http://www.nurse.or.jp/home/opinion/press/2009pdf/0316sanko-2.pdf
41
146
クアップする機会や環境をつくることも必要である。
継続して学ぶ内容には、がんの最新の知識やがん対策の方針など、全国の相談支援セン
ターで共有すべきもの、その施設や地域で課題となっている事柄、がんの相談支援につい
てさまざまな職種の専門性を高められるような学習の機会なども大事である。
身近でかつ有効な機会としては、院内での事例検討や勉強会などを定期的に行うことや
近接する拠点病院や都道府県で合同で勉強会を企画することなどがあげられる。また、各
種学会等とも協力して、研鑽できる場を複数用意するなど参加しやすい環境整備を行うこ
ととともに、そうした場に参加しやすい職場環境(研修費用や旅費の支給、スタッフが交
代で参加できるなど)を整備することも必要である。
2.4. さらなる課題と今後めざす方向性
1) 全国/地域で情報交換できる機会を確保する
全国レベルや地域レベルでの相談員どうしの情報交換の場や現場で発生している課題等
について話合える場を確保することは、相談支援センターの方向性を確認し、よりよい相
談対応を行うための足がかり的な機能を果たす。
現在、全国の拠点病院の相談支援センター担当者間での情報交換については、メーリン
グリスト(国立がん研究センターがん対策情報センターにより運営)によって現場の対応
方法についての情報交換の場が設けられているだけである。当然これだけでは十分な情報
交換や意見交換は難しい。都道府県によっては、各都道府県のがん診療連携病院協議会の
下に相談部会等が設けられているところもあるが、意見交換や方向性の確認など実質的に
機能しているところはまだ少ない。
相談員どうしの情報交換として、全国レベルでは、少なくとも年 1 回程度、また都道府
県単位では、少なくとも年 4 回程度は、行われることが理想的であろう。こうした全国の
がん対策に関わる専門家同士が、実質的な運営方法などについて議論でききる場をもつと
いう活動は、イギリスにおいてもがん対策を推進するために重要なものとして位置づけら
れ、定期的に行われている(小川、2010)。地理的な条件により集まることそのものが難し
い地域や、拠点病院や関連機関数が多い都市部では、段階的な情報や意見交換の場を持つ
などの工夫が求められる。またこうした活動を活発に維持する事務局機能の支援や、また
それに見合ったインセンティブが働くようなしくみ、実際の活動費用の援助などの裏付け
も必要である。
2) 相談支援センターの質を保証する取り組みと体制づくりを行う
相談対応の質の向上のためには、相談者のニーズを把握し、そのニーズに見合った情報
を、その人に合った方法で提供する必要がある。そのためには、信頼できる情報を蓄積し、
利用しやすくしておくとともに、適切な相談対応プロセスで対応できるよう、自分(個人)、
グループ、組織等で、相談支援センターで使用する情報や相談対応について確認や評価が
42
147
できるようモニタリングの仕組みをもつことが必要である。相談支援センターで行う必要
のある品質管理に含まれるもの(定期的に確認や見直しが必要なもの)には以下のような
ものが含まれる。
相談支援センターにおいて定期的な確認や見直しが必要なもの

相談対応の記録やコードが正確であるか

相談支援センターで提供する資料(作成資料や配布物を含む)の内容が正しいかどう
か、提供する内容として適切かどうか

医療機関や施設内の部署の連絡先リストの内容が正しいかどうか

がん専門相談員による面接や電話での対応や電子メールでの対応をモニターし、提供
すべき質の基準が満たされているかどうか

サイト上の情報やリンクが正確かつ最新のものであるかなど
また、このような質を判断する基準は、以下のような尺度によって患者や家族、一般市
民などの利用者や提供者である医療関係者等により定義されることになる8。
相談支援センターの業務に関わる情報や相談対応の質を判断する基準
情報

利用者に正確な情報が伝えられること

利用者に完全な情報が伝えられること(利用者が求める情報をカバーし
ているか、提供すべき情報をカバーしているか)

適切なニーズアセスメントを通じて利用者のニーズが特定されること

利用者に対して決められた方法で提示されること

礼儀正しく、丁寧に、専門家のマナーで情報が提供されること

信頼できる形式で情報が提供されること

利用者と信頼関係を築くこと
方針

がん情報提供ネットワークの基本方針に沿って情報を提供すること
充足度

潜在的利用者の何割をカバーしているか
提供
国立がんセンターがん対策情報センター編集・発行:「がん専門相談員のための学習の手引き~実践に役
立つエッセンス」V-1. 品質管理(サービスの質)p98-104.
http://ganjoho.ncc.go.jp/data/hospital/consultation/odjrh3000000hroa-att/20080901.pdf
8
ICISG(International Cancer Information Service Group)は、がんの情報提供体
制の構築の際の重要な要素として Quality Management について示している(ICISG,
2010)。また質の保証についての詳細は、「がん専門相談員のための学習の手引き~実践に
役立つエッセンス」V-1. 品質管理(サービスの質)p98-104 を参照。
43
148
さらに情報や相談対応の質の測定や判断のための指標開発も必要である。モニタリング
の方法には、自分(個人)、グループ、組織等で行うものがあるが、情報や対応内容につい
て、客観的に判断できることが重要である。客観的に判断することで判断基準も明確にな
り、共有しやすく、また改善点を見つけやすくなる。たとえば、通話記録を質(サービス)
の改善に利用するなど、すでにリスクマネジメントの領域で行われているような方法は、
個人で通話記録を聞き返すことにより、対応のクセなど、改善につながる発見ができるこ
とが多く効果的である。また通常の相談対応の際に、定期的に複数名で相談対応にあたる
ことで、相談員同士が改善点等についてお互いにフィードバックすることも可能である。
相談対応の際の質の評価を行うツールについては、現在、
「相談の質の評価ツール」の開発
が進められており(関ほか、2010)9、今後こうしたツールを使うことによって相談対応の
上達の度合いや相談員間での標準化等の判断につながるようになることも期待したい。
安心して利用できる情報や相談対応であるために行われる質の保証を計画的に行うこと
は、継続した情報サービスの発展には欠かせない。また、こうした質の保証に関する活動
には、研修、定期的なカンファレンスや学習の機会、ストレス・マネジメントなど、組織
として相談支援センターや相談員を支える仕組みの整備と併せて行われる必要がある。
相談支援センターの運営を支える環境
3.
全国の相談支援センターが標準的な相談対応の機能を継続してもち、かつ質を確保するた
めには、病院や拠点病院種類、病院規模等にかかわらず、相談員が利用する情報の管理と相
談対応における質を確保するための環境整備が必要である。ここでは、相談対応の基盤とな
る環境として、パソコン端末、専用の電話直通回線、がんに関する冊子の配布といった物理
的環境と人的なバックアップ体制といった人的環境について現状と課題について示してい
く。
3.1. 相談支援センターの運営を支える環境の現状
1) 物理的な環境の現状
(1) パソコンの端末設置状況
医療水準調査の結果から、相談支援センタースタッフ用の端末が、相談員全員にある施
設は、平成 21 年度で、平成 20 年度よりも増加がみられるものの全体で 56.4%(I.8)となっ
ていた。拠点病院の種類別にみると、都道府県がん診療連携拠点病院では 75.5%に配置が
行われていたが、地域がん診療連携拠点病院では専用端末の相談員全員への配置率は 47.4%
と半分程度であった。またスタッフの端末保有状況は、平成 19、20、21 年度の医療水準調
査の相談記入シート提出件数と相関がみられ、スタッフの保有状況がよいほど、相談記入
シート提出件数が多くなっていた(表 11)。
9
電話相談についての質評価表として開発され、
「方針の遵守」8 項目、
「相談者の発言のア
セスメントとニーズの把握、ニーズに沿った適切な情報支援」13 項目、「相談者の反応」9
項目で構成されている。
44
149
(2) 専用の直通回線設置状況
専用の直通回線設置(1 回線以上設置)は全拠点病院の 2/3(I.3)にとどまっており、残
り 1/3 は施設の電話交換を通してアクセスする形となっていた。特に、がんセンター/成人
病センター、大学病院と比較し、一般総合病院では直通回線設置率は、約 5 割にとどまっ
ていた。専用回線の設置状況は、H20, 21 年度の相談件数、H19、20、21 年度の相談記入シ
ート提出件数および年次毎に算出した 20 件以上/週の増加とも関連がみられ、専用回線を設
置している場合には、相談件数は多くなっているという関連が示された(表 11)。
(3) がんに関する参考冊子の配布と管理状況
がんに関する参考冊子の配布では、平成 21 年度の結果では、ほとんど 100%近くの施設
で参考冊子の配布(I.11)を実施しており、さらに 2/3 の施設が 30 種類以上の冊子を常備し
ていた。また、がんに関する参考図書の設置(I.10)でも、8 割強の施設ががんに関する参
考図書を設置しており、そのうちほぼ半分の施設が 50 種以上の図書を設置していた。しか
し、利用状況の把握ができている施設は 7 割(I.12)であり、冊子の利用状況・在庫管理は
十分とはいえない状況にあった。このような紙媒体の情報ツールの供給・管理体制は、H20,
21 年度の相談件数、H19、20、21 年度の相談記入シート提出件数および年次毎に算出した
20 件以上/週の増加とも関連がみられ、さらに、参考図書の設置および参考冊子の配布につ
いては、院外からの相談割合とも関連が見られた。つまり紙媒体の情報ツールの供給・管
理体制があること、とくに供給があることは、相談件数の増加と関連していた(表 11)。
2) 人的な環境の現状
同様に医療水準調査の結果から、相談支援センターの院内の支援体制については、相談
支援センターへの院内各部署からの支援は H19 年度の調査時点から H21 年度まで、年々充
実してきており、支援が「ある程度されている」という回答は、8~9 割という結果となっ
ていた(I.16-19)。また特に、病院長、腫瘍センター長、各診療科医師からの支援がある場
合には(I.16,17)、相談記入シート提出件数が多くなっていた(表 11)。
3.2. 相談支援センターの運営を支える環境の充実に向けて、前提となる考え方
相談支援センターにおいて基本となる「相談者への情報提供とサポート」の機能を、相
談員が提供しやすい環境を整備するためには、相談支援センター、拠点病院、都道府県(地
域)、国(全国)におけるそれぞれの関係者が役割を果たす必要がある。この場合に、それ
ぞれの立場において、実施することがより適している支援やその立場でないと実施が難し
い支援があることを考慮に入れる必要がある。役割分担の方法には、さまざまな考え方が
あると思われるが、ここでは、ソーシャルサポートの機能の分類として医療福祉の分野に
おいて最もよく活用される分類の一つである House(1981)の 4 つの大きな支援的行動や活
動による分類から、各々の関係者の役割について整理を試みた(資料 13)。これら 4 つの分
類は排他的なものではなく、互いに関連し合うものである。
45
150
ここにあげた情緒的支援、情報的支援、手段的(道具的)支援、評価的支援は、相談支
援のプロセスの中で、相談員が相談者に対して行う支援と同じように、相談員や相談員を
取り巻く環境に対しても必要な支援である。
相談員が相談者に対して行う相談支援のプロセスを円滑に進められるように、相談支援
センター、拠点病院、都道府県、国(全国)からの支援(バックアップ)が必要である。
資料 13 に示したように、支援の向きは下から上へ、適切な補助や支援が必要である。また、
相談支援センター、拠点病院、都道府県、国(全国)がそれぞれの役割を担うことで、そ
れぞれの労力やコストを集中することができる。
たとえば、現場への情報的サポートであれば、その拠点病院の診療などの情報は、病院
あるいは相談支援センターで収集する必要があるが、地域の資源に関する情報は、各々の
拠点病院や相談支援センターで集約するよりも都道府県単位で集約することがより効率的
である。標準的な治療方法などの情報などであれば、国(全国)で整備されれば、共通の
標準的な情報を活用するという点からも、医療者だけでなく相談者にとっても安心して利
用できるものになる。現場ではそれをいかに使いやすくするかということでよい。また学
習の機会についても、その病院でできる範囲と、都道府県や全国でできる範囲は異なり、
学べる内容も異なるため、各関係者がそれぞれの範囲にあった内容を充実させていくこと
が重要である。
46
151
資料 13. 相談対応機能の充実のために各関係者が実施していること、また期待される役割
~ソーシャルサポートの 4 つの機能別からみた各関係者の役割の検討~
情緒的サポート 1)
情報的サポート 2)
相談員
-対話の中で行われ
る利用者に対する
情緒面のサポート
-利用者の個別性を
考慮した情報提供
相談支援
センター
-院内勉強会等の学
習の機会の提供(院
内)
-その病院のサポート
資源などの情報収
集、作成、更新、評
価等
拠点病院
-院内勉強会等の学
習の機会の提供(院
内)
-その病院及び地域
のサポート資源の情
報収集、作成、更
新、評価等
都道府県
-県内勉強会、研修
等の学習の機会の
提供(都道府県内)
国(全国)
-全国対象の研修会
等の学習の機会の
提供(全国)
-その地域のサポート
資源などの情報収
集、作成、更新、評
価等
-県内拠点病院相談
支援センター間の情報
交換の場の提供
-がんの標準的な治
療法および全国のサ
ポート資源の情報収
集 、 作 成 、 更 新、 評
価等
-全国の相談支援セ
ンター間の情報交換
の場の提供
支
援
・
バ
ッ
ク
ア
ッ
プ
手段的(道具的)
サポート 3)
-情報ツール(冊子
等)の提供
-さまざまな媒体
(Web, 紙媒体、DVD
等)による情報ツール
の準備
-相談支援センター内
のスタッフ間の支援
-相談室、パソコン、電
話回線等の整備
-情報ツールの調達
-院内スタッフの理解と
情報提供源としての
支援等
-必要に応じた情報
ツール等の調達とその
ための適切な補助
-必要に応じた情報
ツール等の調達とその
ための適切な補助
評価的サポート 4)
その人の行ったこと
に対しての適切な評
価(フィードバック)の提
供
-個別、ピアによるフィ
ードバック、事例検討
など学習の機会
-相談支援センタースタッ
フからの適切な評価
やフィードバックの提供
-学習の機会(院内)
-院内からの適切な
評価やフィードバックの
提供
-学習の機会(都道
府県内)
-拠点病院に対する
適切な評価やフィード
バックの提供
-学習の機会(全国)
-都道府県に対する
適切な評価やフィード
バックの提供
1) 情緒的サポート:共感したり愛したり信じてあげたりすること
2) 手段的(道具的)サポート:援助を必要としている人に直接手を貸すこと、仕事を手伝っ
たりお金や物を貸したりすること
3) 情報的サポート:個人的あるいは社会的問題に対処していくために必要な情報や知識を与
えること
4) 評価的サポート:個人の業績に適切な評価を与えてやること、個人評価の目的に有用
な情報を提供すること
3.3. 相談支援センターの運営を支える環境の充実に向けて、当面の課題とその対応
1) 物理的な環境を整備する
(1) 相談員全員のパソコン端末保有の必要性
情報を取り扱う部門である相談支援センターでは、情報を収集・集積・整理し情報提供
を行うためのツールは、基本機能を果たすために必要不可欠なものである。端末は、情報
のデータベース化、情報更新の容易性、情報の共有、電話相談を受けながら容易に必要な
47
152
情報を検索できるなどの利点がある。また端末を複数スタッフで共有することは、情報提
供の即時性を障害したり、業務の効率化を妨げる可能性もあるため、スタッフに個別の端
末環境が整備されることが望ましい。
(2) 専用の直通回線の設置
病院種別の専用回線の設置状況の違いについては、施設全体の中でのがん患者の占める
比率の違い、直通回線をひく費用の捻出などの背景要因が考えられる。しかし、拠点病院
の指定を受けていること、拠点病院に求められている役割、相談支援センターは院内外に
開かれた情報の収集・情報の提供が行われる部門という特性を考えると、専用の直通回線
配置が望ましい。
(3) 紙媒体の情報ツールの供給・管理体制の整備
紙媒体の情報ツールの供給・管理体制があること、とくに供給があることは、相談件数
の増加につながっていた。冊子などの紙媒体資料は、保管場所の確保、(制度等の)情報
更新時の対応、印刷費用、冊子の利用状況・在庫管理、書籍の紛失防止等の管理体制の整
備が必要である。高齢者は、パソコンやインターネットを使えない場合が多いことから、
紙媒体による情報ツールは、利用する患者・家族にとっては有用なツールの一つと考えら
れる。紙媒体の情報ツールの供給が十分に行われるよう、また、管理体制を整備する必要
がある。
2) 人的な環境を整備する
(1) 相談員の働きやすい管理体制の整備
相談支援センターの機能を充実するためには、相談支援センターへの院内各部署からの
支援は欠かせない。とくに施設の方針がはっきりせず、相談対応は相談員の自助努力にま
かせられたような状況では、相談対応そのものに支障を来すことにつながる。特に、病院
長、腫瘍センター長、各診療科医師からの支援は、相談件数の増加に寄与していたことか
らも、特に施設の管理責任者のトップである病院長をはじめとして、医師等の理解と支援
は、組織としての方針を示すものと現場においては受け止められることが多いと考えられ、
このような組織的な支援によって、相談支援に専念しやすい環境になっているのではない
かと推察される。相談対応を支援する現場の状況は年々充実してきているが、今後も引き
続き充実していくことが望まれる。
3) 各関係者が相談支援をより充実させるための役割を認識し、後方支援を行う
相談員が相談者に対して行う相談支援のプロセスを円滑に進められるように、相談支援
センター、拠点病院、都道府県、国(全国)からの後方支援が必要である。資料 13 に示し
たように、支援の向きは下から上へ、適切な補助や支援があってはじめて、相談支援の現
場でのより充実した情報提供や支援が可能になる。また、相談支援センター、拠点病院、
都道府県、国(全国)がそれぞれの役割を担うことで、それぞれの労力やコストを集中す
48
153
ることができる。
たとえば、現場への情報的サポートであれば、その拠点病院の診療などの情報は、病院
あるいは相談支援センターで収集する必要があるが、地域の資源に関する情報は、各々の
拠点病院や相談支援センターで集約するよりも都道府県単位で集約することがより効率的
である。標準的な治療方法などの情報などであれば、国(全国)で整備されれば、共通の
標準的な情報を活用するという点からも、医療者だけでなく相談者にとっても安心して利
用できるものになる。現場ではそれをいかに使いやすくするかということでよい。また学
習の機会についても、その病院でできる範囲と、都道府県や全国でできる範囲は異なり、
学べる内容も異なるため、各関係者がそれぞれの範囲にあった内容を充実させていくこと
が重要である。
3.4. さらなる課題と今後目指す方向性
1) 最低限必要な環境整備に差が生じないよう支援を行う
相談対応を取り巻く環境の整備状況そのものに、病院間の差が生じ始めている。これは、
もともとのがん患者数や専門性、病院の相談対応や相談支援センターの位置づけ、地域に
対するがん情報窓口としてのスタンスの表れであるとも考えられる。しかし、パソコン端
末の設置や専用回線、冊子の供給や院内各部署からの支援については、相談対応の基盤に
なるものであり、拠点病院の特徴によらず、最低限すべての拠点病院で整備されるように
していくことが必要である。このような相談対応の基盤として必要な環境整備において、
病院間や地域間での差が生じないようにするために、拠点病院内での認識を高める必要が
ある。また適切な支援が行えるように、都道府県や国で環境整備の充実の度合いを確認し
ていくことも必要である。
2) 環境整備のための財源の確保とそのための議論の場を持つ
とくに継続して経費がかかるものの一つに、紙媒体による情報ツールがあげられる。基本
計画には、「インターネットの利用の有無に関わらず、得られる情報に差が生じないように
する必要があることから、がんに関する情報を掲載したパンフレットやがん患者が必要な冊
子を取りまとめた患者必携を作成し、拠点病院等がん診療を行っている医療機関に提供して
いく」と示されている。理想的には、媒体による情報利用の差が生じないことだけでなく、
費用が生じることで利用者に差が生じないよう保証することが望ましい。拠点病院において
は、公的な財源を確保するとともに、拠点病院事業強化費の利用やその他の財源を調達する
などして、紙媒体の情報ツールの提供を維持できるようにすることが必要である。しかし一
方で、財源が限られていることも確かであり、拠点病院によっては十分に経費を捻出できな
い可能性も高い。こうした持続して必要となる経費については、だれがどこまで保証するの
か(できるのか)、公費だけにとどまらず、社会として何を担っていくことが望ましいのか
についても、国民を巻き込んだ都道府県や国レベルでの議論が必要であろう。
49
154
4.
相談支援センターの認知度
4.1. 相談支援センターの認知度と広報活動の現状
1) 認知度の現状
平成 19 年度、
21 年度に行われた世論調査による相談支援センターの認知状況をみると(内
閣府世論調査報告書平成 19 年 9 月調査および平成 21 年 9 月調査, 「がん対策に関する世
論調査」10)、相談支援センターを「利用したことある(2.1%)」、
「利用したことないがよく
知っている(5.2%)」
「利用したことはないが名前だけは知っている(22.6%)」であり、H18
年に相談支援が設置されるようになって以降、十分に認知が進んでいない状況がうかがえ
る。相談支援センターの存在が知られなければ、利用者増加にはつながらない。相談支援
センターの認知度を高めるためには、相談支援センターとして行う広報活動の他にも、拠
点病院で行うもの、さらに県レベル、全国レベルでさまざまな発信源とチャネルを使って
行うことが必要である。
2) 広報活動の現状
医療水準調査によって把握されている広報活動の全国の対応状況は、平成 19 年度から 21
年度にかけて増加しており、病院内の案内について、「病院の入り口に『がん診療連携拠点
病院』と記載している(Ⅲ.1)」、「病院入り口付近にがん相談を受けられる窓口(相談支援セ
ンター)の案内がある(Ⅲ.2)」、「案内に「誰でもがんの相談を受けられる旨が明記されて
いる(Ⅲ.3)」
「相談支援センターの入り口に『がん相談を受けられることが明記されている』
(Ⅲ.4)」「病院が発行する広報し等で広報を実施している(Ⅲ.5)」は、全国で 8~9 割は対
応しているという状況になっていた。しかし、
「自治体の広報誌等での広報の実施(Ⅲ. 6)」
および「地方紙等の取材を通じて実施(Ⅲ.7)」については、平成 21 年度調査時点現在、約
3 割の水準にとどまっていた。拠点病院別では、それぞれ「自治体の広報誌等での広報の実
施(Ⅲ. 6)」および「地方紙等の取材を通じて実施(Ⅲ.7)
」について、都道府県がん診療連
携拠点病院は 37.3%、56.9% であったのに対して、地域がん診療連携拠点病院は 25.2%、
29.8%、病院種別では、それぞれがんセンター/成人病センターで 35.5%、64.5%、大学病院
で 26.0%、31.2%、その他の一般総合病院で 25.9%、31.1%というように、病院外に発信する
広報活動に差が生じていた。また、
「病院独自の相談支援センターの案内やがんの冊子を作
成・配布している(I.13)」こと、
「ホームページに相談支援センターについて記載がある(Ⅲ.
11)」ことや「ホームページに『電話でもがんの相談が受けられること明記され、電話番号・
受付時間等が記載されている』(Ⅲ.13)」ことは、相談記入シートの提出件数と関連がみら
れていた。さらに、「病院受診者が必ず立ち寄る仕組みとしている(I.23)」ところは、H21
全国 20 歳以上男女 3000 名を層化 2 段無作為抽出法により抽出し実施。回収率は 58.9%
(H19 年度)、64.5%(H21 年度)。
H19 年度 http://www8.cao.go.jp/survey/h19/h19-gantaisaku/index.html
H21 年度 http://www8.cao.go.jp/survey/h21/h21-gantaisaku/index.html
10
50
155
年度の相談件数は「していない」場合に件数が多いという関連であったが、相談記入シー
トの年次増加と関連がみられた(表 11)。しかし、平成 21 年度において「病院受診者が必
ず立ち寄る仕組みとしている(I.23)」ところは、わずか 25 病院(6.7%)であった。
4.2. 認知度向上、広報活動の充実に向けて、当面の課題とその対応
1) “仕組み”の中に相談支援センターを知る機会を位置づける
現在主に拠点病院(相談支援センター)行われている広報活動は、病院内の案内や掲示
による病院利用する患者や家族に対する広報に限局していることが示された。世論調査に
よる認知度が低水準にとどまっていることも、このような限局した広報活動の現状があっ
てのことと推察される。しかし病院内の仕組みとして、
「病院受診者が必ず立ち寄る仕組み
としている(I.23)」ところは、わずか 25 病院(6.7%)にとどまっていた。病院には多くの
診療科が存在するなど多くの機能を担っており、地域や医療の重傷度別など病院として担
っている機能も多い。そのため、院内の掲示を充実させることも必要であるが、病院案内
の中に加えたり、書類の提出場所や説明場所にするなど、必ず立ち寄る仕組みにして、そ
の拠点病院を利用するがん患者や家族に、相談支援センターを知ってもらうことは重要で
ある。
また外からの利用者に対しては、ホームページにだれでも利用できる相談支援センター
があること、利用方法や時間などが記載されていることが利用者増加につながっていたこ
とからも、今後も各施設でホームページ上の情報を充実させて行く必要があるだろう。
2) 拠点病院の広報活動のバックアップ体制を充実させる
現在、広報活動が、病院内の案内や掲示による方法となっているのは、相談支援センター
の限られたスタッフに広報活動が委ねられているためとも考えられ、相談対応しながら、院
外に対して広報活動を行うには限界があると考えられる。また、全国の拠点病院 377 カ所の
小規模分散型の相談支援センターでは、それぞれのセンターに広報活動担当者を置くことは
非現実的であり非効率的でもある。また、相談支援センターが、広報した場合に相談対応が
十分に行えないのではないかという不安の中で、広報活動を躊躇している場合もある。地域
おける相談対応窓口として役割を担い機能するには、当然、相談支援センターだけではなく
拠点病院として地域の相談に対応するという姿勢が求められる。そのため、広報活動を行う
際には、病院としての相談対応のバックアップ体制についても充実しておくことも必要であ
る。
3) 広域的かつ継続的な広報活動と都道府県や国のバックアップ体制を充実させる
必要とする人に相談支援センターの存在を知ってもらうためには、施設を利用するもの
だけが知りうる広報活動ではなく、より広域に影響のある方法での広報が必要である。各々
の拠点病院で行う広報活動には、労力的にも十分に行えない可能性もあり、都道府県や国
51
156
レベルで広報活動をバックアップすることも必要である。例えば、がんの予防推進(検診
事業等の推進)事業などと抱き合わせで広報を実施したり(がん検診のポスターに相談支
援の案内を明示する、検診センターや検診の案内とともに相談支援センターの案内をおこ
なうなど)、相談支援センターの広報用ポスターを作成して、検診施設、市町村図書館、地
域包括支援センター、県の広報課(テレビ・ラジオ枠を県で持っている場合もある)等を
利用することが考えられる。また地方紙や自治体の広報誌等の積極的な利用やメディア等
での広報も有効であると考えられる。
がんの疑いやがんと診断されてからはじめて、がんに関する情報の必要性が急激に高ま
ることもよくある。必要とするときに目に触れられるところに情報があるなど、全国レベ
ルで、がん対策として進められる患者必携の情報提供など、国として推進する活動と合わ
せて、継続的に相談支援センターを周知することは、潜在的な利用者を含めた国民に対す
る情報提供という意味でも重要である。そのためには、各々の拠点病院、地域とあわせて
全国レベルでの広報を継続して実施する仕組みも必要である。
4.3. さらなる課題と今後目指す方向性
1) 地域の利用者の意識への働きかけと環境づくりを行う
相談支援センターがより多く利用されるためには、利用者側の意識への働きかけること
も重要である。一般住民約 3,500 名を対象に行われた相談支援センターのイメージに関す
る調査11(高山、2010)では、相談支援センターの「利用の仕方がわかりにくい(79.2%)」
という情報発信者側の問題だけでなく、
「心配や不安なことがあっても何を相談にのっても
らえばいいかわからない(66.3%)」
「他人に相談すること自体に抵抗がある(38.1%)」
「人目が
気になる(知っている人に見られるのではないかと心配)(30.7%)」など、相談者側(ある
いは地域)に相談すること自体の抵抗があることが少なからずあることが伺えた。したが
って、地域における相談をしやすい環境や風土を作っていくことも必要であり、そのため
には、その地域に即したがん予防や検診、その他の健康に関わる教育や情報提供の機会を
増やすなど、地道で継続的な活動も求められる。
2) 情報が届きにくい人々へ情報を届ける手段と体制の整備を行う
とくに、ほんとうに情報が必要であると考えられる人は、逆に情報を手にしにくい状況に
あることが多い。またそうした人々こそ、がん対策として情報提供の取り組みに力を入れる
必要がある集団であるとも考えられる。いわゆる情報弱者や生活弱者に日常的に接して支援
している保健師や民生委員といった人たちに、相談支援センターを知ってもらい、「この人
に必要」と思ったときにすぐに思い浮かべてもらえるようにする取り組み、たとえば、地域
の保健師や民生委員などと定期的に連絡を取り合ったり、実際に利用してもらう機会をつく
ることも、単に相談支援センターの存在だけでなく、がんの相談窓口として頼れる存在とし
国内内全 4 地区の 20 歳以上の男女 3447 名に対して行われた無記名自記式質問紙調査。
2010 年 2 月~3 月にかけて実施された。
11
52
157
て知ってもらうためにも重要である。
患者団体等との連携協力の体制/がん患者支援の体制
5.
がん対策基本計画(以下、基本計画と略す)では、相談支援センターにおいて「相談員を
複数名配置すること」とともに、「相談支援に関し十分な経験を有する看護師等の医療従事者
や患者団体等との連携について検討する」ことが示された。また、がん診療連携拠点病院の整
備に関する指針(以下、指定要件と略す)においても、「院内及び地域の医療従事者の協力
を得て、院内外のがん患者及びその家族並びに地域の住民及び医療機関等からの相談等に対
応する体制を整備すること。また、相談支援に関し十分な経験を有するがん患者団体との連携協
力体制の構築に積極的に取り組むこと」が示された。これを受けて、がん診療連携拠点病院の
相談支援センターでは、かん患者団体等との連携を模索する活動が進められている。
がん対策基本計画にこのような「患者団体等との連携」が盛り込まれたのは、患者団体(等)
との連携が、がん患者および家族らに対するよりよい支援を提供するために必要であると
認識されたためと考えられる。
一方で現場では、目的も不明確なままに、単に連携することや患者サロンを作ることが
目的化してしまい、混乱を来しているという状況がおきている。このように現に起きてい
る混乱の原因や患者団体等との連携に関する問題や課題を明確にし、そのためにどのよう
な対応が必要かどうかについて考えるために、まずがん患者団体(等)との連携協力体制
の現状について示し、その前提となる定義、患者会(当事者団体)と専門家の関係のあり
方についてこれまでに明らかにされていることを概観する。そしてその上で、現状におけ
る問題点、当面なすべきこと、めざすべき方向性について考察していく。
5.1. “がん患者団体等”との連携協力体制の構築の現状
平成 21 年度の現況報告結果(H22 年度指定病院)では、
「ピアサポート(がんの経験者に
よる支援活動)の有無」は、375 施設12中 71 施設(18.9%)が「あり」と回答していた。ま
た「相談支援に関し十分な経験を有するがん患者団体との連携協力体制構築の取り組みの
状況(別紙 28)」で報告された患者団体数は、平均 1.1 (range: 1-15)、中央値 1.0 で、地域内
の複数の拠点病院や相談支援センターとの関わりを持つ患者会も存在していた。
また相談支援センターを対象に、平成 22 年 1 月に実施された「がん診療連携拠点病院に
おけるがん当事者と専門職の連携に関する調査」(朝倉ら,2010)では、「相談支援センター
と地域の患者会との交流」について、相談支援センターが「しばしば交流がある」「たまに
交流がある」と回答したのは、302 施設中それぞれ 28 施設(9.3%)、143 施設(47.4%)であ
った。今後の意向については、189 施設(63.1%)が「今後、地域の患者会と交流を深めて
12
H21 年 10 月末現在、国立がんセンター中央病院、東病院は、みなし拠点であったた
め報告がなく、375 施設となっている。
53
158
いきたい」と回答し、6割を超える相談支援センターが地域の患者会との交流について積
極的な姿勢を示していた。
診療圏内のがんに関連した患者会の把握については、相談支援センターが「ほぼ完全に
把握している」と回答したのは、302 施設中 17 施設(5.6%)で、「おおむね把握している」
126 施設(41.7%)、
「少し把握している」138 施設(45.7%)、
「全く把握していない」21 施設
(7.0%)で、相談支援センターが十分に地域の患者会について把握しきれてない状況が伺
えた。
現況報告が義務づけられる以前には、相談支援センター(拠点病院)における患者団体
との連携構築の取り組みについて把握されていなかったことを考えると、基本計画や指定
要件、そして現況報告で報告されるようになったことで、各拠点病院や相談支援センター
が患者会との連携について意識するようになったと考えられる。また相談支援センターが
平成 18 年に始められてからまだ間もないこと、交流や関係構築には時間がかかることを考
慮すると、がん患者団体との連携協力体制構築の活動はまだ十分ではないにせよ、連携の
きっかけ作りがなされ、今後広がっていくと考えられる。
5.2. よりよい連携協力体制を構築するための前提として(定義とあり方、留意点)
患者団体(等)との連携の取り組みは、まだ始まったばかりである。そのため、ほとん
どの拠点病院、相談支援センター、行政、そして、がん当事者や当事者団体も、試行錯誤
の中で、その地域に合った、がん患者や家族のサポートを提供するための連携の方法を模
索しているところであると言える。
1)「患者団体」および「患者団体等」とは
「患者団体」については、一般化された定義はない。患者団体に相当する言葉として、
形態による分類では、セルフヘルプ・グループやサポートグループがあげられる。セルフ
ヘルプ・グループとは、なんらかの問題・課題を抱えている本人や家族自身のグループで
ある。したがって「当事者であること」がまず最大の特徴であり、重要な意味を持つ(久
保・石川、1998)。がんの患者会あるいは家族会として活動しているものの多くは、セルフ
ヘルプ・グループに属するものと考えられる。またこうした特徴から、セルフヘルプ・グ
ループは当事者団体と呼ばれることもある。一方、専門家が主体となって運営するプログ
ラムは、サポートグループと呼ばれ、構造化されたプログラムの提供がなされることが多
い。たとえば、医療専門家が企画・運営する患者教育や「院内患者会」などはこれに相当
し、地域において活動する専門家が企画・運営する「患者支援団体」と呼ばれるものも、
サポートグループに属するものと考えられる。これは形態による2つの分類である。
また患者団体等との連携においてよく使われる「ピアサポート」「ピアカウンセリング」
の「ピア(peer)」とは、同等の、対等の、仲間などの意味を持つ言葉で、ピアサポートと
は、同じ立場や同じ体験をした者がお互いに支えあることである。がんの領域に限らずさ
まざまな支援活動の場で使われる機能を表した言葉であり、セルフヘルプ・グループ、サ
54
159
ポートグループのどちらの活動の中でも使われる機能である(資料 14)。
資料 14. セルフヘルプ・グループとサポートグループの相違点13
セルフヘルプ・グループ
サポート・グループ
中心となる企画・運営者
当事者(患者・家族)
非指示的専門家(医療従事者)
活動の構造化度
低い(活動内容はグループによ
高い(プログラム進行がほぼ決
ってさまざま)
まっている)
特定の病院から独立した地域
病院内が多い
おもな活動の場所
の施設が多い
活動内容
参加者とグループの関係
講演、会員同士の情報交換、
リラクゼーション訓練、専門家に
体験発表、親睦旅行、会報発
よる情報提供、小グループ単位
行など
の体験の分かち合いなど
団体の会員になる(年会費)
プログラムに参加する(無料また
は実費)
季羽倭文子・丸口ミサエ監修、ホスピスケア研究会編集、がん患者と家族のサポートプログラム「がん
を知って歩む会」の基本と実践(p17),2005,青海社より引用。
2) 専門家の関与の仕方と度合い
相談支援センターと患者団体(等)が連携することにおいては、専門家が主体となるサ
ポートグループと当事者が主体となるセルフヘルプ・グループとを分けて考える必要があ
る。特にセルフヘルプ・グループとの連携に際しては、その特徴から連携の取り方(専門
家の関与の仕方と度合い)に留意する必要がある。セルフヘルプ・グループの特徴には、
①メンバーが共通の問題を持っている「当事者」であること、②メンバーは専門家と素人
というような「タテ」の関係ではなく、対等な立場で協力し合う関係にあること、③共通
の目的(ゴール)があること、④専門家の関与が少ないこと、があげられている。またこ
のような特徴から、
「セルフヘルプ」には個人による自助や専門家からの独立という意味と、
同じ問題を共有するものによる相互支援や協同という 2 つの意味があると指摘されている
(久保・石川、1998)。
したがって、ピアサポートが提供される際には、専門家による介入は最小限にとどめ、
当事者の活動が主体的にできるような支援にとどめるべきである。そうでなければ、専門
家ではなしえない、ピアだからこそできるピアによるサポートの最大の効用を減じてしま
う危険性もある点に注意が必要である。
13
ここでは、がん患者を支援(サポート)するグループ全般としてではなく、アメリカ
がん協会の定義にならい、医療者がファシリテーターとして加わり構造化された支援を提
供するグループをサポートグループとして記述されている。
55
160
3) 当事者活動の主体性の尊重と日本のがん当事者活動の特徴に関する留意点
セルフヘルプ・グループ(患者会等の当事者)による活動の内容は、個人間での情報交
換やこころの支え、当事者に即した日常生活改善への働きかけ、また社会的な活動(政治
的な活動を含む)までさまざまである。相談支援センターと患者会等の当事者による活動
との連携に期待されているのは、当事者ならではの情報交換やこころの支えについても、
十分に提供できる体制を持つことである。したがって、患者会がそうした支援活動を、自
分たちだけの活動にとどまらず、地域や社会に対して提供できるか(貢献できるか)どう
かにも関わってくる。患者会によっては、活動主旨から連携すること(支援を提供するこ
と)ができない場合や好まない場合もあり、その意向についても十分に配慮する必要があ
る。
また、日本のがん患者会については、概して小規模なものが多く、がんの当事者が運営
していることも多いこと、疾患の特徴(治療や病状の変化が起こりやすい等)のために、
活動内容が時間とともに変化することが多いため、その点も考慮に入れて互いに連携関係
を築いていく必要がある。
5.3.
連携協力体制における当面の課題とその対応
1) 「患者団体」「患者団体等」などの言葉の定義を明確にする
基本計画上示されている「がん患者団体等」は、「等」が示されていることからも、おそ
らくセルフヘルプ・グループとサポートグループの両方を含むものとして使われていると
考えられる。しかし、指定要件上示されている「がん患者団体」は、セルフヘルプ・グル
ープのみを指していると考えられる。この時点ですでに、どのような関係者を想定するの
か(するべきなのか)について齟齬が生じている可能性がある。「がん患者団体等」や「が
ん患者団体」が何を指すのか、どこまでの範囲を想定して使われているのか、それぞれの
特徴から連携に際して考慮するべき範囲も異なるため、言葉の定義を明確にする必要があ
る。
また、がん対策推進基本計画中間報告(平成 22 年 6 月 15 日
厚生労働省)(以下、中
間報告と略す)では、
「相談支援センターについては、地域のがん患者およびその家族等と共同
で、患者及びその家族を対象とするピアサポートを行い、これを国として支援すべきである。」とあ
り、基本計画において「がん患者団体等」とされていた相談支援センターの連携先は、中
間報告では、共同する相手として「個々の患者や家族」までが対象となっているようであ
る。多くの都道府県におけるがん対策推進計画においても、
「患者会との連携」ではなく「患
者との連携」となっている場合がある。そのため、患者サロンへの患者の参加が、連携と
混同されている可能性がある。この点について言葉の定義を行い、本意を明確にして共通
理解を図る必要がある。
56
161
さらに中間報告書では「・・・がん経験者支援部の設置による長期生存者(サバイバー)の相談
支援も必要である。(p20)」と示されている。長期生存者(サバイバー)との連携を示唆し
ているようであるが、彼らの相談支援とは、彼らをサポーターとするという意味か、彼ら
へのサポートも行うという意味か、不明瞭で、誤解を招く恐れがある。
連携とは、「同じ目的を持つ者が互いに連絡をとり、協力し合って物事を行うこと(広辞
苑)」であり、“支援される”側になった場合には、当然、連携することは難しくなり、連
携そのものができなくなる可能性も高い。したがって「患者団体」は、安定した社会的資
源となりうるが、「個々の患者や家族」の場合には、病状の変化によってサポートの受け
手となることもあり、安定した支援の提供資源になるのは難しい場合があることも認識し
ておく必要がある。
計画や実践にたずさわる関係者らが混乱せずに共通理解の元に運用・活動できるように
言葉の定義を明確にする必要がある。また不明確な場合においても、関係者間でどの範囲
のどのような連携を行うのかについて、明確に共通理解を促しながら計画を推進していく
必要がある。
(1) 連携の目的
「患者団体(等)との連携」が、がん対策基本計画やがん診療連携拠点病院の指定要件
に明記された背景には、がん患者および家族らに対するよりよい支援を提供するために必
要な体制の一つとして考えられたからであると考えられる。しかし、実際には、このよう
な記述は、がん対策基本計画にも、がん診療連携拠点病院の指定要件にも示されていない。
そのため、多くの現場では、目的も不明確なままに、単に連携することや患者サロンを作
ることが目的化してしまい、混乱を来しているという状況がおきていると考えられる。し
たがって、何のために連携し、連携して何をするのを再度認識することが重要である。
連携の仕方には、患者会を紹介することから、不特定多数を対象にした講演会での協力、
さらに特定少数グループや個人を対象にしたピアサポートやピアカウンセリングまで、専
門家と患者や患者団体等の関わりの度合いはさまざまである。患者同士のしゃべり場のよ
うな「患者サロン」あるいはサポートグループ14は、一つの連携のあり方であるが、医療者
が主導で患者が参加しているだけの取り組みでは連携とはならない。連携の程度と中身を、
その目的に沿って明確にして取り組む必要がある。
(2) 連携の相手~「患者団体等」「患者団体」「患者・家族」
言葉の定義が不明確なまま使用されていることは述べた。では、連携の相手が「患者団
体等」「患者団体」「患者・家族」と異なることで、何が違い、留意する点が異なるのだろ
うか。
「患者団体等」と言う場合には、セルフヘルプ・グループだけでなく、サポートグループ、
14
専門技術を伴う、専門職が主導するものである。
(例)患者教育を目的とする院内患者会
など
57
162
すなわち専門家が主体となって運営する「患者支援団体」15が含まれることになる。こうし
た団体は、患者支援に関してノウハウを蓄積している専門家集団であると考えられ、その
団体の活動内容や経緯など信頼できるかについて確認する必要はあるが、多くは安定した
支援や資源の供給源となる。一方で、日本のがん当事者団体が小規模なものが多いため、
患者会が安定した支援や資源の供給源として難しい場合も起こりやすい。
また相談支援センターのスタッフ数は限られ、情報提供や支援についてがん患者や家族
に対するその他多くの役割を担うことを考えると、ノウハウを蓄積していると考えられる
患者支援団体の協力を仰ぎ、一緒に活動することも十分考えられる。またこのような患者
支援団体の活動の認知が地域の中で十分な場合には、相談支援センターを介さずに、直接
支援や資源が利用されていることも多い。患者や家族によりよい支援を提供する体制を構
築することが目的であれば、必ずしも相談支援センターと患者団体(等)との連携だけを
推進するだけでなく、こうした患者支援団体もがん患者や家族への支援提供源の一つとし
て日本の中で盛り立てていくことも必要であろう。
しかし、地域によっては「患者団体」がん患者会が存在しない、また存在しても特定の
がんの患者会のみの場合や、患者支援団体の活動も十分でない場合もあり、よりよい支援
体制構築のスタートの段階は、がん患者個人との連携もあるのではないかと考えられる。
しかし、がんという疾病の特徴(再発や転移、またそれによる病状の進行による体調の変
化が起こりやすいこと等)を考えると、個人から集団、団体へ、さらに団体の連合体へと
ゆるやかに連携を発展させ、安定して継続的に支援や社会資源を提供できるようにしてい
く必要があるだろう。
2) 段階的に連携協力体制を構築する
連携をするには、連携をする互いの相手がそれぞれそれなりの力をつけることが必要で
ある。また、連携の仕方によって、その地域における他の支援や資源の存在など、その前
提となる条件も異なる。したがって地域の求めに応じた、互いの成長や準備状況の度合い
に合わせた、また、連携協力体制を段階的に作っていくことが必要である。
(1) 地域の患者会の把握と紹介
相談支援センターにおいて、利用者の求めに応じた支援や資源の一つとして患者会を紹
介することは、全国の拠点病院の相談支援センターの機能として不可欠である。そのため
には、まずその地域にどのような患者会があるのかを、相談支援センターが把握している
ことが必要である。
しかし現状では、相談支援センターにおいて、地域の患者会についてまだ十分に把握し
きれていない状況が示された。また、相談支援センターとの連携の状況において、一つの
15
日本においては、財団法人日本対がん協会、財団法人がんの子供を守る会、NPO 法人ジャ
パンウェルネスなどがこれに相当する。
58
163
患者会が複数の相談支援センターと連携している場合もあった。複数の拠点病院や相談支
援センターとの関わりを持つ患者会があることは地域や全国規模の患者会であれば当然考
えられることであり、各拠点病院や相談支援センターによる地域内の患者会の把握は非効
率となる可能性がある。がん患者団体(等)は、地域の社会資源でもあり、拠点病院や相
談支援センターの単位で把握するのではなく、地域の自治体などのより大きな範囲や枠組
みで把握することがより効率的であると考えられる。
把握する具体的な内容として、連携する患者会の活動目的、設立年、規模、がん種、活
動内容などとともに、安心して紹介できるかどうかが分かる資料なども収集する必要があ
る。また患者会の主体性の尊重のためには、活動内容として、がん患者や家族らよりよい
支援をするために、ピアサポートなどの活動を社会資源として提供する意思(拠点病院や
相談支援センターと連携する意思)があるかどうかや、患者会が小規模のため活動内容が
安定しにくいことも多いため、定期的に情報を更新し、活動内容についても確認すること
が必要である。
(2) 連携相手(患者会等)の立ち上げ支援
ほとんどの都道府県のがん対策推進計画では、相談支援に関し十分な経験を有するがん
「患者団体」の存在が前提とされている。しかし、地域に患者会が存在しない場合もあり、
「患者会」の立ち上げを支援する役割をどこが担うのか、についても考える必要がある。
たとえば福岡県のがん対策推進計画には、「県内で組織されている患者会の数は少なく、
その活動も病院内に留まるなど、より多くの人の参加や協力が求められている。」と記載
されており、県内の患者会が十分に存在しないことが認識されている。富山県においては、
「乳がん以外の部位の患者の支援についても、がん診療連携拠点病院等が中心となって行
うとともに、意向に基づき患者会の設立に向け支援を行っていきます。」と記載され、患
者会の立ち上げ支援の必要性についても言及されている。このように、各地域で必要とさ
れる患者会の立ち上げを実現できるように、当事者を含む関係団体(行政とがん診療連携
拠点病院や相談支援センター、当事者、さらにそれを支援することが可能な患者支援団体
や NPO 団体など)で協議し、協力して立ち上げを図る必要があると考えられる。当然、こ
の段階での当事者は、患者団体としてではなく、個人としての協働・連携となる。
しかし気をつけなければならないのは、患者会とは、セルフヘルプ・グループ“問題・
課題を抱えた本人や家族が相互援助や特定の目的でつくるグループ”の一形態であり、当
事者らが当事者ならではの活動を行うことであって、専門家や行政主導による活動とは異
なるものである。したがって、医療専門家や拠点病院、行政が、患者会を立ち上げるので
はなく、あくまでも患者会の立ち上げ支援を行うという立場で関わっていくことが必要で
ある。そして将来的には、患者会が自立して当事者らによる主体的な活動が行えるよう、
地域で育てていくことが求められる。
(3) ピアサポートを提供できる体制構築の支援
全国の取り組みの中で、ピアサポート、ピアサポーターとピアカウンセリング、ピアカ
59
164
ウンセラーが混在している。ピアカウンセリングを目指す場合は、研修など専門性の担保
もさることながら、当然「法律的・倫理上・道徳上の責任と制限がある」ことを明確にし、
倫理的な枠組みを示す必要がある。その点からすれば、現実的に推奨されるべきはピアサ
ポートではないかと考えられる。
その際には、支援を提供する側(紹介する、実際に提供する)、される側の双方にとって
安全でかつ安心して利用できる支援が提供されることが必要である。第三者が支援提供者
として病院に入る場合には、病院側からすれば、プライバシーや個人情報などについて、
どのように扱うかは、重要な課題であり、利用者にとっても安心して支援を受けるには必
要不可欠な側面となる。したがって立場や責任所在を明確にすることも当然必要になる。
またピアサポーターとしての適性(病状や心理的に安定しているか、コミュニケーショ
ン能力等)を判断して、ピアサポートを提供するためのトレーニングを提供できる教育・
研修の場を整備することも重要である。ただし、これまでにも触れたように、専門家や行
政の過剰な関与に留意し、地域の中で育てていけるよう支援することが必要である。
こうしたピアサポートなどのその人の生活や経験に対して求められる支援の必要性は、
治療終了後も長期に渡って発生することも十分考えられる。病院は本来、治療をすること
が目的の場であり、どこまでの利用者を病院内や相談支援センター内で対応するのか、ま
た対応することが可能かということについても、拠点病院(相談支援センター)として考
えるとともに、社会としてもどうあるべきか考える必要がある。患者や家族が必要とする
支援が適切に提供されるのであれば、地域の拠点の一つとして、相談支援センターが入り
口として存在し、その紹介先として患者会等の(ピアサポート等の)支援が提供されると
いうモデルも十分に考えられる。実際に地域内の患者会や患者支援団体の活動の中で提供
されていることがあるように、ピアサポート等の支援の提供先は、必ずしも病院内や相談
支援センター内である必要はない。
ただし地域内で支援が提供される際には、時として専門的な医療的な介入や支援を必要
とする場合も少なからず存在することも考えられる。そのためには、しかるべき専門家や
相談支援センター等の専門機関のバックアップ体制やフィードバックできる体制がとれる
ように、拠点病院(相談支援センター)などと連携をとることは、重要である。
(4) 注目すべき活動など、参考となるモデル活動から学ぶ
患者団体(等)との連携の取り組みは、まだ始まったばかりである。そのため、ほとん
どの拠点病院、相談支援センター、行政、そして、がん当事者や当事者団体も、試行錯誤
の中で、その地域に合った、がん患者や家族のサポートを提供するための連携の方法を模
索している。全国の取り組みの中で、注目すべき活動や、参考となるモデル活動に関して
情報交換できる場をつくり、さらに地域に合った連携の姿を具体的にイメージできるよう
にする場が求められる。
たとえば、参考となる例として以下のような取り組みがあげられる。
60
165
北海道がんセンターにおける、がん患者活動サロンひだまり定例会:複数の患者会がサロ
ンを利用している。三か月に一回の頻度ですべての患者会と定例会を開催している。その
複数の患者会と病院側との情報交換の場を作っている。
千葉県のがん患者団体連絡協議会:当事者と医療関係者、行政担当者で「千葉県がん患者
大集会」を企画した。
千葉県の「がん診療連携拠点病院における患者及び家族が語り合う場(患者サロン)に関
する勉強会」
:実際に(県内でも温度差があるが)千葉県内の拠点病院には「患者サロン」
が多い。
愛知県の NPO ミーネット:名古屋市と協働で、がん患者さんの情報収集と交流の拠点「名
古屋市がん相談情報サロン・ピアネット」を開設し活動している。
筑後ブロックの拠点病院での地域の患者会の立ち上げ:福岡県全域ではなく筑後ブロック
の拠点病院として地域の患者会を立ち上げようとしている。診療圏が重なるので地域の社
会資源として考えている。
また連携の取り組みについて参考になる地域には、以下のようなところがある。
滋賀県がん診療連携協議会と滋賀県がん患者団体連絡協議会との連携のとり方。
広島県拠点病院と地域にある NPO 広島がんサポート(がん全般の患者支援団体)との連
携のとり方。
5.4. 今後めざす方向性
1) 地域の“患者力”の底上げをする
多くの都道府県のがん対策推進計画において、患者や家族のがんに関する学習環境の整
備が目標にあげられている。これは患者会との連携そのものではないが、患者や患者会と
の連携を進める上で、患者と家族のエンパワメントは欠かせない。地域で患者会を立ち上
げるには、それなりの見識を持った患者リーダーの存在が必要である。地域において患者
や家族ががんについての知識や力を付けることは、連携への条件整備として軽視できない。
このような患者力の格差の縮小も、がん医療に関わる地域格差の縮小につながるのではな
いかと考えられる。
患者力、地域の患者力の向上を考えると、がん患者会の組織化は重要である。組織化に
際しては、がん患者会同志の連携で構築することが望ましいが、当事者を含む関係団体で
まずは協議するプラットホームを作る方が現実的であろう。目指すモデルの一つとして、
セルフヘルプ・グループ全般をサポートするクリアリングハウス(かながわボランティア
センター、NPO 法人ひょうごセルフヘルプ支援センター等)があげられる。
さらに言うならば、全国、または都道府県内のがん患者会が何らかの連携を構築して自
らが患者会の情報提供(それも患者会の活動実績、その評価をした上での)を促進するこ
とが望ましい。当事者団体の課題であり、患者会という自主的活動に行政がどの程度関与
するか賛否はあろうが、がんという病が国民的な健康課題であるとすれば、当然ながら行
61
166
政の支援課題でもある。地域におけるがん関連の患者会間の連携も、少しずつ始まってき
ており、このような動きをエンパワメントすることも必要である。
2) バランスのとれたがん患者支援体制を構築する
がん対策の患者支援については、ピアサポート、ピアカウンセリングなど、患者当事者
による活動ばかりに焦点が当てられているように見受けられる。しかし、患者団体(等)
との連携の本来の目的が、がん患者や家族らに対するよりよい支援を提供するためである
ならば、ピアサポートやピアカウンセリングは、そうした支援の一つの形態にすぎず、支
援を必要とする患者や家族に応じて、資料 5「がん患者のためのサポート提供」のように、
さまざまな形態と深さの多様な支援を適切に提供できる体制を構築していくことも必要で
ある。
多様な支援プログラムの例としては、危機介入や短期カウンセリング、心理療法、グル
ープ療法などがあげられるが、日本においては、このようなプログラムを提供する専門家
さえもほとんど育成されず、また拠点病院にも配置されていない(できない)状況がある。
このような患者支援プログラムの充実とともに、専門的なプログラムを提供できる医療従
事者の育成や充実できるような体制を作っていくことも必要である。
これらの支援プログラムを必要とする人たちは、相談支援センターやピアサポートの利
用者に比べると相対的に少ないと考えられるが、支援プログラムについても段階的に充実
していくことで、必要とする人のニーズに沿った支援体制の構築につながると考えられる。
また必要とされる資源を整備し、限られた資源を適切に配分していくためにも、これらの
支援プログラムに対して、どの程度それぞれのニーズがあるかについても継続的に把握す
る必要がある。さらに、患者支援体制の充実は望まれるものの、マンパワーや財源が限ら
れているのも事実である。限られた資源を有効に活用するためには、必要とされる支援の
うち、何が優先されるべきなのかについても検討することが必要である。
62
167
参考文献
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63
168
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States)
64
169
参考資料
「がん対策基本計画」「がん診療連携拠点病院指定要件」に関する記述
『がん対策推進基本計画』に掲げられている相談支援センターの相談員に関する記述
相談支援センターには相談員が専任で配置されているが、がん患者の生活には療養上様々な困
難が生じることから、適切な指導助言を行うため、相談員を複数人以上専任で配置すること等が
望まれる。
その際には、相談支援に関し十分な経験を有する看護師等の医療従事者や患者団体等との連携
について検討する。
また、がん患者本人はもとより家族に対する心のケア(精神的支援)が行われる相談支援体制
を構築していく。
がん患者や家族等が、心の悩みや体験等を語り合うことにより、不安が解消された、安心感に
つながったという例もあることから、こうした場を自主的に提供している活動を促進していくた
めの検討を行う。
がん診療連携拠点病院の整備に関する指針
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/02/tp0201-2.html
健発第 0301001 号 平成20年3月1日
< 相談支援センターの業務>
3 情報の収集提供体制
(1)相談支援センター
[1]及び[2]に掲げる相談支援を行う機能を有する部門(以下「相談支援センター」という。な
お、相談支援センター以外の名称を用いても差し支えないが、その場合には、がん医療に関する
相談支援を行うことが分かる名称を用いることが望ましい。)を設置し、当該部門において、ア
からキまでに掲げる業務を行うこと。なお、院内の見やすい場所に相談支援センターによる相談
支援を受けられる旨の掲示をするなど、相談支援センターについて積極的に広報すること。
[1] 国立がんセンターがん対策情報センター(以下「がん対策情報センター」という。)によ
る研修を修了した専従及び専任の相談支援に携わる者をそれぞれ1人以上配置すること。
[2] 院内及び地域の医療従事者の協力を得て、院内外のがん患者及びその家族並びに地域の住
民及び医療機関等からの相談等に対応する体制を整備すること。また、相談支援に関し十分な経
験を有するがん患者団体との連携協力体制の構築に積極的に取り組むこと。
<相談支援センターの業務>
ア がんの病態、標準的治療法等がん診療及びがんの予防・早期発見等に関する一般的な情報
の提供
イ 診療機能、入院・外来の待ち時間及び医療従事者の専門とする分野・経歴など、地域の医
療機関及び医療従事者に関する情報の収集、提供
ウ セカンドオピニオンの提示が可能な医師の紹介
エ がん患者の療養上の相談
オ 地域の医療機関及び医療従事者等におけるがん医療の連携協力体制の事例に関する情報の
収集、提供
カ アスベストによる肺がん及び中皮腫に関する医療相談
キ その他相談支援に関すること
65
170
図表一覧
表1. H22年度指定のがん診療連携拠点病院(377施設)の病院情報
N
平均値
標準偏差
最小値
最大値
病床数
377
601.3
232.9
146
1505
年間新入院患者数(H20年1月~12月)
377
11135.8
6846.2
2143
111575
年間新入院がん患者数(H20年1月~12月)
377
2817.5
1850.4
359
12695
年間新入院患者に占めるがん患者の割合
377
0.3
0.2
0.019
1
年間外来がん患者数
374
47245.8
50310.2
132
381138
年間院内がん死亡数
377
223.9
122.2
25
1019
現況報告 (H21年10月末提出) より作成
表2. 相談支援体制 ス タッフの内訳
相談支援センタースタッフ(合計)
専兼任状況
専従
専任
兼任
勤務形態
常勤
非常勤
職種
社会福祉士、医療ソーシャルワーカー、
精神保健福祉士
看護師
心理士
事務員
医師
保健師
臨床検査
薬剤師
管理栄養士/栄養士
医療社会事業司
その他
注)現況報告 (H21年10月末提出) より作成
66
171
人
2117
%
100.0
679
479
959
32.1
22.6
45.3
1880
237
88.8
11.2
858
40.5
791
9
217
143
29
5
22
11
1
31
37.4
0.4
10.3
6.8
1.4
0.2
1.0
0.5
0.0
1.5
表3. 施設ごとの相談支援センタースタッフ人数と就業時間数
相談支援センターに関わる全スタッフ(人)
相談業務(人)
事務業務(人)
データ処理等(人)
その他(人)
全スタッフの1日あたりの相談業務にあたる就業時
間(時間)
相談業務担当者の1日あたりの相談業務にあたる
就業時間(時間)
専従(人)
平均値
5.6
5.0
0.3
0.1
0.2
標準偏差
3.6
3.2
0.6
0.4
0.7
最小値
0
0
0
0
0
最大値
20
20
4
4
5
中央値
5
4
0
0
0
27.3
16.9
0
114
23
24.7
14.9
0
88
21.4
1.8
1.3
2.5
1.8
1.3
3.2
0
0
0
13
8
18
1
1
1
専任(人)
兼任(人)
注1) 質問は、20名までのスタッフについて回答するよう求めているため、各施設のスタッフ数は20名が最大値となる。
注2) 就業時間は、常勤8時間/日、非常勤6時間/日として、就業時間に占める業務割合から算出した時間。
注3) 5-6割など就業時間に占める割合に幅がある場合には、最小割合を採用した。
注4) 現況報告 (H21年10月末提出) より作成
表 4. 相談支援センタースタッフ数とセンター内での業務別人数
合 計
相談支援
センタース
施設数
タッフ合計
(人)
0
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
3
51
68
55
52
31
31
29
18
12
2
5
3
2
1
4
4
2
1
3
377
内 訳 (業務別)
%
0.8
13.5
18.0
14.6
13.8
8.2
8.2
7.7
4.8
3.2
0.5
1.3
0.8
0.5
0.3
1.1
1.1
0.5
0.3
0.8
100.0
相談業
施設数
務(人)
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
12
13
14
15
16
17
18
19
20
3
2
59
78
60
58
29
28
25
6
11
1
4
3
2
2
1
2
2
1
377
%
0.8
0.5
15.6
20.7
15.9
15.4
7.7
7.4
6.6
1.6
2.9
0.3
1.1
0.8
0.5
0.5
0.3
0.5
0.5
0.3
100.0
事務業
務(人)
施設数
0
1
2
3
4
%
305
49
17
4
2
80.9
13.0
4.5
1.1
0.5
377
100.0
データ処
理等の
施設数
業務
(人)
0
1
2
3
4
%
344
26
6
0
1
91.2
6.9
1.6
0.0
0.3
377
100.0
その他
の業務
(人)
施設数
0
1
2
3
4
5
%
335
27
7
2
5
1
88.9
7.2
1.9
0.5
1.3
0.3
377
100.0
注1) 現況報告(H21年10月末提出(別紙27))より作成。
注2) 相談支援センタースタッフ数「0」となっている3施設のうち、2施設はみなし拠点だったため報告がなされていなかった国立がんセンター(中央、東)とスタッフの
役割の記入がなかった1施設(スタッフは4名記載)を欠損値として扱ったため。
67
172
図1. 拠点病院種別のスタッフ数(専従)
合計
(n=377)
0人
1人
2人
図3. 病院種別のスタッフ数(専従)
一般総合
(n=253)
3人 4人
0人
1人
2人
3人4人
0人
0人
1人
都道府県
(n=51)
1人
大学病院
(n=77)
2人
2人
3人
地域
(n=309)
3人
がんセンター/
成人病センター
(n=31)
4人以上
0%
20%
40%
60%
80%
100%
0%
1人
2人
3人
20%
40%
60%
80%
100%
図4. 病院種別のスタッフ数(専従と専任合計)
図2. 拠点病院種別のスタッフ数(専従と専任合計)
合計
(n=377)
4人以上
一般総合
1人
(n=253)
4人
2人
3人
4人
0人
0人
1人
都道府県
(n=51)
1人
大学病院
(n=77)
2人
2人
3人
地域
(n=309)
3人
がんセンター/
成人病センター
(n=31)
4人以上
0%
20%
40%
60%
80%
100%
4人以上
0%
68
173
20%
40%
60%
80%
100%
表5. 一施設あたりの相談件数の推移と内訳 (現況報告および医療水準調査の結果から)
相談対応件数(件/2ヵ月)
(現況報告より)
H20年度(n=359)
H22年度施設数
相談件数
対面
電話
Fax
メール
病院種別
がんセンター/成人病センター
31
77
大学病院
269
一般総合病院
拠点病院種別
51
都道府県がん診療連携拠点病院
324
地域がん診療連携拠点病院
2
みなし拠点病院(国立がんセンター)
相談対応件数(件/1週間)
(医療水準調査より)
平均
±
SD
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
H19年度(n=316)
一施設あたり平均(枚/週)
病院種別
がんセンター/成人病センター
大学病院
一般総合病院
拠点病院種別
都道府県がん診療連携拠点病院
地域がん診療連携拠点病院
みなし拠点病院(国立がんセンター)
H21年度(n=375)
平均
170.5
93.5
76.5
0.5
0.3
±
±
±
±
±
±
SD
334.1
158.6
207.6
5.1
1.4
平均
203.6
121.3
82.2
0.8
0.2
±
±
±
±
±
±
SD
318.5
166
183.9
8.2
1.1
708.1
170.5
109.6
±
±
±
755.6
322.1
164.8
775.0
197.1
140.5
±
±
±
754.9
197.3
161
434.4
128.2
-
±
±
652.9
221.2
-
436.9
158.5
1797.0
±
±
±
612.4
177.6
895.2
H20年度(n=358)
H21年度(n=362)
平均
20.2
±
±
SD
39.0
平均
21.4
±
±
SD
38.5
平均
23.1
±
±
SD
32.6
82.5
16.3
12.6
±
±
±
95.9
17.0
15.2
89.0
22.4
13.7
±
±
±
106.4
20.6
15.7
82.2
23.4
16.8
±
±
±
81.3
18.9
16.7
50.8
13.8
123.5
±
±
±
79.9
16.3
153.4
50.4
15.9
143.0
±
±
±
85.2
18.4
182.4
49.8
18.5
143.5
±
±
±
63.7
18.6
160.5
注1) 比較のため、H22年度拠点病院のリストをもとに、H19年度、H20年度分の相談件数を算出した。
そのため、その年度の拠点病院数と表中の対象病院数は一致しない。
注2) 現況報告(H21年10月末提出)および医療水準調査(H19,20,21年度)より作成。
表6. 相談件数物の施設分布
H20年度
%
(n=359)
H21年度
(n=375)
%
0-40件未満
134
37.3
86
22.9
40-80件未満
73
20.3
78
20.8
80-160件未満
59
16.4
71
18.9
160-240件未満
32
8.9
49
13.1
240-320件未満
9
2.5
26
6.9
320-400件未満
14
3.9
19
5.1
400件以上
38
10.6
46
12.3
100.0
69
174
100.0
表7.相談件数の院内・院外の利用者別の内訳
H19年度(n=353)
枚
6393
4829
1197
182
185
相談件数(合計)
院内
院外
その他
不明
H20年度(n=378)
枚
7669
5797
1449
272
151
%
100.0
75.5
18.7
2.8
2.9
H21年度(n=374)
枚
8377
6534
1476
192
175
%
100.0
75.6
18.9
3.5
2.0
%
100.0
78.0
17.6
2.3
2.1
注) 医療水準調査(H19,20,21年度)より作成。
図5. 院内・院外の利用者別 相談内容内訳
18
院外(入院・通院)
(1476件)
16
14
院内(入院・通院)
(6534件)
12
%
10
8
6
4
2
無回答
不明
その他
患者会・家族会(ピア情報)
人間関係・コミュニケーション
患者家族関係・
コミュニケーション
告知
医療者関係・コミュニケーション
不安・精神的苦痛
補完代替療法
医療費・生活費・社会保障制度
175
社会生活(
仕事・就労・学業)
70
介護・看護・
養育
食事・服薬・
入浴・運動・外出など
症状・副作用・後遺症への対応
ホスピス・緩和ケア
在宅医療
がん予防・検診
医療機関の紹介
転院
受診方法・
入院
治療実績
症状・副作用・後遺症
セカンドオピニオン
がんの検査
がんの治療
0
表8. 相談対応件数から見た活動状況指標において、一定基準以上の指標値となった施設一覧
都道府県 拠点区分
施設名
病床数
新規患者
数
新規がん
患者数
H21年度相談
H19年度 H20年度 H21年度
H20年度 H21年度相
H21年度相 H21年度相 H21年度相 件数の前年
相談記入 相談記入 相談記入
がん患者
談件数
相談件数
シート提出 シート提出 シート提出
談件数/病床 談件数/新規 談件数/がん 度からの増加
割合
(件/2か
(件/2か
数
件数
件数
件数
がん患者数 患者割合
数
月)
月)
(件/2か月)
(件/w)
(件/w)
(件/w)
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j=i/a
k=i/c
l=i/d
m=i-h
50以上 50以上 50以上 400以上 400以上 0.85以上 0.16以上 1700以上
160以上
上位として含めたそれぞれの指標の基準値
56
51
472
554
1.01
550
5999
4242
0.707
39
0.13
783.6
82
国立病院機構 北海道がんセンター
1.34
244
272
6410
3953
0.617 .
25
30
120
364
0.09
590.0
医療法人 恵佑会札幌病院
1322
903
2.01
0.50
4907.6
450
9895
1820
0.184 .
24
22
-419
KKR札幌医療センター
236
547
15537
3174
0.204 .
11
10
35
271
0.50
0.09
1328.4
医療法人 手稲渓仁会病院
53
580
11839
3871
0.327 .
1
16 .
.
.
.
.
社会福祉法人 函館厚生院 函館五稜郭病院
115
705
13055
2976
0.228
29
27
276
240
0.34
0.08
1052.6
-36
青森県立中央病院
303
1166
15727
4310
0.274 .
9
21
73
376
0.32
0.09
1372.3
岩手医科大学附属病院
55
63
78
446
523
2410.1
685
15937
3453
0.217
0.76
0.15
77
岩手県立中央病院
66
434
5344
1161
0.217
2
25
19
30
0.07
0.03
138.2
11
岩手県立中部病院
93
74
74
689
799
2.09
0.18
383
4951
4330
0.875
913.1
110
宮城県立がんセンター
0.24
493
5793
804
0.139 .
6
7
124
196
0.40
1410.1
72
大館市立総合病院
92
64
1124
505
1.17
0.17
1829.7
430
10626
2938
0.276
22
-619
脳神経疾患研究所附属 総合南東北病院
436
419
0.98
0.24
426
5910
1724
0.292
16
15
44
1434.9
-17
労働者健康福祉機構 福島労災病院
252
500
8538
3383
0.396
3
10
9
35
287
0.57
0.08
724.7
茨城県立中央病院
62
437
0.17
1707.0
251
(株)日立製作所 日立総合病院
561
9829
2513
0.256
29
18
186
0.78
2299.4
1001
15731
2631
0.167
23
41
39
326
384
0.38
0.15
58
JA茨城県厚生連 総合病院 土浦協同病院
178
800
12758
3864
0.303
36
29
26
56
234
0.29
0.06
772.3
筑波大学附属病院
114
79
108
759
903
2.79
0.21
324
4586
4276
0.932
968.9
144
栃木県立がんセンター
552
452
1738.5
22358
5818
0.260
12
7
7
0.40
0.08
-100
1130
自治医科大学附属病院
1869.6
592
12201
2520
0.207 .
27
24
358
387
0.65
0.15
29
前橋赤十字病院
417
0.86
0.39
2443.0
451
6280
992
0.158
13
17
34
386
-31
国立病院機構 高崎総合医療センター
161
524
12585
3500
0.278
17
13
22
19
180
0.34
0.05
647.5
伊勢崎市民病院
54
101
108
697
645
1.94
0.16
332
4326
3950
0.913
706.5
-52
群馬県立がんセンター
194
230
153
2285
2248
5.62
0.29
2368.8
400
8261
7840
0.949
-37
埼玉県立がんセンター
414
0.18
350
4150
1121
0.270
36
33
40
201
0.57
744.4
-213
春日部市立病院
59
65
64
417
506
600
6854
3719
0.543
0.84
0.14
931.9
89
埼玉医科大学国際医療センター
99
127
1334
867
2.54
341
6614
6151
0.930
49
0.14
932.3
-467
千葉県がんセンター
57
58
535
477
835
14355
5867
0.409
47
58
0.64
0.09
1308.1
千葉大学医学部附属病院
265
446
10162
2172
0.214
5
13
14
24
289
0.65
0.13
1350.5
船橋市立医療センター
83
87
653
13882
2643
0.190
15
238
258
0.40
0.10
1357.9
20
順天堂大学医学部附属 順天堂浦安病院
51
230
624
11932
2530
0.212
1
32
52
282
0.45
0.11
1330.2
東京慈恵会医科大学附属柏病院
50
725
484
2132.2
956
18686
4249
0.227
7
5
0.51
0.11
-241
総合病院 国保 旭中央病院
166 .
969
1444
2.06
475
700
13853
11889
0.858
.
0.12
1683.0
癌研究会 有明病院
313
178
65
3186
2580
3.22
0.30
4154.6
801
13653
8475
0.621
-606
東京都立 駒込病院
175
1065
17281
5322
0.308
1
24
36
39
214
0.20
0.04
694.8
日本医科大学付属病院
434
2106.8
320
520
16206
3346
0.206
26
32
39
114
0.83
0.13
聖路加国際病院
122
107
117
935
884
1.33
0.17
2638.8
665
15923
5342
0.335
-51
NTT東日本 関東病院
87
67
738
3049.6
621
1423
23732
5748
0.242
37
117
0.52
0.13
東京女子医科大学病院
50
78
71
476
3243
0.191
274
0.24
0.08
1434.6
-202
16989
1154
帝京大学医学部附属病院
78
621
12947
2861
0.221
28
15
57
35
0.06
0.01
158.4
-22
東京医科大学八王子医療センター
671
1.10
0.19
3321.8
308
611
17479
3530
0.202
17
14
23
363
日本赤十字社東京都支部 武蔵野赤十字病院
2264.5
175
1153
21208
3284
0.155
10
40
14
176
351
0.30
0.11
杏林大学医学部付属病院
97
201
218
1226
1697
4.09
0.27
1848.6
471
415
6921
6354
0.918
神奈川県立がんセンター
636
677
1.09
0.17
1962.3
623
11789
4069
0.345
25
28
39
41
横浜市立大学附属病院
54 .
2607
1208
21078
5680
0.269
40
113
0.09
0.02
420.1
-2494
聖マリアンナ医科大学病院
589
749
1.69
0.82
3008.0
160
443
3661
912
0.249
3
15
1
川崎市立 井田病院
53
62
804
21293
7172
0.337
47
384
368
0.46
0.05
1092.0
-16
東海大学医学部付属病院
112
96
81
811
400
500
11095
9506
0.857
0.80
0.04
466.7
-411
新潟県立がんセンター 新潟病院
0.21
2514.9
335
810
12001
1607
0.134
1
16
30
2
337
0.42
新潟大学医歯学総合病院
546
1814.0
178
832
12548
3771
0.301
25
45
32
368
0.66
0.14
金沢大学医学部附属病院
53
527
0.30
2994.3
190
650
10008
1766
0.176
29
26
337
0.81
国立病院機構 金沢医療センター
1801.4
835
13107
1851
0.141
4
24
40
159
254
0.30
0.14
95
金沢医科大学病院
442
1.21
0.32
1796.7
364
5563
1370
0.246
16
34
35
314
128
国民健康保険 小松市民病院
74
92
616
12144
2726
0.224
9
15
38
0.06
0.01
169.6
23
福井赤十字病院
203
600
9049
2322
0.257
11
10
15
39
242
0.40
0.10
941.6
福井大学医学部附属病院
0.89
400
7488
2382
0.318
21
26
25
350
356
0.15
1119.5
6
長野市民病院
570
606
11392
3575
0.314
4
26
10
92
0.15
0.03
293.0
-478
岐阜大学医学部附属病院
175
609
12308
2691
0.219
2
4
8
15
190
0.31
0.07
867.6
岐阜市民病院
400
455
329
1982
2048
3.60
0.17
2185.7
569
12584
11791
0.937
66
静岡県立 静岡がんセンター
288
670
14613
5641
0.386
3
8
19
49
337
0.50
0.06
873.1
静岡県立総合病院
80
66
465
546
0.20
3016.6
874
15258
2758
0.181
44
0.62
81
聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院
58
80
532
744
19499
3971
0.204
42
345
0.46
0.09
1691.2
-187
聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷浜松病院
184
606
12639
2181
0.173
1
10
19
32
216
0.36
0.10
1248.6
県西部浜松医療センター
56
59
77
609
677
1.35
9463
1.000
0.07
677.0
68
9463
500
愛知県がんセンター中央病院
494
804
13057
4106
0.314
6
13
22
293
0.36
0.07
933.1
-201
国立病院機構 名古屋医療センター
923
0.89
2848.8
802
1035
18311
5924
0.324
23
21
47
121
0.16
名古屋大学医学部附属病院
403
0.17
2442.4
245
716
14027
2316
0.165
24
23
37
158
0.56
公立 陶生病院
475
0.27
3417.3
606
12897
1792
0.139
13
28
39
374
0.78
101
愛知県厚生農業協同組合連合会豊田厚生病院
70
607
1944.2
655
13721
2709
0.197
32
40
383
0.58
0.14
-224
山田赤十字病院
82
101
106
832
637
1.27
500
8780
6868
0.782
0.09
814.6
-195
大阪府立成人病センター
646
947
1.01
0.22
3418.8
301
935
15559
4310
0.277 .
6
18
大阪医科大学附属病院
709
1.36
0.27
2695.8
616
520
9971
2618
0.263
13
1
36
93
国立病院機構 大阪南医療センター
82
423
734
16887
4577
0.271
8
34
337
0.46
0.07
1243.5
-86
労働者健康福祉機構 大阪労災病院
1.59
0.30
2578.9
629
400
8508
2102
0.247
3
7
47
8
637
市立岸和田市民病院
0.88
400
6568
5211
0.793
45
39
12
438
352
0.07
443.9
-86
兵庫県立がんセンター
73
58
60
1006
18706
3813
0.204
34
124
0.12
0.03
607.8
90
兵庫医科大学病院
64
413
0.17
2269.2
198
509
13027
2368
0.182
34
23
215
0.81
姫路赤十字病院
0.99
0.29
146
2289
503
0.220 .
20
9
49
144
654.5
95
兵庫県立 柏原病院
0.35
316
4853
410
0.085
1
3
1
133
144
0.46
1694.1
11
国立病院機構 南和歌山医療センター
0.90
0.17
383
431
8449
2345
0.278
1.
16
7
390
1402.9
鳥取県立中央病院
1.02
0.29
2045.5
354
6974
1227
0.176
9
30
40
259
360
101
鳥取市立病院
59
616
9567
3031
0.317
26
11
77
34
0.06
0.01
107.3
-43
島根大学医学部附属病院
67
1135
30666
6895
0.225
33
32
222
184
0.16
0.03
817.8
-38
倉敷中央病院
401
1927.9
251
721
12398
2579
0.208
26
31
20
150
0.56
0.16
県立広島病院
1927.9
251
721
12398
2579
0.208
26
31
20
150
401
0.56
0.16
県立広島病院
470
2196.3
743
19661
4199
0.214
47
43
28
364
0.63
0.11
106
広島市立 広島市民病院
54
100
129
856
1.33
0.24
2770.2
522
646
11529
3558
0.309
334
広島赤十字・原爆病院
407
710
10737
3936
0.367
1
3
4
144
0.20
0.04
392.4
-263
徳島大学病院
136
191 .
1530
1620
4.00
0.23
405
7075
7004
0.990
1636.4
90
国立病院機構 四国がんセンター
1.33
0.37
171
3581
621
0.173
3
5
3
102
228
1317.9
126
済生会 今治病院
171
632
11944
4028
0.337
8
25
11
94
265
0.42
0.07
786.4
高知県・高知市病院企業団立 高知医療センター
122
129
149
596
408
0.99
411
5415
4781
0.883
0.09
462.1
-188
国立病院機構 九州がんセンター
53
380
9166
1776
0.194
31
48
291
51
0.13
0.03
262.9
-240
福岡県済生会福岡総合病院
171
915
14395
2231
0.155
1
17
23
1
172
0.19
0.08
1109.7
福岡大学病院
0.17
254
3629
796
0.219
22
1
6
128
133
0.52
607.3
5
長崎県立 島原病院
0.16
274
3495
677
0.194 .
1
11
21
111
0.41
572.2
90
荒尾市民病院
1.03
0.20
375
366
6501
1937
0.298
8
14
18
3
378
1268.5
国立病院機構 鹿児島医療センター
0.17
175
2143
651
0.304
8
6
17
33
111
0.63
365.1
78
鹿児島県立 薩南病院
4.05
0.19
2430.0 .
600
12695
12695
1.000
232
270
257 .
2430
国立がんセンター 中央病院
2.74
425
8549
8549
1.000
15
14
30 .
1164
0.14
1164.0 .
国立がんセンター 東病院
601.3
11135
2817
0.264
20.2
21.4
23.1
170.5
203.6
全国の平均値
6393
7669
8377
61217
76370
合計
注1) H19,20,21年度相談記入シート(e,f,g)およびH20、21年度相談件数(h,i)については、10件/日以上を上位の基準とした。
注2) H21年度相談件数/病床数(j)、 H21年度相談件数/新規がん患者数(k)、H21年度相談件数/がん患者割合(l)、H21年度相談件数の前年度からの増加数(件/2か月)(m)は、全拠点病院の上位の約10%に入る数値を基
準とした。
北海道
北海道
北海道
北海道
北海道
青森県
岩手県
岩手県
岩手県
宮城県
秋田県
福島県
福島県
茨城県
茨城県
茨城県
茨城県
栃木県
栃木県
群馬県
群馬県
群馬県
群馬県
埼玉県
埼玉県
埼玉県
千葉県
千葉県
千葉県
千葉県
千葉県
千葉県
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
東京都
神奈川県
神奈川県
神奈川県
神奈川県
神奈川県
新潟県
新潟県
石川県
石川県
石川県
石川県
福井県
福井県
長野県
岐阜県
岐阜県
静岡県
静岡県
静岡県
静岡県
静岡県
愛知県
愛知県
愛知県
愛知県
愛知県
三重県
大阪府
大阪府
大阪府
大阪府
大阪府
兵庫県
兵庫県
兵庫県
兵庫県
和歌山県
鳥取県
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
広島県
広島県
広島県
徳島県
愛媛県
愛媛県
高知県
福岡県
福岡県
福岡県
長崎県
熊本県
鹿児島県
鹿児島県
東京都
千葉県
都道府県
地域
地域
地域
地域
都道府県
都道府県
地域
地域
都道府県
地域
地域
地域
都道府県
地域
地域
地域
都道府県
地域
地域
地域
地域
地域
都道府県
地域
地域
都道府県
地域
地域
地域
地域
地域
都道府県
都道府県
地域
地域
地域
地域
地域
地域
地域
地域
都道府県
地域
地域
地域
地域
都道府県
地域
都道府県
地域
地域
地域
地域
地域
地域
都道府県
地域
都道府県
地域
地域
地域
地域
都道府県
地域
地域
地域
地域
地域
都道府県
地域
地域
地域
地域
都道府県
地域
地域
地域
地域
地域
地域
都道府県
地域
地域
地域
地域
地域
地域
都道府県
地域
地域
都道府県
地域
地域
地域
地域
地域
地域
国立がん
国立がん
71
176
表9.H19, 20, 21年度の相談記入シート提出件数より算出した院外相談件数 (H19, 20, 21年度いずれかで上位10位まで、全国院外相談割合1%以上の施設)
都道府県
拠点区分
北海道
北海道
宮城県
茨城県
茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
東京都
東京都
東京都
神奈川県
静岡県
静岡県
愛知県
京都府
大阪府
大阪府
大阪府
大阪府
兵庫県
奈良県
広島県
広島県
愛媛県
福岡県
福岡県
熊本県
東京都
都道府県
地域
都道府県
地域
地域
都道府県
地域
都道府県
都道府県
都道府県
都道府県
地域
地域
都道府県
都道府県
地域
都道府県
都道府県
都道府県
地域
地域
地域
都道府県
地域
都道府県
地域
都道府県
都道府県
地域
地域
みなし
病院名称
施設数
国立病院機構 北海道がんセンター
カレス アライアンス 日鋼記念病院
宮城県立がんセンター
JA茨城県厚生連 総合病院 土浦協同病院
筑波メディカルセンター病院
栃木県立がんセンター
群馬県立がんセンター
埼玉県立がんセンター
千葉県がんセンター
癌研究会 有明病院
東京都立 駒込病院
聖路加国際病院
NTT東日本 関東病院
神奈川県立がんセンター
静岡県立 静岡がんセンター
聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院
愛知県がんセンター中央病院
京都府立医科大学附属病院
大阪府立成人病センター
大阪市立総合医療センター
高槻赤十字病院
市立岸和田市民病院
兵庫県立がんセンター
国保中央病院
広島大学病院
県立広島病院
国立病院機構 四国がんセンター
国立病院機構 九州がんセンター
福岡県済生会福岡総合病院
済生会 熊本病院
国立がんセンター 中央病院
院外相談件数合計
上位10施設の全国の院外相談合計
全国の院外相談に占める割合が1%以上の施設の合計
H19年度
院外
相談シート数
(件/週)
21
13
10
13
12
23
12
18
38
28
54
13
16
40
106
13
28
4
13
2
13
3
20
18
25
12
25
29
23
19
86
316
10
27
H19年度の
H19年度
全国院外相談
院外相談シート
に占める割合
/院内全シート(%)
(%)
施設数
1.76
1.09
0.84
1.09
1.01
1.93
1.01
1.51
3.18
2.35
4.52
1.09
1.34
3.35
8.88
1.09
2.35
0.34
1.09
0.17
1.09
0.25
1.68
1.51
2.09
1.01
2.09
2.43
1.93
1.59
7.20
37.5
68.4
10.8
56.5
38.7
20.2
22.2
9.3
38.4
16.9
17.3
50.0
13.1
41.2
26.5
29.5
50.0
100.0
15.9
15.4
100.0
100.0
44.4
90.0
83.3
46.2
18.4
23.8
74.2
47.5
37.1
1197
459
731
100.0
38.4
61.2
177
H20年度
院外
相談シート数
(件/週)
23
10
22
15
10
18
18
37
18
.
21
17
5
66
123
13
19
11
29
23
13
5
18
23
29
5
1
30
49
16
94
358
11
21
1449
526
708
H20年度
院外相談シート
/院内全シート
(%)
45.1
38.5
29.7
36.6
40.0
22.8
17.8
16.1
36.7
.
11.8
53.1
4.7
32.8
27.0
16.3
32.2
64.7
28.7
53.5
61.9
71.4
46.2
88.5
80.6
16.1
0.5
23.3
92.5
57.1
34.8
H20年度の
全国院外相談
に占める割合
(%)
施設数
1.59
0.69
1.52
1.04
0.69
1.24
1.24
2.55
1.24
.
1.45
1.17
0.35
4.55
8.49
0.90
1.31
0.76
2.00
1.59
0.90
0.35
1.24
1.59
2.00
0.35
0.07
2.07
3.38
1.10
6.49
100.0
36.3
48.9
H21年度
院外
相談シート数
(件/週)
10
13
16
9
8
19
32
33
36
.
5
19
10
68
70
22
29
19
37
17
8
18
3
17
.
11
.
24
42
15
86
362
10
19
1479
457
619
H21年度の
H21年度
院外相談シート 全国院外相談
/院内全シート に占める割合
(%)
(%)
25.6
61.9
21.6
23.1
32.0
17.6
29.6
21.6
28.3
.
7.7
48.7
8.5
31.2
21.3
33.3
37.7
70.4
34.9
39.5
80.0
38.3
25.0
73.9
.
55.0
.
16.1
87.5
71.4
33.5
0.68
0.88
1.08
0.61
0.54
1.29
2.17
2.24
2.44
.
0.34
1.29
0.68
4.61
4.74
1.49
1.96
1.29
2.51
1.15
0.54
1.22
0.20
1.15
.
0.75
.
1.63
2.85
1.02
5.83
100.0
31.0
41.9
表 10. 都 道 府 県 別 の 年 間 相 談 対 応 件 数 と 推 定 罹 患 数 お よ び 院 内 が ん 登 録 数 に 占 め る 相 談 対 応 件 数 の 割 合
2009年
1)
推定人口
2008年がん死亡数2)
2008年院内がん登録集計3)
4)
現況報告(2008,2009年度)
H21年度相談件数を
H21年度 人口10万人あたりの
元にした年間相談件
相談件数 相談支援センタースタッフ数
数
(人)
(件/2ヶ月)
(件/年)
m
o=m×6
n=(j/a)×105
推定院内相談件数
(8割が院内相談と
仮定)
(件/年)
p=o×0.8
推定院外相談件数 推定罹患数に占める 院内がん登録件数に
(2割が院外相談と 年間相談件数(H21年 占める年間院内の相
仮定)
度)の割合 談件数(H21年度)の
(%)
(件/年)
割合(%)
q=o×0.2
r=(o/e)×100
s=(p/h)×100
a
b
c
d=b+c
e=d×2
f
g
h=f+g
i
H21年度
相談支援
センタースタッフ数
(人)
j
k
l
5,535
10,074
6,776
16,850
33,700
10,068
8,192
18,260
19
101
88
3,159
3,266
1.8
19,596
15,677
3,919
58.1
青森県
1,392
2,766
1,880
4,646
9,292
2,581
1,875
4,456
5
13
12
324
448
0.9
2,688
2,150
538
28.9
48.3
2,431
1,628
4,059
8,118
3,261
2,439
5,700
9
49
42
824
1,259
3.6
7,554
6,043
1,511
93.1
106.0
84.1
都道府県 人口(千人)
北海道
男性
(人)
女性
(人)
男女計
(人)
推定罹患数
(死亡数×2)
(人)
男性
(人)
女性
(人)
男女計
(人)
H22年度
拠点数
(施設)
H21年度
相談員数
(人)
H20年度
相談件数
(件/2ヶ月)
85.9
岩手県
1,352
宮城県
2,340
3,744
2,473
6,217
12,434
5,640
4,102
9,742
7
53
53
1,398
1,707
2.3
10,242
8,194
2,048
82.4
秋田県
1,108
2,365
1,564
3,929
7,858
3,583
2,430
6,013
8
43
34
434
554
3.9
3,324
2,659
665
42.3
44.2
山形県
1,188
2,312
1,640
3,952
7,904
3,349
2,459
5,808
6
29
28
227
343
2.4
2,058
1,646
412
26.0
28.3
福島県
1.2
7,758
65.1
77.1
茨城県
2,964
2,052
4,975
3,013
7,988
15,976
4,275
2,503
6,778
8
31
28
1,123
1,885
1.0
11,310
9,048
2,262
70.8
133.5
3,115
3,587
2,133
2,369
5,248
5,956
10,496
11,912
5,326
4,643
4,014
3,411
9,340
8,054
6
8
34
25
32
25
1,472
1,847
1,562
1,293
1.7
9,372
7,498
6,206
1,874
1,552
89.3
80.3
栃木県
2,011
群馬県
2,012
3,295
2,125
5,420
10,840
5,932
4,285
10,217
9
66
59
1,886
2,057
3.3
12,342
9,874
2,468
113.9
96.6
埼玉県
7,113
10,198
6,183
16,381
32,762
7,530
5,984
13,514
11
66
58
3,283
3,271
0.9
19,626
15,701
3,925
59.9
116.2
千葉県
6,122
8,925
5,477
14,402
28,804
13,110
9,163
22,273
14
59
57
3,152
4,924
1.0
29,544
23,635
5,909
102.6
106.1
東京都
12,838
18,749
12,578
31,327
62,654
21,660
18,286
39,946
17
143
125
6,745
10,856
1.1
65,136
52,109
13,027
104.0
130.4
12,690
7,885
神奈川県
8,917
20,575
41,150
10,223
7,882
18,105
12
80
69
6,053
4,310
0.9
25,860
20,688
5,172
62.8
114.3
新潟県
2,391
4,445
2,977
7,422
14,844
6,279
4,244
10,523
9
36
33
1,180
1,441
1.5
8,646
6,917
1,729
58.2
65.7
富山県
1,101
2,023
1,443
3,466
6,932
3,805
2,816
6,621
8
26
26
262
272
2.4
1,632
1,306
326
23.5
19.7
石川県
1,168
1,916
1,372
3,288
6,576
2,892
2,106
4,998
5
29
24
1,233
1,854
2.5
11,124
8,899
2,225
169.2
178.1
福井県
812
1,368
988
2,356
4,712
2,665
1,927
4,592
5
53
51
254
650
6.5
3,900
3,120
780
82.8
67.9
山梨県
871
1,520
942
2,462
4,924
1,716
1,398
3,114
3
16
16
456
601
1.8
3,606
2,885
721
73.2
92.6
長野県
2,171
3,618
2,518
6,136
12,272
4,126
3,198
8
45
38
824
2.1
岐阜県
2,100
3,325
2,268
5,593
11,186
4,549
3,259
7,808
7
68
55
964
735
3.2
4,410
3,528
882
39.4
45.2
静岡県
3,800
6,033
3,851
9,884
19,768
8,777
6,468
15,245
11
72
63
3,502
4,206
1.9
25,236
20,189
5,047
127.7
132.4
愛知県
7,403
10,492
6,557
17,049
34,098
10,975
8,221
19,196
15
112
104
2,379
4,303
1.5
25,818
20,654
5,164
75.7
107.6
三重県
1,875
3,035
1,890
4,925
9,850
2,518
2,092
4,610
6
39
37
953
1,017
2.1
6,102
4,882
1,220
61.9
105.9
滋賀県
1,402
7,324
2,795
643
4,944
1,866
3,955
989
40.3
54.0
1,957
1,325
3,282
6,564
1,637
1,158
6
45
40
176
311
3.2
1,493
373
28.4
京都府
2,629
4,232
2,944
7,176
14,352
4,084
3,032
7,116
9
58
44
1,033
883
2.2
5,298
4,238
1,060
36.9
59.6
大阪府
8,806
14,619
9,380
23,999
47,998
10,821
8,299
19,120
15
86
74
2,741
4,758
1.0
28,548
22,838
5,710
59.5
119.4
53.4
兵庫県
5,586
9,145
6,115
15,260
30,520
8,955
6,285
15,240
12
92
82
1,745
2,080
1.6
12,480
9,984
2,496
40.9
65.5
奈良県
1,404
2,294
1,521
3,815
7,630
3,433
2,441
5,874
5
17
17
177
245
1.2
1,470
1,176
294
19.3
20.0
和歌山県
1,012
340
431
2,069
517
40.0
41.6
鳥取県
595
1,144
833
1,977
3,954
1,650
1,305
2,955
5
30
24
470
1,010
5.0
6,060
4,848
1,212
153.3
164.1
島根県
725
1,491
1,944
1,054
1,290
2,545
3,234
5,090
6,468
2,876
2,904
2,112
2,071
4,988
4,975
5
6
27
29
23
24
358
257
3.7
2.9
1,542
2,586
1,234
308
30.3
24.7
岡山県
1,948
3,145
2,099
5,244
10,488
6,070
4,299
10,369
7
41
40
642
862
2.1
5,172
4,138
1,034
49.3
39.9
広島県
2,869
4,774
3,220
7,994
15,988
6,724
5,470
12,194
11
36
34
1,619
2,722
1.3
16,332
13,066
3,266
102.2
107.1
山口県
1,463
2,810
1,861
4,671
9,342
3,182
2,383
5,565
7
33
30
738
854
2.3
5,124
4,099
1,025
54.8
73.7
徳島県
794
1,387
970
2,357
4,714
1,799
1,297
3,096
4
36
35
545
266
4.5
1,596
1,277
319
33.9
41.2
香川県
1,003
2,942
5,884
2,422
1,748
4,170
5
29
27
143
91
2.9
546
437
109
9.3
10.5
愛媛県
1,444
2,488
1,744
4,232
8,464
4,421
3,477
7,898
7
43
37
2,081
2,153
3.0
12,918
10,334
2,584
152.6
130.8
高知県
773
1,492
1,764
1,051
1,178
2,543
5,086
1,800
1,453
3,253
3
18
18
347
522
2.3
3,132
2,506
626
61.6
77.0
福岡県
5,054
8,348
5,980
14,328
28,656
12,373
10,119
22,492
15
66
61
1,799
1,506
1.3
9,036
7,229
1,807
31.5
32.1
佐賀県
856
1,565
1,159
2,724
5,448
2,237
1,619
3,856
4
18
16
267
493
2.1
2,958
2,366
592
54.3
61.4
長崎県
1,440
2,730
2,017
4,747
9,494
3,673
2,915
6,588
6
24
20
882
948
1.7
5,688
4,550
1,138
59.9
69.1
5,162
10,324
4,821
4,041
8,862
750
1,004
58.3
熊本県
8
31
31
1.7
6,024
4,819
1,205
大分県
1,200
2,062
1,468
3,530
7,060
2,213
1,950
4,163
6
25
20
134
304
2.1
1,824
1,459
365
25.8
35.1
宮崎県
1,136
1,821
2,040
2,965
1,365
2,197
3,405
6,810
1,563
1,149
2,712
3
9
9
152
166
0.8
996
797
199
14.6
29.4
54.4
鹿児島県
1,717
3,077
2,191
5,268
10,536
2,082
1,411
3,493
7
25
21
246
802
1.5
4,812
3,850
962
45.7
110.2
沖縄県
1,376
1,631
1,086
2,717
5,434
1,337
1,435
2,772
3
11
10
79
64
0.8
384
307
77
7.1
11.1
127,692
206,354
136,609
342,963
685,366
242,560
184,223
426,783
375
2,117
1,894
61,217
76,370
1.7
458,220
366,576
91,644
66.9
85.9
計
1) H21年の推定人口:資料 総務省統計局統計調査部国勢統計課「国勢調査報告」「人口推計年報」H21年推計人口.
2) 2008年度 都道府県別、性別悪性新生物死亡率(人口10万対)全がん死亡数(人口動態統計による都道府県別がん死亡データ), 国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービス
3) がん診療連携拠点病院 院内がん登録 2008 年症例 全国集計平成21(2009)年度実施調査報告(概数・速報版),国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービス。院内および院外の相談件数の割合は、同調査結果に基づき推定値を算出。
注1)国立がん研究センター中央病院(東京都)および東病院(千葉県)は、みなし拠点病院であったため、H20年度現況報告結果に含まれていない。
178
H20年度
相談件数(件/2ヶ月)
H21年度
相談件数(件/2ヶ月)
12000
10000
8000
鹿児島県
沖縄県
宮崎県
大分県
長崎県
熊本県
福岡県
佐賀県
高知県
愛媛県
徳島県
香川県
山口県
岡山県
広島県
島根県
和歌山県
鳥取県
奈良県
大阪府
兵庫県
179
滋賀県
京都府
三重県
静岡県
愛知県
岐阜県
長野県
山梨県
福井県
石川県
新潟県
富山県
神奈川県
千葉県
東京都
埼玉県
栃木県
群馬県
茨城県
山形県
福島県
宮城県
秋田県
岩手県
青森県
北海道
0
図6. 都道府県別
2ヵ月分相談件数(H20年度、H21年度)
件
6000
4000
2000
図7. 都道府県別
推定罹患数および院内がん登録件数に占める相談件数の割合
200
推定罹患数に占める年間相談件数(H21年度)の割合(%)
180
院内がん登録数に占める年間院内の相談件数(H21年度)の割合(%)
160
140
120
% 100
80
60
40
20
沖縄県
鹿児島県
大分県
宮崎県
熊本県
長崎県
佐賀県
福岡県
高知県
香川県
愛媛県
徳島県
広島県
山口県
島根県
岡山県
鳥取県
奈良県
和歌山県
大阪府
兵庫県
滋賀県
180
京都府
愛知県
三重県
静岡県
岐阜県
長野県
福井県
山梨県
石川県
新潟県
富山県
東京都
神奈川県
埼玉県
千葉県
群馬県
栃木県
茨城県
福島県
山形県
宮城県
秋田県
岩手県
北海道
青森県
0
図8.相談支援センターの発展の経緯と
相談支援機能と連携調節機能の業務割合
(相談支援機能の占める割合)
0%
20%
拠点病院指定で
新規窓口として設置 7施設
n=106
既存部門からの発展
n=257
21
44
0~5割未満
40%
60%
33
34
96
5割
80%
6~7割
73
8~9割
100%
7 4
29 1 14
10割
無回答
181
表11.相談件数と施設状況(医療水準調査項目)との関連 (1/5)
H20年度相談件 H21年度相談件 H20からH21年
数
数
度の増加件数
(件/2ヵ月)
(件/2ヵ月)
(H21ーH20)
H21年度10月末提出現況報告
病院背景
相談支援センタースタッフ
20件以上/週の
増加あり(H20H19)
20件以上/週の
増加あり(H21H20)
20件以上/週の
増加あり(H21H19)
H19
院外相談件数/
全相談件数
H20
院外相談件数/
全相談件数
H21
院外相談件数/
全相談件数
0.14 **
0.16
0.09
0.04
0.15 **
0.17 **
0.15 **
0.06
0.13
-0.10
-0.13
-0.05
0.17 **
0.23 ***
0.11 *
0.11
0.18 ***
0.23 ***
0.13 *
0.06
0.13 *
-0.06
-0.14
-0.04
年間新入院がん患者数(H20年1~12月)
0.39 ***
0.46 ***
0.09
0.36 ***
0.40 ***
0.38 ***
0.19 ***
0.15 **
0.13 *
0.09
0.16
0.18 *
年間新入院患者に占めるがん患者の割合
0.31 ***
0.37 ***
0.04
0.32 ***
0.33 ***
0.26 ***
0.11
0.12 *
0.00
0.08
0.22 *
0.19 *
年間外来がん患者数
0.29 ***
0.33 ***
0.08
0.30 ***
0.34 ***
0.30 ***
0.14 *
0.06
0.07
0.26 *
年間院内がん死亡数
0.26 ***
0.30 ***
0.06
0.22 ***
0.22 ***
0.22 ***
0.06
0.08
0.05
0.14
0.14
0.07
-0.01
0.04
相談支援センター全スタッフ数(人)
0.24 ***
0.27 ***
0.09
0.11 *
0.13 *
0.18 ***
0.10
0.13 *
0.09
-0.09
-0.07
0.01
相談員数(人)
0.23 ***
0.25 ***
0.09
0.09
0.13 *
0.20 ***
0.07
0.17 **
0.12 *
-0.08
-0.04
0.02
事務員数(人)
0.07
0.09
-0.01
0.06
0.07
0.04
0.13 *
-0.05
-0.01
0.07
0.15
0.11
専従人数(人)
0.28 ***
0.30 ***
0.22 ***
0.24 ***
0.21 ***
0.11
-0.01
-0.03
0.14
0.21 *
専任人数(人)
-0.05
兼任人数(人)
0.03
専従+専任人数(人)
0.24 ***
0.28 ***
都道府県拠点病院(他の2分類と比較して)
国立がんセンター(他の2分類と比較して)
がんセンター /成人病センター(他の2分類と比較して)
大学病院(他の2分類と比較して)
一般総合病院(他の2分類と比較して)
研修修了者数
H21年度
シート数
病床数
地域拠点病院(他の2分類と比較して)
病院種別
H20年度
シート数
年間新入院患者数(H20年1~12月)
相談業務に当たる就業時間(時間)
拠点病院種別
H19年度
シート数
0.02
0.18
0.04
-0.04
-0.05
-0.05
0.02
0.09
0.10
-0.19
-0.16
0.01
0.08
0.11 *
-0.03
-0.03
0.04
-0.06
0.07
0.04
-0.09
-0.12
-0.03
0.26 ***
0.02
0.19 ***
0.21 ***
0.21 ***
0.18 **
0.08
0.09
-0.03
0.08
0.13
0.31 ***
0.08
0.15 **
0.18 ***
0.24 ***
0.10
0.16 **
0.12 *
-0.03
0.01
0.07
0.23 ***
0.19 ***
0.01
0.19 ***
0.23 ***
0.22 ***
0.12 *
0.16 **
0.11
0.13
0.16
0.26 **
-0.23 ***
-0.21 ***
-0.01
-0.21 ***
-0.24 ***
-0.23 ***
-0.14 *
-0.15 **
-0.18
-0.19
-0.29 **
0.09
0.08
0.10
0.10
-0.02
0.31 ***
0.33 ***
0.00
0.30 ***
0.29 ***
0.28 ***
0.10
0.06
.
-0.04
0.13 **
0.08
0.09
.
0.08
-0.26 ***
-0.29 ***
-0.07
0.02
-0.21 ***
0.16 **
0.11 *
0.19 ***
0.02
-0.32 ***
-0.27 ***
-0.23 ***
-0.05
-0.12 *
0.06
0.22 *
0.16
0.10
0.13 **
0.20
0.17
0.24 **
0.11
-0.18 **
-0.17
-0.14
-0.05
-0.02
-0.01
-0.14
-0.01
基礎1修了人数(人)
0.16 **
0.19 ***
0.04
0.12 *
0.20 ***
0.18 ***
0.08
0.03
0.07
-0.24 *
-0.08
基礎2修了人数(人)
0.17 **
0.19 ***
0.04
0.09
0.20 ***
0.21 ***
0.09
0.04
0.10
-0.13
-0.05
0.03
基礎3修了人数(人)
0.15 **
0.21 ***
0.10
0.18 **
0.18 ***
0.19 ***
0.07
0.12 *
0.08
-0.05
-0.07
-0.18
*:p<0.05, **: p<0.01, ***: p<0.001
182
表11.相談件数と施設状況(医療水準調査項目)との関連(つづき 2/5)
H21年度医療水準調査「 「がん診療連携拠点病院の緩和ケア及び相談支援センターに
関する調査」【相談支援センター対象】
発展の経
現在の相談支援センターの発展の経緯
緯
相談支
援:連携
調整
相談支援機能と連携調整機能*の業務割
合(例 相談支援:連携調整=5:5)
Ⅰ.1
相談窓口の体制
Ⅰ.2
相談用の個室がある
Ⅰ.3
専用の直通回線がある
Ⅰ.4
電話時間外には、対応時間の案内につい
て伝える音声ガイドが流れる
Ⅰ.5
代表電話にかかった場合に、交換に「相談
支援センターに」と伝えればつながる
Ⅰ.6
利用者が自由に使えるインターネット端末
がある
Ⅰ.7
相談用個室内にインターネット端末がある
Ⅰ.8
相談支援センタースタッフ用PC
Ⅰ.9
がん相談専用の窓口、スタッフを置いてい
る
Ⅰ.10
がんに関する参考図書の設置
Ⅰ.11
がんに関する参考冊子の配布
Ⅰ.12
がんに関する参考冊子利用状況の把握
Ⅰ.13
Ⅰ.14
Ⅰ.15
Ⅰ.16
病院独自の相談支援センターの案内やが
ん関 連の冊子を作成し、配布している
院内職員が相談支援センターの存在およ
び設置場所について認知している
院内職員が相談支援センターの活動内容
を理解している
病院長、腫瘍センター長から十分な支援が
ある
Ⅰ.17
各診療科医師から十分な支援がある
Ⅰ.18
看護部から十分な支援がある
Ⅰ.19
薬剤部から十分な支援がある
Ⅰ.20
組織の中での位置づけが明確にされている
Ⅰ.21
現場責任者(例:相談支援センター長)が指
名されている
Ⅰ.22
Ⅰ.23
現場責任者が、幹部職員に対して、直接報
告ができる体制になっている
病院受診者が必ず立ち寄る仕組みとしてい
る
1) 1本化されている
2) 振り分け案内がある
3) 目的に応じて複数の窓口が存在する
1) 3部屋以上
2) 2部屋
3) 1部屋
4) なし
1) 1本化されている
2) 振り分け案内がある
3) 目的に応じて複数の窓口が存在する
1) 3部屋以上
2) 2部屋
3) 1部屋
4) なし
1) 2回線以上
2) 1回線
3) 直通回線なし
1) 対応あり
2) 対応なし
1) 確実につながる
2) 大抵つながる
3) 施設固有の部署名(例:医療連携室)を伝えないと
つながらない
1) 2台以上
2) 1台
3) ない
1) ある
2) ない
1) スタッフ全員に専用の端末を設置している
2) 一部のスタッフに専用の端末を設置している
3) 相談支援センター共有PCを複数のスタッフで使用し
ている
4) PCはあるが、インターネットを利用出来ない
5) 相談支援センターにPCが設置されていない
1) 置いている
2) 置いていない
1) 50種以上の図書を設置
2) 50種未満の図書を設置
3) 図書の設置なし
1) 30種以上の冊子を常備
2) 30種未満の冊子を常備
3) 冊子の常備なし
1) 利用状況(冊数)の把握をしている
2) 利用状況(冊数)の把握をしていない
1) している
2) していない
1) ある程度されている
2) あまりされていない
1) ある程度されている
2) あまりされていない
1) ある程度されている
2) あまりされていない
1) ある程度されている
2) あまりされていない
1) ある程度されている
2) あまりされていない
1) ある程度されている
2) あまりされていない
1) ある程度されている
2) あまりされていない
1) 専従*
2) 専任
3) 兼任
4) いない
1) ある程度されている
2) あまりされていない
1) している
2) していない
H20年度相談件 H21年度相談件 H20からH21年
度の増加件数
数
数
(件/2ヵ月)
(件/2ヵ月)
(H21ーH20)
H19年度
シート数
H20年度
シート数
H21年度
シート数
20件以上/週の
増加あり(H20H19)
20件以上/週の
増加あり(H21H20)
20件以上/週の
増加あり(H21H19)
H19
院外相談件数/
全相談件数
H20
院外相談件数/
全相談件数
H21
院外相談件数/
全相談件数
0.07
0.07
0.03
0.05
0.07
0.06
-0.07
0.08
0.07
0.10
0.09
0.14
0.06
0.10
0.07
0.06
0.08
0.06
-0.03
0.08
0.10
0.09
0.02
0.02
-0.01
0.01
-0.06
-0.06
0.03
0.00
0.00
-0.04
0.01
0.01
-0.01
-0.01
0.04
0.04
-0.27 ***
-0.29 ***
-0.03
-0.23 ***
-0.22 ***
-0.31 ***
-0.07
-0.20 ***
-0.20 ***
-0.04
-0.15 **
-0.18 ***
-0.04
-0.18 **
-0.18 ***
-0.21 ***
-0.13 *
-0.15 **
-0.15 **
-0.09
-0.14 **
-0.14 **
-0.12 *
-0.11 *
-0.05
-0.11
-0.12 *
-0.09
-0.04
-0.07
-0.02
-0.10
-0.09
-0.09
-0.06
-0.05
-0.05
-0.04
-0.16 **
-0.05
-0.12 *
-0.18 **
-0.12 *
-0.10
-0.10
-0.20 ***
-0.07
-0.27 ***
-0.26 ***
-0.23 ***
-0.20 ***
-0.09
-0.10
-0.04
-0.04
-0.04
-0.02
-0.01
0.01
-0.05
0.02
-0.05
-0.03
-0.03
0.02
-0.08
-0.08
-0.09
-0.08
-0.08
0.01
-0.02
-0.08
-0.03
-0.03
0.01
-0.19 ***
0.11 *
0.07
0.04
0.00
-0.10
-0.14 **
-0.05
-0.17 **
-0.20 ***
-0.21 ***
-0.02
-0.08
-0.09
-0.07
-0.13 *
-0.11 *
-0.10
-0.05
-0.12 *
-0.08
-0.19 ***
-0.18 ***
-0.22 ***
-0.12 *
-0.12
-0.11
-0.09
-0.13 *
-0.13 *
-0.15 **
-0.15 **
0.00
-0.19 ***
-0.18 ***
-0.19 ***
-0.04
-0.01
-0.08
-0.14 *
-0.19 ***
-0.19 ***
-0.01
-0.01
-0.02
-0.04
-0.15 **
-0.14 **
-0.16 **
-0.08
-0.17 **
-0.16 **
-0.09
-0.15 **
-0.17 **
-0.03
0.04
0.00
-0.06
-0.09
-0.09
-0.06
-0.06
-0.12 *
-0.07
-0.11 *
-0.11 *
-0.01
0.02
0.04
0.05
-0.02
-0.03
-0.01
0.03
0.00
0.00
-0.05
-0.06
0.00
-0.08
-0.11 *
-0.17 **
-0.01
-0.03
-0.05
0.06
-0.02
-0.02
-0.08
-0.09
0.01
-0.21 ***
-0.13 *
-0.11 *
-0.08
0.00
-0.05
-0.04
-0.01
-0.01
-0.10
-0.01
0.08
-0.19 ***
-0.11 *
-0.13 *
-0.07
0.00
-0.06
0.02
-0.02
-0.02
0.01
0.03
0.06
-0.09
0.00
-0.04
-0.01
-0.04
-0.03
0.01
0.03
0.03
0.06
0.05
0.04
-0.03
0.05
0.00
-0.01
0.02
0.00
0.02
0.05
0.05
-0.03
-0.01
-0.01
-0.06
-0.08
-0.06
-0.08
0.04
0.00
0.06
-0.01
-0.01
0.01
-0.03
-0.01
-0.06
-0.07
-0.06
-0.02
-0.04
0.02
-0.04
-0.09
-0.09
0.03
0.05
0.02
-0.04
-0.02
0.00
-0.03
0.07
0.11 *
0.09
0.04
0.03
0.00
-0.03
*:p<0.05, **: p<0.01, ***: p<0.001
183
0.06
-0.14 **
0.07
-0.12 *
0.11 *
-0.04
0.02
0.02
-0.02
-0.04
-0.04
表11.相談件数と施設状況(医療水準調査項目)との関連(つづき 3/5)
H20年度相談件 H21年度相談件 H20からH21年
数
数
度の増加件数
(件/2ヵ月)
(件/2ヵ月)
(H21ーH20)
Ⅱ.1
専従スタッフの人数
Ⅱ.2
専任スタッフの人数
Ⅱ.3
兼任スタッフの人数
Ⅱ.4
専従看護師の人数
Ⅱ.5
専任看護師の人数
Ⅱ.6
兼任看護師の人数
Ⅱ.7
専従医療ソーシャルワーカーの人数
Ⅱ.8
専任医療ソーシャルワーカーの人数
Ⅱ.9
兼任医療ソーシャルワーカーの人数
Ⅱ.10
専従事務スタッフ
Ⅱ.11
専任事務スタッフ
Ⅱ.12
兼任事務スタッフの人数
Ⅱ.13
医師の配置または、支援
Ⅱ.14
がん看護専門看護師の配置または、支援
Ⅱ.15
がんに関する認定看護師の配置または、
支援
Ⅱ.16
専任医療心理技術者の配置または、支援
Ⅱ.17
Ⅲ.1
Ⅲ.2
Ⅲ.3
Ⅲ.4
Ⅲ.5
相談担当者に対するケア体制(ストレス対
策、ローテーション、スーパービジョンなど)
病院の入口付近に「がん診療連携拠点病
院」であることが記載してある
病院入口付近にがん相談を受けられる窓
口(相談支援センター)の案内がある
案内に「誰でもがんの相談を受けられる旨
が明記されている」
相談支援センター入り口に「がん相談を受
けられることが明記されている」
病院が発行する広報誌等で広報を実施し
ている
Ⅲ.6
自治体の広報誌等で広報を実施している
Ⅲ.7
地方紙等の取材等を通じて実施している
Ⅲ.8
チラシ等を配布し、広報を実施している
Ⅲ.9
国立がんセンターがん対策情報センターが
行っている「がん情報サービス向上に向け
た地域懇話会」を開催した
Ⅲ.10
がん相談に関する講演会を開催している
Ⅲ.11
Ⅲ.12
Ⅲ.13
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 4人以上, 3) 2人, 5) 0人
2) 3人,
4) 1人
1) 医師が配置されている
2) 医師の支援を受けている
3) いない
1) がん看護専門看護師が配置されている
2) がん看護専門看護師の支援を受けている
3) いない
1) がんに関する認定看護師が配置されている
2) がんに関する認定看護師の支援を受けている
3) いない
1) 専任医療心理技術者が配置されている
2) 専任医療心理技術者の支援を受けている
3) いない
1) ある程度されている
2) あまりされていない
1) ある
2) ない
1) ある
2) ない
1) している
2) していない
1) している
2) していない
1) している
2) していない
1) している
2) していない
1) している
2) していない
1) している
2) していない
1) 自施設で開催した/開催予定
2) 県内で開催されたものに参加した
3) 未実施
1) している
2) していない
1) トップページに相談支援センターの目次がある
ホームページに相談支援センターについて
2) トップページに目次はないが、 掲載している
記載がある
3) 掲載なし
ホームページに「誰でもがんの相談を受け 1) している
られることが明記されている」
2) していない
ホームページに「電話でもがんの相談を受
1) している
けられることが明記され、電話番号・受付時
2) していない
間等が記載されている」
H19年度
シート数
H20年度
シート数
H21年度
シート数
20件以上/週の
増加あり(H20H19)
20件以上/週の
増加あり(H21H20)
20件以上/週の
増加あり(H21H19)
H19
院外相談件数/
全相談件数
H20
院外相談件数/
全相談件数
-0.19 ***
-0.29 ***
-0.13 *
-0.25 ***
-0.20 ***
-0.23 ***
-0.13 *
-0.09
-0.08
-0.14 *
-0.08
-0.08
-0.04
-0.04
-0.06
-0.03
-0.10
-0.03
-0.01
-0.05
0.00
0.00
-0.13 *
-0.09
-0.03
-0.05
-0.08
-0.08
0.01
-0.06
-0.07
-0.01
0.03
0.03
0.00
-0.06
-0.04
-0.03
-0.02
-0.09
-0.07
-0.02
-0.05
-0.18 **
-0.20 ***
-0.20 ***
0.02
0.05
0.03
0.06
0.04
-0.01
0.00
-0.08
-0.05
-0.03
-0.05
-0.05
0.02
0.01
-0.07
0.03
-0.08
-0.03
-0.05
-0.01
-0.01
-0.13 *
-0.10
-0.05
0.03
0.03
0.03
0.00
-0.05
-0.02
-0.04
-0.01
0.07
0.10
0.10
-0.04
-0.04
0.09
-0.08
-0.08
0.01
0.07
0.07
-0.14 *
-0.11 *
-0.12 *
-0.10
-0.07
0.01
-0.08
-0.07
-0.07
-0.06
-0.04
0.01
-0.04
-0.04
-0.01
-0.08
-0.07
-0.07
0.01
0.03
0.05
0.04
0.01
0.04
0.00
0.02
0.03
0.03
-0.09
-0.07
-0.02
-0.09
-0.06
-0.09
0.04
-0.06
-0.07
-0.05
-0.05
-0.22 ***
-0.06
-0.13 *
-0.19 ***
-0.19 ***
-0.16 **
-0.08
-0.16 **
-0.04
-0.01
-0.01
0.03
-0.04
-0.07
-0.03
-0.07
-0.09
-0.01
-0.07
-0.08
-0.02
-0.01
-0.01
-0.05
-0.07
-0.03
-0.09
-0.12 *
-0.08
-0.16 **
0.00
-0.05
0.03
-0.18 ***
-0.16 **
-0.22 ***
-0.15 **
-0.26 ***
-0.02
-0.30 ***
-0.06
-0.06
-0.03
0.08
-0.02
-0.02
-0.04
-0.01
-0.12 *
-0.17 **
-0.05
-0.02
-0.04
-0.04
-0.01
0.03
-0.05
-0.17 **
-0.22 ***
-0.05
-0.11
-0.16
0.04
0.05
0.00
0.08
0.07
0.04
-0.04
-0.09
0.06
0.00
-0.02
-0.02
-0.09
0.04
-0.02
-0.06
0.00
0.00
0.01
-0.01
-0.10
-0.04
-0.01
0.04
0.02
-0.03
-0.03
-0.01
0.05
0.00
0.06
-0.09
-0.26 ***
-0.25 ***
0.00
-0.09
H21
院外相談件数/
全相談件数
0.12 *
0.12 *
0.02
-0.03
0.00
0.08
0.08
0.02
0.03
0.05
0.03
0.03
-0.06
0.00
-0.01
-0.12
-0.01
-0.03
-0.06
0.01
-0.10
-0.10
-0.03
-0.11
-0.13 *
0.00
-0.10
-0.10
0.01
0.00
-0.01
0.01
0.05
0.00
0.00
0.05
0.00
0.00
-0.02
0.01
-0.01
-0.01
0.05
0.02
0.07
0.06
-0.05
-0.03
-0.02
-0.11 *
-0.11 *
-0.03
0.05
-0.06
-0.02
0.02
-0.05
-0.04
-0.07
-0.04
-0.04
-0.04
-0.02
-0.09
-0.11 *
-0.13 *
-0.08
-0.06
-0.10
-0.01
0.00
-0.01
-0.02
-0.02
-0.07
-0.12 *
-0.07
-0.10
-0.10
-0.09
-0.06
-0.07
-0.10
-0.08
-0.07
-0.07
-0.04
-0.08
-0.05
-0.08
-0.07
-0.08
-0.13 *
-0.07
-0.06
0.00
0.01
0.01
-0.15 **
-0.15 **
0.00
-0.17 **
-0.18 ***
-0.10
-0.09
-0.01
0.01
-0.05
-0.01
-0.01
-0.08
-0.12 *
-0.07
-0.04
-0.08
-0.08
-0.06
-0.04
-0.03
-0.06
-0.03
-0.03
-0.08
-0.11 *
-0.07
-0.12 *
-0.14 **
-0.11 *
-0.07
-0.07
-0.10
-0.05
-0.02
-0.02
*:p<0.05, **: p<0.01, ***: p<0.001
184
表11.相談件数と施設状況(医療水準調査項目)との関連(つづき 4/5)
H20年度相談件 H21年度相談件 H20からH21年
度の増加件数
数
数
(件/2ヵ月)
(件/2ヵ月)
(H21ーH20)
Ⅳ.1
対面相談に対応している
Ⅳ.2
電話相談に対応している
Ⅳ.3
FAXによる相談に対応している
Ⅳ.4
電子メールによる相談に対応している
Ⅳ.5
Ⅳ.6
Ⅳ.7
Ⅳ.8
Ⅳ.9
Ⅳ.10
Ⅴ.1
Ⅴ.2
Ⅴ.3
1) 平日毎日
相談対応日
2) 限られた曜日のみ
1) 日祝日に対応
相談対応日(土日祝の対応)
2) 土曜日に対応
3) 土日対応なし
1) 17時30分以降の対応あり
2) 日中の対応(8時30分or 9時~
相談対応時間
17時or 17時30分)
3) 半日の対応
1) ある
相談の記録を残してある
2) ない
1) ある
よくある質問をQ&A 集としてまとめてある
2) ない
1) 定期的に検討し、活用している
2) 不定期で検討し、活用している
利用者からの満足度、意見等の利用
3) 定期的に検討しているが、活用できていない
4) 不定期で検討しているが、活用できていない
5) 実施していない
1) ある程度されている
県内のすべての拠点病院の概要について
2) あまりされていない
情報を提供できる
県内のすべての拠点病院のがん種ごとの 1) ある程度されている
対応状況について情報を提供できる
2) あまりされていない
1) ある程度されている
地域の拠点病院以外のがんに対応できる
2) あまりされていない
医療機関について情報を提供できる
Ⅴ.4
地域でがんの緩和ケアに対応できる医療
機関について情報を提供できる
Ⅴ.5
地域のセカンドオピニオンに対応する医療
機関についての情報を提供できる
Ⅴ.6
Ⅴ.7
Ⅴ.8
Ⅴ.9
Ⅴ.10
Ⅴ.11
Ⅴ.12
Ⅴ.13
Ⅴ.14
Ⅴ.15
Ⅴ.16
1) 予約不要
2) 予約制
3) なし
1) 予約不要
2) 予約制
3) なし
1) している
2) していない
1) している(受付のみも含む)
2) していない
1) ある程度されている
2) あまりされていない
1) ある程度されている
2) あまりされていない
1) ある程度されている
地域の相談窓口等の情報を提供できる
2) あまりされていない
がんに関する一般的な医療情報について 1) ある程度されている
提供できる
2) あまりされていない
1) ある程度されている
中皮腫に関する情報を提供できる
2) あまりされていない
1) ある程度されている
地域の患者会に関する情報を提供できる
2) あまりされていない
患者さんのニーズなどの意識調査を実施し 1) いる
ている
2) いない
地域のニーズなどの意識調査を実施して 1) いる
いる
2) いない
都道府県連絡協議会に相談支援センター 1) いる
のサブグループが設置されている
2) いない
都道府県連絡協議会に設置されている相 1) いる
談支援センターのサブグループに参加して
2) いない
いる
1) 情報を交換する体制となっている
県内の拠点病院の相談支援センターと地
2) 個人レベルで情報を交換している
域の医療機関の情報を交換している
3) あまりされていない
1) 情報を共有する体制となっている
県内の拠点病院の相談支援センターと地 2) 個人レベルで情報を共有している
域の医療機関の情報を共有している
3) あまりされていない
県内の医療機関の情報について、都道府
県の調査データを利用している
1) ある程度されている
2) あまりされていない
-0.05
-0.08
-0.12 *
-0.15 **
-0.14 **
-0.02
H21年度
シート数
-0.04
0.00
-0.03
-0.08
-0.09
-0.04
-0.04
-0.03
-0.04
-0.09
-0.01
-0.07
-0.05
-0.05
0.01
0.01
0.10
0.01
0.08
0.05
0.08
0.08
-0.02
-0.07
-0.05
0.09
0.03
0.03
0.03
0.06
0.02
-0.03
0.01
0.05
-0.10
-0.09
-0.03
-0.06
-0.15 **
-0.11 *
-0.12 *
-0.10
-0.11 *
-0.09
-0.02
-0.02
-0.10
-0.05
.
-0.11 *
H21
院外相談件数/
全相談件数
0.02
-0.04
.
H20
院外相談件数/
全相談件数
0.06
0.06
-0.09
H19
院外相談件数/
全相談件数
H20年度
シート数
0.09
.
20件以上/週の
増加あり(H21H19)
20件以上/週の
増加あり(H21H20)
20件以上/週の
増加あり(H20H19)
H19年度
シート数
0.13 *
0.13 *
0.10 *
0.08
0.07
0.00
.
.
.
-0.06
.
.
.
.
.
.
.
.
0.00
-0.01
-0.01
-0.01
-0.04
0.10
.
.
.
.
0.08
0.08
0.14 **
0.14 **
.
.
0.03
0.00
-0.06
-0.06
-0.14 *
0.01
-0.06
-0.15 *
-0.08
-0.08
-0.03
0.00
0.05
-0.07
-0.06
-0.04
-0.03
0.04
-0.06
-0.08
-0.06
-0.06
-0.05
-0.04
-0.02
-0.08
-0.10
-0.11 *
-0.07
0.00
-0.03
-0.08
0.01
0.01
-0.04
-0.06
-0.01
-0.06
-0.09
-0.07
-0.08
-0.01
-0.06
-0.12 *
-0.09
-0.09
-0.05
-0.02
0.03
-0.09
-0.05
-0.07
-0.11
-0.06
-0.04
-0.02
0.06
0.06
-0.06
-0.07
-0.02
-0.14 *
-0.12
-0.12 *
-0.03
-0.02
-0.02
-0.13 *
-0.09
-0.09
-0.02
-0.05
-0.01
0.02
-0.11
-0.12 *
-0.06
-0.03
0.03
0.04
-0.07
-0.02
-0.12 *
-0.07
0.00
0.02
-0.05
-0.09
-0.05
-0.04
-0.06
-0.05
0.03
0.03
-0.09
-0.06
0.01
-0.10
-0.08
-0.06
-0.07
-0.01
0.03
-0.13 *
-0.03
-0.03
-0.12 *
-0.07
0.01
-0.12 *
-0.18 ***
-0.12 *
-0.10
-0.03
-0.10
-0.02
-0.08
-0.08
-0.17 **
-0.13 *
0.03
-0.14 *
-0.24 ***
-0.23 ***
-0.06
-0.08
-0.10
-0.09
-0.08
-0.08
-0.02
-0.04
-0.10
-0.04
-0.03
-0.03
-0.06
-0.13 *
-0.13 *
-0.02
-0.02
0.03
0.08
0.00
-0.01
0.01
0.02
0.06
-0.01
-0.05
-0.10
-0.04
-0.07
-0.12 *
-0.08
0.02
-0.15 **
-0.18 ***
-0.12 *
-0.06
-0.01
0.02
-0.16 **
0.02
0.02
-0.11 *
-0.08
-0.04
-0.17 **
-0.16 **
-0.15 **
-0.09
-0.05
0.00
-0.11
0.07
0.07
-0.03
0.00
-0.05
-0.07
-0.09
-0.09
-0.09
0.01
-0.02
-0.06
-0.02
-0.02
-0.04
0.00
-0.03
-0.16 **
-0.14 **
-0.11 *
-0.18 **
-0.03
-0.06
-0.12 *
-0.02
-0.02
-0.06
0.02
0.06
-0.04
-0.08
-0.03
-0.04
0.07
0.02
0.03
0.03
*:p<0.05, **: p<0.01, ***: p<0.001
185
0.00
-0.01
表11.相談件数と施設状況(医療水準調査項目)との関連(つづき 5/5)
H20年度相談件 H21年度相談件 H20からH21年
数
数
度の増加件数
(件/2ヵ月)
(件/2ヵ月)
(H21ーH20)
Ⅵ.1
Ⅵ.2
Ⅵ.3
Ⅵ.4
Ⅵ.5
Ⅵ.6
Ⅵ.7
Ⅵ.8
Ⅵ.9
Ⅵ.10
相談対応について自施設でマニュアルとし
てまとめている
「がん専門相談員のための学習の手引き」
(がん対策情報センター発行)を活用してい
る
相談対応マニュアルは、定期的に見直しを
実施している
1) している
2) していない
-0.11 *
1) している
2) していない
0.07
1) している
2) していない
1) 毎週2回以上
2) 毎週1回
相談事例に対する対応内容について定期
3) 月1回
的に検討会を実施している
4) 月1回未満
5) 実施していない
1) 十分にされている
相談事例の傾向の分析から問題の抽出を 2) ある程度されている
おこなっている
3) あまりされていない
1) 毎週2回以上
2) 毎週1回
院内の関係部署のスタッフと定期的なカン
3) 月1回
ファレンスを実施している
4) 月1回未満
5) 実施していない
国立がんセンターがん対策情報センターが
1) いる
実施した基礎研修会(1)に参加した相談支
2) いない
援センタースタッフがいる
国立がんセンターがん対策情報センターが
実施した基礎研修会(2)に参加した相談支
援センタースタッフがいる
国立がんセンターがん対策情報センターが
実施した基礎研修会(3)に参加した相談支
援センタースタッフがいる
がん対策情報センターで配布した講習会・
研修会DVD
Ⅵ.11
相談業務に関連した学会・研究会等におけ
る活動
Ⅵ.12
スタッフが院外研修等に出る際のバック
アップ体制
Ⅵ.13
国立がんセンターがん対策情報センター相
談員掲示板について
Ⅵ.14
国立がんセンターがん対策情報センターの
「相談支援センター相談員サポートメーリン
グリスト」について
1) いる
2) いない
1) いる
2) いない
1) 視聴した
2) 未視聴
1) 発表している
2) 参加している
3) 参加していない
1) 残りのスタッフでカバーする
2) 他部署からの応援でカバーする
3) 研修中は一部サービスを縮小する
1) 書き込んだことがある
2) 定期的に参照している
3) 見たことがある
4) 見たことがない
1) 投稿したことがある
2) 登録し、購読している
3) 登録していない
-0.14 **
0.08
H19年度
シート数
H20年度
シート数
20件以上/週の
増加あり(H20H19)
H21年度
シート数
-0.09
-0.08
-0.08
-0.11 *
-0.10
-0.05
0.08
0.01
0.12 *
-0.08
20件以上/週の
増加あり(H21H20)
20件以上/週の
増加あり(H21H19)
-0.09
H19
院外相談件数/
全相談件数
-0.11
0.12 *
-0.08
0.01
-0.03
-0.05
-0.05
-0.05
-0.08
-0.14 **
-0.13 *
-0.05
-0.17 **
-0.12 *
-0.16 **
-0.04
-0.09
-0.18 ***
-0.21 ***
-0.11
-0.01
-0.06
0.04
-0.14 **
-0.20 ***
-0.03
-0.09
-0.13 *
-0.16 **
-0.11
-0.03
-0.04
-0.11
-0.14 ***
-0.21
-0.05
-0.20 ***
-0.21 ***
-0.25 ***
-0.10
-0.07
-0.11
.
.
.
.
.
.
.
-0.04
-0.02
-0.09
.
-0.02
0.04
0.02
-0.02
-0.08
0.06
-0.04
0.12 *
0.04
0.05
0.02
-0.02
-0.05
-0.01
-0.05
-0.14 **
0.01
-0.07
.
-0.14 **
-0.04
-0.12 *
.
H21
院外相談件数/
全相談件数
0.13 *
-0.08
.
H20
院外相談件数/
全相談件数
.
0.13 *
-0.07
0.12 *
.
0.13 *
-0.07
0.14 *
.
0.14 *
.
-0.02
-0.03
-0.06
-0.07
-0.07
-0.04
-0.06
0.00
-0.02
-0.02
0.01
0.01
-0.01
0.01
0.01
-0.10
-0.01
-0.01
-0.27 ***
-0.31 ***
-0.10
-0.26 ***
-0.29 ***
-0.29 ***
-0.14 *
-0.05
-0.12 *
-0.13 *
-0.12 *
-0.01
-0.06
-0.13 *
-0.06
-0.09
-0.04
-0.05
0.13
0.04
0.04
-0.03
-0.05
-0.05
-0.08
-0.08
-0.04
-0.08
0.03
0.03
-0.09
-0.01
-0.01
-0.16 **
-0.17 **
-0.03
-0.19 ***
-0.20 ***
-0.09
-0.09
0.09
0.06
-0.07
-0.09
-0.09
*:p<0.05, **: p<0.01, ***: p<0.001
186
Ⅲ. 研究成果の刊行に関する報告
研究成果の刊行に関する一覧表
書籍
著者氏名
論文タイトル名
書籍全体の 書
編集者名
唐渡敦也
外来化学療法を実施す 伊 藤 良 則 / 乳癌診療 こん 中外医学社 東京都
る場合、病院(病診) 岩瀬拓士
なときどうする
新宿区
連携で注意すべき点は
Q&A
何でしょうか?
2 0 1 0 年 6 241-243
月
唐渡敦也
医療連携ってなに?
in press in press
石井浩
籍
名
出版社名
出版地
胆道がんの治療 金原出版
とケアガイド
東京都
出版年
ページ
文京区
雑誌(日本語)
発表者氏名
石川睦弓
論文タイトル名
がん患者・家族の抱える不安や悩み
発表誌名
巻号
ページ
出版年
外来看護
16(3)
067-079
2011
25
108-109
2010
山田顕光、清水大 乳癌スクリーニングにおける血漿中アミ 乳癌の臨床
輔、太田郁子、千 ノ酸測定の有用性
葉明彦、岡本直幸
、栁田康弘、猿木
信裕、他
岡本直幸
胸部エックス線検査の有効性評価に関す 労 働 安 全 衛 生 平 成 22 9-24
る研究
法 に 基 づ く 健 年 10 月
康診断の有効
性に関する調
査研究報告書
2010
岡本直幸
神奈川県のがん登録
JACR
Monograph
16
61-71
2010
片山佳代子、岡本 メッシュ法でみたがん罹患・死亡と社会 JACR
直幸
経済的要因の関連
Monograph
16
75-76
2010
高橋真由美,小川 【うつを診る】 各領域におけるうつ病診 綜合臨床
朝 生 , 内 富 庸 介 , 療とその対策の実際 緩和ケア領域にお
他
けるうつ病
59
1224-1230
2010
1010-1017
2010
小川朝生
精神科医への期待
事業から
いま進められている 精 神 神 経 学 雑 112
誌
大谷恭平, 小川朝 サバイバーにおける認知機能障害
生, 内富庸介,
他
第5回
腫瘍内科
5
202-210
2010
温
第5号
13-15
2010
15
50-52
2010
小川朝生
在宅ケア各論
小川朝生
【がんの告知と看護師の役割 看護師の がん看護
コミュニケーション技術】医療者間のコ
ミュニケーション
188
雑誌(日本語:続き)
発表者氏名
論文タイトル名
発表誌名
ページ
出版年
163-167
2010
22-25
2010
21-29
2010
39(7)
855-860
2010
7(1)
62-69
2011
【病棟で退院支援を行える人材はこう育 地 域 連 携 入 退 3(2)
29-35
2010
白井由紀, 小川朝 がん治療中の患者の精神症状
巻号
エ ビ デ ン ス に 総集編
もとづいた
Oncology
Nursing
生, 内富庸介
小川朝生
がんチーム医療におけるコミュニケーシ Oncology
Nursing
ョン・スキル
加藤雅志
がん患者のこころ
1
-がん対策基本法で 現 代 の エ ス プ 517
何が変わっていくのか
リ
加藤雅志
緩和ケアのあるべき姿
臨床精神医学
加藤雅志
エビデンスに基づく緩和ケア、精神腫瘍 腫瘍内科
学
菊内由貴
てる!】 退院調整連携パスの活用と退院 院支援
支援定着への取り組み
関由起子、高山智
子
看護師の多重課題及び業務中断の検討- 保 健 医 療 社 会 21(1)
Time and Motion Study, ビデオ分析法を 学論集
用いて-
39-51
2010
雑誌(外国語)
発表者氏名
論文タイトル名
発表誌名
巻号
K., Feasibility and usefulness of the Psychooncolog 19
'Distress
Screening
Program
in y
Ogawa,
A., Ambulatory Care' in clinical oncology
Uchitomi, Y., et practice
Shimizu,
ページ
出版年
718-725
2010
291-295
2010
1139-1146
2010
al
Asai, M., Ogawa, Psychiatric disorders and stress Palliat
factors experienced by staff members in Support Care
A.,
Uchitomi, cancer hospitals: a
preliminary
finding from psychiatric consultation
Y., et al
service at National Cancer Center
Hospitals in Japan
of
a
psychiatric Jpn J
A., Involvement
consultation service in a palliative Oncol
Uchitomi, Y., et care team at the Japanese cancer center
hospital
al
Ogawa,
189
8
Clin 40