演劇研究 専門 / 講義 / 2単位 佐久間広一郎 ◆授業の到達目標およびテーマ 「理論と実践、どちらが優先されるべきか?」と問われれば、私は 「パフォーマーであるならば…」という注釈付で「実践」と答えるだ ろう。極言すれば、パフォーマーにとっては理論など知らなくとも、 上手く歌えれば、踊れれば、演じられれば、問題はないのだ。 しかしながら、パフォーマーは成長過程に於いて必ず壁にぶつかる。 あるいはどんなベテランでもスランプに陥る場合がある。そんなと き、実体験に裏付けされた理論を修得しておれば、どこで間違いを犯 しているのか原因を究明し、直ちに修正を施すことができよう。 この授業では、シーンスタディによる実践を通して演技を理論化し、 劇空間に自然体で存在するパフォーマーへと一歩でも(半歩でも)近 づくことを目標とする。 ◆授業の概要 “演劇”を“研究”することは、突き詰めれば“人間”を“探求”す ることと同義だと言えよう。したがって、この授業は単なる演技実習 ではなく、社会学・心理学から美学・哲学の領域まで踏み込み、歴史 を遡りながら“生きる”とは何かを考え、理論体系化を試みる内容と なる。但し、忘れてはならないのは我々が研究者ではないということ だ。パフォーマーである限り“実践”出来なければ意味がないという 現実とも向き合おう。 ◆授業計画と内容 使用テキスト…「クローサー」(1幕1場)ほか 1回目 ボディバランス、姿勢の矯正、歩行 *外的リズムと内的 リズム 2回目 レクチャー、1人芝居 *ドラマはフィクションだから嘘 はNG 3回目 テキストワーク① *5W1Hの把握、状況のなかの状況 4回目 テキストワーク② *状況のなかの状況 5回目 テキストワーク③ *行動動機の見つけかた 6回目 テキストワーク④ *外的ステイタスと内的ステイタス 7回目 テキストワーク⑤ *トライアングル構造① 見る、見ら れる、見せる 8回目 テキストワーク⑥ *トライアングル構造② 横コミュニ ケーションと縦コミュニケーション 9回目 テキストワーク⑦ *XYZ軸 10回目 テキストワーク⑧ *脱均質化 11回目 テキストワーク⑨ シーンスタディ① *道具だて 12回目 テキストワーク⑩ シーンスタディ② *空間論 13回目 テキストワーク⑪ シーンスタディ③ *距離と距離感 14回目 ランスルー 15回目 試演会(実技試験) ※履修者への留意事項 テキストを用いてのシーンスタディが中心の授業内容なので、動きや すい服装と室内履き(ダンスシューズやバレエシューズ)で臨むこ と。また、後半5回においては、必要に応じて衣装や小道具などを調 達し持参すること。欠席はもちろん遅刻も厳禁。 ◆履修にあたっての準備学習(事前学習) なし ◆成績評価の方法と基準 平常点と実技試験の結果を合わせて評定する。平常点(授業への参加 態度)重視。 やむを得ない事情で欠席する場合は、事後報告ではなく必ず事前連絡 をすること。 ◆教科書 特に使用しない。 ◆参考書・参考資料等 特になし。
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