ミスをしない人って、どのような考えで行動しているの? ミスを - So-net

ミスをしない人って、どのような考えで行動しているの?
☆ミスをしない
どんなミスや事故も共通ルールに従って起こっており、その共通ルールを常に頭
に入れておけば将来の失敗や事故が、未然に防げる
↓
仕事のできる人は、自分のミスだけでなく、他人のミスも「他山の石」として知識化
し、教訓化している。
(「人のふり見て我がふり直せ」)
(「愚者は体験(自分のミス)に学び、賢者は歴史(他人のミス)に学ぶ」)
↓
・ミスを引き起こした仕組みやシステム、構造に着目する。
・反省や人を責める事はしない。
・解決策をルール化することを狙いとしている。
↓
・小さなミスをしたときは、「おごるな、隠すな、わが身を直せ」
☆人の失敗は、「最高の教科書」になる
失敗は情報であり、知識化であり、知恵である
↓
「ナレッジマネジメント」(知識化・知識経営)
自分が行う仕事で起こりそうなリスクの7割は、失敗データを「他山の石」として
参考にすることが可能である
↓
気をつけなければならないのは、「あぶない」と思ったら立ち止り、予防措置を見
つけることであり、「後からできるから」「どうせみんなが気づいていないから」と
勝手に思い込んでしまわないことである。
「誰かがやるだろう」は「誰もやらない」に等しい
*気乗りしない報告ほど、重要度が高い
「こんなつまらないことを報告したら叱られる」と云って情報を握りつぶしたら
どうなる?
→ 情報がなければ、上司は判断できない
*ビジネスの情報は「ホウ(報告) レン(連絡) ソウ(相談)」によって生まれる
その重要度は、トップも新入社員もアルバイトもさして変わらない
↓
特に「悪い報告」が重要である
・お客からのクレームや事故の発生
・取引先の経営悪化
↓
すぐに善処しなければ命取りになる
「ホウ(報告) レン(連絡) ソウ(相談)」で思う事
なぜ 報告・連絡・相談が必要か?
それは、会社の力を100%発揮するためです。
・報告とは義務であり
・連絡とは気配りであり
・相談とは問題解決である
事例)
・2007年の不二家の賞味期限切れ事件
・2011年の林原の倒産
1984年から虚意の決算報告を続けた
1
1.「人のせいとしない人」はミスが少ない
1.「ああならないように注意しよう」タイプは失敗しない
2.「あれは運が悪かったからだ。私はああならない」タイプは、失敗を知識化、
教訓化しないので同じ失敗を繰り返す
↑
・自分が前方不注意で車をぶつけても、出会い頭の不運な事故だったと自
分に言い聞かせる
・スピード違反や駐車違反で捕まっても、罰金制度を罵り(ののしり)身の不
運を嘆く
労働災害
経営者などのリーダーが意識して安全管理に取組んでいるか否かで、罹災
率が3倍も違ってくるとのことである
↓システムの中身もさることながら、これを活用するリーダーの心構
えひとつで結果が大きく変わる
2.「油断の法則」
☆「大丈夫」と思ったときこそ、丁寧に動く
・失敗の前には、「イエローカード」のサインが出ている、これに気づくことである。
(早期発見、早期対応:作業前点検等決められたルールに沿った正しい確認
ヒヤリ・ハット等を見逃さない、安パト指摘の早期措置)
☆仕事は慎重過ぎるくらいがいい
・失敗しない人は、計画が走り出すまで心配で心配でしようがないものである
・難しい仕事は慎重に行動するから以外と上手くいくのに、簡単な仕事をなめ
てかかるので(過信には)油断がつきまとう
☆「失敗の3悪人」(無知、無視、過信)をどう追放するか?
安衛法:高所作業時(2m以上)
安全帯着用、セーフティーネット使用
↓
しかし、墜落死が多い
↓
・無知 ・無視 ・過信 の3悪人によるところが多い
↓
専門家(専門業者)にこのような人がいれば最悪
例)
棟上げ
日本では、最初の梁に乗りカケヤを振る場合には、安全帯を掛ける親綱がない
↓
北欧では、クレーン車を準備し、フックに安全帯を掛けて対応している
・ある会社が、エンジニア42人の失敗の分析(221件について)
・無知:35% 無視:9% 過信:17% 計61%(おおよそ120件ほど)
2
3.「隠蔽(いんぺい)の法則 」
☆失敗は隠すと10倍返しを食らう
・失敗をすると、無能(仕事が出来ないなどと)烙印を押される
↑
だから、責任追及や降格、免職を恐れ隠してしまう
↓
隠蔽は間尺に合わない → 隠した場合の方がリスクが大きい
↓
つまり、悪事は公開して謝ったほうが損失は小さい
例)
・雪印食品や日本ハム事件では、1000倍返し(経営に大きく影響)
・野村證券や高島屋事件(総会屋対策) 10倍返し
社会的な非難や制裁(不買運動、取引停止)を被る
*個人レベルの原因
・無知 - 知識不足、伝承無視
・無視 - 理解不足、注意用心不足、疲労・体調不良
・手順の不遵守 - 連絡不足、手順無視
・誤判断 - 狭い視野、誤った理解、誤った認知
状況に対する誤判断
・調査・検討の不足 - 仮想演習不足、事前検討不足
*未知な知識が原因の失敗
約4%(1136件の失敗を調査した結果)が、未知な知識が原因
↓
事故が起こるのは、設計者等が調査・検討の手を抜いたことがほとんどである
※組織レベルの原因
・企画不足 権利構築の不良、組織創生の不足、戦略や企画の不良
・価値観不足 - 異文化への理解不足・不適応、組織分科不良
安全意識不良
→ 失敗知識データベースでもこの不良が37%と多い
・組織運営不良 - 運営の硬直化、管理の不良、構成員の不良、環境調整不足
※個人・組織のどちらの責任にもできない原因
・環境変化への対応不良 - 使用環境の変化、経済環境の変化
*誰の責任でもない原因
・未知 - 未知の事象発生、異常事態の発生
事例) アメリカの原発は、2001年のWTC(Word Trade Center)のテロ事件以来、飛行機が
突っ込むことを前提に緊急対策を万全にしてきた。日本はアメリカの対策集B5b
を無視した保安院こそ、慢心の現況であったのでは。
3
4.「予兆の法則」
「まさか!」を芽のうちに摘み取る
・失敗には予兆がある
事例)
2004年3月26日の六本木ヒルズ回転ドア事故
回転ドアと外壁の間に男児(6才)がはさまれ死亡
回転ドアに関するリスクを予想していなかった (大きな動力、子供の動作特性など)
事故発生までに40件を超える事故が発生していた
↓
エンジニアが適当にセンサーを調整してお茶を濁していた。(だましだまし運転)
↓
危機感のない対応が大事故につながった(子供の不注意。親の管理怠慢として処理)
↓
子供は大人が考えられないことをする(行動をする)
1998年埼玉の小学校で、誤動作して閉まりかけた防火シャッターの下をくぐろうとした
小学生が首を挟まれて死亡した。
↓
子供の行動心理を理解しない大人に責任
→ 人柱がたたないと安全対策は進まない
事例)
1982年に建築基準法が改正
1995年阪神・淡路大震災の時
改正前 35%のみ倒壊をしない 建物での安全性が低い
改正後 75%が倒壊をしない 建物での安全性が高い
死者の88%は家屋・家具による圧迫死
事例)
2006年 シンドラー社製エレベーターに高校生が挟まれ死亡
↓
定期点検でメンテしていたはずだが、業者が気がつかない箇所で不具合が発生
↓
安価に検査する独立系の業者が増えて丁寧な検査をするというモラルが崩れたのも
一因か
建築基準法は、既存不適格を原則としているので約70万台(基)のエレベータは
改善されないまま使用されている
既存不適格 → 建築された時点では法に適合しているが、その後、法が改正され
法には適合しないが、法の改訂に合わせて修繕することはしなく
てよい
初めて知った! なぜか、日本は変な国!
5.「自信過剰の法則」
”自分勝手な改善(カイゼン)”は命取りになる
・自己流のカイゼン作業をするとき、そこには「科学の目」はまったくない(可能性が
高い)
「マニュアルは仕事ができない人向けのテキストだ、私には必要ない」という人がいる
↓
こういうタイプは、本社や上司にいちいち ホウ・レン・ソウ などしない、その場、その
場でどんどん話を進めてしまう。
↓
独断専行、ルールを逸脱 → 致命傷を被る
百日の説法 屁ひとつ → 厳粛な説法も説教者の最後の屁ひとつで台無しになる
4
6.「徹底解決の法則」
小さなクレーム無視が ”地雷原”になる
↓
失敗の予防学の「教訓の法則」の変則版がこれである
例)
商品に対して顧客からクレームがあったとしたら、それは1件だけにとどまらない。
まだ多くの取引停止予備群が潜在的に存在していることを覚悟しておかないとい
けない
☆”声なきクレーム”に耳に傾ける
全米レストラン協会の統計
店舗のサービス などに不満を抱いても、96%のお客は店に直接クレ
商品 ームをいうことはない
クレンリネス(清潔さ)
↓
不満を持ったお客のわずか4%しかクレームをいわない
↓
一件のクレームの裏には実際には、莫大なお客がいる
☆間違いのない ”クレーム” 処理のしかた
クレーム:異常 自ら発見する。 社内の他部門から指摘される
苦情 お客から直接指摘されたクレーム
苦情は口コミで広がる懸念もある
クレーム対策の留意
①解決システムの構築
原因追究、再発防止
未然防止のためのシステム作り
②類似クレームの調査
クレームは、実は他でも似たような小さなトラブルは必ず発生している。
データや体験談を集める
③クレーム追求チームの発足
データを調査し、原因と再発防止を考える
④情報のフィードバック
解決策を現実に試してみる、吟味する
⑤解決策の効果測定
解決策を確実に試して、その効果を評価する
*重要なことは、一度起こした失敗を二度と繰り返さない方策を、できるだけ具体的
に打ち立てることが必要
↓
失敗の原因を根本的なところまで掘り起こして、失敗を知識化、教訓化
5
7.「外れ値の法則」
「いつもと違うところ」に、ミスは起こりやすい
外れ値が発生した原因を追求する :予定や計画と違う (品質管理でも同じ)
↓
ミスや失敗が発生しやすい「外れ値」に注目していれば、ミスや失敗に対して、あら
かじめ対策を用意しておくこともできる。(ナレッジシステム等も役立つ)
☆なぜ、「その異常に気づかなかったのか?」
ある会社のエンジニア達の誤判断調査
①リーダーシップ能力不足 (過信) 16.7%
過信:4.5% 自分勝手:3.6% 関係者間の未調整:8.6%
②危険予知能力不足 (多くは無知) 34.8%
パニック:2.3% 考え落とし:19.0% 無知:3.6%
③部分的思考停止 (思い込みが代表) 24.0%
一点集中:5.4% 見下し:8.1% 思い込み:10.4%
④全面的思考停止 (改善を「無視」した) 9.0%
看過:7.5% 盲信:1.0% 無責任:0.5%
⑤無思考状態 (とにかく失敗に「無意識」) 15.4%
非定常感不足:5.4% 反応能力不足:5.9% 現状認識不足:4.1%
☆”ひと手間”を省かないことが大切
③の部分的思考停止 ④の全面的思考停止の最たる原因はマンネリか?
↓
自分たちの組織の中に絶えず新しい人種を入れることでマンネリ化を防止も可能
となる ↓
経営者のイエスマンだけでは、お客様の一大事のときに提案される対策は全て同
じになりかねない
8.「虻蜂取らずの法則」
「あれもこれも」と欲張ってはいけない
「今になって考えてみると・・・・・・・」と気づく場合が多い
「思い込み」で多少の疑問点は目をつぶってしまうこともある
大学の学科の演習工場では、学生が複数台の機械を同時に扱うことを禁じている
実例)
ひとりの作業者に2つの作業を指示するときに
「どちらが先でもいいから」と優先度を曖昧にしたままやらせると、大体、両方とも失
敗に終わる
→ 愚直にひとつの作業の終了を確認してから、別の作業の指示をするという段
取りを組まなければミスが発生してしまう
☆ミスを防止する仕組みをつくろう
実例)
ある大学の大学病院で、点滴でも注射でも作業ひとつひとつにチェックのハンコを課
した。ハンコを押すたびにその並行作業として書類の中の薬品を確認すると、間違い
に気づくことができる。
その結果、最初の月に、”ヒヤリ・ハット”の事故が30%に減った
☆ミスを早い段階で食い止める方法
「あれ、おかしいな」という予兆は、その内容を調査して処理してカードに記録すると
有効である
エンジニアでも、仕事に必ず細かな事を記すペンディングリストの作成を推奨する
6
”ヒヤリハット”の予兆の段階で、上司や管理監督者あるいはチームリーダーに状況
をすぐ報告する習慣を、是非つける必要がある。
↓
「予兆カード」(ヒヤリハット報告書)
←
①5W1Hで記述の漏れをなくす
②タイトルをつける(予兆の発生箇所を題名の中にいれる)
③原則として、事象・原因・対策を箇条書きでまとめる
④同じような異常が発生する可能性のある場所に水平展開する
⑤予兆カードは保管し、再発防止に利用する
↓
リーダーは、
①ミスをした人を決して叱ってはいけない
②すぐに関係者と協議し対処する
③報告から解決策の立案までを指導しながら考える
☆ミスを繰り返さない「反省」のポイント
結果に至るまでのシナリオ(知識や教訓)を把握する
①内容の記述
失敗がどのように顕在化したか
②経過の記述
失敗体験の経過を記述
時間の経過とともにどのように進行したか
イラストや図、写真で又はインタビューを行って確認
③原因の記述
当初は、速報となるので不正確さは止むを得ない
真因までなぜなぜを繰り返す
失敗を起こした時にどのように考えたか当事者の立場で確認すること
が必要
④対処の記述
ミス発生前、発生後の対処
⑤総括の記述
失敗がどのようなものであったか記述
⑥知識化・教訓化の記述
失敗からどのような知識化・教訓化を得たか、ケース毎に整理されたかが重要
■ ピンチで力を発揮する人の条件
起きてしまったミスへの最善策を実施できるかどうかである
9.「リーダーの法則」
非常時に「人の上に立つ器」が試される
・いざというときに、経営者(リーダー)がどんな舵取りを見せるかで失敗が生きもする
が死にもする
↓
・トラブルや失敗は異常事態であり、準備もなしにいきなり、ぶっつけ本番で臨むこと
になる ↓
・普段は冷静なのに、危険を前にあわてふためいて的確な対応を下せなくなるケース
も少なくない
↓
・リーダーとして優秀かどうか非常時の対応を見れば、一発で推し量る指標でもある
↓
・リーダーが失敗を未然に防ぐことに強い関心をもっているだけで2/3の失敗は消える
*リーダーは失敗を真正面から見据えて次に活かす姿勢が今後はより強く求め
られる
7
☆江戸時代にあった「失敗学」の書
三井高房(三井家3代目):『町人考見録』
・ハイリスクハイリターンを求めず :大名貸しには手を染めない
・2007年6月 NOVA と コムスンが株価を吊上げて投資マネーを集めたとして、
監督官庁から処分を受けた。(本業は、語学教室経営と人材派遣の大手)
10.「誠意の法則」
”逃げも 隠れも 嘘も ない”姿勢を示す。
経営者(リーダー)は常に結果責任を求められる。愚痴も弁解も許されない
実例)
1982年 シアン化合物「タイレノール事件」 (鎮痛剤)で、 市民7名死亡(米国)
↓
ジョンソン&ジョンソンの経営トップ(ジェムズ・バーク)は、経営者会議ですぐ結論を
下し「タイレノールは飲まないように!」と警告し、製品を全回収を実施
↓
事実をマスコミに隠すことなく「マスコミは回収のパートナーである」と公言
☆いざというときに喜んで犠牲をはらえるか
タイレノール事件は、企業倫理とその具体的な実践の成功例
ジョンソン&ジョンソンの憲法「我が信条」
消費者 従業員 社会 株主 の順で責任をとる
1番 2番 3番 4番
失敗時の対応で本物か偽物かを分別する絶好の機会
11.「急がば回れの法則」
コストよりも信用を優先させる
ミスやトラブル時には、よく後手後手になる なぜ?
実例)
2005年1月 松下電器の子会社製造の石油暖房機で一酸化炭素中毒で小学生が
死亡。その後、11月に2人目の死亡を出した
↓
ようやく親会社の社長が対策に乗り出した
☆”この姿勢”がダメージを最小限にとどめる
「最後の1台まで見つけます。何年かかろうと」
発生から対応までに時間がかかり過ぎた
↓
事業部制での組織的な対応でつまずいた(本社まで上がってくるのに時間がかかった)
↓
企業のメッセージとは、なりよりもどんな行動をとるかで判断される
8
12.「楽観視の法則」
根拠のない”期待”は、徹底的に排除する
↓
希望的観測が高じると、悲劇が待っている
事例)
1902年1月23日 八甲田山での軍事訓練中の山岳遭難
(一般には、映画が公開されて事実を知った人がほとんど)
2大隊での別々行動
・青森歩兵第5大隊(199名死者/210名)
全員で行動することを基本とし、大まかな計画しか作成せず、事前の評価も行わず
上官の命令に異議を云えない
・弘前第31大隊(38名全員無事)
民間も利用するなど綿密な計画と精鋭に絞った事前検討を十分行った上で行動
上官の命令に対し小数精悦を主張。データを取って評価をするための行軍
☆あなたの判断力が試される「この質問」
選択肢エベレスト登山における天候急変時において
①せっかくここまで来た、下山したらもう二度と挑戦できない。イチかバチかやって
みよう
②残念だがここで下山する。無念だけれども皆、いいか?
③途中まで下山して、天候次第で再アタックする
①は人命軽視、リーダーの冷静な判断必要
③は中途半端な判断、下山するのも命がけである
②は、「あと一歩だからこそ下山する」 (勇気ある決断が必要、無理は無謀へ
と豹変する)
事態は、刻々変化する。昨日の正解はもう明日には不正解かもしれない
(スピード時代)
☆人任せを止めれば、ミスは激減する
ミスや失敗が起きても不思議でないと考える習慣を
↓
人間は間違いの多い動物である。特に思い込みという人間特性
(希望的観測も思い込むと、絶対的真実がそこに存在すると思えてくるものである)
事例)
交通事故
センターラインがあると、対向車は注意してスピードを落としてくれると思いこむが、
自分がスピードを落とさなければ同じこと
↓
センターラインがないと、自己責任で注意深く運転するしかない。
☆「今度もきっと大丈夫」には、全く根拠がないものだ
↓
この前うまくいったことが、「偶然 = たまたま」でなく
「必然 = しかるべく」と思い込んでしまう。 ← これは恐い(思い込みダ!)
ヒューマンエラーを防ぐには、もっと注意しろと怒鳴っても効果が上がる訳がない
↓
きちんとしたシステムを構築し、人為的なミスや失敗をフォローする態勢をとらなけれ
ばならない
(ダブルチェックなども例)
9
13.「慣性の法則」
「引き際」を見極めなければ、取り返しがつかない
「治にいても乱を忘れず」
→ 逆に「止められない、とまらない」経営管理
事例)
①「たとえ採算が合わない事業でも初期計画に沿って推進する」
②時代遅れであるにもかかわらず、予算が計上されていることだけで、事業化を目指
して開発を続ける
③「社長が始めた仕事だから」という理由でどんなに赤字を垂れ流しても中止できない
「コンコルド」の開発が良い事例
どう考えても採算が合わない/合わせるのは至難の業だった
☆つまらない意地はミスをこじらせる
止めれば責任問題になる。世界の笑いものになる
↑
メンツが計画を継続させた
日本)原子力船「むつ」の開発
1974年 放射線の漏れ
1972年 1200億円かけたプロジェクトの終了
目標設定間違いの失敗
各国は、1970年以前に開発を早々に切り上げた
日本)高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ
その後も検査漏れなどで停止したまま、年500億の維持費
廃炉にしても処分方法が問題で研究という名のもとで廃炉にしようとしない。
既存の原発も2011年3月の東日本大震災後停止したままで、2015年5月時点で
1基も稼働していない。
☆勇気をもってミスをミスと認める
例
国家プロジェクトを一度決めたことを「失敗でした。中止します」とは決していえない。
→ 会社も同じ
↓
誰もが、そもそも失敗といわないから失敗自体が存在しない
↓
誰が見ても、当初の制約条件が変化しているにもかかわらず企画を変更しないのは
悪意(勇気がない)
↓
事業では、3年間は赤字を許す、4年目からは単年度黒字、数年以内に累積赤字一
掃が会社の一般的(?)考え
↓
3年間の累積赤字が膨大で、結局ストップさせたら元も子もないと継続。本末転倒
「ご破算で願いましては」
↓
「事業再評価(委)」などで短期スパンで評価する
☆「経営の神様」が見せた、見事な負けっぷり
勝負の結果は、勝ちっぷりより負けっぷりがモノをいう
↓
いちばん大切なことは現状把握である
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☆どんな変化にも対応できる、3種類のシナリオ
→ 後始末のほうが難しいので
①あるべきシナリオ(should be forecast)
希望的観測が入ったシナリオ
→但し、リーダーは、しっかりとこれを信じないことである
②こうなるシナリオ(would be forecast)
現実的なシナリオ、希望的観測や悲観的観測もない過去から現在への延長線上に
ある予測
③ありうるシナリオ(could be forecast)
「万が一のことがあればこうなりかねない」最悪の事態を想定
↑
3つのシナリオを考えて準備するのが目標達成管理である
※ミスを将来の財産とする考え方(できる人は、転んでもただでは起きない)
14.「試行錯誤の法則」
常識にしがみつくと、本質を見失う
↓
結果でなく、プロセスで結果を考える
↓
常識は8割方は正しい、しかし、残りの2割は間違いと思え
↓
この思いが必要
↓
「問題意識をもっていないデータなど、いくら数字を並べても意味がない」
☆「現場」 x 「データ」で分析する
例)
マーケットを見てから次にデータで確認する。データを見てマーケットはどう動いたの
だろうかと分析する(既設商品など)
このダブルチェックが失敗を極小化する
15.「一極集中の法則」
”イチかバチか”のギャンブルに乗らない
例)
一極集中は、部品一個のトラブルでもシステム全体に重大な影響を及ぼすデメリット
がある
☆「まさか」の際まで想定しておかないと ・・・・・・(・ある半導体メーカーの悲劇)
大手が技術力を評価して大量発注
↓
大半の注文がほとんどになってしまった
↓
工場を増設後コスト要求が強まる
↓
11
半年後には、技術提携を打診
↓
売り上げの8割を占める得意先であり断られない
↓
「株式の支配」で子会社化
☆”世界一の営業マン”の思考法
「うまい話には裏がある」などといった格言は現実を前にしたときには都合よくコロっと
忘れてしまう
↓
「他山の石」を知識化し、教訓化できることが必要
16.「偶然の法則」
今日のミスが、明日の大成功に変わる
「セレンディピティ」(偶然になにかを発見する才能)
☆「天才」と呼ばれる人は、ここが違う
セレンディピティは、運にせよ、偶然にせよ、いつも私たちの周囲を飛びかっているも
のだ ↓
それに気づくか気づかないか → 「天才」への分かれ道
↓
想定外の結果は、想定外のプロセスから生まれる
(良い結果も悪い結果も?)
☆ミスをしても「本当に失敗なのか?」と必ず再検討する
↓
失敗を失敗としてすぐに捨てずに活かす未知を考える。失敗は遺産であると考える
↓
仕事でうまくいっていなくても、もうダメだと思い込んでいるから好転しない
「まっとうな奴は、自分自身を世間に合わそうとする、まっとうでない奴は世間を彼ら
自身に合わそうとする。だからこそ、あらゆる進歩は、まっとうでない奴らによって作
られるのだ」(ジョージ・バーナード・ショー)
☆「減点主義」ではやる気も出ない
実例)
2007年、不二家が賞味期限切れる材料を使っていたとして非難されたとき、経営トッ
プはパート従業員に責任転嫁した。
2005年3月期決算で、日興コーディアル証券は、孫会社の特定目的会社(SPC)とSPC
が買収したコールセンター会社「ベルシステム24」を連結決算とせず不透明な会計処
理を行っていたが、これをすべて現場担当者の責任に転嫁したい。
↓
このような組織では、誰も本気になって仕事をできない
↓
身の保全、安全第一を後生大事に考え、恙なく(つつがなく)サラリーマン人生を過ご
そうという人間しか集まらないのではないか
12
↓
従業員は経営トップの一挙手一投足に注目しているからこそ、率先垂範が一番重要
なのである
「失敗憎んで 人憎まず」
「作業憎んで 人憎まず」
↓
減点主義から加点主義へ
*本田宗一郎は、挑戦した失敗を積極的に評価した
*ミスの起こらない「仕組み」をつくる(失敗の芽を元から断つ)
17.「構造の法則」
”マニュアルは、いつも破るためにある”
・良い意味で : 変化即対応し改正
・悪い意味で : 無知、無視が招く大災害
失敗を予防するには対症療法でなく失敗の根本治療とも呼ぶべき失敗予防法を見つ
けなければならない
☆精神論だけでは、ミスはなくならない
マニュアルを守らない人間は必ず現場にいるものです。
↓
性善説(マニュアルを守る)に立っていては、万が一のトラブルは守られない。むしろ
性悪説(マニュアルは破られるためにある)の立場で考えたほうがよい
失敗の原因
・人による
・システム、仕組 「構造の問題」による
人の問題は対症療法で、
①ルールを知らない (無知)
②ルールを理解していない (誤判断)
③ルールを実践していない (手順の不遵守)
構造の問題は、
失敗やミスが起きている原因を元から絶ってしまうという方法で対処
例)
外食産業でよく起こるトラブルは、従業員が包丁などで怪我をしてしまう。これは、アル
バイトなど料理をしたことがない人にいきなり包丁をもたせるから
↓
根本は 「包丁を使う」が原因
↓
店舗では包丁は一切置かない方法にて調理するに変わってきた(大手の外食会社等)
13
18.「過剰適応の法則」
成功事例を追いかけると、かえって危険
☆急激な”方向転換”が致命傷
例)
高級乗用車パッカードが大恐慌を境に大衆車を売り出した。価格は1/3~1/4で当所
はヒットしたが、ブランド品が価格破壊により、価値が低下。結果としてこの戦略により、
完全に経営が裏目となり、パッカードのブランドは消えた
☆”天の邪鬼(あまのじゃく)”発想をするメリット(ひねくれもの的な考えを持つ)
例)
ソニーのウオークマンのヒットで、他社も同様の商品を展開するが、まったく売れない。
客はウオークマンというブランドが欲しかった。
↓
「柳の下のドジョウ 2匹」 の成功事例は期待しない方がよい
↓
成功したからといって安心せず、逆に恐いと考えて、危機感を持ち次のアクションを
素早く打てるかである
19.「甘さの法則」
「いい人」と「お人よし」は、トラブルメーカー
・危機管理では、そもそも将来のミスやトラブルといった失敗をあらかじめ想定してア
クションプログラムの中に入れてしまうことをいうのである
☆将来のミスやトラブルは必ず想定する
国際ビジネスでは「いい人」は「どうでもいい人」を意味し、「お人よし」とは単なる「無知」
を指す
↓
安全にもこの事が云える ↓
「備えあれば憂いなし」 ( ← リスクに対し直ぐに対処できること)
20.「挽回の法則」
新しい視点で”大きな新天地”が開ける!
「ひとりの天才的な研究者よりも、100人の普通の研究者が違った視点で技術を見、
たほうが最終的には成果は大きい」(スリーエム:アーサフライ:ポストイットの開発者)
☆ミスを歓迎した発明王
「失敗と挫折は開発者にとって大切な経験である」
↓
失敗は、失敗事例として見るだけでなく、こうすれば成功するかもしれないというより
ポジティブなスポットライトを浴びせることも考えなければいけない
14
☆ミス”未来の財産”にする唯一の方法
世の中のほとんどは(人は)ミス(トラブル、事故が発生すると、一瞬で顔色が変わった
りする。(機嫌が悪い、ヒステリーになる) 免疫力なし
↓
「オーノートラブル」と云って、黙認すると
↓
隠蔽事件に発展
失敗に対し感謝できる人は、ある意味で精神的に余裕のある人間である。余裕があ
るから動じない。喪のごとを広く見て冷静に判断できる
☆いつか”リベンジ”してやろうと考える
事例) スリーエム
開発を打ち切った”超軽量不織布”チームが、秘密n開発を続け、軽量で防寒に優
れたシンサレートを作り上げてしまった
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いつかリベンジしてやろうとする考えをもつことが大切
☆成功をつかむことが、失敗の最終目的
コンピテンシー(competency = できる人の行動特性)
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「失敗を予測・回避し、それを成功のために活かす人は、どのような行動規範をもって
いるのか」
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「おごるな、隠すな、我が身を正せ」が重要
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精神的な反省だけでなく、根本的に仕組みを返りような事後処理も不可欠
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「失敗に動じることなく、正直に自体を分析し、ことが大きくなる前に次の一手を打つよう
な人」が自分の周りにもいるはずである
「ミスを予防する」ことは、ビジネスの最終的な目的ではない
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サッカーでも失点を防ぐだけでは勝てない。得点をあげないと勝てない。目的は、
「試合に勝つこと」
失敗を通してビジネスに「成功すること」である
参照図書:「なぜかミスをしない人の思考法」
中尾正之
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