平成27年4月21日 品川区立戸越台中学校の 保護者の皆様へ 品川区立戸越台中学校 校長 井上 好嗣 友人関係作り、この時期大切なこと その2 ~FACE TO FACE で人間関係を作る~ 1) 「お金やモノで、人間関係を作る」ことの危うさを考えてみてください。 子どもたちの小遣いで『奢る』『奢られる』、ゲーム機やソフトなどの『貸し借り』など「お 金やモノで、友人関係を作る」ということも、最近の子供たちの人間関係作りでは起こりがち です。 しかし、このようにして作られた人間関係は、決して「対等の友人関係」ではありません。 場合によっては、 『たかり』につながったり、借りたものの紛失から返却がままならずに『借 金』になったりするような事案に発展することにもつながります。過去の他の区の事例では、 困り果てた子どもが、保護者が管理しているお金に手をつけたり、返却のために『万引き』な ど悪事に手を染めたりということも起こっています。 ぜひ、モノの貸し借りや万引きなどへの注意も含めて、見慣れない持ち物についても、子ど もの小遣いの使い道や子どもの預貯金の管理などにも気をつけてください。 何よりも、「お金やモノで、人間関係を作る」のは、稚拙で誤った方法です。 2) 「友だちの友だちは、友だち」でしょうか。 A:「○△さん?知っている?」 B:「知ってる!知ってる!あの子とは、◎○幼稚園で一緒だったんだ」 こんな会話で、子どもたちは新しい人間関係のつながりを探し、作っていくことがあります。 そういう時、なぜか私たちの脳の中と心の中にも、勝手な解釈がなされていきます。 たとえば、「知っている」→「仲がいいんだ」→「友だちなんだ」→「いい人なんだ」とい うように、イメージだけが膨らんで。 「いい人」というのは、どういう人を「いい人」としているのか。自分にとって「得な人」 なのか「損な人」なのか。「話題が合う人」が「いい人」なのか。「遊んでくれる人」が「いい 人」なのか。時には、「自分に注意してくれる人」こそ「いい人」の場合もあるはずです。 3)いい「友だち」を作る秘訣は、自分が「いい人」になること テレビのドラマや映画、親子で読んだ本などでも、登場人物のせりふや人間関係を話し合っ てみることが必要です。出演している「俳優がカッコいい」とか「着ているものが素敵だ」と いうことだけではなく、「友だち」とか「人間」についても、ぜひご家庭でいっしょに考えて みてください。 学校でも、読書活動を推奨しています。ブックトークなども行っていきます。 そういう家庭での話し合う活動や学校での教育活動を通じて、本当の友人を見つけられるよ うに成長させていきたいと考えています。そのためにも、まずは、自らを、 「信頼され、親しま れる生徒」に成長させていくことがポイントになります。どのような価値観を身につけ、どの ような態度や言動をしていくこと必要なのか、気づかせ、身につけさせていきましょう。 育成すべき価値観と身につけさせるべき言動・態度についてのひとつの答えは、平成26・ 27年度「品川区青少年健全育成」基本方針の冒頭にある、育成の「重点指導項目」として掲 げられていることは、 ○ 「挨拶をする」 ○ 「時間を守る」 ○ 「家庭・社会の約束ごとを守る」 ○ 「家庭・社会の一員としての役割を果たす」 です。 そして何よりも、その根幹にある価値観、人間として大切なことは、 ◇ 「お互いの、生命(いのち)、財産(もの) 、人権(こころ)を大切にする」 です。 これらを身につけさせれば、おのずと「FACE TO FACE」で人間関係を作っていけますし、 望ましい「友人関係」も構築できるはずです。 5月のゴールデンウィークも含めて、家族で過ごす時間をぜひ作っていただき、大切な価値 観を育成していってください。きっと、「いじめ根絶」の秘訣にもなりますので。 (※ 裏面に、子どもの悩みや友人関係などを見取るチェックリストがあります。ご活用を。) 家庭での「いじめ」「なやみ」などのチェックリスト 《悩みがあるとき》 ア 表情が暗くなった イ 言葉数が少なくなった ウ 親・家族を避けて、自分の部屋にこもっていることが多くなった エ 食欲がなくなった オ 疲れた様子である カ 腹痛や頭痛などの体調不調を訴えるようになった キ 学校や部活動や塾などを休みたいと言い出すようになった ク 感情の起伏が激しくなった ケ 言葉遣いが乱暴になった コ やたらに親や担任の悪口を言うようになった 《いじめや犯罪に巻き込まれているとき》 ア 傷やあざ等がある。あるいはそれを見せることを嫌がり自分でやったと言う イ 格闘技を習いたい、けんかが強くなりたいと言い出した ウ 友だちからの電話を避けたり、メールアドレスを変えた エ 引越しをしたい、塾を変えたい、あるいは転校したいと言い出した オ 遅い時間の外出が増えたり、塾などの帰宅時間が遅くなった カ つきあっている友人が、変化した キ 友人を呼ぶ呼び方が、命令調や逆に馬鹿にするようになったり変わってきた ク バッグ、上履き、教科書、ノートなどにいたずら書きが増えた ケ 標準服やワイシャツや体操着などに足跡の汚れや破れなどがある コ 学用品をなくしたり、壊れたという訴えが増えた サ 遅刻してでも家でトイレを済ませて、学校ではトイレに行きたくないと言う シ 高価な持ち物が増えていたり、逆になくなっている ス 小遣いが足りない、貯金を下ろしたいと言い出した セ 小遣い以上の大金を持ち歩いている ソ 家庭内で、お金の紛失がおきた タ タバコのにおいがする チ 高校生以上の大人の友人と遊ぶ話が出てくる、あるいは遊んでいる ツ 家族がいないときに、多くの友人が家に溜まっている形跡がある 《身近な相談機関》 ★品川区教育委員会 ★品川区立教育総合支援センター・教育相談室 〃 ・HEARTS ★品川児童相談所 ★こころのフリーダイヤル ★荏原警察署 ★戸越台中学校 ℡ ℡ ℡ ℡ ℡ ℡ ℡ 5742-6832 3490-2006 5740-8225 3474-5442 0120-552-777 3781-0110(生活安全課少年係) 3781-6250 (スクールカウンセラー:中里)
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