10 月 23 日(木) コットマレーへ出発 朝からキャンディーでは雨が強く降ったが、1 時 30 分にコットマレー、ラ バナゴダ村に到着すっかり晴れていた。8月にオープンしたコーヒー乾燥 工場(写真右:コーヒー工場の看板)でコーヒーの豆の具合を見る。乾燥 天日干し60%、急ぎ乾燥機で完全に乾燥をさせるように頼む。日曜日ま でにできるように農業輸出局のバスナヤカさんに伝える。 (写真左:収穫されたコーヒーの実 写真左から 2 番目:コーヒーの実を乾燥させます。写真左から 3 番目:乾燥機 写真右: コーヒーの生豆) 日曜日に届いた乾燥豆は、今までの数倍も良い豆に仕上がっていて、味も大いに期待できそうです。 保育所の子どもの歓迎セレモニー コーヒー工場の中に小さな保育所が作ってあった。22 人の 3~5 歳の 子どもたち。コーヒーの作業をするお母さんが前より多くなったことで 子どもを預けることが多くなったそうです。雇用の創出と言うことにな っている。300 ルピー(300円)の保育料だが払えない子が多い。年 を取った園長先生と、お母さんの一人がアシスタントで入っている。場 所はお寺の敷地の一部を借りているのでとても狭い。確かに小屋のよう な 6 畳ほどの部屋と 3 畳ほどの部屋と、外の小さなスペースで子どもが机もなく座って、 (ござの上) 活動をしている。机やいすやトイレがほしいと言っている。ここで改めてフェアートレードの意味を考 えさせられた。紙風船とキャンディーを今回はプレゼントしたが、2000 ルピーのお金も渡した。 お母さんたちの仕事が増えると、確かにそのスペースで子どもの保育は難しい。何かいいサポートの方 法はないか検討していくことが大切。物とお金も確かにないが、良いコーヒー豆を生産し、私たちがそ れに見合った豆を買い、そこにいくらかの環境改善収益を「子ども基金」 のような形でプールさせ、子どもの教育環境を良くする資金に使うよう に指導する必要を感じた。でも今すぐ何かが必要であることも確かな事 実だった。 セレモニーでは子どもが 3 つの踊りと歌を見せてくれた。貧しい生活 をしていても、人を精一杯もてなす心は、私たちの心の中に、改めて豊 かさの意味を問いかけられるほどであった。とにかく良い豆ができ、高く買ってあげることができれば、 今までただ同然にしていたコーヒー豆が、大きな収入源になっていくはずである。 またこの日歓迎の挨拶をしてくれた、農民組合婦人部長のアジャンタさんが、このコーヒープロジェ クトの出来事が「テレビドラマを見ているように、自分たちに希望と夢をもたらした」と言う言葉が今 でも脳裏を離れない。 10 月 26 日(日) キャンディー郡カルガリヒンナの村にキャンディーの 農業輸出局のモホッティーさんが「この村も見てくれ」 と連れて行かれた。ラバナゴダ村のプロジェクトの成 功が近隣の村にうわさになっているとのこと。雨の中 又山の中に入っていった。 ピリウェラ村 50世帯(子ども 10歳以下25~30人)収入1000円以下 30世帯。政府か ら 300~650 ルピー援助。作物は、紅茶、こしょう、米を栽培。 お金がないから電気もほとんど持っていない。飲み水はあまりきれいでない井戸水。農業用水は雨水 のみ。灌漑設備がない。学校はなく、2キロはなれたところにいく。1~11年まで。(中学まで) 集会所がないから個人の家を提供してくれた。小さい家で、6畳ほどの部屋と台所が 3 畳ほどの広さ。 50 人参加(各世帯一人は来ていたことになる) 。一日前に声をかけたにもかかわらずこの参加率は、 期待が大きかったということ。モホッティーさんもびっくりしていた。ここには通訳のチャンドラさん とペラデニア大学のサーリヤさん(日本に6年間佐賀大学で勉強していた農学部の教授)奥さんのトラ ニさんと子ども2人も同行した。この方たちが今後いろいろな形でサポートしてくれることになる。 ここでもスリランカ式のお茶をごちそうになるので、お茶代として1000ルピー渡す。スリランカ の人は自分の家にお金がなくても、訪れた人には精一杯何かを出す習慣があり、こんなに貧しい暮らし なのに、サンドビスケット、とカステラ紅茶を出してくれた。 小さな村だが農民の組合があり、組合長とその下の人がいろいろ説明をしてくれた。 コーヒーの技術指導があると、コーヒーがすぐにできる。何とかここでコーヒーができるようになると いいと輸出局も期待している。コーヒーの苗は国が渡すといっている。しかし現状の豆はほとんど売れ ないものであった。サーリヤさんが、学生の研修をこういうところで一緒にして、支援ができるといい と言っていた。今後のあり方を委員会としても考えないといけない。今回は9日間の中で、たくさんの 現実を見せられた。ここでは書けないが、さらにもっと貧しい人たちの村にもいったが、国のあり方、 住民の生活要求など、まだまだ民主主義が未成熟な国の今後に、このプロジェクトがどういう影響を与 えるのか、あまりにも大きな課題に頭が少々くらくらしたのも本当のところ。これで8回目になるスリ ランカ訪問だったが、これからの関わり方に大きな課題を見つけた、とても大きな意味のある訪問とな った。(清田明子フェアトレード委員記)
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