栄養改善に係る国際的な動向

栄養改善分野の国際的な動向と
日本の取組
外務省
国際協力局国際保健政策室
日本国内の栄養に関する施策
国民健康・栄養調査
1945年 連合国司令部(GHQ)「一般住
民の栄養調査を実施すべき旨」の指令。
国民栄養調査開始。
1952年 「栄養改善法」公布
2003年 「健康増進法」施行。国民健
康・栄養調査開始。
栄養士,管理栄養士
1948年 「栄養士法」施行
(従来の「栄養士規則」は廃止)
学校給食
食育・栄養教育
2005年 食育基本法
2006年 食育推進基本方針
1946年12月 文部・厚生・農林
三省次官通達「学校給食実施
の普及奨励について」
→ 国際的に貢献できる知見を多く有する
栄養に関する国際的な動向
2008年 ランセット誌 母子栄養シリーズ第1段
妊娠から2歳の誕生日までの1000日間の栄養改善の重要性を強調。
2010年
2012年
2013年
2013年
2015年
SUN(Scaling Up Nutrition)ムーブメント
「Global Nutrition Target 2025」
「Nutrition for Growth」
ランセット誌 母子栄養シリーズ第2段
持続可能な開発目標(Sustainable Development
Goals,SDGs)
目標2:飢餓を終わらせ,食料安全保障及び栄養改善を実現し,持続可能な
農業を促進する
(参考) http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000101402.pdf
2016年 G7伊勢志摩サミット,「Nutrition for Growth」,
TICADⅥ
栄養に関する期限付きの主な国際的な目標
2010年 SUNムーブメント
2012年
2013年
2014年
SUNムーブメント戦略
[2012-2015]
SUNカントリー(SUNムーブ
メントに加盟し,栄養改善
の取組を主体的に実施す
る途上国)が,それぞれ目
標を設定する。それらの目
標は,Global nutrition
target 2025(右記)を達成
することを目指す。
2015年
※2016年以降の戦略は9
月に公表予定。
2020年
2025年
2030年
Global nutrition
target 2025
2025年までに
目標1(Stunting):5歳
以下の子どもの発育
阻害の割合を40%減
らす。
目標2(Anemia):生殖
可能年齢にある女性
の貧血を50%減らす。
目標3(Low Birth
Weight):出生時の低
体重を30%減らす。
目標4(Childhood
overweight):子どもの
過体重を増やさない。
目標5(Brest feeding):
最初の6か月間の完全
母乳育児の割合を
50%以上にする。
目標6(Wasting):小児
期の消耗症の割合を
5%以下に減少・維持
する。
Nutrition for
Growth
2020年までに
●少なくとも5億人の
妊婦及び2歳未満の子
どもに効果的な栄養
の介入がなられること
を確実にする。
●5歳未満の発育阻害
の症状にある子どもの
数を少なくとも2000万
人減らす。
●発育阻害を予防し,
母乳育児を増やし,重
度急性栄養不良の治
療を増やすことによっ
て,170万人の5歳未
満の子どもの命を救う。
ICN2
ICN2の成果文書
「Framework for
Action」においては,ア
カウンタビリティ確保
のために,既存の数値
目標(Global nutrition
target 2025(左記参
照)及び2025年までに
達成すべき非感染性
疾患のリスク要因削減
(世界全体での食塩摂
取量を30%削減するこ
と,成人や青少年の肥
満の増加を食い止め
ること)を掲げているが,
同行動枠組は義務的
なものではない。
持続可能な開発目標
目標2:飢餓を終わらせ,食
料安全保障及び栄養改善
を実現し,持続可能な農業
を促進する
2.1 2030 年までに,飢餓を
撲滅し,すべての人々,特
に貧困層及び幼児を含む
脆弱な立場にある人々が
一年中安全かつ栄養のあ
る食料を十分得られるよう
にする。
2.2 5 歳未満の子どもの発
育阻害や消耗性疾患につ
いて国際的に合意された
ターゲットを2025 年までに
達成するなど,2030 年まで
にあらゆる形態の栄養不良
を解消し,若年女子,妊婦・
授乳婦及び高齢者の栄養
ニーズへの対処を行う。
日本の取組-政策レベル-
●開発協力大綱(2015年2月)
-「質の高い成長」とそれを通じた貧困撲滅という重点課題の一環として,食料・
栄養を取り上げている。
(参考) 「開発協力大綱」 http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000067688.pdf
●平和と健康のための基本方針(2015年9月)
-上記「開発協力大綱」の保健分野の課題別政策。
-保健分野への支援を通じた質の高い成長と貧困撲滅への貢献として,栄養改
善を位置づけている。
(参考) 「平和と健康のための基本方針」 http://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ghp/page22_002274.html
日本の取組-事業レベル-
事業の例
●エチオピア「母子栄養改善プロジェクト」(2008-2013
/技術協力プロジェクト)
行政機関及びヘルス・センターに対する研修,妊産
婦・授乳婦に対する栄養教育やカウンセリングを実施。
Health
●ベナン「母子保健プログラム」(個別専門家派遣
(2006-2013),青年海外協力隊(栄養士)(複数回))
個別専門家が青年海外協力隊(栄養士)らと協力して,
母親学級,離乳食教室等を実施。
Water
Empower
ment of
women
Nutrition
improvement
interventions
Agriculture
●セネガル「安全な水とコミュニティ活動支援計画プロ
ジェクトフェーズ2」(2006-2010/技術協力プロジェク
ト)
住民主体の給水施設の維持管理システムの確立及び
住民に対する衛生教育活動を実施。
Education
●ベトナム「栄養士制度普及促進事業」(2014-2016/
民間技術普及促進事業)(味の素株式会社)
栄養士の教育・資格・法規制制度の一連のシステムを
創設するとともに,学校給食,病院食,ケータリング事
業の新市場において,栄養バランスの良いメニューの
開発と提案を行う。
ご静聴ありがとうございました。