エアポートメンテナンスサービス株式会社 土木事業部 土木保全課 課長補佐 齋藤智徳さん 1 日に600便以上もの航空機が往来する成田 空港。その運航を支える滑走路やエプロン には、重いものでは約500tもの機体重量の負荷 がかかる。エアポートメンテナンスサービス (AMCO) は、滑走路、誘導路、エプロンの点検・保守、補 修工事などを担い、土木施設点検チームで班長を 務めているのが齋藤さん。3人1組で、日中は主に エプロン、構内道路、場周道路を、夜間は滑走路 と誘導路を中心に巡回。舗装のひび割れや剥がれ Talent などをいち早く発見して応急処置を施し、本格的 Person of な補修工事が必要である場合は、工事担当部署な 空港を支える プロフェッショナル 点検は車上からの目視に加え、劣化や損傷が疑 どへ現状の報告とともに引き継ぐ。 われる場所は車から降りて、点検ハンマーで打音 チェックをする。齋藤さんたちにとってこのハンマー は聴診器のようなもの。叩いた時の音と感触で、 目に見えない部分の損傷の度合いを探る。 「損傷前 にわずかな異常を見つけて早い段階で措置をする。 その“予防保全”が私たちの重要な役目なのです」 。 点検は地道な作業ながら、空港のドクター役に よる早期の発見と適切な処置が、365日休むこと の許されない空港の安定運用を支えているのだ。 空港を見守るドクター役 過酷な気象条件から空港を守る 暑さ寒さ、雨や風にさらされての点検作業は過 酷を極めるが、それは滑走路などの基本施設にとっ 1 2 ても同じこと。たとえば夏ならば暑さでアスファル トが軟化し、航空機が何度も通るところには轍が できてしまう。コンクリート部分は伸縮を繰り返 してひび割れ、剥離や隆起が生じたりする。その 破片を吸い込んでエンジンを損傷したりすれば、そ の機材は運航できなくなる。さらに、補修工事の 3 ために滑走路閉鎖という事態にでもなれば、空港 運用に多大な影響を及ぼす。特に夏場は家にいて も気がかりになる、と緊張感は途切れない。 それでも「夜の点検を終えて朝一番の航空機が 降りてくると、 『1日が通常どおり始まること』に 一瞬ほっとします」 。搭乗するお客さまと直接接す ることはないが、空港を安心して利用していただ 損傷が疑われる場所では点検ハンマーで打音チェック 2 点検結果を管理シ ステムに入力して他部署とも情報を共有する 3 独断はせず、チームとしての 総合的な判断を心がける 1 成田国際空港株式会社広報部 けるよう、関係者と共に安全を守っているという 自負が常に胸にある。 No.174 隔月刊『GREEN PORT REPORT』〒282-8601 成田市成田国際空港内NAAビル FAX▶0476-34-5030 Mail▶[email protected] URL▶http://www.naa.jp/
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