4.栽培管理

4.栽培管理
1)栽植
一 般 に ス ダ チの 台 木 に は 、カラ タ チ が 用 い ら れ て い る 。樹 冠 の 拡 大 が
遅 い の で 、栽植 距 離 は 比 較 的 狭 く てよ い 。早 期 収 量 を上 げ る た め に 、計
画 的 な 密 植 栽 培を 行 う の が よ い。3m×2m の 並 木 植 え と し 、逐 次 間 伐 を 行
い 、 最 終 的 に は 3m×4m と す る 。 初 期 生 育 が 緩 慢 な ので 、 で き る だ け 大
苗 を 定 植 す る のが よ い 。植 え 付 け 時 期 は 発 芽 前 の 3 月 下 旬 ∼ 4 月 上 旬 で 、
方 法 は 他 の カ ンキ ツ と 同 じ で あ る 。
2)整枝・剪定と摘果
( 1 ) 整 枝 ・ 剪定
樹 形 は 、開心 自 然 形 が 基 本 と な る 。幼 木 期 は 整 枝 が 中心 で 、剪 定 を 軽
く し て 樹 冠 の 拡大 を 図 る 。2∼3 年 生 時 か ら 、将 来 の 樹 形 を 考 え て 枝 の 配
置 に 心 掛 け る。主 枝 、亜 主 枝 の 本数 を 多 く し な い よ う にし 、太 枝 の 独 立
を 図 り 側 枝 は なる べ く 短 く し 、下垂 枝 を 作 ら な い よ う にす る 。ま た 、ス
ダ チ に は ト ゲ があ る の で 、収 穫 時 に 作 業 し や す く な る よう に 心 掛 け て 剪
定する。
(2)摘果
果 実 の 肥 大 途中 で 収 穫 す る の で、隔 年 結 果 性 は 低 い。果 実 肥 大 促 進 と
品 質 の 向 上 を 目的 と し て 、7 月 上 旬 か ら 葉 果 比 が 5∼ 10 枚 程 度 に な る よ
う に 、傷 害 果 、奇 形 果 、密 着 果 を 中 心 に 摘 果 す る 。ス ダ チ は 短 い 結 果 枝
に 団 子 状 に 結 果し や す く 、果 実 同 士 が 密 着 し 日 光 の 当 たら な い 部 分 が 黄
白 色 と な っ て 商品 価 値 が 低 下 す る。ま た 、果 実 の 上に 葉 が か ぶ さ っ て い
る と 果 面 が 黄 白色 に な る の で 、摘 果 、摘 葉 を 行 っ て 秀 品果 生 産 に 努 め る。
3)肥培管理
夏 期 の 乾 燥 は 果 実 肥 大 を 悪 く す るの で 、乾 燥 の 程 度 に 応 じ て 灌 水 を 行
う 。ス ダ チ は 年 間 を 通 じ て 、肥 料が 効 い て い る 状 態 に する の が よ い 。秋
冬 期 の 黄 変 落 葉の 軽 減 に は 、 多 肥 条件 が よ い 。 土 壌 酸 度は 、 pH6 を 目 標
に苦土石灰を施して矯正する。
4)病害虫防除
病 害 で は 、か い よ う 病 、そ う か 病 、黒 点 病 が 防 除 対 象と な る 。害 虫 で
は 、カ イ ガ ラ ム シ 類 、ミカ ン ハ ダ ニ 、ミ カ ン サ ビ ダ ニ の他 、カ ネ タ タ キ 、
シ ャ ク ガ 、コ ア オ ハ ナ ム グ リ 等、障 害 果 の 原 因 と な る 害虫 が 防 除 対 象 と
な る 。 そ れ ぞ れの 病 害 虫 に 対 し て 、 適 期 防 除 を 行 う 。
施 設 栽 培 で は、か い よ う 病 と 灰 色か び 病 の 防 除 が 重 要 で あ る 。か い よ
う 病 は 展 葉 期 とビ ニ ル 除 去 後 の 秋 枝に 発 生 し や す い の で、防 除 す る 。灰
色 か び 病 は 施 設内 が 無 風 の た め 、開 花 後 花 弁 が 脱 落 せ ずに 発 病 し 、果 実
の 外 観 を 悪 く する の で 、 落 弁 期 に 防除 を 行 う 。