Forwarder JPサンキュウグローバルロジスティクス

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郵、
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国用
際な
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流独
へ自
踏性
みを
出発
す揮
提携会見で握手する日本郵便の北村CEO(左)
、
山九の中村社長(右)
76
CARGO NOVEMBER 2008
リポート
郵便事業会社(日本郵便)グループが国際物流への第一歩を踏み出す。
国際物流を行う山九との共同出資会社、JPサンキュウグローバルロジス
ティクス(JPSGL)は先月、2009∼11年度の中期経営計画をまとめ「グロ
ーバル市場で“勝つ”ための事業基盤の確立」を打ち出した。世界の郵便
ネットワークおよび航空貨物ネットワークを統合した高付加価値の「バリ
ューロジスティクス」を提供することを経営方針に掲げ、独自性を発揮し
ていく。荷主の物流費低減はもとより、特に環境、スピードを追求した商
品開発を進める。国内では羽田空港への進出も決定。荷主の信頼獲得と
ともに、挑戦者の立場から国際航空貨物業界に新風を吹き込む。
画期的な第一歩
旧日本郵政公社は、国内郵便物の取扱
件数が頭打ちになる中で、新規事業分野
た。山九が今年4月に事業分割した航空
山九ヨーロッパ
ロッテルダム駐在員事務所
イェーテボリ
オスロ
ハンブルク
ブレーメン
コペンハーゲン
ストックホルム
フランクフルト
ミンスク
ブリュッセル
ヘルシンキ
アントワープ
リガ
モスクワ
ダブリン
ワルシャワ
キエフ
ロンドン
プラハ
ウィーン
ウランバートル
チューリッヒ パリ
ブダペスト
ルスカ
ミラノ
ソフィア
ローマ
マドリード
イスタンブール
テヘラン カブール
リスボン
チュニス アテネ
イスラマバード
バグダッド
カサブランカ
カイロ
マルセイユ
カトマンズ
バーレーン
テルアビブ
バルセロナ
コルカタ
クウェート
ダンマーム
貨物事業部門が母体となり、日本郵便が
などアジアを中心に国際物流を展開する
社長には山九の航空
計画を打ち出した。TNTとの提携交渉は
貨物事業部長の奥田
決裂したものの今年2月、日本郵便は山九
雅彦氏が就いた。航
と共同会社設立に合意した。
空輸送を主体に海上
ムンバイ
コロンボ
タイバージ
コンテナサービス
ナイロビ
ルアンダ
日本郵便60%、山九40%。従業員数は130
人(08年10月時点)。
アブダビ
ラゴス
出資した。資本金は3億円。出資比率は
を国際物流に求めてきた。地域では中国
記者会見で日本郵便の北村憲雄代表
図 主な海外ネットワーク(2008年3月現在)
北京山九物流
天津天山国際貨運
バンクーバー
シアトル
青島山九亜太物流
大九国際物流
★東京
太栄山九国際物流
上海経貿山九儲運
上海山九設備安装工程
上海経貿山九物流
広州山九物流
広州広重山九機械工程
山九インドネシア国際
サンフランシスコ
ロサンゼルス
シカゴ
ヒューストン
ニューオリンズ
マイアミ
メキシコシティ
グアテマラ
山九東源国際(香港)
山九空運(香港)
鴻運住山(中国)
サントドミンゴ
カラカス
パナマシティ
ボゴタ
キト
深 深九国際物流
訓
均
山九陸通(珠海保税区)儲運
山九ブラジル
山九レムチャバン
ニューヨーク
フィラデルフィア
ボルチモア
ノーフォーク
チャールストン
サバンナ
ジャクソンビル
トロント
デトロイト
アーバイン
台北駐在事務所
山九ベトナム
山九フィリピン
ホーチミン駐在事務所
山九マレーシア
山九シンガポール(私人)
山九タイ
リロングウェ
ルサカ
ハラーレ
山九ユー・エス・エー
南京山九長発物流
イパチンガ
サンタクルーズ
リマ
ボルタレドンダ
サンパウロ
ポートルイス
ブリスベーン
パース
フリーマントル
ヨハネスブルグ
ケープタウン
JPSGLの海外提携企業・フォワーダー拠点
アデレード
メルボルン
山九の海外現地法人
サントス
サンチアゴ
シドニー
オークランド
ウエリントン
モンテビデオ
ブエノスアイレス
山九の海外駐在員事務所
輸送、サード・パーティ
取締役会長CEOは、
「日本郵便がこれま
ー・ロジスティクス
(3PL)
で保有してこなかった国際物流事業に必
事業を展開する。また、
要な機能、航空フォワーディング機能を長
同社は日本郵便と山九の提携サービス
くパートナー関係にある山九と共同保有
「SBY」を引き継いだ。30㎏以下の国際小
同社のネットワークをみると、国内拠
する。郵便事業にとって画期的な第一歩
口貨物サービスのターゲットは、
「SBY」が
点は山九の航空貨物事業から承継した
東欧地域で国際物流の営業を開始した。
および「開発営業部」だ。両部署は山九の
と考えている」と述べ、
「共同出資会社を
B2B、日本郵便の国際スピード郵便
(EMS)
成田、横浜、中部、関西、福岡の5カ所
同社の首脳を含めた両社のスタッフがハ
航空貨物事業にはなかった組織だ。企画
通じて山九の物流機能と日本郵便のネッ
が主にB2C、C2Cとすみ分けた。
となる。
ンガリーを皮切りにチェコなど同地域の日
開発部は案件ごとに商品を開発する部署
系メーカーなどをめぐり、市場調査などを
で、将来的にはTC1、TC2、TC3などエリ
行った。
ア別に商品を開発していく。
奥田社長
中東欧で営業開始
る。最初のターゲットとなりそうなのが日
協業体制を推進し、独自性をいかに発揮
系メーカーの進出が著しい中東欧地域
していくかが重要となる。
だ。日本郵便および同社は、今月から中
営業面で中核を担うのが「企画開発部」
トワークを効率的に融合させて日本全国
会社発足後、山九の航空貨物事業の承
海外は基本的に山九の現地法人および
津々浦々のお客さまに世界各国を結ぶ国
継や新会社としての商品開発などに取り
各国の中小規模のフォワーダーが加盟す
際物流サービスを提供できるものと確信
組んできたが、先月、09∼11年度を対象
る「IASA」
(International Air&Shipping
欧州では日本郵便が今年7月、フランス
開発営業部は荷主の開拓部門だ。大口
している」と力強く語った。また、山九の
とした第1次中期経営計画(案)をまとめ
Association)のネットワークを利用する。
の郵政事業体ラ・ポストと国際物流、国際
顧客については、日本郵便の法人営業部
中村公一代表取締役社長は「共同出資会
た。全体方針には「グローバル市場で“勝
山九の海外現地法人の拠点は16カ所
スピード郵便(EMS)
などでの協力を推進
署および山九の担当部署と連携し、営業
社が国際物流の場において日本の産業界
つ”ための事業基盤の確立」を掲げた。ま
(北京、大連、青島、上海、広州、香港、
することで合意した。国際物流では同社
を展開する。法人営業部署は既に先月か
の動脈としてしっかりとした働きができる
た、経営理念には世界の郵便ネットワーク
ハノイ、ホーチミンシティー、バンコク、クア
とラ・ポスト傘下のフォワーダー、ジオポス
ら本格的な営業活動を開始し、併せて
ことを大変期待している。日本郵便と一
と世界の航空貨物ネットワークを統合し、
ラルンプール、ペナン、シンガポール、ジャ
トが担う。今回、日系メーカーの多くが進
EMSなどを取り扱う日本郵便の国際郵便
緒に汗をかきながら一歩一歩、着実に進
高付加価値の「バリューロジスティクス」を
カルタ、シカゴ、サンパウロ、マナウス)。
出する同地域で日本郵便グループが営業
部署の営業スタッフもサービスの案内を
めていきたい」との意気込みを示した。
「成長」
「感謝」
「挑
提供する方針とともに、
IASAの加盟社数は34カ国・38社。同社
を開始することでさらなる協力推進につ
開始した。一方、開発営業部には日本郵
バリューロジス
戦」
「創造」
「信頼」をキーワードに挙げた。
独自の提携代理店数は80社(全代理店数
なげる。
便の営業スタッフ対応用にヘルプデスク
会社発足後、初年度(08年7月∼09年3月)
から山九およびIASA加盟社を差し引い
国際物流の中核を担う両社の共同出資
の売上高は航空事業を主体に約60億円
た数)
。
会社「JPサンキュウグローバルロジスティ
の見込み。中計では航空事業の売上高倍
クス」
(JPSGL)は今年7月、正式に発足し
増を目指す。
海外への同社独自の展開では基本的
に山九の拠点が少ない地域が候補とな
3社の連携が重要
を設置するとともに、中小規模の顧客に
対する営業活動も開始。さらに、同部に
同社が中計で掲げた方針を達成するた
「SBY」のコールセンターを移管し、顧客
めには、日本郵便、山九との連携を強め、
サービスの向上および需要開拓をさらに
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リポート
図る計画だ。
を組み合わせた新商品「JEP」を開発し
荷主のターゲットはまず、自動車部品メ
た。メーカーから今後、同社を主要顧客
ーカーに据えた。新規顧客開拓のため既
として展開していきたいとの意向を受けて
に日本郵便のスタッフが一次営業として全
いるという。
国で活動を開始。成約の可能性が高い場
同社は先月から成田∼上海間の航空輸
合、同社の専門スタッフが案件を引き継
送で梱包箱を利用するサービスの販売を
ぐ。一方で山九が既に海上輸送や構内物
開始しており、利用方法としては現時点で
流などで取り引きがある顧客に対し、航
①日本と上海の工場間で生産用部品など
空輸送などの提案を進めている。
の社内物流②同区間での修理部品、精密
リターナブル梱包箱
航空貨物業界では近年、燃油高騰を背
機械などメンテナンス輸送―などが想
定されるという。
「環境への関心は非常に
高く、多数のお客さまから“待ってました”
景に海上シフトなどが進み、既存のフォワ
との反応もあったほどだ。国際輸送のみ
ーディング・サービスのみでは事業の拡大
ではなく、日本国内、中国国内での物流
が難しい。各社とも商品の独自性が求め
でも利用が見込まれる」
(同)
と語る。
られる中、
「当社は輸送費低減とともに環
首都圏を強化
境を全面に打ち出したサービスを提供し
ていく」
(奥田社長)
と語る。
環境関連の商品の第一弾が、古紙が主
こんぽう
な原料の梱包箱(写真参照)を活用した
一方、航空事業の特性をさらに生かす
ための商品、拠点展開も進める。
商品では、山九が従来から提供してい
「JEP」で使用するリターナブル梱包箱
同空港周辺では東京・大田区の平和島
に山九の倉庫があり、現在は主に海上輸
送で活用している。ただ、山九は現在、
神 奈 川・川 崎 市 の 東 扇 島 で 来 年 1 1 月
しゅんこう
「JEP」
(JPサンキュウ エコパック)だ。環
た「SP@CFS」
(ストックポイント・アット・コ
境に配慮したリターナルブル梱包箱として
ンテナフレートステーション)を航空輸送
(仮称)の整備を進めている。同センター
さまざまなメリットがあるが、それは主に
サービスの中に取り込む。同商品は港
は山九にとり最大規模の施設。竣工後に
①再使用による資材廃棄コストの削減②
湾、空港周辺のCFSを製品、部品などの
平和島の海上輸送の倉庫機能を移管す
梱包箱および緩衝材の購入コストの抑制
SPとして活用し、在庫圧縮、リードタイム
ることが見込まれるため、同社が航空貨
③通常の段ボール・木箱梱包箱の製造、
(L/T)の短縮、固定費の削減につなげ
物を主体に利用することも可能だ。羽田
使用に比べCO2削減効果が大きい④容易
るものだ。これまで海上輸送の利用が中
発の輸出航空貨物を平和島に集約し、空
な組立工程のため作業工数の削減が可
心だったが、航空輸送を利用した「SBY」
港に搬入する物流フローも想定される。
タグの貼付に
能⑤RFID(無線自動識別)
との連携も進め、航空輸送の事業拡大に
よって貨物追跡、在庫管理が可能―な
つなげる。
どとなる。
拠点展開での注目は、10年10月の国際
竣工 に向け「山九首都圏物流センター」
「山九の航空貨物事業は関西地域に比べ
首都圏での存在感が低かった。羽田の機
能を強化し、首都圏でのサービス、利便
強度の調整も可能だ。国内の利用実績
化を控えた羽田空港への進出を決めた
性を向上させることが重要となる」
(同)。
では往復の輸送回数が100回から場合に
ことだ。今夏、貨物地区上屋への入居企
商品面で「SP@CFS」との連携も可能と
よって200回まで可能という。内容物は、
業の第1次募集があり、大手フォワーダー
なる。
特殊ウレタン素材を利用した透明の緩衝
とともに同社が応募した。中小規模のフ
材「サンドウィッチフィルム」で挟み込む。
「物
ォワーダーでは同社のみと見られる。
段として他のフォワーダーとのコ・ロード
すき間なく固定されるため、輸送時のダ
流コストの低減、環境を配慮したサービ
も視野に入れている。日本郵
(共同混載)
メージ防止にもつながる。
スに加え、航空貨物事業ではやはりL/T
便グループは国際物流に第一歩を踏み出
梱包箱の利用は今年7月に開催された
の短縮が大きなテーマだ。L/T短縮は
したばかりだ。営業戦略、環境対応、羽
洞爺湖サミットで日本郵便がメディアに提
荷主の在庫圧縮につながる」
(同)
と、羽
田活用などJPSGLが打ち出す独自性がい
供したことで始まった。その後、同社が梱
田を活用し、スピードを追求していく方針
かに結実していくのか。国際航空貨物業
包箱のメーカーと契約し、輸送と梱包箱
を示す。
界に新たな風が吹き込まれる。
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一方、航空輸送事業拡大のさらなる手