Terminal 松 栄 関航 空空 対貨 岸物 りに ん特 く化 うし タた ウ梱 ン包 に事 自業 社を 拠展 点開 リポート こん ぽう 梱包業者の松栄は、関西空港対岸のりんくうタウンに自社拠点を開設 し、今年10月6日に事業を開始した。同拠点には大阪市内の本社を移転。 また、大阪市内およびりんくう国際物流センター(R I Lセンター、大阪府 泉佐野市)内でのオペレーション機能も統合した。新拠点には、ホイスト クレーンのほか、冷凍庫、冷蔵庫などを整備。また、来年中には保税蔵置 場も設置する予定だ。関西地域には航空貨物専門の梱包業者は少ない。同 社は航空貨物に特化した梱包事業を進め、新拠点で保管、梱包、通関まで のワンストップ・サービスを提供していく。 創業から40年 特化した梱包業者がほとんどなかった。 「こ こに特化すれば生き残っていけると考えた」 新たな機能としては、倉庫内に冷凍庫(摂 氏が大阪市浪速区で木箱の製作を開始し 進める中で、05年にはRILセンター内にある ストクレーン (5㌧)および精密台はかりを設 たことにさかのぼる。当時は、鉄鋼会社や 近鉄エクスプレスの施設での梱包作業を獲 置した。設備機器関連や金型などの重量物 建機メーカーなどから産業資材の国内流通 得する。 から小口軽量貨物までさまざまな航空貨物 用木箱の製作依頼が多く、主に梱包資材を 事業は堅調に推移し、大阪市内の本社お に対応する。金型など大型重量物の場合、 よびりんくうのオペレーション用スペースが 神戸地区の梱包業者に持ち込み、その後、 72年には松栄工業を設立。木箱に代わる タイトな状況になる。同社は、拠点の統合に 関空に転送するケースが多いという。関空 梱包資材として段ボールが普及する中、同 ついて検討を進め、06年末から07年初めに 近接地でサービスを提供することで、今後、 社は木箱に段ボールを組み合わせた梱包 かけ、りんくうタウンでの自社拠点開設を決 需要の取り込みが見込まれる。 資材を販売した。取引先が増える中、新た める。オペレーション機能を統合するととも に輸出用梱包作業の依頼を受けるようにな った。 製造・販売していた。 95年に松栄工業に入社。 「どちらかというと、 セ ン コ ー 阪 神 グローバル エアカーゴ 空 港 連 絡 橋 高 速 道 日鴻 本池 空運 輸輸 / 路 湾 岸 線 る。 氏マイナス20度) 、冷蔵庫(摂氏5度) 、ホイ る。もともと大手旅行会社に勤めていたが、 市立泉佐野 病院 り ん く う タ ウ ン 駅 大阪府立 泉州救命 救急センター RIL センター 日 本 パ ー キ ン グ 松 栄 南 鉄海 道電 気 プ リ マ ハ ム エ近 ク鉄 ス プ レ ス プ ロ ロ ジ ス 丸 紅 物 流 サ郵 ー船 ラ ビ航 ナ ス空 ア ス コ ッ ト 西 日 本 鉄 道 上組 片 山 チ エ ン ロ︵ ン整 コ備 ・中 ジ︶ ャ パ ン 区画街路3 区画街路 3号線 区画街路3号線 ヤマトグローバル ヤマトグローバル ロジスティクスジャパン ロ ジスティクスジャパン 大阪府 北10号線 みなとりんくう線 簡易型の3PL 保税蔵置場を設置 一方、付加価値サービスとして簡易型の 今後、注目されるのは、ワンストップ・サー 現在、同社の主な事業内容は輸出、国内 サード・パーティー・ロジスティクス (3PL) も展 ビスをいかに展開していくかだ。同社は現 に、大阪市内から本社を移転、さらに、社名 向けなどの各種梱包作業および梱包資材の 開している。新拠点の3階は3PLをメーンに 在、新拠点での保税蔵置場設置に向けて動 を松栄工業から「松栄」に変更し、今年10月 販売だ。 「JUST PACK」を掲げ、リサイクル 行う。セキュリティー対策のため、入口部分 いており、来年4月ごろから具体的に社内 6日から新拠点での事業を開始し、新たな 可能な包装資材の使用とともに包装する製 には非接触型カードによる自動ロックシステ 体制の整備、関係者との調整などを開始す 第1歩を踏み出した。 品の構造、特質、質量に合った適正包装に ムを導入した。 る予定だ。順調に進めば来年中にも設置で 重量物・保冷に対応 3PLの取り組みをみると、大手フォワーダ きる見込み。設置できれば、保管、梱包、通 ーと協力し、電子部品関連の案件を手掛け 関までのワンストップ・サービスの提供が可 サービス面では01年に業界でいち早く段 てきた。全国のサプライヤーから搬入され 能となる。 取り組んでいる。事業は好調で、売上高は 前年度比15∼20%増で推移している。 会長は梱包資材を開発する技術系、私は営 新拠点は、りんくうタウン流通・製造・加工 業系の考えが中心。営業はサービスを売る Lセン ゾーンのB−1ゾーンに位置する。RI (幅2m×長さ3m) ボールカッティングマシン た電子部品の在庫管理を行い、荷主である 三枝社長は以前、成田空港外の梱包事業 もの。 “梱包作業” という ターを運営する大阪府都市開発が開発した を導入した。専用CADで梱包箱の図面を 電子部品商社の指示に基づき梱包し、フォ 者を視察した時に「これからやっていこうと サービスをメーンに展開 RI Lセンター別棟を専用施設として賃借す 作成し、実行すると、同マシーンが自動的 ワーダーへ引き渡す。電子部品は最終的に 考えたことを、成田では当たり前のようにや していくことに注力して る。施設は3階建て。1、 3階が倉庫、 2階は に図面どおりに強化段ボールを裁断する。 中国の電子部品組立工場に搬入される。ま っていたことにショックを受けた。関西地域 と説明する。 きた」 事務所スペースだ。敷地面積は約3000㎡。 (コン 大きな金型でもサイズの実測後、CAD た、工業材料関連で保冷品の3PLも行って では当社が先駆けとなって取り組んでいく」 いかに梱包作業とい 建築面積は約1603㎡。延床面積は約3172 ピューター利用設計システム) で図面を作成 いる。国内2カ所から搬入された工業製品 と力強く述べる。 うサービスを拡販する ㎡。貨物用エレベーター(3㌧用) は2基あ すれば、オーダーメードの強化段ボールの を検品し、保冷庫で保管。荷主の指示に基 梱包箱ができるなど、さまざまな梱包形態に づきドライアイス梱包で出荷する。 か。関西地域では、神 戸を中心に海上貨物を 三枝社長 対応する。 また、新拠点への移転に伴い、従業員を 2、3人増員し、22∼23人体制とする予定 3PLについては「大規模のベンダー・マネ 「物流は だ。作業スタッフはすべて正社員。 中心とした梱包業者が多い。荷主とは密接 強化段ボールを利用すれば、木箱に比べ ージド・インベントリー (VMI) などは難しい 品質が最も重要だ。そこをしっかりできる会 な関係があり、新規参入は非常に難しいも 軽量化できる。また、仕向地での開梱作業 が、簡易型の3PLには中小規模のメーカー 社が生き残っていくと考えている。正社員に のがある。 が容易な上、リサイクル可能なため環境にも から多くの関心を寄せられている」 (同) と需 当社の品質を教えて育てていき、顧客に高 優しい。利用数は徐々に増えており、引き 要が高い状況だ。新拠点の3階のスペース との方針 い品質のサービスを提供していく」 合いも多いという。 はほとんど埋まっているという。 だ。 一方、輸出航空貨物で関西空港の利用が 進んではいたが、関西地域には航空貨物に CARGO NOVEMBER 2008 段ボールカッティングマシン (三枝社長) 。フォワーダーを中心に営業を 会長の息子、三枝隆宏氏が社長に就任す 90 稼働中の主な物流業者施設 ↑ 関 西 国 際 空 港 へ 松栄の創業は1960年。現会長の三枝陸郎 取り巻く環境が変化する中で2000年に現 りんくうタウンの新拠点 図 りんくうタウン流通・製造・加工ゾーン(B-1ゾーン=太枠内)の入居者 一覧 (井上昭憲) 大阪市内旧本社での作業風景 CARGO NOVEMBER 2008 91
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