平成 28 年度 授業コード: 120525 科目名: 機械材料 機械材料Ⅱ- 材料Ⅱ-J Ⅱ-J 単位数: 2 曜日時限: 金曜 3 限 J プログラム必選の別: 必修科目 瀧澤 英男 シラバス 年度学期: 2016 年度 秋学期 学術分野:ものづくり技術科学分野 学術分野:ものづくり技術科学分野 科目分類: 材料・構造系 授業の目的: 授業の目的: 機械部品、装置、プラントなどの設計には、広範囲な材料的知識が必要となる。具体的には、非鉄金属はもちろんのこと、セラミ 硬質膜のコーティング等による機能性薄膜、さらには高分子(プラスチック)材料をベースにした複合材料までの範囲を網羅する必要があ る。この授業では、設計において強度部材や機能材料を利用するための知識や考え方を身につける。特殊鋼の特性発現の基本原理、非鉄金属の基 本的な特性を理解して説明出来ること、セラミックス系薄膜コーティングと焼結金属について簡単に概略を説明できるようにすることを目的とし ックスや て 授業の内容と進め方: 合金添加による鉄鋼材料の強化・特性改善の基本原理、アルミニウム、マグネシウム、チタン合金、銅合金の諸特性を説 明する。このほか、高分子(プラスチック)材料と最近注目を集めているカーボンファイバー(CFRP)を中心とした繊維強化プラスチックや気相合成 法によるセラミックスコーティングに関する基本を修得する。最新の機能材料の現状と将来展望はパワーポイントを使って写真等を交えて紹介す る。 目標1 鉄鋼材料の熱処理により得られる主な組織の名称と機械的性質を理解して簡潔に説明できる。 重み1 30% 目標2 ステンレス鋼における不働態被膜を理解して金属の耐食性のメカニズムを説明できる。 目標3 鋳鉄における黒鉛の役割と機械的性質に及ぼす影響を理解して簡潔に説明できる。 目標4 アルミニウム、マグネシウム、チタン、銅合金の特性を理解して簡潔に説明できる 目標5 焼結金属の焼結原理を理解して簡潔に説明できる。 目標6 代表的な材料記号について、正式名称と数字の意味を説明できる。 重み2 重み3 重み4 重み5 重み6 15% 15% 20% 10% 10% A:地球市民としてものごとを考えられる B:自立できる素質を備えている C:技術科学の基礎知識を習得している D:ものづくり実践の基礎技術を習得している E:技術遂行姿勢に優れている F:関連技術と取り巻く状況を適切に表現し他者と交流できる A A B B B C C C D D D E E E F F F 学習・教育目標との対応 A(1) (2) (3) (1) (2) (3) (1) (2) (3) (1) (2) (3) (1) (2) (3) (1) (2) (3) (2013年度以前入学生) A:広い視野で技術のあり方を考えられる。(広い視野) B:自立できる素養を備えている。(自立の素養) C:科学と技術の基礎知識を習得している。(科学技術の知識) D:技術を実践できる能力を備えている。(実践力) E:技術遂行の姿勢に優れている。(優れた姿勢) F:技術分野において他者と交流できる。(技術交流) A A 学習・教育達成目標との対応 (1) (2) (2014 年度以降入学生) ○ 授業計画 第 1 回 春学期に開講した機械材料 I-J の復習 変態、鉄-炭素 系平衡状態図、熱処理の基本 第 2 回 炭素鋼の基本的な熱処理工程 第 3 回 炭素鋼のミクロ組織と冷却即での関係(等温変態) 第 4 回 炭素鋼の焼入れ・質量効果 第 5 回 焼戻し・焼きなまし・焼きならし 第 6 回 合金鋼・構造用鋼 第 7 回 低温脆性・クリープ特性 第8回 工 具鋼・超硬合金 第9回 ステ ンレス鋼と不働態被膜 第 10 回 鋳鉄、高濃度炭素の挙動と機械的特性 B B C C D D D E E E F F (1) (2) (1) (2) (1) (2) (3) (1) (2) (3) (1) (2) - - ○ ◎ - - - - - ○ - 授業時間外課題(予習および復習を含む) テキストの炭素鋼の状態図ならびに炭素量と得られる組織の関係を復習して おくこと。 キスト P55〜58 を予習しておくこと。熱処理により組織が変化する基本原 理を理解しておくこと。 テキスト P58〜64 を予習しておくこと。また、TTT 曲線、恒温変態曲線を 使って、冷却速度と得られる組織の関係を確実に理解しておくこと。 テキスト P64〜72 を復習も兼ねて読み直してみること。鉄鋼組織に関する新 しい組織名称について、概略は理解しておくこと。焼戻しによる機械的特性 の変化を理解しておくこと。 テキスト P72〜79 を予習して授業に臨むこと。材料特性の標記として、延性、 ぜい性、じん性といった用語について、単独の意味だけでなく相互の関連も 含む全体像を把握しておくこと。 テキスト P120〜125 を予習して授業に臨むこと。鋼材がどのような用途に使 われるのか、強度部材としての利用・周辺環境に対する耐性の観点から考え テ てみよう。 キスト P90〜103 を予習して授業に臨むこと。低温脆性、クリープ特性は 単に暗記するのではなく、論理的に説明できるように復習すること。 テ テ キスト P116〜130 を予習して授業に臨むこと。加工工具にどのような特性 求されるのか考えておくこと。 が要 キスト P116〜130 を予習して授業に臨むこと。金属が腐食すること原理と 不働態被膜の機能を良く理解しておくこと。 テキスト P131〜140 を予習して授業に臨むこと。基地中に存在する黒鉛が機 械的性質にどのような影響を与えるのか理解しておくこと。また、基地組織 テ と 第 11 回 アル ミニウムとその合金・マグネシウム合金 第 12 回 銅と銅合金・チタンとチタン合金 第 13 回 耐熱合金、気相合成法による硬質膜コーティング 第 14 回 各 種機能性合金・全体のまとめ 強度の関係も理解しておくこと。 キスト P141〜164 を予習して授業に臨むこと。アルミニウム、マグネシ ウム合金の主な特徴は説明できるように理解しておくこと。 テキスト P165-178 電気と熱の伝わり方を理解しておくこと。チタンの利用 は航空宇宙産業で大きく増加していく。基本的な特性は理解しておくこと。 テ キ ス ト P179-227 セラ ミックと 金属との本質的な違 いを理解しておくこ と。圧力の変化(特に低圧下)が材料の溶融・蒸発にどのような影響を与える のか概略を理解しておくこと。 テ 材料の 特性を示すための専門用語は象徴的な概念を含み、丸暗記で対応する 言葉で説明することを意識して理解を進めよう。 ことはできない。自分の 評価方法と基準 回程度実施する課題と宿題の配点が 30 点、期末試験の配点が 70 点、60 点以上を合格とする。 テキスト 黒田大介編著 「機械・金属材料学」実教出版 (2015) 【ISBN978-4-407-33725-9】 6 参考図書 鐵編著「鉄の薄板・厚板がわかる本」日本実業出版社 (2008) 【ISBN978-4-534-04596-6】 杉本賢司著「プラスチックがわかる本」日本実業出版社 (2008) 【ISBN4-534-03646-9】 新日本製 科目の位置づけ(学習・教育目標との対応) 機械材料 II-J では材料の特性を改善するための技術について説明している。鉄鋼材料については、熱処理と炭素含有量の調整、不働態被膜の形成 に関わる合金化、非鉄金属の合金化、焼結や気相合成等である。これらの本質は化学反応であり、個々の事象を暗記するのではなく、反応の本質 を理解する必要がある。機械系エンジニアとして知って置くべき基本的な内容と位置づけている。 履修登録前の準備 履修登録前の準備 春学期の機械材料 I-J の続きの授業である。鉄鋼材料の状態図に関して含有する炭素量が得られる組織とどのように関係しているのか復習してお くこと。新聞、雑誌等で材料に関わる話題に関心をもって情報収集に努めることを期待している。
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