振動円偏光二色性分光光度計 - 奈良先端科学技術大学院大学

振動円偏光二色性分光光度計
仕
様
書
平成25年12月
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学
Ⅰ
仕様書概要説明
1.調達の背景及び目的
国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学(以下「本学」という。)は、先端科学技
術の基盤となる情報科学、バイオサイエンス、物質創成科学の3分野に係る研究の深
化と融合を推進することにより世界をリードする研究活動を展開するとともに、優れ
た研究成果に基づく高度な教育により人材を養成し、もって科学技術の進歩と社会の
発展に寄与することを目指してきた。
光情報分子科学研究室においては、科研費基盤研究(A)「超分子集合体を基盤とする
増強円偏光蛍光材料の創成」(課題番号:25248019)において、円偏光発光材料の研究
が進行中である。本プロジェクト研究を遂行するためには、分子の振動励起に相当す
る赤外領域における吸収円二色性(赤外円二色性)を評価する必要があるが、上記装
置を導入することによりこれが可能となり、赤外円二色性と円偏光発光特性の相関を
明らかにすることができる。しかしながら、相当する設備が本学内には整備されてお
らず、本研究推進のために上記装置の購入を必要とするものである。
本調達では、求められる性能要件及びその他の必要事項を開示した上で一般競争入
札を実施し、厳格な技術審査の元に、価格及び性能の両面で総合的な判断を行い、最
適な機種及び納入業者の選定を行うこととする。
2.調達物品名及び構成内訳
振動円偏光二色性分光光度計 一式
(搬入、据付、配管、配線及び調整
一式を含む。)
3.技術的要件の概要
(1)本件調達物品に係る性能、機能及び技術等(以下「性能等」という。)の要求要
件(以下「技術的要件」という。)は、「Ⅱ.調達物品に備えるべき技術的要件」に
示すとおりである。
(2)技術的要件は、全て必須の要求要件である。
(3)必須の要求要件は、本学が必要とする最低限の要求要件を示しており、入札機器
の性能等がこれらを満たしていないとの判定がなされた場合には不合格となり、落
札決定の対象から除外する。
(4)入札物品の性能等が技術的要件を満たしているか否かの判定は、本学「振動円偏
光二色性分光光度計」技術審査職員において、入札機器に係る技術仕様書その他入
札説明書で求める提出資料の内容を審査して行う。
4.その他
(1)技術仕様等に関する留意事項
入札機器は、原則として入札時点で製品化されていること。ただし、入札時点
で製品化されていない機器によって応札する場合には、技術的要件を満たしてい
ることの証明及び納入期限までに製品化され納入できることを保証する資料及び
確約書等を提出すること。
(2)提案に関する留意事項
- 1 -
①
提案に際しては、提案システムが本仕様書の要求要件をどのように満たすか、
あるいはどのように実現するかを、要求要件ごとに資料を添付する等して具体的
かつ分かりやすく記載すること。したがって、本仕様書の具体的提案を要する技
術的要件に対して、単に「はい、できます。」「はい、提案します。」といった内容
の提案書、または提案の根拠が不明確である、説明が不十分である等の提案書に
関しては、本学「振動円偏光二色性分光光度計」技術審査職員において、技術審
査に重大な支障があると判断し、技術的要件を満たしていないものと見なし不合
格とするので、十分留意すること。
②
提案書においては、本仕様書の技術的要件の各項目とそれに対応する提案内容
を明確かつ簡潔に示した対照表を添付すること。
③
提案書においては、入札機器が本仕様書の技術的要件を満たしていることを提
出資料のどの部分で証明できるか、参照すべき箇所を対照表に明示すること。参
照すべき箇所が、カタログ・性能仕様書・説明書等である場合、アンダーライン
を付したり、色付けしたりするなどして該当部分を明示すること。
④
提案された内容等に関して、問合せやヒアリングを行うことがあるので誠実に
対応すること。
⑤
提出資料等に関する照会先を明記すること。
(3)導入に関する留意事項
①
導入スケジュールについては、本学担当者と協議し、その指示に従うこと。
②
搬入、据付、配線及び調整に要する全ての費用は、本調達に含むものとする。
- 2 -
Ⅱ
調達物品に備えるべき技術的要件
(性能・機能に関する要件)
振動円偏光二色性分光光度計
一式
(構成内訳)
1. 光学系部
1式
2. 試料室部
1式
3. ロックインアンプ部
1式
4. フィルターおよび検出器部
1式
5. 制御解析用 PC 部
1式
(以上、搬入、据付、配管、配線及び調整
一式を含む。)
1. 光学系部については、以下の要件を満たすこと。
(1) 測定中の安定性を確保するために密閉系であり、固定鏡、移動鏡にコーナーキュ
ーブミラーを使用したマイケルソン干渉計を使用していること。
(2) 入射角は偏光測定に適した 28 度以下での入射であること。
(3) 干渉計は PEM と共に恒温制御されていること。
(4) 光源は長時間安定な高輝度セラミック光源を使用し、偏光子は KRS-5 のワイヤー
グリッドを使用していること。
(5) 分解を 0.5~16cm -1 の範囲内で行えること。
(6) ノイズレベルは分解 4cm -1 、20 分積算において 8×10 -6 ΔAbs 以下であること。
2. 試料室部については、以下の要件を満たすこと。
(1) 液体サンプル、固体(ヌジョール)サンプルに対応したセルを用意できること。
(2) 固定セル、組立セルが用意できること。
(3) 光学系が試料面に集光する配置になっていること。
(4) 液体用組立セルについてはセル長 25~1000μm のスペーサを用意できること。
(5) 液体用固定セルについてはセル長 50μm および 100μm のスペーサを用意できる
こと。
3. ロックインアンプ部については、以下の要件を満たすこと。
(1) PEM による変調成分のロックイン検出を高精度に行うために、デジタル信号処理
(DSP)を採用していること。
(2) PEM による変調成分の量子化にはオーバーサンプリング方式を採用していること。
ロックイン検出の参照信号は 50KHz 以上であること。
(3) 干渉計の He-Ne レーザーの測距信号に同期してロックイン検出を出力できること。
4. フィルターおよび検出器部については、以下の要件を満たすこと。
(1) 広帯域、狭帯域を高感度に測定するために 3200~2000cm -1 および 2000~850cm -1
のフィルターを含む 2 枚以上のフィルターを搭載できること。
(2) 搭載したフィルターは全て PC からの制御で自動切替できること。
- 3 -
(3) 検 出 器 は オ プ シ ョ ン 検 出 器 を ユ ー ザ ー が 適 時 交 換 し て 使 用 で き る 脱 着 方 式 で あ
ること。
(4) 検出器の種類に応じて集光光学系の自動調整ができること。
(5) 標準またはオプションの検出器を使用することによって 4000~750cm -1 の波数を
測定できること。
5. 制御解析用 PC 部については、以下の要件を満たすこと。
(1) OS は米国マイクロソフト社製 Windows7Professional 64bit またはこれと同等以
上の性能・機能を有すると判断されること。
(2) RAM は物理的容量が 2GB 以上であること。
(3) 物理的容量が 200GB 以上のハードディスクドライブ 1 台を有すること。
(4) 外部記憶装置として DVD-R に対応したドライブを有すること。
(5) 対角 17 インチ以上の液晶ディスプレイを有すること。
(6) VCD の結果を紫外、可視、近赤外領域での円二色性の測定結果と同一スペクトル
上に表示し、解析できる専用制御解析ソフトを有すること。
- 4 -
(性能、機能以外に関する要件)
1.設置条件等
本調達物品の設置条件等に関し、以下の要件を満たしていること。
(1)設置場所
本調達物品は、本学学際融合領域研究棟 1 号館 3 階 307 号室に設置するものとする。
なお、本調達物品の搬入・設置を計画する上では、以下の条件を満足すること。
①
②
搬入に使用できるエレベータは、以下の性能/仕様である。
積載能力
1,350kg
出入口
1,000mm(W)×2,100mm(H)
寸法
1,600mm×1,350mm
設置場所の諸条件は以下の通りである。
学際融合領域研究棟 1 号館 3 階 307 号室
最小ドア
1,300mm(W)×2,100mm(H)
天井高
2,700mm
床加重
最大 400kg/m 2
(2)設備要件
ア.電源は、単相 100V15A 2 系統の AC 電源である。これ以外の電源で稼働する装置に
は電源変換、周波数変換などの設備を供給者側で用意するものとし、それに係
る費用は本調達に含むものとする。
イ.ガス供給は 0.3MPa の窒素ガスであり、外径 6mm もしくは 1/4 インチのパイプ接続
に対応する接続部を発注者側で用意するものとする。
(3)搬入、据付、配管、配線及び調整
ア.搬入、据付、配管、配線及び調整については、業務に支障をきたさないよう、本
学の職員と協議の上でその指示によること。また、設置後、物品が正常かつ安
定に作動する状態にすること。物品の搬入にあたっては、建物、設備等に損傷
を与えないように搬入口、廊下、ドア、エレベータ及び部屋内の養生を充分に
施すこと。なお、万が一、本学の建物、設備等に損傷を与えた場合は、速やか
に本学職員に報告し、落札者の責任において原状に復元すること。
イ.本調達物品の設置場所へ搬入後、据付、配線、調整及びソフトウェアのインスト
ールを行い、各機器の動作確認を行うこと。
ウ.納入時の作業日程と体制を提示すること。設置作業は、納期・作業期間のスケジ
ュールについて事前に打合せをし、そのスケジュールに従い完了すること。
2.保守体制等
(1)障害発生時には、技術者を障害復旧のために派遣すること。また障害対応に関す
る報告書をその都度提出すること。
(2)本装置の修理、部品供給、その他のアフターサービスに対して、速やかに対処す
る体制を有していること。またこのことを書面により証明すること。
- 5 -
(3)保証期間は導入後 1 年とし、その間に通常の使用により故障及び不具合が生じた
場合には、無償にて速やかに修理すること。
3.教育、支援体制等
(1)利用者に対する本装置の使用方法及び日常保守についての教育を、本学が指定す
る日時・場所で実施すること。
(2)本調達物品の操作マニュアル日本語版 1 部を提供すること。
4.その他
本仕様書に定められた以外の事項で疑義を生じた場合には、本学の指示に従うこと。
- 6 -