3 1 都 市 科 学 研 究 第 1号 2 007 安心安全防災地域情報ネットワークシステムと応用 RegionalNetworkInformationSystemAimedatReliefandSafetyImprovement andtheApplication 山口亨1)・玉井郁夫.2)・梅田雅士人秋山哲男 4) 2 ToruYamaguchil ) , 肱uoTamai, 1 MasashiUmeda),TetsuoAkiyama) 3 4 要 約 情報インフラは整い、便利になり、そして高度化してきた。しかし、機器を活用することのできない情報弱者 と呼ばれる人たちが存在し、格差が進んでいるのが現状である。そこで、障害や状況に関わらず必要とする情報 を簡単に入手することができるネットワークシステムが必要である。本稿では、意図や障害を認識する動作認識 モデルとそこから得た知識を共有することができるネットワークインテリジェンスを提案する。そして安心、安 全の向上を目的とする地域情報ネットワークシステムを構築する。 キーワード:安心安全地域ネットワークシステム、ネットワークインテリジェンス、動作認識機構、人間支援シ ステム A b s t r a c t I n f o n n a t i o ni n 企a s t r u c t u r eh a sbeenimprovedande x p a n d e d . However ,we s e et h o s ewho c a l l e d“ i n f o n n a t i o n ec u r r e n tproblemi st h a tt h ed i g i t a ld i v i d ei s s h o r t f a l l "andp e o p l ed o n ' tu t i l i z et h ei n f o n n a t i o nd e v i c e sc o m p l e t e l y .Th w i d e n i n gi nJ a p a n .Networks y s t e mi sneededw i t hwhichanyonecang e ti n f o n n a t i o ne a s i l yr e g a r d l e s sofc o n d i t i o n s andd i s a b i l i t y .I n也i spapeζwep r o p o s eamovementr e c o g n i t i o nmodelandan e t w o r ki n t e l l i g e n c e .Th emovement r e c o g n i t i o nmodeli sa b l et or e c o g n i z ep e o p l e ' si n t e n t i o nandd i s a b i l i t y .百l en e 阿o r ki n t e l l i g e n c ei sa b l et os h a r e吐l e i n f o n n a t i o nd e r i v e dfrommovementr e c o g n i t i o nmode . lAndwec o n s t r u c tr e g i o n a ln e t w o r ki n f o n n a t i o ns y s t e maimed a tr e l i e fands a f e t yimprovemen t . KeyWords: R e l i e fandS a f e t yNetworl くS ystemo fArea,NetworkI n t e l l i g e n c e,A c t i o nR e c o g n i t i o n Model, HumanSupportSystem 1)首都大学東京システムデザイン学部, F a c u l t yo f S y s t e mD e s i g n,T o k y oM e t r o p o l i t a nU n i v e r s i t y NECS o f t , L t d 3 ) 附A CCESS開発本部, ACCESSC o .,Ltd ., 4 ) 首都大学東京都市環境科学研究科, G r a d u a t eS c h o o l so f U r b a nE n v i r o n m e n t a lS c i e n c e s,T o k y oM e t r o p o l i t a nU n i v e r s i t y 2 ) NECソフト鮒, 都 市 科 学 研 究 第 l号 32 2007 トワーク上にある情報の中から必要な情報を使うことが 1.はじめに できる。そこでネットワークオントロジーを用いて人間 の必要とする情報を自動的に提示することのできるネッ 現在、 IT技術の著しい発展により様々な情報があふ トワークインテリジェンスを構築する。 れている。しかし、 IT機器を使用することのできない ネットワークオントロジーについて説明する。人聞が 人達はこれらの多大な情報を有効に活用することができ 対話によって知識を共有するように、コンビュータが知 ず格差が進んでいるのが現伏である。また、自動車運転 識を共有する際にも知識を共有するためのプロトコルが 時にも IT機器の利用は制限される。そこで運転者に 必要となる。このプロトコルをネットワークオントロ とって最も必要で、ある見えない箇所の情報を得ることを ジーと呼ぶ。ネットワークオントロジーによって複数の 可能とするネットワークインテリジェンスと意図認識機 コンピュータは知識を共有することが可能となる。 構における事例ベースの獲得を提案する。しかし情報過 オントロジーとは哲学用語で「存在に関する体系的な 多は運転者の混乱を招いてしまう。そこで情報過多を防 理論(荷主論) J 品、う意味であるが、本研究におけるオ ぐため、音声と画像による警告の認知科学的手法に基づ ントロジーとは、我々の共有する概念体系を工学的に取 いた提示方法の獲得1)、さらにネットワークインテリ り扱うオントロジーを指す。コンビュータが人間と共通 ジェンスと意図認識機構、認知科学的手法に基づいた提 のオントロジーを持つことで、コンビュータは人間を理 示方法を用いて実車への適用とマルチプラットホームな 解し、この理解に基づいて人間の状況に応じた適切な反 提示方法において有効性を示す。 応の形成が可能となる 2)。 (わ一(ウ品) 2 .ネットワークインテリジェンス 2 . 1 ネットワークインテリジェンス ネットワークインテリジェンスは機器同士がお互いの 状況や知識を共有することで利用者の必要とする情報を 提示することができる。街中や車に設置するカメラデバ イス、 PC、無線 LANからなる端末を i s p o tと呼ぶ。}s p o tにはラスムッセンの知識階層モデ、ルによる知能が 入っており、ここです蔓得したオントロジーはネットワー クオントロジーによって i s p o t同士に共有される(図1)。 ネットワークオントロジーを用いることで、端末はネッ 図2 ラスムッセンの知識階層モデル オントロジーを獲得する手法としてラスムッセンの知 識階層モデ、ルを用いてボトムアップ的にオントロジーを 構築してして。図 2のようにラスムッセンの知識階層モ デ、ノレは知識、ノレール、スキルの 3つのベースで構成され る階層構造である。感覚から入力された情報はそれぞれ の層によって処理され、動作となって出力される。人間 のオントロジーが上位層の群知能に形成されることでコ ンビュータは人間の動作や状況を理解することができ る。ボトムアッフ。的に知識を獲得する手法は次節で、説 明する。 図1 ネットワークインテリジェンス 山口・玉井・梅田・秋山:安心安全防災地域情報ネットワークシステムと応用 2 . 2 双方向連想記憶とファジィ連想記憶を用いた意 図認識モデル 3 3 中段の問、及び中段と上段のとの間で反響動作を繰り返 し、活性値分布がコンテキストに矛盾しない状態に収束 本研究ではボトムアッフ。的に知識を構築する事例とし することで認識結果を得る。ここでコンテキストとは各 て運転者の意図認識に適用する。意図認識機構は図 3に 運転行動の事例から得られた標尊がターンで、パターン 示すように 3層の階層モデルで表される 3---{)) に似た各系統情報の特徴の組み合わせは促進されるのに 対し、パターンに合わない特徴の組み合わせは抑制され LEFT S1RAlGHTR[GHT 寸一一一一歩 る 。 e 父c l t e釘l e n t 運転行動の学習されていないデータをこの意図認識モ AZ うじてで党賢官3 3 T i t i r ; 騨耕輔瞳朝関静昭輔輔 ¥11 ¥1 1 ¥11 匝 : g ] 亙E 直u エ 仁 平 岩 こ 瓦X 二 市 c 6 i L 2 R e c o g n i t i o nR e s u l to fu s i n gC o n t e x t デ、ノレに入力した時に、コンテキストを用いずに得られた 結果が図 4である。この結果では中段ノードの活性値分 布があいまいでどの運転意図かを判断できない。 BAM の反響動作によりノードi 舌性値分布はLEFT に収束する。 このように入力値キ最初の活性状態が暖昧な場合も、反 響動作により活性値分布はコンテキストに依存した状態 に収束する叫,へ LE ; FT S1RAlGHTR[GHT 寸 一 一 一 一 一 一 ' e x 口t e釘l f n t 図3 意図認識結果(コンテキストあり) 以下に顔の動作、車両の速度、位置情報から運転意図 の直進・右折・左折の 3基本運転行動意図の認識を行う 意図認識モデルについて説明する。特徴量として前記へ 3系統(顔の方向情報、車両の速度、車両の位置情報) の情報から各情報の特徴量をN(Negative),Z(Zero),P ( P o s i t i v e )などのファジィラベルのメンバシップ値で、表 現する。モデ〉レ中段には学習過程で使用する事例を表す 事例ノードを表す。 N個の事例に対し、 3運転行動を学 1 0 1 0Ang l e D r i v e r ' h四 d m o t 担岨 , 1 0 勾 益 [ m ! h R e c o g n i t i o nR e s u l to f u s I n gC o n t e ; . , . i 図4 意図読購結果(コンテキストなし) 習するので、合計 3N パターン学習する。さらに各系統情 報にわけで事例ノードを配置する。部位ごとに分ける理 2 . 3 事例ベースを用いた意図認識システム実験 由は運転行動意図が一定パターンとして表現されるので 7人分の運転データ(顔の方向情報、スピード、交差 はなく、各系統情報の多様なパターンの組み合わせから 点までの距舶を元にメンバシッフ。関数を生成した。メ 構成されるからである。各系統情報の特徴が入力された ンバシップ関数を図 5に示す。 時、中段で、はもっとも近い特徴を持つノードがもっとも 強く j 剖割七される。活性値分布により、各パターン毎に どの事例が近いかわかる。しかし、中段に現れる活性値 だけで運転行動を特定することはできない。この問題は コンテキストの導入により解決される。最上段は運転行 動を表すレイヤであり、直進・右折・左折に対応する 3 つのノードからなり、中段のすべてのノードと結合して いる。この結合は学習データを最下段に与え、中段に現 れた活性値及び上段に与えた耕市をもとにへブ学習によ り得られる。このモデルは事例から運転行動をファジィ 集合として記憶後、入力を与えると下段と中段の下段と 図 5 三角形型メンバシップ関数 都市科学研究 34 第 1号 2007 入力された情報からメンバシップ値を生成する 例え O ば、顔の方向情報が 8、スピード 1 5、距離 8の時に、メ ンバシップ関数からそれぞ、れのメンバシップ値は図 6の 直は中間層へ ように生成される。ここでのメンバシッフ1 と受け渡される。本稿では表 lに示すように日本人 7パ ターンの特徴ある基本運転行動データを用いて実験を 行った。これらの事例を図 3に示す中間層に蓄積した。 事例は、 headmotionをさらに左方向に加ge,middle, s m a l l 、右方向に l a r g e ,m i d d l e ,s m a l lと6段階に分割した。 ここでメッパシッブロ値から最も近い事例が適用され、意 電気自動車の 位置情報 図として出力される。 図 6 意図推論モデルと実験構成図 表 1 運転行動と意図 2. 4 事例ベース推論による意図認識実麟課 意図認識実験を行う前に予備真験を行い、特徴のある 7人分の学習事例を得た。これらの学習事例の数と認識 率の結果をグラフ 1に示す。認識率は未学習の運転動作 データを入力した時のものである。 7人分の事例を学習 させた後の認識率は左折88%,直進95%,右折86%で あった。 ぬs t ∞ l 制 6 0 4 0 。 泊 、 戸 m i d d l e f a s t f a s t m i d d l e m i d d l e m i d d l e r i g h t r i g h t r i g h t r i 酔t r i g h t r i g h t r i g h t -HH m i d d l e f a r n e a r n e a r n e a r m i d d l e m i d d l e ロ 凶 。 。 。 ﹄ 。5﹄ロ。 6 G A一 LD-E 一F一 B 戸一 m i d d l e s m a l l m i d d l e s m a l l m i d d l e m i d d l e s m a l l d 2 3 4 6 7 l 1 l . l l 1 U : まo f i n 咽I 悶 カメラを使ったステレオ視キ涯転者の顔の方向情報、 グラフ 1 認識結果 車両制御用マイコンからの環境情報を取得し意図推論を 行う。今回は見通しの悪い道路で、実験を行った。 車両は交差三転に向かつて直進する。この時の車両の位 置情報は交主転に設置されているステレオ視システムに 3 . 認知科学的手法に基づいた危険警告システム よって取得する。同時に運転者の顔の方向情報、車両の 速度情報を取得する。これらの情報を入力とし、ファ 自動車に搭載された無線受信システムを交惹有、に設け ジィ連想記憶システムを用いて意図指命を行う。出力は た。情報送信システムの範囲内に進入した場合に、交差 運転者が右に曲がろうとしているのか直進しようとして 点付近の自動車側から確認されない物体の状況を運転者 いるのか左に曲がろうとしているのかといった意図を認 に情報提示するシステム(図7)のプロトタイプを作成 識する。また、学習事例を増やすことにより認識率の向 した7),8)。 上を図る。そのシステムを図 6に示す。 危険表示を提示する時間を検証するために次のような 実験を行った。 山口・玉井・梅田・秋山:安心安全防災地域情報ネットワークシステムと応用 1 司 鍵盤醤璽 榊 加 融 竃 、 , サーバー 図7 探知警告システム 3 5 守 ー 1 図8 シミュレーションのための VTR撮影システム構成図 宇都宮大学の認知科学を専門としている阿山研究室と 似的に運転している環境を作った。自動車が交主点に入 共同実験を行い、シミュレーションと実験により、最適 4, 6秒前に「人が来ますJ という音声を提示す る 0,2, な表示内容と提示する時間を検証した。 る 。 実験では「人が来ますj とし、う音声提示を用いて、シ 結果を次項に示す。 ミュレーションと実験により危険提示する時間を評価し た 。 3.2 シミュレーション実験結果 グラフ 2,3,4からは人の位置によっても提示する時 3 . 1 認知科学的手法による危険警告手法の2 富尋 交差色点に設置された 2台のステレオ視システムから歩 間に影響がある事が分かった。グラフ 3,4からは人の 位置と音声提示時間は比例している事が分かる。 行者と自動車の位置情報を得る。さらに頭上のカメラで 右折 運転者の顔の方向情報、ダッシュボード上のカメラで運 25 転者から見た映像を撮影した。 20 実験内容は見通しの悪し、 L字路で歩行者と自動車(普 通自動車)が出会い頭で、出会ったとき、歩行者が交差点、 から 2m前の地点で、出会ったとき、 4m前の地点、で出 醤 15 叩i 連10 ち A守 3 開はい ー ま 守 一 一 小 E疋 4 日 日 口 一 - tF 影し、シミュレーションによりどのようなタイミングで ﹂ 。 会ったときの 3シチュエーションを右左折時について撮 6 危険提示するのが効果的であるかを検証した。 シミュレーション出荷s 宮大判可山研究室で行われた。 左折 スクリーンにダッシュボード上から撮影した映像を流し、 25 3つの人間叫立置において車が交差点に入る 0,2, 4, 6 20 秒前に音声による粗食提示を行い、 2関3 皆(適切である、 適切ではない)の主観評価ドを行った。 図 8に示した人の歩行者の位置が 1,2,3における右 左折時の映像を撮影した。 映像はダッシュボード上のカメラ映像と運転者の頭上 カメラ映像の 2つである。この映像を使い阿山研究室で シミュレーションを行った。 シミュレーションの内容:スクリーンに撮影した映像 を流し、被験者はハンドノレデバイスを操作することで擬 説得 目 日 を 誌 1 0 5 口 。 2 3 -4 -6 音声提示時間 グラフ 2 右折時、左折時での評価 r 適度」の解答回数 -3、-4、-6秒で音声提示 36 都 市 科 学 研 究 第 1号 2007 グラフ 5,6は基準点を交差点を曲がり始める時聞か 人1(右) 話回出岬睦 富司自白日目 0 人のアクセルを踏んでいる時間 ら9秒前とし、被験者1 とブレーキを踏み始めた時間の平均と標準偏差のグラフ である。右左折両方とも人 l、人 2、人 3と平均から見 2 3 . . I J < l 菅芦提潤寺間 んでいる時間は短くなり、ブレーキを踏み始める時間は 早くなる。 人2 ただし、グラフ 8に示すように 6秒に関しては人に 30 25 2 話2 0 ~ ても分かるように、音声を早く与えるほどアクセルを踏 よってばらつきがあり、あまり早く提示し過ぎると運転 1 5 撞" に影響を及ぼさない人もいる九 2 3 4 6 音声提示時間 . . " n :均‘、梶本..・ a .Á' 宇崎・~,ドa ・・ a 巨至E王五三三三~ 巨至'??t! I~ 三-'1~-王] 雷同信示腎冊 音図..孝鱒聞 人3( 右) ぷ 信 00 4 0 . . . . I J ~ -- ・, E e . a ZE 諸国市叩 長田坤盤 ~ ~ 音声埠刊寺間 グラフ 3 右折時の人の位置の違いによる適度以外の回答数 (やや)早い-早いとやや早いの合計数(白田) (やや)遅い.遅いとやや遅いの合計数(印回) IOJJH6 長。桝刊 人1(左) 説国帥粧 お泊箆町市市 50 2 3 4 6 グラフ 5 右折時のアクセルを踏んでいる時間とブレーキを 踏み始める時間の平均と標準偏差 音声提示時間 ・・ ; f . . . . . . ! I ! 人2 (左 〉 '^,写闘0 山 町 山 出 4 E豆五亙こ玉三五王] 匡霊王豆互三三五三E 3 5 8 0 揺 25 @]20 ~ 1 5 " 5 2 3 4 6 4 6 音声提示時間 町叩 e a E 議回坤盤 zm押 部 即 時 叩 人3 I A J 50 一 宮 3 音声提示開閉 ・ .同 ・ R グラフ 4 左折時の人の位置の違いによる適度以外の回答数数 (やや)早い・早いとやや早いの合計数(切回) (やや)遅い:遅いとやや遅いの合計数(回国) ・ b ・ 4 悼 肘 帽 グラフ 6 左折時のアクセルを踏んでいる時間とブレーキを 踏み始める時間の平均と標準偏差 山口・玉井・梅田・秋山:安心安全防災地域情報ネットワークシステムと応用 37 う。そこで歩行者の位置を交差点から 4 m'こ固定し、音 Rブ Lーキ 。 1 1 : 3 1 声提示時間を変化させて実験を行った。 被験者一人当たりに行った 1 2の音声提示パターンを以 O ' 1 0 : 0 S 0:08:~* 6 4 問 置酋品市富 。 下に示す。 0 : 0 ' :1 : 2 : 右折:人なし、出会い頭 ( 0秒 ) 、 2秒 、 3秒 、 4秒 、 守 ' 0 . 0 4 -6秒 0 : 0 1:2~ 左折:人なし、出会い頭 ( 0秒 ) 、 2秒 、 3秒 、 4秒 、 0,00:00 3 春宵蝿示暗闇 ιヌL キ 6秒 6 回行い、 このような実験を 8人の被験者に対して計'9 5段階(早い、やや早い、適度、やや遅い、遅い)の主 観翻面を行った。 0 . 0 8 . 3 3 システムは図 9に示すように、各地点にパイロンを置 証明 5 な 0 画書‘暗躍 0 ' 0 7 ' 1 2 き、電気自動車の側面に搭載しているカメラがそのパイ 0 : 0 4 : 1 9 ロン(ステレオ視システムから出力されるデータが天候 0 : 0 0 : 0 0 -3 キ輝度によって不安定になるため、より正確な時間に危 畜声蝿宗鶴田 険表示するためパイロンを使用した)をトラッキングし グラフ 7 右左折時の音声提示時間毎のブレーキを踏み始める 時間 た時、音声提示アプリケーションに信号が送られ音声提 示を行う。 Rアクセル 。 I( ) . 0 5 0 :0838 69 41 開 Ga M mZA留 ,膏 戸 jj示 曾 圃 Lア ヴ セ " 。 10'05 。 08:38 h u ・ 岱 4 0 :0 7:12 41 59 00 匝官五時盟 n . 2ち3 0 :0 1' 2 6 O :O ( ) . O O ,- 園 9 実機適用実験システム構成図 膏戸銀示野圃 グラフ 8 右左折時の音声提示時間毎のアクセルを踏んでいた 時間 4.2 実機適用実験結果 シミュレーション結果と実験結果が非常に似た軌跡を 描いている。実験結果において一部、シミュレーション 4 .認知科学的危険警告における実機適用実験と マルチプラットホームな提示システムの実証 結果と右左折データが反転している部分がある。これは 音声提示が適切に行われなかったからで、あると考えられ る。この点に関してはサンプルを増やしていく事で修正 4 . 1 実機適用実験システム シミュレーションによる結果をもとに、実験で涯転中 の運転者に音声提示を行った。今回は第二実験結果の人 m)の時に関して検証実験を行 の位置が 2(交差三点から 4 されていくと思われる。 結果から音声提示は電気自動車が交君主点に入る 2 " " ' 4 秒前に行うのが適切であると分かる。 都 市 科 学 研 究 第 1号 3 8 2007 人 2 右 左 折 fシ 主 ュ レ ー シ ョ シ 〕 玉川田畑 100 80 60 40 20 。 -3 -4 一日 音声提示時間[秒] 人 2右 左 折 〈 実 験 ) i ヒューメインピーヲル表示システム l 100 80 ~ F Z E 40 地上の吉田t こ接続すると歩行者仁 仁ューがンピ寸l 附 倭 乱 てL 、ることを表示 5凶の力r:;<ラの視野内仁入るt , tユーメイ'::K--'J)~がきら仁接動力し渇こ庄 2段階で表示し注意を促す 20 -2 -3 -4 盲声提示時間[秒] -6 回 10 赤汗若手へのマル干ヴ弓吋トホーム t~借除梶宋ごノス子ム グラフ 9 人 2右左折時において音声提示時間毎の適度と回 答した割合 4.3 ネットワークインテリジェンスを用いたマルチ フ。ラットホームな危険提示 4 ¥ 3 .1 > く4 .1>の音声のみの危険提示では「人聞が交主点 く 歩行者表示システム 付近にいるのは分かるが、どの程度危険なのか分からな 地上の1-:5問主に接続すると運転者仁 コ い るLとを表示 歩行者が接近し 1 問問ゆ力I r:;<'ラの視野内仁入ると 歩行者がき磁こ接近している己とを 2段階で表示し注意を促す いJ 、「干見覚的な危険提示がないと不安な精神状態になっ てしまう」とし寸意見があった。そこで音声提示に加え マルチプラットホームな危険表示を用いて危険提示を行 フ 。 図1 1 運転者へのマルチプラットホームな危険提示システム システムは図 1 0 、1 1に示すように交主点に i s p o tを設 ・ s p o tと無線し町、 GPSキットを設置する。 置し、車上に i 2に示すように状況に応じてリアルタイムに「大き 図1 歩行者はPDAと無線LAN、GPSユニットで構成される い画面には周辺の情報Jを「小さい画面には運転者が必 . 3 >の意図推論モデ〉レから出 移動端末を持っている。く2 要としている交差点の詳しい'情報Jが提示される 8),9)。 力される意図は i s p o tの知能であるラスムッセンの知識 また、歩行者が所持している PDA へはフォアグラウン 階層モデルの上位層の群知能にオントロジーとして形成 が提示され、自動車の有無 ドとして交惹長の詳しい↑静R される。 i s p o tにボトムアッフ。的に形成されたオントロ と同時に運転者の意図を提示する。 ジーや運転者の状況はネットワークオントロジーによっ て路上のi s p o tへ知識共有される。路上の i s p o tは歩行 -危隆室主 者が接近すると自動的にネットワーク上から必要な情報 を収集し、状況において最適な反応をする。このとき歩 行者へ対して自動車の有無と運転者の意図を提示する。 同様にネットワークオントロジーによって歩行者の状況 を路上の 1s p o tから車上の i 叩o tへ知識共有を行い、運転 ・ 者に対しては歩行者の有無を提示するネットワークイン テリジェンスの構築を行った。 「マルチプラットホームな表示と音声」と「音声の みJで危険提示した場合の評価実験を行い、それぞれの 危険表示システムの有効性を検証した。 国1 2 マルチプラットホームな提示 山口・玉井・梅田・秋山:安心安全防災地域情報ネットワークシステムと応用 39 さらに危険提示による有効視野の減少を抑えるために ノミーに警告するシステムを想定し、認知科学的手法にお 比較的に弱い危険を前もって弱く表示しておくことで ける提示方法をシミュレーションにより獲得した。さら (状況によって色が変化していく)、パックグラウンド的 にネットワークオントロジーを用いたネットワークイン に頭に残り、本当に危険な場合にも俊敏な対応がで、きる テリジェンスを構築し、実車への適応とマルチフ。ラット ようになる。 ホームな提示による有効性を示した。 次項に音刊面結果を示す。 この研究は東京都傾斜配分哨別研究費によって行われ たものである。 4. 4 マルチフ。ラットホームな危険提示実樹吉果 被験者 10名に「音声のみJ による危険提示の場合と 「音声とマルチプラットホームな危険表示」による危険 5:有効、 4:やや有効、 3:普通、 提示の場合を 5段階 ( 2 :やや有効で、ない、 1:有効で、なし、)で主観評価した、 結果は以下のようになったo 参考文献 1)阿山みよし、池上誠,長谷川光司白藤美恵春日 正男:I カーブ区間と直線区間での余剰注意容量の比較J , シンポジウム「ケータイ・カーナビの利用性と人間工学」 p p . 5 5 5 8( 2 0 0 4 / 3 / 1 7 3 / 1 8 ) 2 ) 山口亨,増田俊輔,村上洋:I 人工オントロジーを用 音声のみ 5:0名 、 4:2名 、 3:7名 、 2:1名 、 1:0名 音声と表示 5:1名 、 4:5名 、 3:3名 、 2:1名 、 1:0 いた人間中心型自律移動エージェントシステム J , 日本知 能情報ファジィ学会誌, Vo1 . 16, N o 2 .,p p . 506 0( 2 0 0 4 ) 3) 山口 名 亨、武田康宏:I ヒューマンビークルにおける事 例ベースによる意図認識J ,第四回ファジィシステムシン 音声のみ(平均):3 .1 ポジウム講演論文集, p p . 2 792 8 0 ( 2 0 0 39 / 8 9 / 1 0 ) 音声と表示(平均):3.6 音声のみの平均:3.1、音声と表示 3.6となり車内シ ステム(音声と表示による)の有効性を示す事ができ た 。 .Chen ,Y .TakedaandJ .J i n g:守n t e n t i o n 4) 工 Yamaguchi,D c ¥ e ", R e c o g n i t i o nU s i n gC a s e b a s eLeamingi nHumanV e h i I S I S2 0 0 3,J e j u , Kore , app. 1 1 O 1 1 3( 2 0 0 39 / 2 5 9 / 2 8 ) .O h a s h i ,T.YamaguchiandI . Tamai“ :HumaneAutomotive 5) K 音声と表示では運転しずらいという意見もあったが、 交惹長の状況が表示されるのは音声のみの場合と比べ安 心感があり有効であると評価できる。 r i v e rI n t e n t i o nR e c o g n i t i o n " ,SICEAnn u a l S y s t e mU s i n gD C o n f e r e n c e2 0 0 4, p p . - ( 2 0 0 4 ) 6) T .Yamaguchi, S .Matsud , aK .O h a s h i , 1 .Tamai , M.Ayamaa n d F .Harashima: 凶a nI n t e n t i o nR e c o g n i t i o n " ,WorldCongresson a n dP e d e s ( 2 0 0 4 / 3 / 1 7 3 / 1 8 ) 図音声のみ(車内シス テム) 国表示+音声(車内 システム) 斗つリ内乙 議拘固 QU7jhbRJA i c h ip p .1 l5 1 1 8 I n t e l l i g e n tT r a n s p o r tS y s t e m Nagoya A 7) T .Yamaguchi , T .Y o s h i f u j i , K .0加 s h ia n dM.勾r a m a :唱 ,y e C o n t a c tCommunicationi nHumanV e h i c ¥ e " , I S I S2 0 0 3,J e j u, K o r l 伺, p p. 12 2 1 2 5( 2 0 0 39 / 2 5 9 / 2 8 ) 41 8) 山口 亨,大橋邦博:I ヒューマンビークルにおけるア 門) イコンタクトコミュニケーションJ ,第四回ファジィシス 3 4 5 評価 グラフ 10 マルチプラットホームな危蹴訴システム開画課 5 .結 言 学習事例の増加により認識率が向上し、帰納的学習が 行われたことを示している。このことにより事例ベース による意図認識樹曹の運転者意図推論の有用性を示し丸 また、見通しの悪い交主点での音声と表示によりドライ テムシンポジウム講演論文集, pp. 12 1 1 2 2( 2 0 0 39 / 8 9 / 1 0 )
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