土庄高校 人権だより <生徒・保護者版> 香川県立土庄高等学校 人権・同和教育部 ・ ☎(0879)62-1388 ・ 発行日:2014 年 12 月22日 (題字 西岡真帆) Ⅰ 松葉杖の球児、世界に挑む 11 月に兵庫県豊岡市で開かれる「第 3 回世界身体障害者野球大会」で、松葉杖を使いながらプレー する広島県立上下(じょうげ)高校3年の川本翔太さん(18)が、チーム最年少で日本代表に選ばれ た。片腕で投げて、打つ選手がいる障害者野球でも松葉杖を使う選手は珍しい。 「打って、走れること を見せて優勝したい」 。日本の三連覇にむけ、練習を重ねている。 川本さんは生後まもなく、悪性の腫瘍(しゅよう)が見つかった左足を切断し、松葉杖を使ってき た。スポーツをやりたくても松葉杖で人と接触すると、けがをさせる恐れがあると考えた。中学では バスケットボール部に入ることを断念。歯がゆかった。転機は高校に入学してから。硬式野球部の監 督で、担任だった平田大介教諭(32)に誘われた。川本さんは「キャッチボールならできる」 。迷わ ず入部し、心に張りが生まれ、学校に行くのが楽しくなったという。2 年間所属した間に障害者野球 チーム「広島アローズ」を知り、練習に参加するようになった。 (朝日新聞デジタル 2014 年 10 月 29 日 記事・写真より ) 先日、朝のテレビの情報番組で障がい者野球の世界大会に日本代表として参加・出場した広島の高校生の 川本翔太さん(18)の話題が取り上げられていた。障がい者スポーツが最近クローズアップされているが、 義足のプレーヤーが中心の野球などの競技の中心のなか、 松葉杖でプレーする競技者はほとんどいないとい う。左足を失ったあと翔太さんの母親は義足にするか、松葉杖を持たせるかまよったあげく、翔太さんに松 葉杖を持たせる決断をしたという。競技者となった今でもその迷いは残る。翔太さんのプレーが映し出され る大会の映像が紹介されたが、松葉杖に左半身をまかせて、両腕でしっかりバットを握って打席にたつ姿や 内野ゴロを放ったあと松葉杖を巧みに操り、全力疾走で1塁に駆け込む姿が印象的だった。守備でも1塁を 守っていたが、ファールフライを飛びつかんばかりに追いかけ捕球する姿は、さながら、一流アスリートの スピード感だった。 一時期、 翔太さんは障がいによって野球ができないことや思い通りにならないことで自暴自棄になったこ ともあったそうだ。自尊心が持てず、 「どうせ俺なんか」 「何をやってもうまくいくはずない」が口癖のよう な時があった。しかし、高校の担任で野球部顧問の先生や、たまたま検診で訪れた病院で知り合った障がい 者野球チーム「広島アローズ」の先輩選手に声をかけてもらったことなど、出会いが勇気を与え、翔太さん を変えた。翔太さんのいまの目標はワールドベースボールクラシック野球世界大会に出場することである。 今回の世界大会では3連覇はならず銀メダル獲得に終わったが、試合後プエルトリコの選手は、翔太さんの ところへきて「ぜひ、母国にあなたのプレーする映像を持って帰りたい」と述べたという。 イチローやダルビッシュ、マー君などメジャーリーグでの日本人選手の活躍は、今後も注目すべきだが、 翔太さんの活躍も大いに期待したい。 Ⅱ 二学期の取組 ✎土庄町人権フェスタ 2014 から✎ 12 月 5 日(金)に美術部・太鼓クラブ・書道部が参加し、人権フェスタを大いに盛り上げました。 ✎3 年生「人権尊重社会の実現に向けて」✎ 自動販売機とリモコンを例に、世の中は、ちょっとずつだけど、確実に、よりよい方向に向かっていることを 確認し、世の中をよりよくするために自分に出来ることは何かを、みんなで考えました。 (自販機とリモコン。左と右とで何がどう違うか、分かりますか?) Ⅲ 心の「バリアフリー」 すべての人が障がいの有無に関係なく、お互いの人格と個性を尊重し合い、地域で共に暮らす共生社 会を実現するためには、それをさまたげるさまざまな障壁(バリア)を取り除くこと(バリアフリー) が必要です。現在、さまざまな場所で、スロープや点字ブロックなどが設置され、車椅子対応の設備を 整えたり、補助犬を同伴できる施設が増えています。 バリアフリーの「バリア」とは英語で障壁(かべ)という意味です。つまりバリアフリーとは、人々 が生活するときに障壁になっているバリアをなくすことです。「バリアフリー社会」を実現するために は、障がいのある人をとりまく4つの「バリア」を取り除くことが必要といわれています。 ●物質的なバリア 出入り口や通路に段差があったり、幅がせま かったりすると、車いすの人などは利用できま せん。 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関す る法律(バリアフリー法) 【平成 18 年 6 月 21 日公布、同年 12 月 20 日施行】 高齢者や障がい者などの自立した日常生活や社 ●制度的なバリア 会生活を確保するために、 障がいがあることで資格がとれなかったり、 ●旅客施設・車両等、道路、路外駐車場、都市公 入学や就職の試験が受けられなかったりする 園、建築物に対して、バリアフリー化基準(移動 と、自分の思うように活動できません。 等円滑化基準)への適合を求めるとともに、公共 ●文化・情報面のバリア 交通施設や建築物のバリアフリー化の推進 目の不自由な人には点字や音声案内、耳の不 ●駅を中心とした地区や、高齢者や障がい者など 自由な人には手話通訳や文字情報などがない が利用する施設が集中する地区(重点整備地区) と、必要な情報が伝わりません。 において、住民参加による重点的かつ一体的なバ ●意識上のバリア リアフリー化を進めるための措置などを定めてい 障がいがあることを偏見の目で見たり「かわ いそうだから」と特別あつかいしたりすると、 平等な交流ができません。 (国土交通省ホームページより) ます。
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