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ジオサーマルパワー - 日本電設工業協会

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第49次海外電設視察団報告書
は じ め に
社団法人日本電設工業協会は、平成15年9月13日から平成15年9月24日までの12日間
ニュージーランド、オーストラリアの2カ国に、電気設備、電力事情等の視察、業界団体交流を主な
目的とした第49次海外視察団を派遣した。
社団法人日本電設工業協会では、国際交流を担当する広報委員会において実施計画、準備が進めら
れた。また、5月下旬に参加者の募集を開始し、8月22日に参加申し込み説明会が開催された。
小島工業協会副会長を団長とする総勢13名の視察団は、9月13日、新東京国際空港において結
団の後、ニュージーランド、オーストラリアの2カ国歴訪の旅に出発した。
ニュージーランドのクライストチャーチではサンタマリア養老院、ハーミテージホテルを視察、ロ
トルアではワイラケイ地熱発電所、クイーンエリザベス病院を視察、オークランドではブリトマート
地区再開発事業を視察し、その後、オーストラリアのシドニーで電設業協会を訪問した。以下は、そ
の詳細報告である。
団 編 成
団長
小島 兼芳 ㈱雄電社
団長補佐
小崎 幸夫 ㈱きんでん
伏木 忠了 北電力設備工事㈱
報告書取材・作成班(◎=幹事 〇=副幹事)
1班(サンタマリア養老院、ハーミテージホテル、
ワイラケイ地熱発電所、クイーンエリザベス病院)
◎片渕
洋 住友電設㈱
〇小島
雅 ㈱弘電社
一瓢 秀次 三栄電気工業㈱
寺田 義之 ㈱寺田電機製作所
山崎 義行 ㈱開進堂
日
2班(ブリトマート地区再開発事業、
オーストラリア電設業協会)
◎濱口
久 栗原工業㈱
〇渡辺 量夫 ㈱関電工
加地 通正 東海電設㈱
菅谷三樹生 ネグロス電工㈱
濱口日出夫 西日本電気システム㈱
程
月 日(曜)
地
名
日
1
9 月 13 日(土)
東京(成田)発
2
9 月 14 日(日)
シドニー経由
クライストチャーチ着
クライストチャーチ市内視察
3
9 月 15 日(月)
クライストチャーチ
サンタマリア養老院視察
1
程
4
9 月 16 日(火)
5
9 月 17 日(水)
6
9 月 18 日(木)
7
9 月 19 日(金)
8
9 月 20 日(土)
9
9 月 21 日(日)
10
9 月 22 日(月)
11
12
クライストチャーチ発
クイーンズタウン着
クイーンズタウン
クイーンズタウン発
ロトルア着
ロトルア
ロトルア発
オークランド着
オークランド
オークランド発
シドニー着
9 月 23 日(火)
シドニー
9 月 24 日(水)
シドニー発
東京(成田)着
途中、ハーミテージホテル視察
自由視察
ロトルア市内視察
ワイラケイ地熱発電所、クイーンエリザベス病院視察
途中、ワイトモ鍾乳洞視察
自由視察
ブリトマート地区再開発事業視察
オーストラリア電設業協会訪問
1 サンタマリア養老院視察
日 時 2003年9月15日(月) 10:00 時〜11:30
場 所 ニュージーランド クライストチャーチ市
対応者 ミセス フィリッパ トウメイ(品質管理コーディネーター)
1.1 概要
(1) 設 立
等
1993年設立。当初ユニット型(ワンルーム型)6室、ヴィラタイプ(1戸
建)11戸からスタート。
3年前に増築され、ベッド数45(うち、要介助向け15ベッド)
。
(2) 経 営 主 体 個人経営(共同経営者6人) 現在三代目のオーナーが経営している。
(3) 周辺の状況等 クライストチャーチ市(人口約30万人)には、100あまりのレストホーム
(養老院)があり、いずれも個人経営である。
2
(4) 分譲の価格等
・ヴィラタイプ
ガレージ付一戸建、2寝室3K約89㎡
155,900ニュージーランドドル(日本円 約10,900千円)
週72ドルのサービス料(固定資産税、セキュリティー介護、維持費等含む)
冷蔵庫、洗濯機、食器洗い機、オーブン等の家具は備え付けとなっている。
入 居 資 格 夫婦いずれかが60才以上であれば入居できる。
(ただし、ニュージーランド
国籍であること)
要介護者の負担 週748ドル(三食の食事代含)を負担する。
・ワンルームタイプ ユニットタイプ 79,000ドル(日本円 5,530千円)
要介助 週325ドル(三食付)を負担する。
健常タイプは、夫婦で食事を作り生活。買物はマイカーもしくは週一回の買
(5) 日常生活等
物用バスのサービスを行う。
健常者がが要介助になった場合、購入している健常タイプを売却し、要介助
タイプを新たに購入する。
ペットとして猫は飼えるが、犬は許可されていない。
(6) 院の運営費
スタッフ55名がフルタイムで対応。
要介助は3名の看護士が夜も対応している。
医師は常駐せず、周辺の医療施設と連携対応。要介助ベッドは常に満室状態
である。アルツハイマー症は、特例的に48才から入院できる。
(7) セキュリディー等 出入口に電気システム(電子錠)
、周辺は柵をめぐらせている。
クライストチャーチ市は、特に安全な町であり、外部からの進入等には特別の
セキュリティーは無い。
ベッドルーム、バスルームにはナースコールを設置、また、バスルームのドア
は万が一の場合は、はずせるようになっている。
(8) エネルギー事情 大部分を電気で対応。大型乾燥機、調理器等には一部プロパンガスを使用。
電気料金
午後9時〜午前9時まで 7セント(4.9円)
(1KWH 当り) 午前9時〜午後9時まで 16,5セント(11.6円)
デイリーチャージ(基本料金) 1日当り56セント(39円)
、1ヶ月約
1,300円を支払う。
非常用電源は、要介助のみ対応と最小限に止めている。
国の法改正で、煙感知器、スプリンクラー等も完全に設置されている。
1.2 ニュージーランドの家族事情等
ニュージーランドでは親子で同居するのは高校生位まで。それ以降は、友人同志(ルームメイト)
で金を出し合い、一戸建を借りるか購入し、別居独立する。
子供が別居独立するのが通例のため、家族介護はなされていない。
親と子のそれぞれの生活を大切にしてはいるが、日常の親子の交流はよく行われている。
ニュージーランドは、65才停年制で65才から年金等が支給される。ただし、60才以上であれ
ば働いていても入院可能である。
老健施設等への国からの補助は無く、要介助等は個人に対し国が補助を行う。
ボランティア活動等で介助を行うようなことは、特になされていない。
1.3 クライストチャーチ市の概要
ニュージーランド南島最大の都市、人口30万人。イギリス、オックスフォード、クライストチャ
ーチ出身者の植民に由来する。
「イギリス以外で最もイギリス的」と言われている。
配電も地中化され、緑の多い整然とした街路が美しく「ガーデンシティ」と称されている。
人々の表情も落ち着きと明るさと友好的雰囲気が感じられる。
電圧は230/400V、50HZでホテルの湯沸器が早く沸くことに便利さを感じた。
3
写真 1 サンタマリア養老院からの説明
写真 2 サンタマリア養老院
2 ハーミテージホテル視察
日 時 2003年9月16日(火)雨 13:00〜14:10
場 所 視察場所までは、クライストチャーチ、コプソンホテルを早朝に出発し、途中、カンタ
ベリー平野の羊・鹿・牛飼いの広大な光景(フェアリーの谷)をバス越しに見ながら、
テカポ湖周辺を開拓し、1935 年に建設された「石造りの教会」などを経て視察地ヘ到着
した。
視察場所のハーミテイジホテルはマウントクックを一望する場所に建設されている。
マウントクックは 3000 メートル級の山々が連なり、数多くの氷河のあるサザンアルプス
山脈(南半球のアルプスと言われている)のニュージーランドの観光の拠点。その中で
も最高峰となるのがマウントクックである。
施設案内者 電気技師 Mr.ジョン
通訳
タカミザワ女史
2.1 概要
ハーミテージホテルは、登山家を対象としたホテルとして 1884 年に開業した。その後、開発事業
により、60 室を増築、全 272 室を有するマウントクック複合宿泊施設として 2001 年に生まれ変わっ
た。ホテルは年間を通じて営業している。
増築されたホテルは、山々を一望するウインドウ、ガラス張りのエレベータを新設し、アルペンレ
ストランの拡張を行った。
客 室 デラックスタイプ(アオラキ・ウイング) 60 室
34 ㎡(通常のホテルよりゆったりのタイプ)
、全室エアコン付
スーペリーアタイプ
104 室
全室バスルーム、コーヒー紅茶湯沸し、衛生放送付テレビ、電話、冷蔵庫
その他 各国語の言語通訳スタッフ
2.2 設 備
電 気 設 備
発 電 設 備
管理システム
避 雷 設 備
受電電圧及び構内電圧 11KV/400V
電力会社と受給契約
停電対応として設置されている(三相 400V/380KVA)
。
ラップトップパソコン(IBM 製)にてコントロール
増築等に対しての予備は設備されてなく、その都度対応を考えている。
接地極接続部に接地カウンターを設置し管理している
4
空 調 設 備
個別空調方式
バックヤードに室外機置場がある。高い位置に設置されている。
(メンテする人が
背丈が高いとのこと、笑い)
ボイラー設備 合計 3 台、その内 1 台が新設、100 時間ごとに使用している。主として床暖房に
使用
1 台はディーゼル 1200 リットル/日(夏場)
、800〜900 リットル/日(冬場)
水処理施設
水処置施設としてはなく、近くの池に放流している
保
守
技術者 5 名 電気関係(電気技師)
3名
設備関係(下水道関連) 1 名
建築関係(大工)
1名
写真 3 ハーミテージホテル
2.3
Q1
A1
Q2
A2
Q3
A3
Q4
A4
Q5
A5
Q6
A6
Q7
A7
写真 4 ハーミテージホテルからの説明
主な質疑応答
当ホテルには何人の「メンテナンススタッフ」がおりますか。
電気技術者 3 人、設備(下水道関連)1 人、カーペンター(修繕)1 人、合計 5 人です。
当ホテルの受電電圧並びに館内使用電圧は何ボルトですか。
受電電圧及び構内電圧 11kv/400v
停電はどのくらい発生しますか。又、その原因は何ですか。
頻度が高いです。主な原因は風(風害)と鳥によるものです。
冷房設備はあるのですか。
真夏には 25℃くらいになるときもあるので、新築したアオラキウイングのみ設置していま
す。既設のホテルには設備されてません。
飲料水はどのようにされていますか。
氷河の雪融け水を飲料水として使用していいる。水質検査は独自で実施している。環境庁の
ようなものはない。
増築の予定はありますか。
お土産コーナー、コーヒーショップを増設する予定だったが、イラク戦争とサーズの影響で
中止した。
災害や病人等が出た場合の対応組織はどのようになってますか。
火災等が発生した場合は「自営消防団」があります。又、救急隊も組織してます。
電気技師のジョン氏も隊員とのこと。
2.4 場内見学
当ホテルの概要説明後、Mr、ジョン技術者の案内でボイラー室、エアコン置場、発電機の設置、
使用状況の説明を受けた。
5
3 ワイラケイ地熱発電所(ワイラケイ、パワーステーション)視察
日 時 2003年9月19日(金) 10:00〜12:30
場 所 ニュージーランド ロトルア市 ワイラケイ地熱発電所
対応者 エレクトリシティ㈱ ボーリスクリス技師
(Electricity Corporration of New Zealand Limited)
3.1 概要(ワイラケイジオサーマルパワーステーションのビデオ紹介)
・ ニュージーランド北島を中心としたタウポ火山帯の発生伝説の紹介があった。
・ 太平洋プレートとインドオ−ストラリアプレートの接触点にニュージランドが位置する。
・ 太平洋プレートがインドオ−ストラリアプレートに落ち込む際、マントルの接触熱でマグマが
発生。
・ 地表近くのマグマで地下水が熱せられてできる高温高圧の水蒸気を使って地熱発電を行う。
・ 地熱発電所では、地下のマグマがボイラーの役目となる。ワイラケイでは深さ300mから7
00mほどの井戸を掘り、取り出した高温高圧の水蒸気でタービンを回し、発電を行います。
・ 地球内部に蓄えられた熱を使用するため、
半永久的に二酸化炭素などの排出が少ない
クリーンエネルギーとして、ニュージーラ
ンドでは国内総発電量の5%を地熱発電で
賄っている。火山国である日本国でも昭和
41年岩手県松尾村に世界でも4番目の
松川地熱発電所が自家用地熱発電所として
運転を開始、事業用地熱発電所としては、
大分県九重町に大岳地熱発電所が建設され
た。なお、世界で最初の地熱発電所は、
1904年イタリアの Larderello が第1号
写真 5 ワイラケイ地熱発電所
となる。
3.2 質疑応答
Q1 ワイラケイ地熱発電所の歩みについて。
A1 1958年に最大192MW で運転開始。現在、機器交換メンテ改修を行い161MWを
発電中。過去10年間は予定発電量の95%以上を安定的に供給、現在10基のタービンを
設置している。
Q2 発電所の組織について
A2 ステーションマネージャー1名のもとに、
・ オペレーター15名
・ スチームフィールドスタッフ15名(メンテナンスも含む。
)
・ ステーションスタッフ15名
・ 管理コントロールセンター技術者ほか66名の社員と20名の契約社員で運営。
国の行政改革で、10年前より、公営から民間企業運営に移行された。
Q3 地熱発電の現状について
A3 現在8箇所の地熱発電所がワイラケイ地域で稼働中。ワイラケイ地熱発電所を経営してい
るエレクトリシティ社は、
・ ワイラケイ発電所161MW
・オハーキ発電所102MW(但し、35MWで通常運転中)
・ ポイビキ発電所55MW(夜間8MW、昼間31MWで稼働)
6
Q4
A4
Q5
A5
Q6
A6
Q7
A7
Q8
A8
Q9
A9
Q10
A10
Q11
A11
Q12
A12
Q13
他社の発電所としては、
・ Mokai(モカイ)発電所55MW(現在110MWに増強中)
・ Rotokawa(ロトカワ)発電所35MW
・ Kaerak(カワラキ)発電所25MW
・ Nagaha(ナーハ)発電所10MW
ほか1箇所の計8箇所がある。
エレクトリシティ社として、水力、火力を含め、2,500MWの発電能力を有している。
環境、その他の規制について
環境保全のため、政府の厳しいチェックを受け、水蒸気の使用量、排水量は特に厳しい規
制がある。
地熱発電所の技術開発について
高温スチームから元の水に戻す注入還元方式を採用し、環境保全に配慮している。
スチームでタービンを回すタービン方式が主流である。
地熱エネルギーをさらに有効利用するため、水より低い温度で蒸発する油などの有機物利用
のバイナリー方式もすでに採用している。
最近話題となっているパワーチューブはヒートチューブと理解しているが現在試作段階であ
る。
ニュージーランドのエネルギー事情について
供給電力の内訳は、水力発電70%、火力(石炭及びガスタービン)発電24%、地熱5%、
風力1%で自国の天然ガスを使用している。
環境の変化等について
水蒸気を汲み上げる影響で、発電所地域内で3m、最大で8mの地盤沈下かみられる。
このような地盤沈下が発電所地域外に起こるようであれば、
閉鎖せざるを得ないと思われる。
発電所からの送電電圧について
ワイラケイ発電所からは22万KVで送電会社に送電している。
電力単価等について
発電所からは、1KWHで6セント(4円20銭)で売電、需要家は12セントから18
セントを支払う。一般家庭は12セント(8円40銭)で電気量の40%はホットウォー
タータンク(180〜200リットル)用に使用されている。
エネルギー交換率について
ワイラケイの過去40年間のエネルギー交換率は、15%程度となっている。
発電コストについて
主に建設コストで比較すると、火力は1MW単位100万ドル(7,000万円)、地熱発
電は2倍、水力は3倍と想定している。
地熱発電は、広大な土地を所有(借用)しなければならず、土地代の費用が大きい。
新しい井戸の掘削等について
ワイラケイ地区では地熱分布の調査も進み掘削すれば必ず熱水に当たる状態である。
50年前は260℃の熱水が現在230℃で20年間安定している。
熱水200℃以下は井戸としての使用対象外となっている。
紀元前186年10月4日に起きた地球最大規模のタウポの大爆発でも起こらない限りワ
イラケイの地熱発電は大丈夫である。
1954年からこれまで230本の井戸を掘り1/3はセメント詰め、50本を現在使用
中でその内10本が稼働中。40本は予備用となっている。
蒸気のパイプラインは直径1.2m 延長45㎞。アルミカバーがされたグラスファイバー
製パイプが布設されている。
タービンはシーメンス製、ゼネレーターは三菱製、富士電機製を採用している。
その他
7
A13 ワイラケイ発電所のセンターオフィスには、玄関にニュージーランド国旗と日の丸が掲揚さ
れ視察団一行を歓迎。
ジオサーマル発電への過去からの実績、ノウハウは相当の自信と自負が感じられ、技術面
を含めオープンに視察に応じてくれた。
環境大国を目指すニュージーランドは環境保全に対する規制の厳しさが大いに感じられた。
写真 6 ワイラケイ地熱発電所前にて
写真 7 地熱発電所のしくみ
4 クイーンエリザベス病院視察
日 時 2003年9月19日(金)曇時々晴 14:40〜15:40
場 所 午前中に「ワイラケ地熱発電所」を視察し、近くのゴルフ場倶楽部ハウスにて昼食を取
った後、ロトルア市街地にある「クイーンエリザベス病院」へ到着した。
ロトルアはニュージーランド北島のほぼ中心、首都ウェリントンの北 100kmの火山地帯
のまさに中心にある。
温泉の街として北島で最もポピラーな観光地。静かな森と湖、豪快に吹き上げる間欠泉、
先住民マオリの生活文化遺産で有名な場所である。
近くには、透明度の高い湧き水を利用して造られた鱒の養殖場とキウイバードやウエカな
どの珍鳥がいる動・植物園がある。
施設案内者 対応者 ワッキー氏
通 訳 ヨーコ女史
4.1 概要
クイーンエリザベス病院は、ロトルア湖に近いロトルア市街地に 1942 年に戦争で負傷した兵士の
治療を目的に建設された病院である。10年前より国立から私立になりクイーンエリザベスヘルスと
改名し関節炎、リュウマチ、外科等の治療を主にしている。特に、関節炎・リュウマチの治療は世界
的に有名で諸外国からも治療に来ている。
地熱を利用した設備も多く取り入れられており、電気の利用が少ない。施設としては地熱で暖めた
アルカリ性(39℃)のプール、泥とミネラルをミツクスして100℃にして造った泥温湿布がある。
この泥温湿布は泥の中にシリカを含んでおり保温性がある。
1940年代に戦争で負傷した兵士やリハビリテーションを目的に建設された体育館がある。近
接して老人病院の施設がある。
4.2 設 備
電気設備 一般設備(特に特長なし)
、電力契約は電力会社としている。
8
井
戸 地熱を取出す井戸が2ケ所、残水をリインジェクションする井戸が1ケ所 合計3ケ所
温度 135℃、 深さ 135m、 出力 2.0MW(電気容量換算)
、 湯圧 2.3kg/s
ポンプ室 熱交換器 2台(2台中1台は予備)
135℃の地熱は、一般上水道の水(13℃)を120℃に暖め給湯、ヒーティング
に使用している。残り80℃の地熱水は、プール、メデカルに使用している。
4.3 主な質疑応答(場内見学時随時)
Q1 地熱はどのような設備あるいは治療に利用されてますか。
A1 館内給湯、プール、メディカル(医療関係)
、スチーム(室内暖房)に利用されてます。
Q2 地熱水用の配管はどのような種類を使用してますか。
A2 100mm(直径)のチタニウム(チタン)を使用している。
チタンの使用理由 ステンレス管に比較して 10 倍の寿命がある。
Q3 配管内のつまりを防ぐにはどのような対策されてますか。
A3 フロークリンというケミカルを毎日注入している。
Q4 停電時の対策としてはどのような設備がありますか。
A4 小容量 25KVAの発電機がありますが、全ての負荷に供給することは不可能です。
良い発電機があれば計画したいと考えてます。日本の良い発電機を紹介してください。
Q5 当病院には何人の「メンテナンススタッフ」がおりますか。
A5 技術者 2人、カーペンター(修繕) 2人、合計4人です。
カーペンターの2人は主に外壁等のペンキ塗装があります。
Q6 本施設の利用料金について。
A6 国内在住の政府が認可(診断書が必要)した人は利用料金は不要。
原則としてニュージーランド政府が支払う。
ビジターの利用の場合は1泊2日で400ドル。泥風呂は20分で35ドル。
Q7 泥を掘る資格は要りますか。
A7 資格が要ります。資格証はニュージーランド政府が発行します。
Q8 当病院に入院した場合、最高どのくらいの期間ですか。
A8 3週間くらいです。
Q9 増改築の計画はありますか。
A9 増改築のため、日本の施設の見学を希望している。
写真 8 クイーンエリザベス病院での説明
写真 9 クイーンエリザベス病院
4.4 場内見学
当病院の概要説明後、ワッキー氏と技術者の案内で地熱を取り出す井戸、残水を戻すリインジェク
ション熱交換するポンプ室、体育館(1940年代に建設)
、泥風呂、泥パック精製、プールを案内して
いただいた。
9
5 ブリトマート地区再開発事業(BRITOMART PROJECT)視察
日 時 2003年9月22日(月)晴 9:00〜11:00
場 所 ニュージーランド オークランド市インフォメーションセンター
対応者 スーザン女史、
ロバート氏
テリー氏(電気技術者)
5.1 開発計画等
2000年より開始された、オークランド市の再開発事業は、オークランドでは過去にない最大の
事業で、204ミリオン(約143億円)を投じた再開発事業で、地下新駅(鉄道)
、歴史的な建物(郵
便局)のリニューアルを行うとともに、この地域の再活性、治安、環境面の向上、交通整備(バス・
ターミナル)を目的としている。
(1)発 注 者 オークランド市
(2)資
金 204ミリオン(約143億円)
オークランド市 2/3
民間社債
中央政府(少々)
(3)建設場所 市有地で1880年頃の埋立地
である。
(4)面
積 5.2 ha(全体)
(5)建
設 地下部分は終わった。20の
プロジェクトに分けている。
地上部分の開発に付いては、
今後デベロッパーを選ぶ。
写真 10 ブリトマート地区にて
(12階建までが許可されて
いる。
)
(6)建設契約 市よりプロジェクトチームが依頼される。市へはレポートを提出する。
競争入札にてプロジェクトと施工会社が契約する。
5.2 施工関係
地下を掘るとき、周りに対する騒音に注意するよう検討を重ねた。また、海に近く、海面下なので
ケーブル入線時、苦労した。
発生したPCBの処理については、20年前(1983年)から禁止されているので、フランスに
て処理した。
(1)安全管理 働く場合、サイト(場所)セイフ(安全)のパスポート、カードが必要である。
事故があった場合は、次の機会がなくなる。
作業人員は、地方からの人も含めて400人である。
(2)電力関係 ニュージーランドでは、発電会社が6社、送電会社が28社ある。
当施設では、電力の安定供給のため、ベクターという送電会社より2系統受電を行
っている。供給変電所は別系統で受電電圧は、11,000Vである。また、信頼性を考
慮して受電設備は完全に二重化しており、幹線に至るまで二重化している。電力を
管理するコントロールルームも、メインとサブの2箇所がある。そのため非常用発
電機は設置していない。
電力はマーキュリーエネジー(発電会社)との契約となり、電力料金は
マーキュリーエネジーに支払い、送電会社のベクターには支払わなくてよい。
(発
電会社が送電会社に支払う。
)
10
5.3 その他
ブリットマートという地下の鉄道駅を町の中心部へ持ってきて、市民の公共交通機関を利用する意
識が芽生えてきた。列車はディーゼルだが、将来は電化も考慮している。バス、船、鉄道が通勤手段
である。
写真 11 ブリトマート地区再開発事業の説明
写真 12 地下新駅にて
オークランド市長
ジョンバンクス氏
のメッセージ
11
6 オーストラリア電設業協会(NECA)訪問
日 時 2003年9月23日(火)9:00〜12:00
場 所 シドニー
対応者 ティファニ・スミス女史
ブルース・ウヲルシュ氏
6.1 NECA の概要
NECA(National Electrical and Communications Association)は、電気関連の団体で、電
気通信設備業界を代表する全国規模で唯一の組織である。
以前は、ECA(Electrical and Construction Association)であったが、1999 年に情報通信
分野を含めて現在の NECA という名称になった。
(1)目的
会員への情報提供・利益及び安全の確保・教育・労使問題や技術的課題の解決等を行う。
(2)組織
・ 本部はメルボルンにあり、その下部組織として各州に支部がある。
・ 全国レベルでは 6000 以上の事業が NECA の恩恵を受けており、20 以上の組織に NECA と
しての代表をおいている。
・ 現在本部の専従職員は 7 名である。
・ 当ニュー・サウス・ウェールズ州支部は 1936 年に ECA の下部組織として発足した。
・ 当支部の通常会員は 1350 社であり、この他賛助会員・名誉会員・引退会員により構成され
ている。
・ 通常会員 1350 社の内 1200 社が社員 10 名以下で、51 名以上は 18 社である。
・ 年会費は会社の規模により異なり、3 万 5 千円/年〜70 万円/年である。
・ 現在支部の職員は、専従の 11 名と外注の 5 名で業務の運営にあたっている。
(3)支部の主な活動内容
・ 見習い工の養成・教育を外部からの専門技術者に依頼して行っている。
・ 現在 250 名の養成工がトレーニングまたは 4 年間の契約で実作業に従事している。
・ 会員から選出された重役幹部会をトップ組織としてその下に最高責任者・部長をおき、労働
安全衛生・ビジネス関連・労使関連・管理部門の各業務を行っている。
・ 会員には種々の情報提供のほか他産業との技術交流や互恵も行い、また情報によっては非会
員にも提供して、州全体の業界活性化とレベルアップを図っている。
6.2 オーストラリアの現状
オーストラリア全体で昨年度の電気設備工事関連取引額規模は、約 3840 億円であり、12,5%/年
の伸び率であった。
(1)業種の内訳
内訳は電気 70%、情報通信 21%、防災 5%、その他 4%であり、最近情報通信分野の伸びが著
しい。
(2)建物種別
中小規模商業施設 20%、大規模商業施設 14%、大規模事務所 13%、工場 12%、官公庁 12%、
住宅 10%、その他 19%である。
(3)新築・リニューアル比率
新築工事 44%、リニューアル 33%、メンテ・維持 21%、その他 2%である。
(4)一般電圧は 230V で、配電電圧は 3 相 50HZ400V 及び 11KV である。
(5)発電種別は石炭火力が主で、次いでガス火力・水力・ディーゼルの順である。
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6.3 契約について
(1)ラム・サム契約(入札)
・ 施主(客)がプロジェクトマネージャー(PM)を雇い、PM は設計チームを作って設計図
面を作成する。PM はその後入札業者を選定して入札を行い、業者を決定する。
・ 設計図に関するリスクは施主(客)が負う。
・ 計画及び設計にかかる時間が長い。
・ ほとんどがゼネコン一括である。
(2)デザイン・コンストラクト契約(設計施工)
・ 大規模工事に適用される。
・ 施主(客)がプロジェクトマネージャー(PM)を雇い、PM は設計図書(仕様書)を作成
する。
・ 設計図書を基に業者が設計図を作成する。
・ 計画及び設計にかかる時間が短い。
・ 請負側が設計図面のリスクを負う。
・ 施主は品質をコントロールすることや追加変更もできにくい。
・ ゼネコン一括である。
(3)コスト・プラス契約
・ 官公庁では比較的小規模工事に採用される。
・ 請負者はかかる費用を公開して、その費用にマージンを上乗せする。
・ 請負者はリスクを負わない。
・ 鉄骨・ガス業界等工業関係の工事で採用される。
6.4 資格について
・ 学士は大学の電気工学科の卒業(4年間)で得られる。
・ 準学士は専門学校の卒業(2年間)で得られる。卒業後大学へ入学した場合は大学卒業まで
3.5年が必要である。
・ オーストラリアエンジニア協会は過去の実績、大学卒業、フェローの資格で入会が可能であ
る。官公庁のプロジェクト物件は会員であることが条件であり、また他国からの資格も認めて
いる。
・ プロフェッショナル・エンジニア登録制度はエンジニアが官公庁のプロジェクトを担当する
場合は必要な資格である。登録には過去の実績、大学卒業が条件であり、またエンジニア協会
の会員でなければならない。
写真 13 オーストラリア電設業協会関係者
写真 14 オーストラリア電設業協会からの説明
に挨拶される小島団長
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ま と め
現地にはいり10日間の日程で、ニュージーランド5ヶ所、オーストラリア1ヶ所、あわせて6ヶ
所を視察するハードなスケジュールも、小島団長を中心に、有意義に、また、楽しく所期の目的を無
事に達成する事が出来た。
環境大国を目指すニュージーランドでは、水力発電、地熱発電など、クリーンで安定的な電力供給
を推進していることと、環境保全のために様々な規制が行われていることを強く感じた。
観光立国を目指し、街並みの美化にも気を配り、配電の地中化も随所に見られ、一般家庭への電力
も230/400V の供給がなされていた。
日本の2/3の面積に人口400万人、羊約4,000万頭が放牧され、豊かな自然に囲まれたの
どかで平和友好的雰囲気な風土は、山紫水明を愛する日本人観光客の人気スポットとして、これから
も更に評価が高まっていくことが予想される。
早春のため、天候の激変などでスケジュールの変更もあったが、波多野添乗員の臨機応変、適切な
対応と手配により、
忙しさの中にも全員が和気藹々と楽しく充実した視察が出来たことに感謝したい。
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