Hello World! “外 外”に に飛び出せ! Knoppixを を利用した 利用した小学校低学年向 した小学校低学年向け 小学校低学年向け ディストリビューションの 開発についての についての評価 ディストリビューション の開発 についての 評価 特定非営利活動法人フリーソフトウェアイニシアティブ 副理事長 鈴木裕信 該当プロジェクトは、俯瞰的視点から子どもとコンピュータおよびネットワークを介したコミ ュニケーションで発生している問題に取り組み、問題解決のための環境を knoppix 上に構築する プロジェクトであると理解する。 問題とは具体的には、「コンピュータは引きこもりを作る」という、実際には実証されてはい ないが、社会的には多くの人たちに信じられている問題である。現在、子どもたちに対する大人 のリアクションは「コンピュータから子どもを遠ざける」というものが多い。これは本質的な問 題を解決していないと考える。本プロジェクトでは、問題解決のアプローチとして童話の北風と 太陽の話のように、太陽のアプローチを取っている。その太陽のアプローチとして、以下のシス テム構築およびシステム利用を提案している。 1) 2) 3) 4) 野外活動用移動コンピュータシステムの提案(ピクニック PC) VoIP ベースのビデオカンファレンスシステム利用の提案(Ekiga) 特定目的用動画データベースの提案(遊びとスポーツの動画コンテンツ) Knoppix スペシャルバージョンのディストリビューションの構築(knoppix for ESLG) これらの1から 3 までのプロトタイプシステムを knoppix の上に展開している。問題の提起、問 題解決へのアプローチ、また多面的な解決への提案はオリジナリティに富んでいると評価する。 システムとしての完成度に関しては、プロトタイプとしてはデモを行い第三者に説明を行うため には十分に機能していると評価する。ただし、プロトタイプのレベルは脱してはおらず、一般に 配布し利用してもらうレベルには達してはいない。 ディストリビューションとしてのスペシャルバージョン knoppix に関しては、子どもでも利用 できるようにインタフェースのチューニングする、ディストリビューション・パッケージを作成 する、UMPC のハードウェアを利用できるように新しいデバイスドライバをカーネルに加えるな ど技術的に一定のレベルに達していると評価する。 個々のサブシステムの提案はオリジナリティがあり、また、それを統合化し1つのオリジナル のディストリビューションを作成するというのを達成しているのは、大学3年レベルという観点 からは十分な評価を与えるべきものと考える。最後にではあるが、今回作成したシステムを、配 布し、サポートし、より広く人々に使ってもらえるように体制を整えるまでを1つのプロジェク トとして考えるべきだが、そこまでは力が回らなかったのは少々残念である。
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