人材ビジネス業界ニュース FEB 2014

人材ビジネス業界ニュース FEB 2014
大機小機 誰のための派遣法改正か
紹介予定派遣で支援事業一般派遣元の必要経費をカバー
厚生労働省は、平成25年度補正予算の成立を受け、「紹介予定派遣活
用型正社員就職応援事業」を開始した。民間人材ビジネスの活用により、
学卒未就職者など就業経験の乏しい若年者7500人規模(3年間)を対象
に正社員就職をバックアップする。紹介予定派遣の派遣労働者に、マナ
ー研修や定期的サポートなどを計画的に実施し、派遣先での正社員化
に結び付けた一般派遣元事業主へ、人件費その他諸経費、紹介料相当
額などを支給するとした。紹介先が払う紹介料は免除される。
労働新聞
三井物産、米国の人材派遣会社を買収50万人の医療人材登録
日経新聞
三井物産は27日、医療関連に特化した米国の人材派遣会社を買収したと発表
した。米国の医師や理学療法士など約50万人の医療人材が登録している準大
手の派遣会社で、全米約2000カ所の医療機関に人材を紹介している。三井物
産が出資先を通じてアジア諸国で運営している大型病院などに医師を派遣す
ることも検討している。
医療人材派遣のデルタ・カンパニーズ(テキサス州)を買収した。買収額は非公
表だが、70億~80億円程度とみられる。米国には約1500社の医療人材を専
門とする派遣会社があるが、デルタは売上高が約7800万ドル(約78億円)で業
界14位に位置するという。
同社には米国の医師22万人のほか、理学療法士・言語療法士など28万人が
登録している。米国の医療従事者は2020年までに13年比で30~40%増える
と同国政府は見ている。現在約1兆円といわれる米国の医療機関向け人材派
遣市場規模は拡大が確実と三井物産は判断した。
アジアなど世界各国で医師不足が予想されることから、米国以外への人材派
遣も検討する。
B-side Monthly Letter
日経新聞
民主党政権末期に成立した改正労働者派遣法には、「不安定雇用の
防止」という名目で、1カ月以内の短期派遣禁止が盛り込まれている。
ただ世帯所得500万円以上の世帯員は除外され、生活に困り、どんな
仕事でも必要という困窮者を雇えない、非常識な法律となっている。
日本の派遣法は、派遣労働の対象となる職種や期間など、働き方の
制限が厳しい。
これは、企業別労働市場が主流の日本では、派遣労働との競争から
正社員を守る「常用代替防止」を、労働組合が要求するためだ。
派遣が自由化されれば多くの正社員が代替されるというのは、農業保
護と同じ論理である。社内の定型的な業務を派遣社員に委ね、自らは
正社員固有の業務に専念する役割分担を目指すべきだ。
自民党政権下で、再び派遣法改正が審議されている。ポイントは、派
遣社員のうち専門26業務は無期限で、それ以外は3年以内という現行
の2本立て規制を一本化することだ。これで派遣社員を3年ごとに交代
させれば無期限に派遣を活用できる。
派遣社員については伝統的な「常用代替防止」の論理を維持する一方
、派遣会社はその適用から免れることになる。
これは派遣会社にとっては、長期・安定的な需要が保証されやすいが
、期限のなかった専門職派遣労働者にとっては、慣れた職場を強制的
に辞めさせられる負担は大きい。派遣会社に雇用を保障される常用型
派遣は例外となるが、そうした労働者は少数である。
欧米の同一労働・同一賃金の原則に基づく職種別労働市場では、労
働組合自体が正社員保護を許さない。もともと、派遣社員の均等処遇
を徹底すれば、派遣会社の手数料分だけ割高になる派遣社員を、企
業は際限なく利用できない。
正社員と派遣社員との賃金格差を是正するためには、両者を自由な
競争にさらすことが欠かせない。そうすれば、仕事能力の高い派遣社
員の賃金は高まる一方で、割高な中高年正社員の年功賃金は調整さ
れざるを得ない。派遣労働問題の多くは、「正社員問題」を反映したも
のといえる。
今回の派遣法改正は、派遣会社の規制緩和にすぎない。派遣労働者
の働き方をさらに自由化することが、本来の派遣法の姿であり、それ
は正社員の生産性向上にも結びつけられる。(吾妻橋)
人材ビジネス業界ニュース FEB 2014
賃上げの波、非正規にも派遣大手が3~5%要請
日経新聞
賃上げの動きが非正規従業員にも及び始めた。人材派遣大手のテンプスタッフやパソナグループは料金を現在より3~5%引き上げる交渉を顧客企業と始め
た。パートタイム労働者の時給引き上げの動きも広がっている。脱デフレを目指す政府の要請もあり、業績好調な大企業を中心に正社員のベースアップ(ベア)
を含む賃上げを容認する動きが出ている。雇用形態を超えた賃金上昇につながる可能性がある。
派遣社員やパート労働者など非正規従業員は雇用労働者の40%弱(約1900万人)を占める。正社員より消費性向が高いとされる非正規従業員の賃金が年1
%上昇すると、年間で1300億円もの個人消費を押し上げるという試算もある。消費増税による消費の冷え込みを抑える効果も期待できることから、景気の先
行きを探るうえで注目されている。
正社員の賃上げは労使で交渉するが、派遣従業員の場合は派遣会社が顧客企業に請求する料金で決まる。テンプスタッフは派遣従業員の時給ベースで4月
から、3~5%の上乗せを目指す。顧客に一斉に要請するのは8年ぶり。パソナグループのパソナテック(東京・千代田)も5年ぶりに3%の引き上げを求める。
テンプスタッフは5万人、パソナは4万人程度の派遣従業員を抱える。
派遣料金が引き上げられれば派遣会社は上昇分の大半を派遣従業員の時給に反映させる。派遣会社の取り分は派遣料金の5%前後。リクルートジョブズ(東
京・中央)の調べによると三大都市圏(首都圏、東海、関西)の派遣従業員の平均時給(1月時点)は1521円。仮に時給が3%上がれば派遣従業員の月給は従
来より約7千円増える計算になる。
震災復興や東京五輪に向けた建設関連の事務員やスマートフォン(スマホ)の普及に伴うIT(情報技術)分野など幅広い職種で派遣社員の求人が増えている。
IT技術者では10%の引き上げにも応じる例もある。1月のIT技術者の時給は1891円と前年同月比で4%上がった。「人手を確保するためには、派遣料金の引
き上げもやむを得ない」(IT大手)との声も出ている。
非正規従業員の6割強を占めるパートタイム労働者の時給も上昇。リクルートジョブズによると1月のアルバイト・パートの募集時の平均時給は三大都市圏で
前年同月比0.4%増の948円。7カ月連続で前年同月実績を上回った。
11年の東日本大震災後に飲食店や小売店の新規出店が一時減ったことで時給も下がったが、その後は景気回復期待や新規出店が増えたことで時給は上向
いている。
流通や外食などの労働組合が加盟するUAゼンセンでは、今回の春季労使交渉でパートなど短時間従業員について時給引き上げ額を30~45円と前年の20
~40円より多く要求する。
国税庁によると、12年の民間企業の正社員の給与平均は年468万円なのに対し、非正規労働者は同168万円と約2.8倍の開きがある。「派遣社員やパート労
働者の賃金が年1%上がれば個人消費を年間で1337億円押し上げる効果がある」(第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミスト)という。
B-side Monthly Letter
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シニア派遣ビジネス広がる豊富な技術と経験、少子高齢社会の一助に
【成長ニッポン】シニア派遣ビジネス広がる
SankeiBiz
会社を定年で退職した人など「リタイア世代」に働く場を提供するビジネスが、広がりを見せている。60歳以上を対象としたシニア派遣事業の草分け、高齢
社(東京都千代田区)にヒントを得た取り組みが、静岡県など地方でも始動。生涯現役を目指し、高齢者の働く場と生きがいをつくり、健康維持にもつなが
るビジネスの拡大は、労働力不足や医療費高騰といった少子高齢社会が抱える問題の解消に向けた一助にもなりそうだ。
「シニアに仕事をつくるのが仕事。高齢者の求人は待っているだけではいけない」。
シニアのキャリア支援を行う高年社60(静岡県富士市)代表の小松剛之シニアキャリアサポートセンター長は強調する。小松氏は人材ビジネスを10年以
上にわたり手掛け、2012年9月にシニアに特化した事業を立ち上げた。
同社の経営陣には金融機関OBもいる。地元の金融機関や経営者とのつながりを生かし、登録スタッフが経験や資格を発揮できる職場を開拓している。
受け身ではない点が、行政が運営するハローワークやシルバー人材センターにはない強みだ。
退職者の技術生かす一方、名古屋市熱田区のシニア東海は技術系の熟練技術者を地元企業に派遣している。登録スタッフの平均年齢は63歳。工業・
産業用機械や自動車部品、溶接などの分野で専門的な技術と長い経験をもつスタッフの技量には定評がある。中小企業で従業員を指導するだけでなく、
大手企業の工場で特殊機械の操作を請け負うなど、人材派遣の要請は引きも切らない。
同社の高江洲晋社長はもともと大手派遣会社に勤務していた。退職後の技術者を生かすビジネスをしたいと考え、11年4月に事業を立ち上げた。高江洲
氏は高齢の技術者が派遣先で生き生きと働くことに手応えを感じている。「時間や収入が限られることもある派遣の働き方は、高齢者にこそ適している」
働く場と生きがい高年社60の小松氏とシニア東海の高江洲氏はともに、シニア派遣のパイオニアともいえる高齢社をメディアを通じて知った。2人は同社
の上田研二会長に連絡をとり、事業運営のアドバイスを受けている。上田氏との出会いをきっかけに、小松氏は「高齢社の理念を全国に広めたい」と、高
齢者に職を紹介するシニアキャリアサポートセンターを富士市に設立した。
こうした後に続く同業者を高齢社の上田氏は応援している。2000年に創業した高齢社の派遣スタッフは、登録資格が60歳以上75歳未満で登録後に定
年はない。過去10年間で登録スタッフは80人から840人と10倍以上になった。リーマン・ショック後にも業績を落とさず、売上高は13倍。全国にその名
を知られるようになったが、ビジネスモデルは全てオープンにしている。
上田氏は東京ガスのOB。現役時代のつながりを生かし、ガスの点検や展示ルームの管理など、高齢者の仕事を請け負ってきた。働きたい高齢者からの
問い合わせはひきもきらず、女性の高齢者向けには家事代行サービス事業も立ち上げた。
「目的はリタイア後に“産業廃棄物”になりがちな高齢者に働く場と生きがいを提供すること。産業廃棄物には貴重なレアメタルがたくさんあるでしょう」。年
齢を問わずに人材を最大限に生かすことが、少子高齢社会の日本には欠かせない。(滝川麻衣子)
B-side Monthly Letter
人材ビジネス業界ニュース FEB 2014
派遣で働く人「増やすべきでない」首相、法改正案巡り
労働政策審議会:「有期契約の無期転換に10年の特例を」
朝日新聞
企業が自由に派遣を活用できる「職種」や「期間」を広げても、派遣で働
く人は増やさない――。安倍晋三首相は17日、労働者派遣法の改正後
も、派遣で働く人数を「増やすべきだとはまったく考えていない」との考え
を示した。今国会に政府が出す改正案では、派遣が増え、正社員雇用が
減る懸念が指摘されていた。
午前の衆院予算委員会で山井和則議員(民主)の質問に答えた。改正
案では、企業が3年ごとに働き手を代えれば、どんな仕事も、ずっと派遣
任せにできる。これに対して安倍首相は、改正は「わかりやすさと派遣
労働者のキャリアアップが目的」と説明。労働者が同じ職場で3年しか働
けなくなることについては、「節目節目でキャリアを見つめ直していただく」
と述べ、働き手のためになるとの考えを強調した。
厚労省によると、2012年6月時点の派遣労働者は135万人。(山本知弘)
毎日新聞
厚生労働相の諮問機関、労働政策審議会(会長・樋口美雄慶応大教
授)は14日、期間があらかじめ定められている「有期労働契約者」が
契約を繰り返して通算5年を超えると無期契約に転換できるルールに
特例を設けるべきだとする建議(報告)を厚労相に行った。
特例の対象となるのは、高収入で高度な能力を持つ有期労働者と、
定年後も同じ会社で働く高齢者。通算10年を超えるまで無期契約に
転換できなくなるため、逆に雇用側から早期の雇い止めには遭いにく
くなるとしている。報告書は、高度専門能力を有する者の要件を「国
家資格を持つ者」や「年収1075万円以上の技術者」などとし、システ
ムエンジニアやデザイナーなどを想定。厚労相は今後、特例法での
対応を検討し、来年4月の施行を目指す。 現行の改正労契法は、5
年以上働いた有期労働者に無期契約に転換する権利を付与するとし
て2013年4月に施行されたばかり。施行後、1年もたたないうちに特
例で上限を引き上げることには反対の声が出ている。【東海林智】
派遣労働見直し待遇改善に知恵を絞りたい(2月4日付・読売社説)
派遣労働者が安定して働ける制度改正につなげることが肝要だ。企業が派遣労働者を受け入れる期間について、厚生労働省の審議会が、条件を満たせ
ば無期限で認める報告書をまとめた。現在、企業の派遣受け入れ期間は「最長3年」が原則だが、3年ごとに働く人を代えることで、すべての職種で継続的
に派遣労働者を受け入れられるようにする。安倍政権の成長戦略の一環として、企業が生産拡大や新規事業を展開する際、派遣労働者を使いやすくする
のが目的だ。
厚労省は具体的な制度設計を進め、今国会に労働者派遣法改正案を提出し、2015年春の実施を目指している。派遣労働の活用拡大自体は妥当である
。ただ、制度設計で重要なのは、派遣労働者の待遇改善につながる方策を練ることだ。
労働者派遣法は、リーマン・ショック後に相次いだ「派遣切り」を防ぐため、民主党政権下の12年3月に改正され、30日以内の短期派遣を原則禁止するな
ど規制が強化された。派遣労働者の保護に重点を置いた施策だった。だが、雇用の安定という政権の意図に反し、派遣労働者の待遇改善にはつながらな
かった。派遣労働者は経験年数に応じた昇給がほとんどなく、企業にとって、安価な労働力という実態は今も変わっていない。このまま派遣労働者の活用
拡大だけが進めば、正社員の採用が抑制される可能性もある。
今回の報告書について、経団連の米倉弘昌会長が「分かりやすい制度になるのではないか」と歓迎しているのに対し、連合は「労働者保護の後退を招く恐
れが大きい」と反発している。報告書が、派遣労働者と正社員の待遇を均衡させるよう求めたのは、労働側の懸念を反映したものだろう。派遣労働者の待
遇改善のため、派遣元と派遣先の企業による協議の恒常化を政府が後押しすることも必要ではないか。派遣労働者が待遇改善に見合った技能を習得す
ることも欠かせない。報告書が、派遣労働者への計画的な職業訓練の実施を派遣会社に義務付けるように求めたのは評価できる。実績を積んだ派遣社員
が、正社員として登用される道を広げることも大切である。政府は、正社員になる前提で労働者を派遣し、実際に正社員に採用された場合、派遣元に助成
金を支給する方針を決めた。具体化を急ぎたい。
B-side Monthly Letter
(読売新聞)
人材ビジネス業界ニュース FEB 2014
参議院予算委員会2014年02月07日(速報)
○福島みずほ:社民党の福島みずほです。
昨日、集団的自衛権の行使について御質問をいたしました。内閣法制局と総理から、集団的自衛権の行使は憲法違反であるという旨答弁をしていただきました。
違憲なもの、憲法違反のものが合憲になることはありません。日本国憲法下で明文改憲をせずに集団的自衛権の行使を認めることはできない、そのことを強く冒頭
確認として申し上げます。
今日は、雇用と介護についてお聞きをいたします。
雇用についてですが、小泉構造改革で製造業も派遣を可能とし労働法制の規制緩和を行い、派遣村があり、派遣切りがあり、国会は労働法制の規制強化に向か
ってきました。やはり正社員を増やそう、労働契約法や派遣法の改正、正社員を増やす方向で、労働法制を規制する方向でやろうということでやってきました。しか
し、今国会上程が予定されている派遣法は明確に労働法制の規制緩和であり、これでは派遣労働者が増えるというふうに考えています。
ちょっと見てください。
現行では、三年を過ぎれば派遣先で正社員になるという申入れができます。しかし、今度の変更では、派遣元で無期雇用であれば一生派遣のまま、三十年、四十
年、ある会社に派遣として働き続ける、あるいは三年ごとに人を替えれば派遣労働者を使い続けることができる。三年というものの上限が撤廃をされるわけです。
これでは派遣労働者が増えてしまう、派遣労働者の増大になると思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三):現在、これはまだ法案は提出をしておりません。この法案につきましては、今与党で審議をしていただいている最中でございますが。
この検討中の労働者派遣法の改正については、労働者派遣事業を全て許可制としまして質の向上を図るとともに、派遣期間の設定について労使双方に分かりや
すい仕組みといたします。そして、派遣労働者のキャリアアップを促進することを目指すものであります。つまり、派遣労働者の皆さんにとって、さらに正規労働者に
なっていく、あるいは自分のキャリアをアップしていくと、そういうものを目指すものであります。
派遣期間の設定を見直していくことによって、まず、これまで期間制限がなかった二十六業種については新たに三年という上限ができるわけでありまして、しかし、
期間が満了した場合、正社員になったり、そして別の会社で派遣を続けること等ができるように派遣会社が雇用の安定化措置を講ずることを新たに義務付けており
ます。
そしてまた、二十六業種以外についてもちょっとお話をさせていただきますが、二十六業種以外については、これまでは業種ごとに三年という上限があったため、例
えば、ある部署で派遣社員が例えば二年で辞めた場合は、後任は残り一年しか働けなかったんですね。三年という上限がありますから、自分の前に働いていた人
が二年働いた場合は、残りの人は残りの残存期間の一年しか働けないという問題がありました。しかし、上限設定を業務単位から個人単位に見直すことによって、
三年までは続けて働くことができることになります。
また、期間が満了した場合、正社員になったり別の会社で派遣を続けることができるように、先ほど申し上げましたように、派遣会社が雇用の安定化措置を講ずる
ことをこれは新たに義務として課すわけでありまして、これも大きな違いと言ってもいいと思いますね。
このように、今回は派遣労働者の立場に立った見直しを行うこととしておりまして、三年を超えて働く派遣労働者の正社員化の道が閉ざされる、あるいは一生派遣
で働く労働者が増大するという御指摘は当たらないと思います。
安倍内閣においては、成熟産業から成長産業への失業なき労働移動と多様な働き方を実現することによって、活力ある日本経済を取り戻すとともに、企業収益が
これは雇用拡大そして賃金上昇につながっていくという経済の好循環を目指しているわけでありまして、今回の労働者派遣制度の見直しもこのような方向に沿った
ものであります。
また、一般に非正規雇用については正規雇用に比べて賃金が低いなどの課題があります。ですから、非正規から正規へのキャリアアップ、先ほど申し上げました
ね、このキャリアアップを支援することを行うことによって非正規の方々の雇用の安定や処遇の改善を進めていく考えであります。
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B-side Monthly Letter
人材ビジネス業界ニュース FEB 2014
全頁より
○福島みずほ:今回の改正案は派遣会社が要望していたことをほぼ認めています。
総理がそうおっしゃるんだったら、なぜ労働者団体や働く人や派遣ネットの人や様々な人がこれでは駄目だと大抗議をしているんでしょうか。
もう一度見てください。
これは、今までだったら、ようやく最近の改正で、三年を過ぎれば派遣先に申し入れて正社員になれた。しかし、これからは派遣元で無期雇用なら一生派遣
のままなんですよ。だから、Aというところで三年働く、Bというところで働く。三年ごとに人を替えれば、ずっとある会社は派遣労働者を使い続けることができ
る。どこに正社員の道があるんですか。
派遣労働者は増えますよ。現在、去年の年末の非正規労働者数は千九百六十五万人、女性は千三百三十七万人で、いずれも過去最高となりました。今、
資料をお配りしていますが、新卒で働く人の四割は非正規雇用です。女性は今、五五・八%が非正規労働者。総理は女性を活用するとおっしゃるけれども、
これから事務職、女性はほとんど派遣か有期契約になってしまいます。今度の派遣労働者の改悪は許せないと。今まで正社員化、規制をしようとするのが、
ちゃぶ台返しで自民党政権はもう一回雇用を壊そうとしている。こんな改悪は許せないということを強く申し上げます。
ハローワークと民間が組んで就労を促せ
日経新聞社説
ある企業が人を募集するときは、その求人情報ができるだけ多くの人に伝わるようにした方がいい。企業が求める技能、経験や、年齢などの条件を満たす
人が見つかりやすくなるからだ。職を探している人にとっても、就職がしやすくなるという利点がある。
厚生労働省はハローワークに企業から寄せられる求人情報を、9月から民間の職業紹介会社や自治体、学校にも提供する。全国のハローワークに集まる
年間約800万件の求人情報のうち、外部へ渡すことを企業が認めるものについて、職業紹介会社などがオンラインで取り寄せられるようにする。
政府がハローワークの情報提供に踏み出したことを歓迎したい。2013年12月の完全失業率は3.7%に下がっているが、求人と求職者を結びつける機会を
増やせば、雇用環境がさらに改善することが期待できる。
だが、情報の公開はまだ不十分だ。ハローワークの求人情報を受け取れるところを民間では職業紹介会社に限っているためだ。
職業紹介会社に職探しを頼む人は、それまでの年収が500万~600万円あった人が多い。大半は正社員を望んでいる。ハローワークへの求人は半分がパ
ート、契約社員などの非正規雇用だ。ハローワークに寄せられた求人に、職業紹介会社が求職者を十分にあっせんできない恐れがある。
ほかの人材サービス会社にも情報を公開し、民間の力を求職者の就職支援に積極的に生かしていくべきだ。たとえば派遣会社もハローワークの求人情報
を受け取れるようにすれば、職を探している人の就労機会が増える。
求人広告会社との連携も考えたい。企業がハローワークに求人の登録をしても、なかなか見つからない場合がある。そうした企業を求人広告会社がわかる
ようにしてもいいだろう。ハローワークの利用が無料なのに対し、広告料金がかかるが、求人広告は人材募集を広く知らせる手段になる。
職を探している人の就労を促すには、企業が求める技能や知識を身につけやすくする必要もある。
IT(情報技術)や介護・看護など、成長分野で働くための能力を得やすいように、公共職業訓練は内容を見直すべきだ。訓練のメニューづくりを民間事業者
に競わせれば、質の向上につながる。雇用の安定へ、さまざまな場面で民間の力を活用したい。
B-side Monthly Letter