自然科学総合実験(化学分野) レポートについて レポートを作成,提出して実験が完了したといえる。 自分が読むためのものではなく,自分の行った実験の結果・成果を正確に伝えるために,他人に読んでもらうもの。 レポートを書くときに注意する事 読み手の立場になって書く。 読み手がレポートを読んだときに,実験を再現できなかったり,結果・考察を読んで理解できなかった場合は書き手の 記述・説明が不十分であると考えられる。 「自分と同年代の理系学生に読んでもらったときに,実験の内容・結果がちゃんと伝わるか ?」を考えてみる。 レポートの流れ 起承転結をしっかりと意識し,1 つのストーリーをつくる。 タイトル:実験の目的と内容を端的に表現 ① 序論:実験の目的やその目的を達成するため の原理 ( 理論的背景 ) ② 操作:用いた試薬や器具,行った操作 ②-1. 実験試薬,実験器具 ④ 考察:結果に対し,化学的根拠に基づき議論 ④-1. 化学的根拠に基づき,結果を説明・議論する レポートを読む人に操作,実験結果の意味を納得させる 化学物質の化学式 ( または構造式 ) を必ず明記する 実験 -9(第 3 回)の例 実験操作:沈殿に NaOH(4 mol dm-3) を 7 滴加え,12 分間加熱した。 考察:Fe(OH)3 と Al(OH)3 の混合物に NaOH を過剰に加えると,Al(OH)3 実験に使用した試薬,器具を記述する のみ錯イオン [Al(OH)4]- になり溶ける。このことを用いて Fe3+ と Al3+ を分離している。 ②-2. 実験操作 自分が実際に行った操作を記述する ( テキストに書かれている 操作とは必ずしも一致しない ) 実験 -10(第 3 回)の例 実験操作:NH4SCN 溶液 (0.1 mol dm-3) を 3 滴加えた。 必ず「過去形 ( ∼した。)」で記述する 試薬の濃度や使用した量,加熱時間などを正確に記述する ③ 結果:実験操作によって得られた実験事実 結果:血赤色溶液になった。 考察:この血赤色溶液への色の変化は,錯イオン [Fe(SCN)n](3-n) の生成に 起因する。これは Fe3+ イオンに特有の反応であるため,溶液中に Fe3+ イオンが存在していたことがわかる。 ③-1. 第 1 回の結果 色や,数値を表にまとめるとわかりやすい ④-2. 反応原理との一致・不一致を説明・議論する データの有効数字を考慮すること ! 実験がすべてうまくいった場合は,省略してよい ③-2. 第 2 ∼ 4 回の結果 テキストの反応原理とは異なる結果が得られた場合,その原因を 溶液なのか沈殿なのかを区別する 明らかにしなければならない 溶液の色の変化 実験 X で生じるはずの沈殿 A が生じなかった場合 ... 沈殿の有無 →この操作,前の操作を誤っていないか ? 沈殿の様子 ( 粒子 ? ゲル ?) →気づいた点はなかったか ?(溶液の色,pH,加熱時間,etc.) [ 実験ノートの作成 ] レポートを書くためには,実験ノートが重要になってくる。そのため、実験中は以下の項目を意識する。 ★ 実験中 , 予習の操作と違うことを行った場合には,その箇所を横線で消し , 書き直す ( 加熱時間,加えた試薬の量,etc.) ⑤ 結論:実験の成果を簡潔にまとめる ⑥ 参考文献:( もしあれば ) 参考にした文献を書く ★ 操作ごとに結果を詳細に記録し,変化がなかった場合も「変化なし」と記述する レポートの再提出とレポートに関する質問 レポートチェック表 ⮬↛⛉Ꮫ⥲ྜᐇ㦂䠄Ꮫ䠅䝺䝫䞊䝖㻌 䝏䜵䝑䜽⾲ ᥦฟ x ⅖ⰍࡣఱⰍࡔࡗࡓ㸽 x ほ ࡉࢀࡓἼ㛗ࡣఱ nm ࡔࡗࡓ㸽 x ⁐ᾮࡢኚࡣ࠺ࡔࡗࡓࡢ㸽㸦ỿẊࡀ⏕ᡂࡋ ࡓࡢ㸽⁐ᾮࡢⰍࡀኚࡋࡓࡢ㸽㸧 ᭷ຠᩘᏐࡀ⪃៖ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡏࢇࠋ ᛂᘧࡀグ㏙ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡏࢇࠋ 㻌 㻌 㡯┠㸦⪃ᐹ࡞㸧ࡀᢤࡅ࡚࠸ࡲࡍࠋ ୍㒊ࡢ㡯┠ࡀᮍᡂ࡛ࡍࠋ ᣦᐃࡋࡓᙧᘧ␗࡞ࡗ࡚࠸ࡲࡍࠋ ᩥ❶ࡀ㐣ཤᙧ࡞ࡗ࡚࠸ࡲࡏࢇࠋ 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 䈜㻌 㻌 ಟṇ䛧䛶䠈ḟᅇ䛾ᐇ㦂㛤ጞ䜎䛷䛻䝺䝫䞊䝖㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻮㻻㼄 䛻ᥦฟ䛧䛶ୗ䛥䛔㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 㻌 䈜㻌 㻌 ゞṇ⟠ᡤ䛿ᮒグ䛾䛣䛸㻌 㻌 㻌 ᗎㄽ㻌 ┠ⓗࡀグ㏙ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡏࢇࠋ ᐇ㦂ࡢ⌮ㄽⓗ⫼ᬒࡀグ㏙ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡏࢇࠋ ᧯స㻌 ヨ⸆࣭ᐇ㦂ჾලࡀグ㏙ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡏࢇࠋ ᧯సࡀ⌧࡛ࡁࡿࡼ࠺グ㏙ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡏࢇࠋ 㸦ຍ⇕㛫ࠊ⁐ᾮࡢୗ㔞ࠊ࡞㸧 ほᐹ⤖ᯝࡀグ㏙ࡀ༑ศ࡛ࡍࠋ ☆ 実験 ( 試薬,器具,操作 ) と結果等の記述形式については,各回ごとに指定されているので, レポート作成前に必ずテキストを読み確認しておく。 㻌 ⪃ᐹ㻌 ᛂ≀࠾ࡼࡧ⏕ᡂ≀ࡢྜ≀ྡ࣭Ꮫᘧࡀグ㏙ ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡏࢇࠋ㸦Ꮫᘧࡀ」㞧࡞ࡶࡢࡣᵓ㐀ᘧ ࡛♧ࡍ㸧 ᚓࡽࢀࡓ⤖ᯝࡸయ㦂ࡋࡓ⌧㇟ࡀᏛⓗ᰿ᣐᇶ ࡙ࡁㄝ᫂ࡉࢀ࡚࠸ࡲࡏࢇࠋ x ⁐ᾮࡢⰍࡢኚࡢཎᅉࡣఱ㸽 x ỿẊ≀ࡢṇయࡣఱ㸽 x 㔠ᒓ࢜ࣥࢆ࠺ࡸࡗ࡚ศ㞳᳨࣭ฟࡋࡓࡢ㸽 ᛂཎ⌮⤖ᯝࡢ୍⮴ࡢཎᅉࡀ⪃ᐹࡉࢀ࡚࠸ ࡲࡏࢇࠋ ⤖ㄽ㻌 ⤖ᯝ㻌 ☆ チェック表太枠内の項目に該当する場合は,返却するので,朱書きで訂正し再提出する。 グ㏙ࡉࢀ࡚࠸ࡿෆᐜࡀ㐺ษ࡛ࡣ࠶ࡾࡲࡏࢇࠋ ⡆₩ࡲࡲࡗ࡚࠸ࡲࡏࢇࠋ 化学実験や化学実験レポートに関する質問,相談は実験時間に随時受け付けています。 実験時間外は,センター 1 号館 6 階 1609(山田),1610(大橋,藤野)で対応します。
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