「みなみの風」 第14号(2014.2.25、PDF 1098KB)

由布市立南庄内小学校
学校だより 第14号 Net
よく聞く子 心優しく 元気な子
いつも笑顔の南(み・な・み)の子
み…見て聞いて考える かしこい子
な…なかよく心豊かな やさしい子
み…みんな元気で粘り強い たくましい子
南庄内小学校
閉校式
平成26年 2月25日(火)発行
文責:二宮 保秀
2月生活目標
身の回りや学校をきれいにしよう
~たくさんの「ありがとう」~
2月16日(日曜日)、全国各地が記録的な大雪に見舞われ
た前々日から一転し、さわやかな青空が広がり、南庄内小学
校の閉校記念式典が行われました。14日が雪で休校となっ
たため、準備にかかる時間は十分とは言えませんでしたが、
庄内地域振興課の皆様、実行委員・自治委員の皆様、保護
者、地域の皆様のお陰により、駐車場となる学校のグランド
や国道からのアクセスに係る道路の除雪、整備をしていただ
きました。本校の職員だけではどうしようもなかったところに、
多大なご協力を賜り、本当に感謝の気持ちで一杯です。誠
に、ありがとうございました。
式典は、アトラクション、閉校式、記念碑除幕式の三部構
成で行われ、会場となった講堂を埋め尽くす250名以上(受
付名簿より)のご参加をいただきました。
清永教育長へ「校旗返納」
、N.H さん
今日、閉校式がありました。200人
くらい人が来て、すっごくきんちょうし
ていました。
(中略)校歌を歌うときに、
何か、いつもとちょっとちがう気持ちで
した。
「あ~、もう学校とおわかれや~」
という気持ちになりました。それから帰
って、きんじょの人に「よかったなー」
と言われたり、お母さんに「ありがとう
の歌、よかったよ」と言われたりして、
ちょっとうれしかったです。
さらに、お母さんには、「校き返のう
のところで泣きそうになった」と言われ
て、ぼくも、そう思っていました。
(4年 K.H)
会場一杯の参加者とともに「校歌斉唱」
閉校式では、ご来賓の代表として、はじめに、首藤奉
文由布市長にご挨拶をいただきました。
「児童の皆さんのりっぱな発表を見させて頂きました。
よくぞ、ここまで調べてくれました。南庄内小学校の子
どもはしっかりしている。そして、その伝統は、今も生
きている。そう感じました。」
市長のご挨拶の中で、繰り返し出てきた“やるせない
気持ち”という言葉。愛してやまない母校への想いと、
首長としての立場との間で、苦悩からにじみ出た言葉
を、首藤市長は隠そうとはなさいませんでした。「淋し
い想いは児童の皆さんも同じ。そのことを思うと、皆さ
来賓あいさつ 由布市長 首藤奉文 様
んが愛おしくなります。
」
「昨夜も夜中に目が覚め、子どもの頃の光景が浮かびました。隙間風が入る寒い校舎のこと、運動
会のこと、遠足のこと…。」特に、子どもたちへは、「南庄内小でつくった思い出を生涯、胸に抱い
て、ずっと持ち続けてほしい。そして、この学校で学んだことを誇りに思い、どこに行っても、胸
を張って頑張っていってほしいと思います。
」とお言葉を頂きました。
アトラクション①
4年生 「南138年の歴史」
4年生は、身近な人(親やおじいちゃん・お
ばあちゃん、地域の人など)にインタビューす
ることで、
「南138年の歴史」を年表にまとめ
ました。校長室にある難しい資料を写すのでな
く、自分たちの力で取材し、
「手書き」でまとめ
ていきました。ゲストティーチャーの宮﨑先生
や阿部美空さんのお母さん(阿部優佳さん)か
ら「卒業記念の竪穴式住居」について学んだこ
と、
「南ふれあいデー」で、全校で手分けして地
域の方に取材したことをもとに、4年生が協力
してまとめ上げました。それを、限られた時間
内で発表できるよう「要約」し、発表も協力し
てすることができました。
4年生の児童
ペアで発表する人と年表を指示する人に
分かれ、仕事分担しました。
竪穴式住居
(
※詳しくは学校だより 11 号に↑
)
大分市田尻にお住まいの安
部信男さん(昭和 32 年度本校
卒)から、式典後、子どもたち
に向けてメッセージを頂きま
した。担任を通じて、全文を子
どもたちに伝えましたが、ここ
で、一部分ですが、皆さんに紹
介させて頂きます。
(誠に勝手ながら、二宮が抜粋
いたしました)↓
インタビューのまとめ
閉校記念式典、ご苦労様でした。感動に包まれた数時間を過ごすことができました。何と言っても子
どもたちのアトラクションでの発表です。真剣な眼差しのその姿に私は何度も目頭が熱くなりました。
南小の子どもらしく澄みきった声で歌ってくれた「だから、ありがとう!」南小の素晴らしさを各地に
広めてくれた「みなみの CM」そして、何と言っても感動したのは、138年もの歴史を調べてくれた
「みなみ138年の歴史」です。南庄内地区の人も知らなかったことを詳しく調べてくれて、ありがと
う!会場に集まった全員がたいへん喜んでおり、また、皆さんの努力に対してものすごく感心をしてお
りました。私はアトラクションの間、みなさんの一生懸命な発表の姿に涙が出てとまりませんでした。
14名の児童のみなさん、学校、校長先生をはじめ先生たちに、ありがとう!
(卒業生、安部 信男さん)
アトラクション②
5・6年生 「南のCM」~出会いは一生の宝~
5・6年生の発表
アナログのいい
ところも忘れて
いません!
(手描きの円グ
ラフ)
インタビューでは、肖像権を考慮し、撮影の許可や写
真・動画の使用目的を、事前に相手に伝えました。
5・6年生は、学校自
慢や「ありがとう」の言
葉を、CMにしました。
5・6年の取材活動や
ビデオ編 集に大活躍 し
たのが、タブレット端末
(iPad、ソフトバンク様
のご厚意により借用)で
す。
iPad のいいところは、
取材時の 撮影、タイ ト
ル・音声の入力、編集・
加工、出力まで、1台で
完成して しまうとこ ろ
です。子どもたちは、1
人1台の iPad をみるみ
るうちに 使いこなし て
しまい、担任の衛藤先生
も驚いていました。
iPad を使うことで、子どもた
ちは、主体的に学習に取り組み
ます。先生から指示されるので
はなく、先生の注意を聞きなが
ら、守るべきルールは守った上
で、目的に応じて、道具として
iPad を積極的に使い、CM や
PV(プロモーションビデオ)を
制作しました。
制作にはロイロノートという
アプリを使いました。ロイロノ
ートは、子どもの試行錯誤を支
援する優れモノでした。
(二宮)
タイトル
は手描き
で!
インタビューの様子
子どもたちどうしの iPad もネットワーク
でつながっています。これにより、デー
タの共有、共同作業が可能です。
試行錯誤しなが
ら、場面展開を
考えます。
アトラクション③
1・2年生 「だから、ありがとう!~南の森~」
「がんばれ!と励まし
合うことで、みんなから
お互いに勇気をもらっ
た。それが感謝の言葉に
なった。
」
学校でできるようにな
ったことが、たくさんあ
ることを紹介してくれた
1・2年生。
(けん玉、フ
ラフープ、単縄・長縄跳
び、ホッピング、鉄棒の
逆上がり、等)
フラフープの演技をする1・2年生
「だから、ありがとう!」の作詞では、南の“森”に2年生のこだわりがありました。ターザン“森”は、強く印象に残っている
ようです。私がこの学校だよりに付けたタイトルが「南の“風”
」だったので、できあがった歌詞を心配そうに私に見せる担任の顔
が印象的でしたが、私はもちろん、「子どもたちが“森”と言えば、
“森”でお願いします!」と答えました。(笑)(二宮)
「だから、ありがとう!
~南の森~」
作詞:わんぱく4
feat.Karins
〔わんぱく4〕
Y.O
M.K
Y.K
M.H
〔Karins〕
芳川 美香
大久保 啓子
「だから、ありがとう!」の演奏
<
作・編曲:
Yasuhide Ninomiya
歌唱 >
主旋律…本校児童、佐藤智恵美(養護教諭)、竹尾久美子(図書館司書)、本校卒業中学生
高音部…本校卒業中学生、大久保啓子(2年担任)、竹尾 涼
<楽器担当>
★特別参加★ ※ご出演、ありがとうございました!
ピアノ(Piano)
M.A さん(本校卒業生、中学1年)
ギター(A.Guitar)
森山 武彦 先生(庄内中学校、教頭)
サックス(T.Sax)
永松 清次 さん(由布市教育委員会 学校教育課 スクール・ソーシャル・ワーカー)
≪本校職員≫
キーボード(Keyboard 1) 上田 清子(4年担任)
キーボード(Keyboard 2) 山川 はる(5・6年副担任)
ベース(E.Bass)
衛藤 慎司(5・6年担任)
パーカッション(Percussion)
平田 福一(教頭)
ドラム(Drums)
二宮 保秀(校長)
<演出・構成>
芳川 美香(1年担任)
、大久保 啓子(2年担任)、上田 清子(4年担任)
学校長式辞
雪解けの水を含んだ大地も、春の身支度を始め、柔らかな
光が、校庭を優しく包み込む今日、
ご多用な中を、由布市長、首藤奉文様、由布市議会議長、
工藤安雄様、大分県教育庁参事監兼大分教育事務所長、堀仁
一郎様をはじめ、多くのご来賓の皆様のご臨席を賜り、また、
市内外から卒業生の皆様も多数、ご出席を頂き、南庄内小学
校の閉校式が挙行できますことを、厚く、御礼申し上げます。
明治八年、柿野学校、渕学校の創設、昭和二年に二校が合
併して南庄内尋常高等小学校となり、国民学校、町村立学校
を経て由布市立南庄内小学校に至るまで、実に百三十八年の
歳月が流れました。この間、合併前を含めると、記録に残っているだけでも四千名近くがこの地で勉学に励
み、現在も卒業生の皆様は各方面でご活躍、また、地元の発展に力を尽くしておられます。
この歴史ある南庄内小学校も、ピーク時は五百名程の児童が在籍しておりましたが、昭和三十年代後半か
ら四十年代にかけて児童数は急激に減尐し、昭和五十年代中頃には百名を下回る状態となって、その後は、
緩やかに下降傾向を辿りました。
そのような中にあっても、明るく素直で、豊かな感性を持つ子どもたちと、学校に対して献身的なご支援
を頂く「保護者の皆様」や、いつも温かく見守って下さる「地域の皆様」のお陰により、子どもたちが知を
磨き心身を鍛練することはもちろん、南庄内小ならではの「学校文化」を築いて参りました。
それを象徴する言葉の一つが、
「花咲く南」です。春になれば満開の桜が咲き誇り、庄内駅から降り立つと
一目でわかるその美しく印象的な景観もさることながら、地域に育まれ、地域の宝として巣立つ子どもたち
こそが、
「花」です。南庄内小最後の校長として赴任した私は、過去の記録を目にし、また、閉校を惜しむ多
くの卒業生や歴代職員の皆様の声を聴くたびに、そのことを強く感じておりました。道徳・図書館・へき地
教育等の研究発表会や運動会その他の行事へのご協力、花いっぱい運動や学校施設・教育環境の充実、児童
の登下校の安全確保、一輪車の点検や学校の防災等に対して、保護者の皆様や地域の皆様から惜しみないご
支援を頂いたこと。子どもたちの学びを豊かにするための田や学校菜園、花壇、
「ターザンの森」や「思い出
の池」
、竪穴式住居、運動会には伝統の「神楽」など、学校と保護者・地域の皆様とが一体となって作り上げ
た有形・無形の財産。まさに、南庄内小学校は、地域あっての学校であり、この地で独自の学校文化が根づ
いたのであり、そこで育った最大の「花」が、子どもたちであります。
閉校に向けた最後の年にあたり、私たちは「学校にありがとう!」というプロジェクトを立ち上げました。
過去から現在に至る南庄内小学校の自慢を調べ、南のよさを再認識しながら、学校への感謝の気持ちを言葉
や行動に表す活動を仕組みました。子どもたちは、歴史を学び、地域の方々、おじいちゃん・おばあちゃん
方との交流を通して、
「尊敬」と「感謝」を肌で感じました。コンピュータやネットワーク技術を活用しつつ、
本当に大切なのは人と人とのつながりであることを学びました。友だちや家族、周りの人たちへの「ありが
とう」の場面を思い浮かべながら、感謝の言葉を紡いで「歌」を作りました。
そして、それらを閉校記念式典で表現することにしたのです。この活動を通して、子どもたちは、あらた
めて、南庄内小学校を誇りに思い、閉校を惜しむ大勢の大人たちの「切ない思い」や「明るい未来を託した
いという強い願い」を、今の子どもたちなりに感じ取ることができていると確信しております。
輝かしい南庄内小学校の歴史と伝統に触れ、多くの素晴らしい出会いと感動を頂き、市当局のご支援、県
教育委員会、由布市教育委員会の御指導の下、微力ながらこの地の教育に携わることができた者の一人とし
て、心から幸せを感じ、感謝申しあげます。
最後に、ご出席の皆様方におかれましては、南庄内小学校が心のふるさととしていつまでも皆様の胸に生
き続けますよう、
また、今後とも、南の子どもたちの健やかな成長を見守って頂きますようお願い申しあげますとともに、
春、満開の桜の木の下で、再び皆様とお会いできますようお祈り申しあげ、式辞といたします。
平成二十六年
二月 十六日
由布市立南庄内小学校
校長
二宮
保秀