ニュースリリース

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2012 年 10 月 24 日
メルク、有機 EL インク製造に必要なエプソンのインク化技術を活用
~ インクジェット方式による大型有機 EL ディスプレイ量産を加速 ~
メルク株式会社(本社:東京、会長兼社長 カール・レーザー)の親会社である Merck KGaA(ドイツ・ダルム
シュタット市、会長:カール-ルドウィッグ・クライ、以下メルク)と産業分野でインクジェット技術を生かした事業
を展開しているセイコーエプソン株式会社(本社:長野県諏訪市、社長:碓井稔、以下エプソン)は、本日、
有機 EL(OLED)ディスプレイ向けインクジェット用インクに関して協力関係を結び、インク化技術の供与に
ついて合意したことを発表しました。この合意により、エプソンは、有機 EL テレビ用ディスプレイを製造する
ための、有機 EL 材料を溶解するインク化技術をメルクに供与します。なお、合意の詳細は公表していません。
インクジェット方式による量産を実現するためには、長寿命の有機 EL 材料と、有機 EL 材料を正確かつ高
速で吐出(印刷)するためのインク化技術が必要不可欠です。メルクはインクジェット方式による製造に適し
た長寿命で高品質な有機 EL 材料を提供する能力を有しています。一方、エプソンは有機 EL 材料をインク
に加工し、このインクをインクジェット方式の製造装置から吐出させる技術を有しています。今回の提携によ
り、両社の持つ強みを組み合わせ、有機 EL インクの実現を目指します。
メルク会長のカール-ルドウィッグ・クライは、「世界的なインクジェット技術のリーダー企業であるエプソンと
戦略的なパートナーシップ関係を結ぶことができ、当社の期待は非常に高まっています。メルクの印刷に適
した有機 EL 材料は、大幅にディスプレイパネルの製造コストを削減できるものです。エプソンとメルクの技
術を組み合わせることにより、従来の技術ではコスト的、技術的に難しいとされてきた大型有機 EL ディス
プレイの量産が可能になります」と述べています。
エプソン社長の碓井稔氏は、「大型有機 EL ディスプレイの製造において、インクジェット方式は、従来のマ
スク蒸着方式が抱えていた多くの生産上の課題を解決します。エプソンは独創のインクジェット技術である
マイクロピエゾテクノロジーを、商業・産業分野に展開しています。本日の合意は、インクジェット技術が従
来の製造プロセスを革新する一例であり、ディスプレイ産業において技術的に深い知見を持つメルクは理
想的な相手です」と述べています。
メルク株式会社
本社
〒153-8927
東京都目黒区下目黒 1-8-1
アルコタワー 5F
人事本部 広報グループ
電話 03 (5434) 6270
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また、メルクとエプソンは、インクジェット方式による有機 EL テレビ製造を可能にする業界標準インクのロ
ードマップを作成するなど、今後も緊密な連携を続けていきます。さらに、メルクは、将来にわたって有機
EL テレビ業界の要望に応えるために、インクの商品化を進めていきます。
メルクは、有機 EL インクにおいてエプソンと協業を通じ、現在および将来のテレビ用ディスプレイ関連技術
の開発に積極的に取り組みます。市場調査※によると、有機 EL テレビは、液晶テレビに次ぐシェアとなり、
2017 年には、販売されるテレビ用ディスプレイパネルの 93%が液晶テレビ用、残りの 7%を有機 EL テレ
ビ用が占めるようになり、有機 EL テレビ用ディスプレイパネルはその後も拡大が続くと予想されています。
※ 2012 年 7~9 月、DisplaySearch 調べ
本リリースの本社発表英文版リリースは下記URLよりご覧いただけます。
http://www.merckgroup.com/en/media/news_releases/news_releases.html
この件に関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
<メルク株式会社>
人事本部 広報グループ 西上(にしがみ) 電話:03-5434-6270(直通)
エプソンについて
エプソンは、プリンター・スキャナー・液晶プロジェクター・パソコンなどの情報関連機器、水晶デバイス・半導体・
高温ポリシリコン TFT などの電子デバイス、ウオッチ・眼鏡レンズ・産業用ロボットなどの精密機器、その他にお
ける開発・製造・販売・サービスを行っています。精密メカトロニクス技術を基盤とした 3 つのコア技術(マイクロピ
エゾ・3LCD・QMEMS)を極め、プリンティング・プロジェクション・センシングの領域で、お客様の期待を超える製
品・サービスを生み出していきます。
設立:1942 年
連結売上高:8,779 億円(2012 年 3 月期)
http://www.epson.jp/company/
メルクについて
メルク のパフォーマンスマテリアルズ事業部 / 有機 EL 事業について
メルクのパフォーマンスマテリアルズ事業部はディスプレイ業界向け液晶の世界最大のサプライヤーであり、
有機EL(有機発光ダイオード、OLED)材料の製造も行なっています。
メルク株式会社
本社
〒153-8927
東京都目黒区下目黒 1-8-1
アルコタワー 5F
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電話 03 (5434) 6270
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有機ELは鮮やかな色調と鮮明な画像を実現し、あらゆる角度から画面を見ることができると同時に、エネルギー
効率が極めて高く耐久性に優れ、ディスプレイ技術の全く新たな次元を切り開きました。メルクは世界有数のメー
カーとして、有機ELディスプレイ向けの高品質材料を幅広く提供しています。
パフォーマンスマテリアルズ事業部では、現在 100 人以上の体制で有機 EL 材料の研究開発にあたっており、
その陣容は拡大を続けています。2005 年、メルクはドイツ・マインツに本拠を置く Schott AG の Lumitec OLED
R&D 部門を買収し、その年さらに Avecia 社の子会社でドイツ・フランクフルトに本拠を置く Covion 社の有機
EL 事業を 5,000 万ユーロで取得しました。2010 年には、マインツ、フランクフルトの拠点およびダルムシュタット
にある従来の研究開発施設を含め、社内のすべての有機 EL 関連事業を統合し、ダルムシュタットに本拠を構
えました。
メルクは有機 EL 材料の製造における 10 年以上の実績とグローバル特許の強力なポートフォリオによって強固
な基盤を築いており、企業ごとの細かな要求に正確に対応し、極めて高純度で安定性に優れた幅広い有機 EL
材料を提供します。さらに、各市場の有力なリーダー企業と緊密に協力し、信頼性の高いパートナーとして有機
EL 技術の将来に向けて革新的な材料開発を行っています。
有機EL材料の成膜技術には、真空で低分子を蒸着する方法と、印刷技術を用いて高分子をコーティングする方
法の2種類があり、これまでディスプレイメーカーはいずれかを選択する必要がありました。しかし、メルクは溶解
性低分子によって、低分子材料のメリットに印刷技術工程の利点を合わせた手法を開発しました。これによって、
低分子有機EL材料の優れたディスプレイ性能はそのままに、成膜工程の効率とフレキシビリティは著しく高まり
ました。
Merck KGaA(メルク)はドイツのダルムシュタットに本社を置く世界的な医薬品・化学品会社です。会社としての
起源は1668年まで遡り、現在は世界67カ国で事業を展開しています。グループ従業員総数は約40,000人に上
り、起業家精神あふれる社員のイノベーションによって成功を収めてきました。2011年総売上高は約103億ユー
ロでした。Merck KGaA の株式は全体の30%が市場で取り引きされており、残りの70%はメルクファミリーが合
資会社を通じて保有しています。なお1917年、当時の米国子会社Merck & Co.の資産が接収された後、同社は
メルクからは完全に独立しています。
メルク株式会社はメルクの日本法人として1968 年に設立。液晶や顔料などの化学品の研究開発・製造・販売や、
試薬・分析機器などライフサイエンス関連製品・サービスを手がけています。2011年には日本ミリポア株式会社
を吸収合併し、バイオサイエンス基礎研究から医薬品製造、創薬まで、ライフサイエンス分野の製品とソリューシ
ョンを提供しています。メルク株式会社についての詳細は、www.merck.co.jp をご覧ください。
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