個別銘柄レポート~タイ証券取引所

<顧客配布資料> タイレポート
個別銘柄レポート~タイ証券取引所~
作成:2013年2月13日(水)
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イタリアンタイ・ディベロップメント(ITD-R)
―タイ最大の総合建設会社、ミャンマーのダウェー港の開発プロジェクトをリード―
(1) 会社概要
1958 年 8 月 15 日、タイ人のチャイユット・ガンナスート博士とイタリア人のジョルジィオ・バーリ
ンジャリー氏の 2 人を共同設立者として、イタリアンタイ・ディベロップメント(ITD-R)は、設立さ
れました。設立時の授権資本金は 200 万バーツでした。1981 年 12 月に、バーリンジャリー氏が亡くな
ってからは、ガンナス―ト家を中心としたタイ人によって、同社の経営が行われています。1994 年、同
社は、タイ証券取引所に上場しました。その後、1997 年に起きたタイ金融危機の影響で、同社は経営に
行き詰りましたが、2002 年 12 月に再建を果たしました。
現在、同社は、タイ、東南アジアにおける大規模なインフラ開発、土木工事を手掛けるタイ最大の総
合建設会社に成長しました。同社が手掛けたプロジェクトには、空港建設、鉄道・道路建設、ダム、ト
ンネル、パイプライン、工業団地・港湾設備、産業プラントなどがあります。
タイ国内の同業他社として、シノタイ・エンジニアリング&コンストラクション(STEC-R)とチョ
ーカンチャン(CK-R)があげられます。
(2) ミャンマー南部ダウェー港湾開発プロジェクトを受注
下の表は「アジア最後のフロンティア市場」と呼ばれているミャンマーの主要な港湾・経済特区の開
発プロジェクトを示しています。これまでプロジェクトの主役となっていたのは、ミャンマーを取り巻
くインド、中国、タイの 3 ヶ国です。
インドとの国境に近いミャンマー西部のラカイン州のカラダン川の河口にあるシットウェー港の深港
化とカラダン川の浚渫を行っているのがインドの大手財閥のタタ・グループです。中国は、同じく西部
ラカイン州のチャオピュの港湾整備および周辺の経済特区の開発、そして、チャオピュからミャンマー
を南北に縦断し、中国の昆明を結ぶ石油・ガスパイプラインの建設を進めています。タイは、民間企業
のイタリアンタイ・ディベロップメント(ITD-R)が、南部のタニンダーリ地域のダウェーの深港化、
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加入協会
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金融商品取引業
外国株式は、価格変動リスク、為替変動リスク、カントリーリスク、会計基準変更リスク、流動性リスク、取引相手先リスク(カウンターパーティーリス
ク)、機会損失、その他リスクがあります。ご投資をする際には、上記価格変動及び為替変動により投資元本を下回るおそれがありますので、約款・
投資ガイド及び契約締結前交付書面をよくお読みいただき、商品特性やリスク及びお取引ルール等を十分ご理解の上、投資家ご本人様の判断に
て行ってください。ブラジル株式へのご投資には、取扱手数料(【対面取引の場合】約定代金×2.10%(最低手数料100レアル)、が必要です 。外国
株式の売買にあたり、円貨と外貨を交換する場合には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。 6月末お
よび12月末時点の証券保有残高に応じて、0.15%(最低30BRL)の保管料を現地通貨建てにて徴収いたします
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経済特区の整備とダウェーからタイ国境までの道路と鉄道の開発事業契約をミャンマー港湾当局と締結
しました。
一方で日本は、昨年末に最大都市ヤンゴン近郊のティラワ経済特区のインフラ開発と港湾整備を官民
一体で受注しました。2013 年第 1 四半期中に共同事業体を設立し、同開発の第 1 段階として、2015 年
までに、開発総面積 2,400 ヘクタールのうち 400 ヘクタールの開発を行う計画となっています。
(3) ダウェー経済特区の重要性
現在、ミャンマーが注力している大規模なインフラ開発は、チャオピュ、ダウェー、ティラワの 3 件
です。ティラワ以外の開発案件は、既にプロジェクトが進行中ですが、ダウェー開発は停滞しています。
2010 年、タイの総合建設企業イタリアンタイ・ディベロップメント(ITD-R)は、75 年間にわたるダウ
ェー開発プロジェクトを受注しました。しかし、ITD-R は巨額の費用調達に行き詰まり、実際の開発は
ほとんど進捗していない状態です。昨年、ミャンマー政府とタイ政府は、この事態を打開するために、
ITD-R に代わり、新たに両国の官民が一体となって、新しい共同持株会社を設立することで合意しまし
た。ITD-R は、その共同会社のなかに組み入れられる予定です。また、投資資金の調達問題を解決する
ために、日本政府に対し、資金支援を含むダウェー開発プロジェクトへの協力を要請しています。日本
は支援に前向きな姿勢をみせていますが、ティラワ開発に軸足を置いていることから、ダウェー開発へ
参加するか否かの最終的な態度は明らかにしていません。同案件は両国にとって重要であり、両国と日
本の関係強化を考えた場合、なんらかの支援を提供することが日本の国益に適うと考えています。
同案件もまた、2013 年 3 月末までに細部を詰めて、タイ・ミャンマー両政府は新協定に署名し、4 月
から開発を開始する予定になっています。
2015 年のアセアン経済共同体の設立目標に向けて、メコンデルタ経済圏を考えた場合、同案件は、ミ
ャンマー以上に、タイにメリットがあると考えます。現在、タイ国内を通る大きな国際道路網が 3 本整
備されつつあります。南北に縦断するのが、南北経済回廊です。中国の昆明からラオスを通りタイのバ
ンコクを結びます。東西に横断するのは 2 本あり、ひとつは、東西経済回廊です。ベトナム中部のダナ
ンからラオス、タイを経由してミャンマー南東部のモーラミャインを結びます。もうひとつは、南部経
済回廊(第 2 東西経済回廊)です。ベトナム南部のホーチミン市からカンボジアの首都プノンペンを経
由してタイのバンコクを結びます。ダウェー開発案件では、南部経済回廊をバンコクからダウェーまで
延伸する計画です。その延伸距離は直線にして約 300km です。完成すれば、ダウェーは、メコンデルタ
経済圏の西の出口となり、インド、中東への海上輸送の重要な拠点になります。また南北の回廊、東西
の回廊はすべてタイ国内を通過しますので、タイ自体が同経済圏での物流のハブ基地として更なる発展
の機会を得ることが可能となります。まだハード・ソフトの両面から未整備なところがあり、十分に活
用されていない経済回廊ですが、今後、残された課題を解決し、利用が促進されたならば、大きな経済
動脈に発展する可能性を秘めています。ダウェー開発が、タイ・ミャンマー両国にとって重要な開発案
件であることをご理解いただけると思います。
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ク)、機会損失、その他リスクがあります。ご投資をする際には、上記価格変動及び為替変動により投資元本を下回るおそれがありますので、約款・
投資ガイド及び契約締結前交付書面をよくお読みいただき、商品特性やリスク及びお取引ルール等を十分ご理解の上、投資家ご本人様の判断に
て行ってください。ブラジル株式へのご投資には、取扱手数料(【対面取引の場合】約定代金×2.10%(最低手数料100レアル)、が必要です 。外国
株式の売買にあたり、円貨と外貨を交換する場合には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。 6月末お
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(4)イタリアンタイ・ディベロップメント(ITD-R)の株価動向
直近 3 ヶ月間の同社の株価の動きをみてみますと、急伸しているようにみえますが、同業他社のシノ
タイ・エンジニアリング(STEC-R)やチョーカンチャン(CK-R)の株価と比べるとアンダーパフォー
ムしています。これは、資本に対して負債比率が高い同社のバランスシートの相対的な弱さが影響して
います。アナリスト・ミーティングで、ダウェー開発に絡み、同社が増資しないと発表したことが、株
価の上昇材料になったことからでもわかります。しかし、同期間の株価に影響を与えたのは、企業業績
ではなく、鉄道工事を受注、火力発電所の建設工事を受注といったインフラ開発に関する発表でした。
3 月末まで新開発プランが纏まるダウェー開発に、タイ・ミャンマー政府を支援するために、日本が
戦略パートナーとして加わるのか、ITD-R がどのような役割を担うことになるのかに注目しています。
海外株調査室 小畑 直樹
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ク)、機会損失、その他リスクがあります。ご投資をする際には、上記価格変動及び為替変動により投資元本を下回るおそれがありますので、約款・
投資ガイド及び契約締結前交付書面をよくお読みいただき、商品特性やリスク及びお取引ルール等を十分ご理解の上、投資家ご本人様の判断に
て行ってください。ブラジル株式へのご投資には、取扱手数料(【対面取引の場合】約定代金×2.10%(最低手数料100レアル)、が必要です 。外国
株式の売買にあたり、円貨と外貨を交換する場合には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。 6月末お
よび12月末時点の証券保有残高に応じて、0.15%(最低30BRL)の保管料を現地通貨建てにて徴収いたします
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