[Report]大物実業家逮捕ニュースのベトナム株式市場へ

<顧客配布資料> ベトナムレポート
ベトナム 株式市場レポート
作成:2012年8月27日(月)
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アジアコマーシャル銀行(ACB)創業者の逮捕の影響について
アジアコマーシャル銀行(ACB)の創業者であり、ベトナムで最も有名な大物実業家のひとりである
グエン・ドク・キエン氏が逮捕されたとのニュースを受けて、翌 21 日のベトナム株式市場は、2008 年
10 月以来の大幅な下落を記録しました。
グエン・ドク・キエン氏が会長を務めている民間金融会社 3 社(B&B 貿易投資株式会社、ACB ハノ
イ投資株式会社、アジア・ハノイ・ファイナンシャル・インベストメント社)での不正な経済活動が逮
捕理由ですが、具体的な詳細については明らかになっていません。キエン氏が株主と伝えられているア
ジアコマーシャル銀行(ACB)とエクシムバンク(EIB)が、3 日連続でストップ安となっています。
アジアコマーシャル銀行(ACB)は、キエン氏は ACB の役員でも 5%以上の主要株主でもなく、現在
は ACB の経営に関与していないので、今回の逮捕は「個人的な事件」であると発表しています。ACB
銀行の預金流出が心配されましたが、ベトナム中央銀行は、ACB を含む国内銀行全体の流動性を確保す
るために資金供給を行う準備ができていると発表し、実際に公開市場操作(OMO)を通じて、数兆ドン
規模の資金を連日、市場に供給しています。そのおかげで銀行預金者は落ち着いて行動しています。
21 日の株式市場の下げを主導したのは事件に関する現地でのさまざまなうわさ話です。市場の売り手
は国内投資家でした。一方、買い手はブルーチップの既存株主の一部と外国投資家です。噂に加えて、
23 日は、信用取引の追い証が発生したことと VN インデックスの心理的かつ重要な抵抗線である 400 ポ
イントを割り込んだことが株式市場の下げをさらに大きくしました。
噂による投資家心理の悪化やテクニカル分析などが下落の主因であり、株式市場を取り巻いているフ
ァンダメンタルズには変化はありません。また、今回の事件はハイレベルでの政治的な不和が背景にあ
ると現地で一部の海外メディアが伝えています。たとえ政治的な背景があると信じたとしても、事件の
詳細が明らかになるまでは噂が株式市場に大きな影響を与える展開が続きそうです。
今後の見通しについてです。事件の詳細が明らかになっていない状況下で見通しについて述べること
はかなり投機的なことです。もし、今回の逮捕劇が個人の事件として収束し、ベトナムの銀行セクター
やベトナムの政界に拡がらないと仮定したならば、短期的には下げ圧力が強まるが、中長期的には絶好
の押し目買いのチャンスが拡がると考えています。株式市場を取り巻くファンダメンタルズには事件の
影響による大きな変化はありません。ただひとつ改めて投資家が認識したことは、ベトナム政府が抱え
ている重要な政策課題である国内商業銀行の不良債権問題と銀行セクターの再編、非効率な国営企業の
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外国株式は、価格変動リスク、為替変動リスク、カントリーリスク、会計基準変更リスク、流動性リスク、取引相手先リスク(カウンターパーティーリス
ク)、機会損失、その他リスクがあります。ご投資をする際には、上記価格変動及び為替変動により投資元本を下回るおそれがありますので、約款・
投資ガイド及び契約締結前交付書面をよくお読みいただき、商品特性やリスク及びお取引ルール等を十分ご理解の上、投資家ご本人様の判断に
て行ってください。ベトナム株式へのご投資には、取扱手数料(【対面取引の場合】約定代金×2.10%(最低手数料800,000ドン)、が必要です 。外
国株式の売買にあたり、円貨と外貨を交換する場合には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替レートによるものとします。
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改革と民営化が進んでいないことです。2012 年上半期に 5 度にわたり政策金利を引き下げましたが、国
内企業への貸し出しは伸び悩んでいます。
今年上半期のベトナム株式市場は金融緩和期待から金融株や不動産株の株価が大きく上昇しました。
しかし金融緩和が実施されたのにもかかわらず、金融セクターや不動産セクターが直面している課題は
まだ解決していません。今回の事件をきっかけに、これらのセクターの株価のボラティリティは大きく
なると予想しています。
短期的に、今年 1 月に記録した VN インデックスの年初来安値 336.73 を割り込む場面があるかどうか
については、割り込まない可能性が高いと考えています。昨年末と比べて、ベトナムのマクロ経済は大
きく改善しており、特にインフレは安定しています。現在も追加の金融緩和策が行える状況にあり、政
府と中央銀行の政策の自由度は、昨年末よりも高くなっているからです。
事件は個人の問題にとどまらず、拡がっていく可能性がないとは言い切れません。今後の事件の進展
に注意を払う必要があります。
海外株調査室 小畑 直樹
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