わたしのいもうと - 小平市教育委員会

朝会の話
わたしのいもうと
~~人の痛みを感じられる人間に~~
240611
村松
体育館で実施
移動教室の6年の活躍紹介
6月は「ふれあい月間」と言って、東京都全体で「いじめ」や「暴力」をなくしていこ
うとする月です。
「いじめ」には、「冷やかし・からかい」、「言葉での脅し」、「仲間はずれ」などがありま
す。みなさんのふだんの様子はどうですか。つい、相手の気持ちも考えずに嫌なことを言
ってしまったり、やってしまったりということはありませんか。
今日はみなさんにそんなことを考えてもらうために松谷みよ子さんの「わたしのいもう
と」を読みます。これは松谷さんのところに届いた手紙に書いてあった実話、本当の話で
す。少し長いですが聞いてください。では読みます。
(スライドを見せながら、全文を読み聞かせする)
どうでしたか。できれば感想を書いて、読ませてくださいね。
今月はふれあい月間です。友だちの気持ちを考えられるように行動していきましょう。
朝会の話を終わります。
<裏面に「先生方へ」があります>
<先生方へ>
6月は、東京都教育委員会が定める「ふれあ
い月間」
(6・11・2月)です。いわゆる「い
じめ」を防止して、児童・生徒の健全な人間関
係をつくる月ということです。ちなみに、いじ
めの定義は、「当該児童・生徒が、一定の人間
関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受
けたことにより、精神的な苦痛を感じているも
の」というようになっています。
きょう読んだ「わたしのいもうと」は、松谷
みよ子さんのところに届いた手紙に書いてあっ
た、実話です。全文とあとがきの抜粋を載せて
おきます。
各学年学級の実態にあわせて、ご指導くださ
い。再度、学級で読んであげるのもいいと思い
ます。よろしくお願いいたします。
わたしのいもうと
松谷 みよ子
この子は わたしのいもうと
むこうを むいたまま ふりむいてくれないのです
いもうとのはなし
きいてください
いまから七年まえ
わたしたちはこの町にひっこしてきました
トラックにのせてもらって
ふざけたり
アイスキャンディをなめたりしながら
いもうとは
はしゃいだり
ある日いもうとは ひっそりと死にました
つるをてのひらにすくって
花といっしょにいれました
小学校四年生でした
いもうとのはなしは
これだけです
(中略)
わたしをいじめたひとたちは
もうわたしを
わすれてしまったでしょうね
あそびたかったのに
べんきょうしたかったのに
「あとがき-松谷 みよ子
数年前、一通の手紙がきた。わたしのいもうとのはなしを聞いてく
ださい、という手紙であった。いじめにあい、登校を拒否し、心を閉
ざしてしまった子。最後の『わたしをいじめたひとたちは、もうわた
しをわすれてしまったことでしょうね』という言葉まできたとき、わ
たしはこみあげてくるものをとどめることができなかった。
ある時期、わたしもいじめにあっている。その辛さは、地獄のそ
こをはうようであった。 幼い日の記憶に、あれはたしかイソップだ
ったと思うのだが、池のカエルが子供に叫ぶのである。「おねがいだ
から石を投げないで。あなたたちには遊びでも、わたしには命のもん
だいだから。」わたしもさけびたかった。
手紙はさらにつづく。自分より弱いものをいじめる。自分とおな
じでないものを許さない。そうした差別こそが戦争へとつながるので
はないでしょうか。 そうですとも、そうなのよとわたしは、手を握
りたい心持ちであった。
おなじ日本人のなかでの差別は、他民族への差別とかさなり、人
間の尊厳をふみにじっていく。アウシュビッツも、太平洋戦争でのわ
たしたちが犯した残ぎゃく行為も、ここにつながる。そしておそろし
いのは、おおかたの人が自分でも知らないうちに、加害者になってい
る、またはなり得ることではなかろうか。・・・(あとがき続く)」