自己紹介 企業に就職した経緯 前職証券会社法務部

Vol.18
第一東京弁護士会会員 藤井 朋子(60期) ●Tomoko Fujii
務のうちホールセール業務(ファイナンス・
本コーナーでは、一般的な国内法律事務
所を飛び出して働く弁護士に、勤務の実態
等を紹介していただきます。
M&A等)を取り扱っていたところ、私は大学
時代にゼミで会社法を学び、会社の組織再編
に興味を持っていたので、前職証券会社に入
社しました。
1 自己紹介
はじめまして。第一東京弁護士会所属の藤
3 前職証券会社法務部での業務
井朋子と申します。まず簡単に私の経歴につ
前職証券会社では、法務部に所属していま
いてお話しします。私は、2007年9月に旧60期
した。こちらは、会社全体の法務を取り扱う
司法修習を修了し、その年の12月に某国内証
総勢50名ほどの部署でした。私が入社した時
券会社(以下「前職証券会社」
)に入社しまし
は、部内の弁護士は、法律事務所からの出向
た。同社の法務部に2年半勤務した後、2010年
で来られていた58期の先輩と私の二人だけで
4月に現在の職場であるSMBC日興証券株式会
した。弁護士の主な業務は、法律相談対応と
社(以下「SMBC日興」)に転職しました。現
契約書審査でした。各業務部門それぞれに担
在は留学準備のため一時的に人事部所属にな
当の法務部員がついていて、ビジネスサイド
っていますが、SMBC日興では6年近くM&A
からの相談はまず当該法務部員が窓口となっ
部門に所属していました。
て受けます。その後、当該法務部員から私た
ち弁護士に法律相談や契約書審査等の依頼が
2 企業に就職した経緯
来るという業務フローになっていました。入
社当初は、証券実務に関してもそれを取り巻
私が就職活動を開始した時期はとても遅
く法律に関しても初心者でしたが、証券実務
く、司法修習が修了してからでした。司法修
はほかの法務部員の方々(皆さんビジネスサ
習を修了した月の翌月に弁護士会館で就職説
イドでの経験をお持ちでした。
)が教えてくだ
明会がありましたので、そちらに参加しまし
さり、法律面に関しては前述の58期の先輩が
た。求人側はほとんどが法律事務所でしたが、
教えてくださいました。この先輩からは、そ
企業も10 ∼ 20社ほど参加していました。私は
ろえておくべき法律書、仕事の処理のスピー
大学を出てそのまま司法修習に行ったため企
ド感、契約書審査における留意点等、基本的
業で働くということに興味があり、企業を中
な部分から教えて頂きました。また、当時は
心にお話を伺いました。その中の1つが前職証
証券取引法から金融商品取引法に移行したば
券会社でした。当時の前職証券会社は証券業
かりのころだったのですが、その先輩が金融
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飛び出せ!! 弁護士
商品取引法関連法案に関するパブリックコメ
代も現在も、土日に出社することはほとんど
ントとそれに対する金融庁の回答を虱潰しに
なく、平日に関しても忙しいときは21時ころ
チェックしていく勉強会に誘ってくださり、
まで仕事をすることもありますが、平均する
そこで難解な金融商品取引法に慣れることが
と18時ころには退社しています。特にSMBC
で き ま し た。 前 職 証 券 会 社 で は、 ほ か に も
日興は社員の「ワーク・ライフ・バランス」
様々な成長の機会を与えて頂きました。会社
を非常に重視していて、社員が有給休暇を取
の顧問弁護士の下で短期間の研修をさせて頂
得しやすくなる制度を設けたり、社員の早帰
いたり、株券電子化について社内で講義をす
りを促進するべく早帰り日を設けたりしてい
る機会を頂いたりしました。
ます。また、SMBC日興では産休・育休制度
も大変充実しています。
4 SMBC日興M&A部門での業務
2010年4月 にSMBC日 興M&A部 門 へ 転 職 し
6 海外留学生派遣制度
ました。こちらは、M&Aを検討する顧客に
SMBC日興には海外留学生派遣制度があり、
対しM&Aの戦略立案からクロージングまで
毎年公募で候補者を募り、MBAプログラムか
M&Aの各プロセスにおいてアドバイスを提供
LL.M.プログラムに1 ∼ 2名を派遣しています。
することを業務とする、総勢150名ほどの部署
私は昨年の1月に応募し、同年3月に選考通過
です。法務部ではなくM&A部門を選んだ理由
の連絡を受け、そこから業務をしながら米国
は、よりビジネスサイドの社員と近いところ
LL.M.留学のための準備を始めました。今は今
で仕事がしたかったからです。私は、M&A
年7月の渡米に向けて準備をしているところで
部門の中のリーガルセクションの一員として
す。
入社しました。入社当初は、M&A部門内の
弁護士は私一人でした。こちらでの業務の幅
はとても広く、法律相談対応・契約書審査だ
7 おわりに
けでなく、案件ごとの利益相反管理をしたり、
このように、私はずっと国内の証券会社に
M&A部門内のルールを作ったり、SMBC日興
いましたが、この度米国に飛び出す機会を得
自体の他社との業務提携の交渉をしたりと、
ました。留学期間は約1年と短いですが、米国
様々な経験を積みました。また、SMBC日興
証券規制を学ぶだけでなく、他国からの留学
のM&A部門ではクロスボーダー M&A案件の
生と積極的に交流し様々な価値観に触れて、
取扱いが多く、英文契約書を審査したり海外
その経験をまたSMBC日興での業務に活かそ
法規制を調べたりする機会が多くありました。
うと思います。拙い文章でしたが、私の話が
海外法規制の中でも特に悪戦苦闘していたの
企業内弁護士というキャリアを検討されてい
が米国証券規制で、これがきっかけで後述す
る方々にとって少しでもご参考になれば幸い
る米国留学を志すようになりました。
です。
5 ワーク・ライフ・バランス
振り返ってみると、証券会社の弁護士とし
てキャリアをスタートしてから8年以上が過ぎ
ていました。8年以上もこの仕事を続けている
のは、業務が面白いからというのもあります
が、ワーク・ライフ・バランスが確保されて
いるという点も大きな理由の1つです。前職時
同僚・元同僚が開いてくれた壮行会で
(前列左が筆者)
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