ITER プロジェクトへの参加を少なくとも 2018 年度まで継続 することを提案

日本学術振興会ワシントン研究連絡センター
エネルギー省、ITER プロジェクトへの参加を少なくとも 2018 年度まで継続
することを提案(5 月 26 日)
エネルギー省(Department of Energy)は、連邦議会歳出委員会からの要
請 を 受 け て 作 成 し た 、 米 国 に よ る 国 際 熱 核 融 合 実 験 炉 ( International
Thermonuclear Experimental Reactor:ITER)プロジェクトへの関与に関す
る報告書『米国による ITER プロジェクトへの参加(U.S. Participation in the
ITER Project)』を発表した。
本報告書は、少なくとも 2018 年度までは ITER プロジェクトへの参加を継
続することを提案しており、2018 年度予算からは、2017 年度予算要求額を 1
億 500 万ドル上回る 2 億 3,000 万ドルを拠出すべきとしている。
同報告書は、ITER 当局の統括官として 2015 年 3 月にバーナード・ビゴッ
ト氏(Bernard Bigot)が就任後、同プロジェクトの運営が改善されているこ
とから、今後、改革が定着するか否かを見極める必要があるとしている。
ITER は、核融合が無炭素エネルギー源となる可能性があることの証明を目
的としたプロジェクトで、米国の他、欧州連合、中国、インド、日本、ロシア、
韓国が 2006 年に実験炉建設への協力協定に署名した。しかし当初、2016 年
に最初の実験が実施される予定であった建設計画は大きく遅れており、2 年前
の検証で 2020 年になると予測された最初の実験が、最新の検証によると 2025
年~2035 年まで実施されない可能性があることが判明した上、米国による経
費負担が 2014 年までで 39 億ドルとなっており、同プロジェクトへの参加継
続の是非が論議されている。
なお、本報告書は、
<http://www.firefusionpower.org/DOE_US_ITER_May_2016.pdf> か ら ダ ウ
ンロード可能。
American Association for the Advancement of Science, U.S. should stick
with troubled ITER fusion project, secretary of energy recommends
http://www.sciencemag.org/news/2016/05/us-should-stick-troubled-iter-fusi
on-project-secretary-energy-recommends?rss=1