課題名 国際共同研究活動「LIA336 やプロヴァンス大学に係る共同研究

課題名
国際共同研究活動「LIA336 やプロヴァンス大学に係る共同研究
および ITER International Summer School (IISS)等の推進」
研究代表者 伊藤公孝(核融合科学研究所
大型ヘリカル研究部 教授)
研究協力者 海外
Prof. S. Benkadda (LIA336 共同所長:Univ. Provence
および CNRS・フランス)
Prof. Jean-Marc Layet (Univ. Provence・フランス)
Prof. G. Bonhomme(Nancy-University・フランス)
国内
伊藤早苗(LIA336 共同所長:九州大学 応用力学研究所 教授
および伊藤極限プラズマ研究連携センター長)
矢木雅敏(九州大学 応用力学研究所 教授:
現在日本原子力研究開発機構グループリーダー)
稲垣 滋(九州大学 応用力学研究所 准教授)
浜口智志(大阪大学 工学研究科 教授)
Cedric Thomas (大阪大学 工学研究科 外国人特別研究員)
東井和夫(核融合科学研究所 大型ヘリカル研究部 教授)
藤堂泰(核融合科学研究所 大型ヘリカル研究部 教授)
加藤太治(核融合科学研究所 大型ヘリカル研究部 助教)
洲鎌英雄(核融合科学研究所 大型ヘリカル研究部 主幹 教授)
山田弘司(核融合科学研究所 大型ヘリカル研究部 総主幹 教授)
1.
目的と期待される成果
「磁場核融合に関する国際連携研究所 LIA336」やプロヴァンス大学との協力等に関
わる国際共同研究活動を通じて磁場核融合研究の共同研究を推進し国際学術拠点への
発展を目指す。さらに ITER International Summer School(IISS)を振興させ国際的人
材育成にも寄与する事を目指す。
特に今年度当初に期待された成果としては:
1.1 LIA336 の国際評価委員会の高い評価によって LIA336 の延長を提案する;
1.2 磁場や磁場構造というテーマに関する研究成果に焦点を当てて展開する;
IISS-2011 を推進する;
若手研究者の育成を重んじる;
という観点から、プロヴァンス大学との協力や開催される LIA336 の国際共同研究活動、
IISS への講師派遣などを推進し研究成果をあげる。
2.
成果
2.1 LIA336 の延長
LIA336 の設立以来4年間の成果についてフランス国内での評価が行われ、
研究成果及び twin doctor degree の育成等類のない成果も含め、LIA-336 の成
果が極めて高く評価された。当初4年間の協定は 2011 年 10 月 21 日で満了す
るが、核融合科学研究所、九州大学、大阪大学、プロバンス大学、CNRS によ
って 2011 年 10 月 22 日からの次期 4 年間の延長が合意された。
2.2 ITER International Summer School(IISS)-2012 の推進
2名の講師を派遣して講義水準を高めるとともに1名の学生を聴講生として派遣
した。本企画振興を通じ世界的人材育成を図った。
国際熱核融合実験炉 ITER が目指す DT 核燃焼プラズマにおいて、高速アルファ
粒子と MHD 波動との相互作用によりアルファ粒子の大きな輸送及び損失が危惧さ
れている。今回の ITER サマースクールでは、”MHD and Energetic Particles”と題
して、高速粒子と MHD 波動との相互作用研究を進める各国の専門家を集め、6 月
20 日から 6 月 24 日にわたって 90 分の講義 9 件、
及び 60 分の講義 9 件が行われた。
講義内容について参加学生との活発な質疑応答がなされた参加学生は、米国、メキ
シコ、ブラジル、アルゼンチン、中国、韓国、チェコ、フィンランド、スウェーデ
ン、オランダ、フランス、ドイツ、ベルギー、ロシア、セルビア、イタリア、アイ
ルランド、オーストラリア、カナダ、英国、インド、日本などから 50 名を超える
参加があった。学生のポスター発表もあり、高度な内容のものが多く講師らとの活
発な討論が展開された。
(資料1、2)
2.3 LIA-336 の国際研究ワークショップ企画
国際研究ワークショップを企画実現した。2011 年 12 月 20 日、九州大学にて、
3rd LIA Workshop - International Meeting on 3D Turbulence を開催した。伊藤早
苗、S.Benkadda 両共同所長の両国の研究進展についての講演が行われた。本プラ
グラムに関連し、九州大学杉田博士がフランスプロバンス大学より twin doctor
degree を授与されたので、それを記念する講演(タイトル:’Ballistic Propagation
of Turbulence Front in Edge Plasma’)を行った。(資料3)
2.4
国際共同研究
○ Benkadda 博士を招聘するとともに長距離相関を持つ弾道的な乱流ダイナミ
クスに関する共同研究を行った。まず、乱流場と圧力勾配のふたつの物理量の結
合した弾道的ダイナミクスを研究した。論文執筆を進めた。この成果は後に
Plasma Physics Controlled Fusion 誌に投稿された。
○ Benkadda 博士を再度招聘するとともに長距離相関を持つ弾道的な乱流ダイ
ナミクスに関する共同研究を進めた。上記成果を踏まえ、乱流場と圧力勾配に加
え、速度シアという三つの物理量の結合した弾道的ダイナミクスを研究した。論
文執筆を開始した。
○ 従来の研究領域を広げ、更なる研究の加速を目指した試行も開始した。(1)
核融合科学研究では、プラズマと固体・気体との相互作用も重要な課題であるが、
その過程における磁場構造の効果と言う未踏の研究課題がある。その新領域への
試行を開始している。
(2)プラズマと物質相互作用におけるプラズマ原子分子物
理学の応用にも試行研究を進める事とした。こられの研究を通じて、プラズマダ
イナミックス過程における磁場構造の効果という新領域の研究の推進に寄与する
と考えている。
2.5 人材育成
本プラグラムに関連し、九州大学杉田博士がフランスプロバンス大学より twin
doctor degree を授与され、授与式が九州大学で行われた。
(資料4)
3.
海外からの招聘および海外への派遣
招聘
1 S. Benkadda(Aix-Marseille 大学教授、International Institute for Fusion Science 所長)
九州大学に招聘。
(九州大学の経費による)
3rd LIA Workshop - International Meeting on 3D Turbulence に参加講演を行うと
共に、九州大学杉田博士へのフランスプロバンス大学 twin doctor degree 授与式に
参加。弾道的ダイナミクスを研究し論文を執筆した。
2011 年 12 月 17 日〜12 月 22 日
2 S. Benkadda(Aix-Marseille 大学教授、International Institute for Fusion Science 所長)
九州大学に招聘。
集中講義を行うとともに、長距離相関を持つ弾道的な乱流ダイナミクスに関する共
同研究を進めた。上記成果を踏まえ、乱流場と圧力勾配に加え、速度シアという
三つの物理量の結合した弾道的ダイナミクスを研究した。論文執筆を開始した。
2012 年 2 月 5 日-11 日
派遣
1 核融合科学研究所・ヘリカル研究部・教授 東井和夫
イクサン・プロバンス(フランス)ポール・セザンヌ大学にて IISS 2012 に参加、講
演
平成 23 年 6 月 18 日〜平成 23 年 6 月 26 日
2 核融合科学研究所・ヘリカル研究部・教授 藤堂泰
イクサン・プロバンス(フランス)ポール・セザンヌ大学にて IISS 2012 に参加、講
演
平成 23 年 6 月 19 日〜平成 23 年 6 月 26 日
3 総合研究大学院大学学生 H. Wan
イクサン・プロバンス(フランス)ポール・セザンヌ大学にて IISS 2012 に参加、研
究発表を行う
平成 23 年 6 月 19 日〜平成 23 年 6 月 26 日
4 核融合科学研究所・ヘリカル研究部・教授 伊藤公孝
ストラスブルグ(フランス)コンベンションセンターにて LIA336 の評価・延長に関
する打ち合わせを行うとともに成果発表・講演[1]に掲げる共同研究成果の検討。
(九
州大学の経費とのマッチングファンド)
平成 23 年 6 月 25 日〜平成 23 年 6 月 29 日
5 大阪大学大学院工学研究科・原子分子イオン制御理工学センター・教授 浜口智志
イクサン・プロバンス(フランス)アックス・マルセイユ大学、
プラズマと固体・気体との相互作用の理論的解析と磁場構造の効果検討の試行
平成 24 年 2 月 29 日〜平成 24 年 3 月 4 日(計画中)
6 核融合科学研究所・ヘリカル研究部・助教 加藤太治
イクサン・プロバンス(フランス)アックス・マルセイユ大学、
ダイバータプラズマ対向材料に現れる極限状態での物性理論モデル検討の試行
平成 24 年 3 月 24 日〜平成 24 年 3 月 31 日(計画中)
4.
課題と今後の予定
国際的学術拠点の形成については、大規模研究「非平衡極限プラズマ全国共同連携ネ
ットワーク研究計画」実現に向けた努力を行う。国際交流によって、国際的な評価を高
め、国際的競争力を増すための努力を行う。国際的研究者コミュニティの共同研究交流
拠点形成を生み出す基盤をより確実にする。
具体的研究テーマについて 磁場閉じ込めプラズマ中の乱流に関する研究では、
correlation hunting 法の応用や熱伝達波の高精度観測法の応用に努める。ブロブ等統
計的偏差の大きいダイナミクスの研究を進める。共同研究で行われているプラズマと第
一壁材料の相互作用に関わる磁場配位効果の検討については、水素イオンの捕獲および
化学スパッタリングに関する過程について試行研究を進める予定である。
ITER International Summer School の推進については、次回インドで行われる第 6
回のスクールに2名の講師を派遣する検討を行っている。聴講学生の派遣も検討してい
る。ITER 国際サマースクールをさらに活性化する事が出来るだろう。
5.
成果発表
5.1 論文
[1] T. Voslion, O. Agullo, P. Beyer, M. Yagi, S. Benkadda and X. Garbet
Impact of a shear flow on double tearing nonlinear dynamics
Phys. Plasmas 18, 062302 (2011)
[2] M. Muraglia, O. Agullo, S. Benkadda, M. Yagi , X. Garbet, A. Sen
Generation and amplification of magnetic islands by drift interchange turbulence
Phys. Rev. Lett. 107, 095003 (2011)
[3] Satoru Sugita , Peter Beyer, Guillaume Fuhr, Sadruddin Benkadda, Xavier
Garbet, Masatoshi Yagi, Sanae-I. Itoh, and Kimitaka Itoh
3D Turbulence Simulation of Edge Transport and Impact ofPlasma Rotation
Journal of the Physical Society of Japan (2012) in press
[4] Satoru Sugita, Kimitaka Itoh, Sanae-I. Itoh, Masatoshi Yagi, Guillaume Fuhr,
Peter Beyer, and Sadruddin Benkadda
Ballistic Propagation of Turbulence Front in Tokamak Edge Plasmas
submitted to Plasma Physics and Controlled Fusion (2012)
5.2 講演
[1] O. Agullo, M. Muraglia, S. Benkadda, M. Yagi, X. Garbet and A. Sen
Drift interchange turbulence driven magnetic islands
Proceedings of 38th EPS Conference on Plasma Phys. Strasbourg, 27 June – 1st
July 2011. Abstract P4.080
[2] C. Thomas, K. Karahashi, T. Angot, S. Hamaguchi
Enhancement of hydrogen trapping by heavier ion bombardment in silicon surfaces
64th APS, Annual Gaseous Electronics Conference, November 14–18, 2011; Salt
Lake City, Utah, USA.
Bulletin of the American Physical Society, Volume 56, Number 15 , Poster
FTP1.00066
[3] S.-I. Itoh
Opening and Introduction
3rd LIA Workshop - International Meeting on 3D Turbulence (Itoh Research Center
for Plasma Turbulence/RIAM, Kyushu University, December 20, 2011)
[4] S. Benkadda
On French Activity of LIA336
3rd LIA Workshop - International Meeting on 3D Turbulence (Itoh Research Center
for Plasma Turbulence/RIAM, Kyushu University, December 20, 2011)
[5] S. Sugita
Ballistic Propagation of Turbulence Front in Edge Plasma
3rd LIA Workshop - International Meeting on 3D Turbulence (Itoh Research Center
for Plasma Turbulence/RIAM, Kyushu University, December 20, 2011)
5.3 学位
九州大学杉田博士がフランスプロバンス大学より twin doctor degree を授与された。
資料 1
ITER International Summer School 報告書
東井和夫
磁場閉じ込め方式による制御熱核融合を目指す国際熱核融合実験炉(ITER)は核融合反応プ
ラズマ生成の科学的実証とともに廃炉まで含め 35 年に及ぶ長期の国際的プロジェクトである。
さらに実証炉まで考えるとさらに長期の研究開発が必要である。このような長期の研究を先導す
る優れた若手研究者の育成は核融合研究にとって極めて重要な課題である。このことを目的とし
て ITER 機構の支援の下、ITER 参加国の輪番主催によりこの ITER International Summer
School がこれまでに 4 回開催されている。今回は、フランス、イクサンプロバンスのプロバン
ス大学により主催され、
「MHD and Energetic Particles」と題して 2011 年 6 月 20 日―24 日の
日程で開催された。講義は、90 分の基礎的講義 9 件(L1 – L9)とトピックスを扱った 60 分講義 9
件(S1 – S9)で構成された。講義スケジュールと講師、所属及び講義題目を図1に示す。
私の行った講義 L9 と A. Koenies 氏(IPP Greifswald)の講義 S5 以外はすべて軸対称のト
カマクプラズマを対象とした講義であった。それらの講義では、トカマクプラズマにおけるシア
アルヴェンスペクトルギャップ形成とアルヴェン固有モードの存在、高速イオンとアルヴェン固
有モードの共鳴的相互作用等の基礎が講義された。また、トカマクのディスラプションに伴う逃
走電子生成(L8)についての講義もあった。L6 では JET におけるアルファ粒子や NBI により
生成される高速粒子の計測法についてその基礎が講義された。
私の講義(L9)では、まず、3 次元磁場構造を持つヘリカルプラズマの MHD 平衡と高速イオ
ンの粒子軌道について LHD を例に取り、トカマクプラズマとの差異についての基礎的説明を行
った。特に、Boozer 座標により表された磁場強度のフーリエスペクトルが粒子軌道の特性を決
めるとともにシアルヴェンスペクトルギャップ形成においても重要な役割を果たすことを述べ
た。また、シアアルヴェンスペクトルを決めるもう一つの重要な因子は回転変換分布であり、
LHD ではトカマクと反対の符号の磁気シアを持つ回転変換分布であることを示した。また、
W7-AS や TJ-II ステラレータでは磁気シアがほとんどない回転変換分布であることも紹介した。
LHD のような 3D プラズマでは、ポロイダルモード結合とともにトロイダルモード結合がスペ
クトルギャップ形成に係わる。これによりトカマクプラズマでは現われないヘリシティ誘起アル
ヴェン固有モード(HAE)ギャップが生じ、HAE が現れることを説明した。ただ、トロイダルモ
ード結合の強さは磁場配位のトロイダル周期数 N に依存し、大きな N(=10)を有する LHD で
はトロイダルモード結合は弱く、TAE 等へのその影響は無視でき、トカマクとほぼ同じ特性を
持つことを示した。したがって、LHD における TAE,さらにはトロイダル効果がほとんど関係
しない大域的アルヴェン固有モード(GAE)や反転磁気シアアルヴェン固有モード(RSAE)は、ト
カマクプラズマにおけるそれら特性と変わらないことを説明した。すなわち、これらのアルヴェ
ン固有モード特性には回転変換分布の差異に起因する特徴が現れ、2D あるいは 3D 磁場配位の
差異は現れない。LHD において可能な種々の回転変換分布に対して予想されるアルヴェン固有
モードについて計算結果を示し、それに対応して実験で観測された例を示した。LHD の反転磁
気シア配位では、トカマクと逆符号の反転磁気シア分布となりトカマクの RSAE と異なる周波
数掃引を示すことを説明した。次に、LHD における高速イオン励起 TAE による高速イオン輸
送と損失過程の基礎について説明した。高速イオン軌道 MHD モードの非線形発展、高速イオ
ン励起測地線音響モード(GAM)やモード間結合、高速イオン駆動モードの背景プラズマ閉じ込
めへの影響など、ヘリカルプラズマには多くの興味深い課題があることを紹介して本講義のまと
めと展望とした。
資料 2
第5回 ITER International Summer School 出張報告
核融合理論シミュレーション研究系
藤堂 泰
会議名 第5回 ITER International Summer School (http://sites.univ-provence.fr/iterschool/index.php)
開催期間 2011 年 6 月 20 日〜24 日
開催場所 エクス・アン・プロヴァンス(フランス)
講義題目 Nonlinear Simulations of Alfvén Eigenmodes Destabilized by Energetic Particles
概要
第5回 ITER International Summer School (IISS2011)は “MHD and Energetic Particles”
をテーマとして、18件の講義と参加学生が発表するポスターセッションおよび ITER サイトと
Tore Supra トカマクへの見学ツアーなどで構成されていた。講師の所属分布は、米国7人、欧
州6人、日本2人、ロシア・インド・ITER が各1人であった。日本からの参加者は、講師の東
井教授と藤堂、学生の斎藤君(名大)と王君(総研大)の合計4人であった。IISS2011 の講義
の集録は AIP Proceedings Series として出版される予定であり、そのための原稿を現地実行委
員長の Benkadda 教授に提出した。以下の内容について講義を行った。
1.環状プラズマにおける高エネルギー粒子とアルフベン固有モードの相互作用について解説し
た。アルフベン固有モードが高エネルギー粒子によって不安定化される物理機構が一般化した逆
ランダウ減衰として理解できること、アルフベン固有モードは高エネルギー粒子分布の空間勾配
が原因となって不安定化され、その場合のアルフベン固有モードのトロイダル角・ポロイダル角
に関する伝播方向は高エネルギー粒子の空間勾配の正負によって決まることを説明した。
2.高エネルギー粒子とアルフベン固有モードの時間発展を計算する二つのシミュレーションモ
デル、即ち高エネルギー粒子-MHD 連結シミュレーションモデルと摂動論的シミュレーション
モデルについて説明した。
3.ポアンカレ断面図を用いた高エネルギー粒子の輸送・損失機構の解析について説明し、アル
フベン固有モードによる粒子捕捉と共鳴の重なりについて解説した。
4.TFTR における NBI 加熱実験で観測されたアルフベン固有モードバーストとそれに関する
シミュレーション研究の進展を紹介した。
Wang 君のポスター発表について
発表者 王 灏 (WANG, Hao)
発表者所属 総合研究大学院大学 物理科学研究科 核融合科学専攻
学年 博士後期課程2年(発表当時)
発表題目 Simulation Study of Energetic Particle Driven Instabilities in Reversed Shear
Plasmas
発表内容
高エネルギー粒子・MHD 連結シミュレーションコードを用いて反転磁気シアアルフベン固有
モード(RSAE モード)の性質と RSAE モードによる高エネルギー粒子輸送を調べた。安全係数極
小値(qmin)の異なる反転磁気シア配位を調べ、qmin の値に対応して RSAE モードの周波数が異な
ること、qmin が一定値を下回ると RSAE モードが TAE モードに遷移することを示した。プラズ
マ電流の向きに対する順進行粒子と逆進行粒子に着目し、TAE モードが両者と相互作用するの
に対して、RSAE モードは主としてどちらか一方とのみ相互作用することを明らかにした。同
一の周波数ギャップ中に存在する高周波 RSAE モードと低周波 RSAE モードを比較し、低周波
モードが順進行粒子を輸送するのに対して、高周波モードは逆進行粒子を輸送することを示した。
加えて、高エネルギー粒子駆動型測地音響モードのシミュレーション結果を紹介した。
図1 講義日程と講義題目
資料 3
杉田暁博士によるプロバンス大学からの学位授与記念講演
資料 4