「大学生のための健康管理支援の試み」

2008年度 第1回常磐短期大学FD研究会
2008年度 常磐大学FDフォーラム
「大学生のための健康管理支援の試み」
常磐短期大学
大学生のための健康管理支援の試み
幼児教育保育学科 紙 透 雅 子
私たち教員は,学生に対して少しでも分かりやすい授業を行うため,工夫を
していかなければならないのはいうまでもありません。私はこれまで,長くス
ポーツの指導をして参りましたが,選手が何を考えているのか,どんな技術を
持っているのか,あるいはどのような性格なのかということを知らなければ,
的確な指導ができないということは,身に沁みて感じてきたことです。逆にい
えば,何かを指導しようとするときには,相手を知ることが大切であり,それ
でこそ適切な指導方法がつかめるのだと考えております。短大の授業でも全く
同じことがいえるわけですが,では,どのように学生たちの状態を把握したら
よいのでしょうか。本日は,私が日頃大学で教鞭をとらせていただいている中
で,学生たちの様子を把握するために実際に行っていることを,ご紹介したい
と思います。
今節の大学教員は皆,
学生たちが「なぜ授業中におしゃべりしているのか」
「ど
うしてレポートを提出しないのか」
「なぜ遅刻や欠席が多いのか」,あるいは「ど
うして反抗的なのか」などということに,日頃から頭を悩ませていることと思
います。授業には出て来るけれど,きちんと座っていられず,寝そべったり居
眠りしたり,集中力がなかったり,無駄話をする学生もいます。また,それら
を注意すると,ふてくされて反抗的な態度をとるなど,非常に子供っぽい態度
をとる学生さえいるのです。そのようなお粗末な態度をとることに加えて,授
業中に身体の調子がおかしくなり,
「トイレに行かせて」とか,「気持ちが悪い
から保健室に行かせて」などという申し出さえ珍しくありません。先生方も授
業中に,そのような学生への対応を余儀なくされた経験がおありだと思います。
そんな時私は,
「なぜそんなに休むの?」
「もっと早く家を出なさい」「提出
しなければ単位は出さないよ」
「背筋をまっすぐに伸ばしなさい」など,そっ
と心の中でつぶやくか,あるいは実際に声に出しているのが現状です。まるで
小学生を相手にしているかのようです。ただ今お見せしているスライドには,
― ―
「そんなに勉強が嫌なら,出て行きなさい」とありますが,これはもう最後通
告のようなものです。私は数年ぐらい前までは,このようなことを頻繁に言っ
ておりましたが,最近は歳をとったせいか,あまり口にしなくなりました。「仕
方ないな」と,若干諦めの境地になってきたのかもしれません。
しかし,諦めているばかりではありません。どうしたら授業の質が向上する
のかということを検討し工夫することは,教員として当然の義務でしょう。例
えば,講義の内容が学生のレベルに合っているか,授業の進度が早すぎないか
などといったことを見直し,授業内容の配列や教材の提供の仕方を工夫し,学
生たちが授業への積極的な関わりのできるような形態をとれないか検討しま
す。中でも私が特に配慮することは,教員が一人舞台で授業を進めることは避
け,できるだけ学生に発言を求めるということです。教員と学生の間でやり取
りがあり,その相互作用の中で,より良いアイディアが生まれたり,新たな着
眼点が見つかったりするような授業ができれば,大成功だと思うからです。そ
のためには学生と教員が,互いに何を考えているかを理解し合わなければなら
ないのですが,特に教員が学生を知る努力をすることで,より良い授業ができ
るようになるというのが私の持論です。
そのような授業の中で,学生たちが思うように動いてくれないからといって,
教員がただ叱るだけでは,根本的な問題は解決しないでしょう。学生の問題行
動の裏側には,それなりの原因が隠されている場合があるからです。いろいろ
な悩みを抱えている学生も,数多く存在します。ですから,教員は頭ごなしに
叱るだけでなく,学生の状態に応じた対応のし方を検討しなければ,決してよ
い教育には結びつかないと思うのです。教員は独りよがりにならぬよう,学生
たちの声に耳を傾けてみるべきではないでしょうか。
学生を理解するための方法として,私が盛んに行っているのは,調査の実施
と個別面談の二つです。
まず調査としては,学生支援センターの指導教員に配布される学生個人記録
を利用することが挙げられます。ご存知のことと思いますが,そこには学生の
氏名,住所,電話番号,メールアドレス,それから保護者の氏名,現住所,電
話番号,勤務先などが記載されておりますので,それらのデータにより,その
学生の生活環境のアウトラインを把握することができます。以前は,学生の家
族構成や日常生活についても記載するような,もっと詳しい書式だったはずで
すが,個人情報保護の観点から,現在ではだいぶ簡素化されたようです。
― ―
しかし,私は現在でも,学生たちを良く理解するためには,もう少し詳しい
情報が必要ではないかと考えています。そのため,私の担当するクラスの学生
には,あらかじめ,学生指導のためだけに使用することを知らせた上で,より
詳しい情報を学生自身の手で記載させています。内容は,出身校,家族構成,
趣味,自分の長所・短所,アルバイト先なども含みます。このような学生のバッ
クグラウンドまで把握していなければ,十分な指導はできないと考えるからで
す。もちろん個人情報ですから,指導教員は学生が卒業するまで大切に保管し,
適宜活用します。 この基礎データに追加して,私は「健康調査」というものも行っていますが,
そこには,現在に至るまでの運動経験,健康上気になること,あるいは慢性的
な疾病を持っているかどうかなどの項目が含まれます。学生の持つ疾病などに
ついて知らずに体育の指導を行うのは,考えてみれば大変に恐ろしいことです。
事前に把握していれば,教員も学生も安心して体育の授業を行うことができま
すし,危険を回避するための方策を考えたり,万が一の際の対応について,あ
らかじめ勉強したりしておくこともできます。
こうした健康調査を実施すると,体育関係の実技あるいは演習の受講者の約
1 割程度の学生が,授業に際し何らかの配慮が必要であるということがわかり
ます。そのような学生に対しては,授業が開始される前に簡単な面接をして,
どんな症状なのか,どんな対策を取ったらよいかなどを確認した上で,授業へ
の参加を促すべく励ましのことばをかけたりします。そうすることで,学生も
教員も安心して授業に入ることができるのです。また,授業開始後に病気になっ
たり,交通事故などで怪我をしたりということも起こります。大事に至らない
までも,授業中に何か事故が起こることもありえますので,その都度学生の様
子をよく見ながら授業を進めていきます。
次に,実際の健康調査の結果ですが,2008 年と 2007 年のデータを示してみ
ました(4ページ表1.参照)。アトピー性皮膚炎,喘息,過呼吸,不整脈,貧
血,生理痛,腰痛,巻爪などの疾病や症状があがっています。なかには甲状腺
機能亢進症という難しい名称の疾病をもつ学生もいました。
このようにして得られた情報に基づき,どのように授業に参加していくかと
いうことについて,学生と一緒に方針を決め,進めていくわけです。難しい疾
病をもった学生については,保健室の専門の先生と相談し,どのような対応を
すべきかなど,的確なアドバイスをいただけますので,学生も安心ですし,教
― ―
員も適切な指導ができます。ですから私にとって保健室の先生は,心強い守護
神というわけです。
ところで,常磐大学ではどのくらいの学生が保健室を利用しているのでしょ
うか。2007 年度の短大生の在籍数は 833 名で,年間 380 回の利用がありました。
その中には,1 人で 10 回も保健室を利用したという学生も含まれておりますか
ら,この数は延べ人数と考えていただきたいと思います。2006 年度も 335 回と,
だいたい同じような件数です。これは非常に多い人数ではないかと私は考えま
す。一方,四大の方は在籍者も多いので,利用件数も多くなります。2007 年度
は在籍者 2,389 名で 668 件,2006 年度は 2,619 名の在籍者で 697 件の利用があ
りました(表2.参照)
。
表 1. 健康調査の結果
症状・疾病
2007 年度
2008 年度
アトピー性皮膚炎
1
2
喘息
3
2
過呼吸
0
2
不整脈
0
1
甲状腺機能亢進症
0
1
貧血
0
1
生理痛
0
2
靭帯損傷
3
5
腰痛
4
1
巻爪
1
0
合計件数
12
17
調査回答数
94
138
表2.常磐大学における保健室利用状況
(常磐大学保健室調べ)
年 度
2006
2007
短大生
四大生
件 数
335
697
在籍者数
877
2,619
件 数
380
668
在籍者数
833
2,389
― ―
続いて保健室の利用状況の内訳ですが,2007 年度には,短大生 36 件と四大
生 150 件が,
「相談」ということで利用しています(表3. 参照)。この「相談」
という理由で保健室を利用している学生が存在するということを,ご記憶いた
だきたいと思います。頭が痛むなどの具体的な症状を改善したいという理由で
はなく,何かを相談したくて保健室を訪れる学生が,少なからず存在するとい
うことなのです。
さて,学生に対して望ましい指導を行っていくには,保健室と情報を共有す
るということに加え,学科内でも情報を共有することが必要です。ご承知のよ
うに,幼児教育保育学科の学生は幼稚園などにおいて実習を行いますが,1 年
生のうちにつまずいてしまうと,すぐに学外の実習に参加できないということ
になります。そこで,授業を休みがちな学生に対しては,なぜそのような状況
になっているのかということも含めて,学科の中で情報を共有しながら,学生
を見守っていくことが大切なのです。私は体育の教員として,特に学生の健康
状態にはかなり注意を払っておりますので,その観点から得た情報は,他の教
科の先生方とも共有しなければならないと思っています。
既にお話ししましたように,入学直後から学生の健康状態を含めた詳しい情
報を収集するわけですが,それらの情報は,どんどん更新して行かなければな
表3.保健室利用状況内訳 (2007 年度)
症
状
短 大 生
四 大 生
外傷
30
42
風邪
39
46
胃痛・腹痛
36
39
生理痛
54
54
頭痛
32
56
4
19
体調不良
下痢
68
108
整形外科的症状
29
71
眼下疾患
9
18
皮膚疾患
16
15
検査
8
5
相談
36
150
その他
19
45
合計
380
668
*数字はすべて件数
― ―
りません。学生は短大生活の 2 年間,日々成長していきますから,その成長の
足跡を把握することが重要なのです。 では,そのために非常に有効となる面談の話に移りましょう。
個人面談を行い,1 人 1 人の学生と落ち着いて向き合う機会を持たない限り,
学生の変化を見いだすのはとても難しいことですので,春セメスターでは,ま
ず 4 月に面談を行い,入学直後の不安を受け止めるように致します。そして,
5 月のゴールデンウィーク明けにも,いわゆる「5 月病」に陥っている学生が
いないかなどを確かめます。6 月には,勉強の進み具合などに関して相談を受
けることがあります。そして 2 ヶ月あまりの夏休みが過ぎ,秋セメスターに入
ると,きちんと授業に戻れずにいる学生がいないか,確認をします。優秀な学
生であれば,それほど頻繁に話し合いをしなくて済むのですが,中には毎月,
あるいは週に 2 回くらいの頻度で,こちらからの呼びかけを必要とする学生も
います。学生の方から「話を聞いてもらいたい」と言って,やってくる場合も
あります。いずれにしても,学生の資質に応じた個別指導が求められるわけで
す。さらに 1 月には,初めての学外実習を前にして緊張する学生の不安を取り
除くように,実習担当教員とも連携しながら面談をします。ですから,1 年次
には春セメスターで 2 〜 3 回,秋セメスターも,学生によりますが,2〜 3 回
の個人面談を行っています。
次に 2 年生になってからの個別面談ですが,1 年生の学業が順調に進んだ学
生もいれば,いわゆる落ちこぼれの学生も出てきます。ですから,ここでも個
別の対応が必要になってきます。春セメスターでは6月の保育実習に向けた励
ましの声をかけ,7 月にはその実習がどうだったか、聞き取りを致します。続
く秋セメスターでは,夏期休暇中の保育実習と教育実習の様子を聞き取りする
など,やはり実習が大きなカギになっています。
今年私のクラスには,夏休みに実習に出られない学生もおりましたが,そん
な学生には,余裕ある夏をどのように過ごしたかを語ってもらいます。そこで
出てきた内容を元に,秋セメスターに備えた心構えをさせるような指導も,か
なり有効ではないかと感じております。秋に入ると大切な就職活動も始まりま
すので,学生支援センター(キャリア支援担当)と連携し,就職の方向性を見
極めながらの指導になっていきます。
このように面談を重ねていく上で,私が心掛けておりますことは,縁があっ
て担任になった以上,なるべく学生との間で信頼関係が持てるようなスタンス
― ―
を築くべく努めることです。何か困ったことが起きた時に,この先生になら相
談できると学生たちに思ってもらえたら,非常に対応が楽になります。つまり,
学生にトラブルが起きる前に,早めに良い人間関係を築いておくことが大切な
のです。トラブルや問題が起きてから,初めてその学生を知ろうとするのでは,
遅きに失するというものでしょう。たとえ 5 分間の面談でも,この信頼関係の
構築にとっては,とても有効だと感じています。
そうはいいましても,私のクラスにも 30 名以上の学生がおりますので,3 ヶ
月の間にその全員と 3 回ずつ会うというのは,時間的にみても簡単なことでは
ありません。1 名あたり 10 分〜 15 分の時間を取り,学生にも理解と協力を求め,
週 2 回から 3 回,昼休みを徹底的に利用して面談を実施していくのが精一杯と
いうところです。おまけに,担当クラス外の学生から相談を受けることもあり
ますので,教員は学生のために時間を割く努力が必要です。
それならば,あまり多くの負担を背負わないようにすればよいのですが,い
かにも元気の無い学生を目にすれば,私の方から,「あなた大丈夫?」と学生
に声をかけない訳には参りません。どんな学生に声をかけるかというと,授業
中,辛そうにしていたり眠そうにしたりしている学生や,遅刻や欠席が多い学
生です。提出物を出さない,出したとしても文字が乱れていて読めないような
学生は,何か問題を抱えていることがあります。表情が乏しく,発言をするの
に時間がかかる学生も要注意です。他の教員から情報をいただくこともありま
すが,このような学生を見つけると,授業終了後すぐに声をかけたり,その学
生と仲のよい友達を通じて,様子を聞いたりします。これは案外有効な場合が
多いのです。
そうしたきっかけから,これもまた個別に面談をすることになるわけですが,
それにより,家族関係の悩み,アルバイト先での問題,友人や男女関係の悩み,
金銭トラブル,交通事故など,いろいろな悩みが明らかになってきます。もち
ろん,その解決のためのアドバイスをしますし,必要に応じて指導教員や保護
者と連絡を取ることもあります。また,専門的な相談の必要があると判断した
場合は,保健室を窓口として,学生相談の手続きをお願いすることもあります。
学生の様子がおかしいと思われる場合には,健康上の問題が原因ということ
もあります。夜,眠れないまま学校にきているような場合,それが生活習慣の
せいか,それとも睡眠障害のような病気が関係しているのかといった見極めも
大事です。貧血,頭痛,腰痛,月経障害などの悩みを打ち明ける学生もいます。
― ―
このような不快症状の改善や病気の治療が必要と思われる場合には,保健室へ
連絡を取り,専門家にバトンタッチします。また,生活習慣の改善によって軽
減される悩みについては,食生活や睡眠のとり方を工夫し,運動不足の解消を
図ればよいと思われます。運動は私の専門分野ですので,何とか自分で対応で
きますが,他の分野の改善については,専門家にアドバイスを求めるように学
生を導きます。必要と判断される場合には,家庭とも連絡を取ります。
このように,教員が学生の健康問題に気づき,それを解決してあげたいと考
えた時,特定の個人の負担にならないようにするシステムがあれば,どんなに
よいでしょうか。
先に,
保健室に「相談」に来る学生が少なからずいるという話しをしましたが,
実はその内容は,大半が精神的な問題に関する相談なのです。2007 年に行われ
た学生相談のうち,短大生の 86%,四大生の 83%が精神的な悩みの相談のた
めに訪れております。もう少し詳しく説明すると,精神状態が不安定だとか,
進路や将来,人間関係,性格の悩みなどの相談が寄せられているという現状が
あります(表4.参照)
。また,保健室でそのような相談をした学生たちの約 9
割が,学生相談室のカウンセリングを受けています。
そのような対応をする保健室の職員の責任は大変に重く,学生 1 人あたりの
相談には,30 分から 2 時間かかると報告されています。同じ学生が何度も保健
表4.保健室における学生の相談内容(2007 年度)
相 談 内 容
精神面の相談
短 大 生
19
(7)
71
(12)
進
路・
来
6
(4)
11
(6)
人
間
係
4
(3)
34
(16)
格
2
(1)
9
(4)
小 計 31
(15)
125
(38)
将
関
性
生
身体面の相談
理
3
(2)
5
(5)
体
調
不
良
1
(1)
11
(10)
身
体
状
況
1
2
(2)
18
(17)
疾患の治療法など
障
害
合 計
関
(1)
–
小 計 その他
四 大 生
精神状態不安定
5
連
(4)
–
36
(19)
–
7
(2)
150
(57)
*数字は件数,
( )内は人数
― ―
室を訪れますから,カウンセリングと平行して相談を受けられるような体制を
作らなければならないと思います。保健室にカウンセラーを常駐させていただ
きたいという願いもあります。また,重篤な症状のある学生も存在しますので,
それに気づいた教職員が,安心して対応をお任せできる受け皿として,学生の
健康管理支援のシステムが,学内にできることが望まれる訳です。
そうしたシステム作りを望む一方,学生たちが自分の健康状態に気を配り,
体調を的確に把握できるようにする教育が必要だと思うのです。私の担当する
「身体活動論」や「総合演習」の授業では,学生たちに就寝・起床時刻や食事
内容を記録させたり,体温測定や歩数計による運動量の測定,安静時と運動時
の心拍数の比較などを行ったりしています。このことで,学生たちが自分の体
の変化に目を向ける習慣をつけ,自ら健康を管理する意識を持たせるような方
向付けができると考えるからです。
まとめに入りますが,教員や職員が個人的に学生の悩みを受け止めて対応す
るということには,やはり限界があります。ケアを必要とする学生にタイミン
グを逃さず対応するためには、教員・学生支援センター・保健室・寮・などの
職員間で,情報を共有し連携することのできるシステム,つまり組織作りが必
要だと思うのです。
当面は,
「保健室」を「保健センター」と呼べるように,専門的な職員を充
実させると共に,利用者のプライバシーを保つに十分なスペースを確保するこ
とが,本学の課題ではないかと思います。その上で,「保健センター」を軸と
した,健康管理支援のためのネットワークを構築するという発想を生かすべき
でしょう。そこでは,関係部署が孤立してばらばらに動いていてはなりません。
また,特定の職員のみに過重な負担がかからないように,人員配置と勤務体制
とが配慮されねばならないでしょう。そのようにして,学生の健全なキャンパ
スライフを支援するための「組織」を作り上げていくことが望まれます。
その上で,学生の心身のケアを行いながら,本学の定める教育目標の実現に
向かって,教員ひとりひとりが努力を積み重ねていくことこそが,より良い授
業を生み出していくに違いありません。
きめ細やかな学生支援が,私どもの短大の評価を決めるといって過言ではな
いでしょう。本日私の述べましたことは,常磐短大が今後もこの路線からはず
れることなく進んでいくための,一つのアイディアと受け止めていただければ
幸いです。ご清聴真に有難うございました。
― ―
2008年度 第1回常磐短期大学FD研究会
「大学生のための健康管理支援の試み」
発行日
2011年3月30日
発行所
常磐短期大学FD委員会
〒310-8585 茨城県水戸市見和1−430−1
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