笑い ――おかしさの意義についての試論―― Le rire ― Essai sur la signification du comique,1990. 東洋史学専修3回 安ヵ川みる 本書の構成 「笑い」と「おかしさ」の構造を古典喜劇に題材をとって分析 第1章 おかしさ一般 形のおかしさ 運動のおかしさ おかしさの膨張力 第2章 状況のおかしさと言葉のおかしさ 第3章 性格のおかしさ おかしさの基本的条件 1.人間的なものを含むこと ex.おかしな形の帽子 2.笑いに伴う無感動 ex.白けた状態で観る悲劇 3.他と接触をもつこと ex.反響の必要性 ⇒笑いは共同生活の要求に応じたもの 生と社会が我々に求めるもの =身体と精神の緊張としなやかさ たとえば・・・ 通りを走っていた男がつまずいて転ぶ =身体面でのこわばり 騎士道物語にこだわるドン・キホーテ =精神面でのこわばり →滑稽な印象 こわばり とは・・・ 優美(柔軟で、永遠に動く魂の努力)に対 比されるもの 物質の抵抗 →魂の生の鈍重化 →優美の欠損 ⇒こわばり 発生 小結 おかしさ とは 生きたものの上にかぶせられた機械的なもの 笑い とは 懲罰としての社会的身振り 類型化を志向 →多くの人に及ぶことが望ましい まとめ 笑いとは・・・ 強制し、教化するという無意識の底意 屈辱を与えるためのもの 「自然は、善のために悪を利用した」
© Copyright 2024 Paperzz